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第116話 初めての対面、そして…
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セシルはそっと運んでくれているのだろうけれども、出産直後の身体にベッドが動く振動は正直堪えた。
「う…」
思わず痛みに呻くと、セシルが申し訳無さそうに謝ってきた。
「ごめん、エルザ。なるべく静かに運んでいるつもりではあるんだが…兄さんの元へ急がないと…本当に…もう危険なんだ…」
セシルが今にも泣きそうな顔で私を見た。
「セシル…。大丈夫、きっとフィリップは…私と子供が来るのを…まっていてくれるはずよ…」
「…そうだな…」
そしてセシルは前を見つめた。
「きっと…間に合ってくれる…」
「ええ…」
そして私は痛みを耐える為に目を閉じた―。
「兄さんっ!」
セシルが扉を開けると、私を寝かせたベッドをフィリップのいる室内へ運びいれた。
「エルザッ!」
「生まれたのかっ?!」
お義父様とお義母様がこちらを振り向き…母の抱いている赤子を見た。
「う、生まれたのね…」
「良かった…間に合ったか…」
お2人とも相当心労がたたったのか、やつれた顔をしている。
「お義父様…お義母様…フィリップは…?」
何とか声を振り絞って尋ねた。
「大丈夫だ…意識は今は無いが…まだ…生きている…」
ベッドに寝かされているフィリップの様子は、同じくベッドに寝ている私には様子が伺えない。
「セシル…。お、お願い…。フィリップのところへ…」
「ああ、分かってる」
セシルは頷くと、私が寝かされているベッドをフィリップのベッドに近づけていく。
「フィリップ…」
フィリップの眠っているベッドの隣に横付けされると、私は必死になって身体を起こした。
「エルザッ!無理しては駄目よっ!」
母が悲痛な声を上げる。
「私なら…だ、大丈夫…それより…赤ちゃんを…フィリップに見せて…あげて…」
「わ、分かったわ!」
子供を抱いた母はフィリップの側に近付いた。
「まぁ…この子が…」
「フィリップの子供か…」
お義父様とお義母様が母の腕の中で眠る赤子を愛おし気に見つめる。
「フィ、フィリップ…」
必死で身体を起こそうとしていると、背後から身体を支えられた。
「エルザ、俺が起こしてやる」
「セシル…」
セシルが私の身体を起こしてくれたお陰で、フィリップの顔を見ることが出来た。
フィリップの顔は土気色で…本当にこれでまだ生きているのだろうかと疑いたくなるものだった。
「フィリップ…」
震えながらそっとフィリプの頬に触れた。
「……」
しかしフィリップは無反応だ。
「フィリップ…お願い…。目を開けて…私よ。エルザよ…。貴方との赤ちゃんが生まれたのよ…?」
すると母が眠っている赤子をフィリップの枕元にそっと置いてくれた。
「フィリップ…お願い、私を見て…。私達の赤ちゃんを…見てよ…」
涙を流しながら、フィリップの頬に触れる。
静まり返る部屋には私の泣き声と、皆の嗚咽だけだった。
その時…。
ポタリ
私の涙がフィップの頬に落ちた。するとフィリップのまぶたが震え…ゆっくり目をあけた。
「エ…ルザ…」
「フィリップッ?!」
するとフィリップは今にも消え入りそうな声で語りかけてきた。
「よ…良かった…最後に…どう…しても…一目だけでも…君に…会いたかったんだ…」
「フィリップ…ッ!」
私の目から大量の涙が溢れ出した。
「フィリップ…と、隣を見て…私達の赤ちゃん…可愛い男の子…よ…」
するとフィリップは自分で首を少しだけ動かし…生まれたばかりの赤子を見た。
「かわいい…な…。君に…そっくりだ…」
弱々しい笑みを浮かべる。
「フィリップ…」
私の涙は止まることを知らない。
「エルザ…。ありがとう…僕と…結婚…してくれて…子供も…」
「当然でしょう…?だって私は貴方を…愛しているのだもの…」
「ありがとう…僕も…だよ…。エルザ…子供を…たの……」
そしてフィリップは…目を閉じた――。
「う…」
思わず痛みに呻くと、セシルが申し訳無さそうに謝ってきた。
「ごめん、エルザ。なるべく静かに運んでいるつもりではあるんだが…兄さんの元へ急がないと…本当に…もう危険なんだ…」
セシルが今にも泣きそうな顔で私を見た。
「セシル…。大丈夫、きっとフィリップは…私と子供が来るのを…まっていてくれるはずよ…」
「…そうだな…」
そしてセシルは前を見つめた。
「きっと…間に合ってくれる…」
「ええ…」
そして私は痛みを耐える為に目を閉じた―。
「兄さんっ!」
セシルが扉を開けると、私を寝かせたベッドをフィリップのいる室内へ運びいれた。
「エルザッ!」
「生まれたのかっ?!」
お義父様とお義母様がこちらを振り向き…母の抱いている赤子を見た。
「う、生まれたのね…」
「良かった…間に合ったか…」
お2人とも相当心労がたたったのか、やつれた顔をしている。
「お義父様…お義母様…フィリップは…?」
何とか声を振り絞って尋ねた。
「大丈夫だ…意識は今は無いが…まだ…生きている…」
ベッドに寝かされているフィリップの様子は、同じくベッドに寝ている私には様子が伺えない。
「セシル…。お、お願い…。フィリップのところへ…」
「ああ、分かってる」
セシルは頷くと、私が寝かされているベッドをフィリップのベッドに近づけていく。
「フィリップ…」
フィリップの眠っているベッドの隣に横付けされると、私は必死になって身体を起こした。
「エルザッ!無理しては駄目よっ!」
母が悲痛な声を上げる。
「私なら…だ、大丈夫…それより…赤ちゃんを…フィリップに見せて…あげて…」
「わ、分かったわ!」
子供を抱いた母はフィリップの側に近付いた。
「まぁ…この子が…」
「フィリップの子供か…」
お義父様とお義母様が母の腕の中で眠る赤子を愛おし気に見つめる。
「フィ、フィリップ…」
必死で身体を起こそうとしていると、背後から身体を支えられた。
「エルザ、俺が起こしてやる」
「セシル…」
セシルが私の身体を起こしてくれたお陰で、フィリップの顔を見ることが出来た。
フィリップの顔は土気色で…本当にこれでまだ生きているのだろうかと疑いたくなるものだった。
「フィリップ…」
震えながらそっとフィリプの頬に触れた。
「……」
しかしフィリップは無反応だ。
「フィリップ…お願い…。目を開けて…私よ。エルザよ…。貴方との赤ちゃんが生まれたのよ…?」
すると母が眠っている赤子をフィリップの枕元にそっと置いてくれた。
「フィリップ…お願い、私を見て…。私達の赤ちゃんを…見てよ…」
涙を流しながら、フィリップの頬に触れる。
静まり返る部屋には私の泣き声と、皆の嗚咽だけだった。
その時…。
ポタリ
私の涙がフィップの頬に落ちた。するとフィリップのまぶたが震え…ゆっくり目をあけた。
「エ…ルザ…」
「フィリップッ?!」
するとフィリップは今にも消え入りそうな声で語りかけてきた。
「よ…良かった…最後に…どう…しても…一目だけでも…君に…会いたかったんだ…」
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私の目から大量の涙が溢れ出した。
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私の涙は止まることを知らない。
「エルザ…。ありがとう…僕と…結婚…してくれて…子供も…」
「当然でしょう…?だって私は貴方を…愛しているのだもの…」
「ありがとう…僕も…だよ…。エルザ…子供を…たの……」
そしてフィリップは…目を閉じた――。
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