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第153話 不機嫌な母
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その後コレット令嬢は両親と病院の出入り口で待ち合わせをしているからと言って帰ることになったので、私も一緒に席を立った。
「それではエルザ様。私はこれで失礼致します」
「はい。どうぞお元気で。コレット様」
カフェの前で私達は互いに別れの挨拶をするとコレット令嬢は出入り口へ、私はセシルが入院している病室へ足を向けた――。
**
セシルの入院している病室に着くと、部屋の扉をノックした。
コンコン
するとすぐに扉が開かれ、お義母様が出迎えてくれた。
「お帰りなさい、エルザ」
「はい、只今戻りました」
「とりあえずお入りなさい」
「はい」
お義母様に促され、病室へ入ると中では母が待っていた。
「エルザ、お帰りなさい。それではそろそろ準備の為に一度戻りましょうか?
「ええ、そうね」
頷くと、お義母に声を掛けた。
「お義母様、それでは一度準備をしに自宅へ戻らせて下さい」
「ええ、分かったわ。その間に私はホテルを手配しておくわね?」
義母はやつれた顔をしていながらも、私がセシルの看病につくことに決めたからであろうか?どこか嬉しそうに見えた。
「では夫人。エルザと一度荷物を取りに戻らせて頂きますね」
母はドレスの裾をつまんで挨拶をした。
「ええ、分かったわ。エルザをこちらへよこしてくれることを許可してくれてありがとう。ブライトン夫人」
「いいえ。エルザの意見を尊重したまでですので。それでは失礼致します」
「失礼致します」
私も母に倣って義母に挨拶をすると、ルークが寝かされているベビーカーを押して病室を後にした――。
****
ガラガラと走る馬車の中で、母は無口だった。
黙って窓の外を眺める様子は何となく不機嫌そうに見える。
「お母様……ひょっとして怒っているの?」
眠っているルークを胸に抱きながら母に尋ねた。
「そうね。怒っている…と言うよりは、正直気分は良くないわね」
「私がセシルの病院に付き添うから?」
「当然でしょう?貴女はセシルの病院に付き添う義理なんか何も無いのに‥‥。私達がアンバー家の頼みを断れないのを分かり切ったうえで頼んできたのよ?エルザは忙しいと言うのに‥‥」
「でも私、それほど自分が今忙しい立場だとは思ってないわよ?結婚するまではお父様と一緒に会社のお手伝いはしていたけれども、今はルークのお世話しかしていないのだから」
すると母は首を振った。
「何を言ってるのエルザ?子育てだって立派な仕事よ?決して楽なものでは無いわ。それなのに、貴女にセシルの付き添いを頼むのだから」
「お母様‥‥セシルはまだ意識が戻らないのよ?それに私は沢山セシルにお世話になったわ。彼が目を覚ますお手伝いをするのは当然だと思うのよ」
「エルザ…」
お母様は少しの間、目を見開て私を見たけれども…やがてため息をついた。
「…そうね。少し言葉が過ぎたかも…。分かったわ。アンバー家に協力してあげなさい?」
「はい、お母様」
返事をすると、私は馬車から見える外の景色に視線を移した――。
「それではエルザ様。私はこれで失礼致します」
「はい。どうぞお元気で。コレット様」
カフェの前で私達は互いに別れの挨拶をするとコレット令嬢は出入り口へ、私はセシルが入院している病室へ足を向けた――。
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セシルの入院している病室に着くと、部屋の扉をノックした。
コンコン
するとすぐに扉が開かれ、お義母様が出迎えてくれた。
「お帰りなさい、エルザ」
「はい、只今戻りました」
「とりあえずお入りなさい」
「はい」
お義母様に促され、病室へ入ると中では母が待っていた。
「エルザ、お帰りなさい。それではそろそろ準備の為に一度戻りましょうか?
「ええ、そうね」
頷くと、お義母に声を掛けた。
「お義母様、それでは一度準備をしに自宅へ戻らせて下さい」
「ええ、分かったわ。その間に私はホテルを手配しておくわね?」
義母はやつれた顔をしていながらも、私がセシルの看病につくことに決めたからであろうか?どこか嬉しそうに見えた。
「では夫人。エルザと一度荷物を取りに戻らせて頂きますね」
母はドレスの裾をつまんで挨拶をした。
「ええ、分かったわ。エルザをこちらへよこしてくれることを許可してくれてありがとう。ブライトン夫人」
「いいえ。エルザの意見を尊重したまでですので。それでは失礼致します」
「失礼致します」
私も母に倣って義母に挨拶をすると、ルークが寝かされているベビーカーを押して病室を後にした――。
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ガラガラと走る馬車の中で、母は無口だった。
黙って窓の外を眺める様子は何となく不機嫌そうに見える。
「お母様……ひょっとして怒っているの?」
眠っているルークを胸に抱きながら母に尋ねた。
「そうね。怒っている…と言うよりは、正直気分は良くないわね」
「私がセシルの病院に付き添うから?」
「当然でしょう?貴女はセシルの病院に付き添う義理なんか何も無いのに‥‥。私達がアンバー家の頼みを断れないのを分かり切ったうえで頼んできたのよ?エルザは忙しいと言うのに‥‥」
「でも私、それほど自分が今忙しい立場だとは思ってないわよ?結婚するまではお父様と一緒に会社のお手伝いはしていたけれども、今はルークのお世話しかしていないのだから」
すると母は首を振った。
「何を言ってるのエルザ?子育てだって立派な仕事よ?決して楽なものでは無いわ。それなのに、貴女にセシルの付き添いを頼むのだから」
「お母様‥‥セシルはまだ意識が戻らないのよ?それに私は沢山セシルにお世話になったわ。彼が目を覚ますお手伝いをするのは当然だと思うのよ」
「エルザ…」
お母様は少しの間、目を見開て私を見たけれども…やがてため息をついた。
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「はい、お母様」
返事をすると、私は馬車から見える外の景色に視線を移した――。
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