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4-10 明日香の告白、そして・・・
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夕方6時―
朱莉のマンションのインターホンが鳴り響く。
珍しく夕食を取らずに明日香が蓮を連れて帰宅してきたのだ。
朱莉が玄関を開けるといつになく元気のない蓮が立っていた。その後ろには気まずそうな明日香もいる。
「お帰りさない。蓮ちゃん。明日香さん。」
朱莉は笑顔で言うと、蓮は視線を合わせずに返事をした。
「ただいま・・・。」
「蓮ちゃん・・・どうかしたの?」
朱莉はいつもと様子が違う蓮を不思議に思い、尋ねてみたが蓮は首を振ると言った。
「別に・・何でも無いよ。」
そしてそのまま靴を脱ぐと玄関へ上がり込んでいき、リビングへ行ってしまった。
「あ、あの・・?」
朱莉は訳が分からず明日香の方を見た。
「あの・・・何かあったんですか?」
すると明日香が言った。
「え、ええ・・・ちょとね・・。ねえ、朱莉さん。」
「はい、何でしょう?」
朱莉は明日香を見た。
「蓮が寝た後・・電話貰えるかしら?」
「分かりました。お電話しますね。」
「そう、よろしくね。それじゃまたね。」
そう言うと、明日香は手を振って玄関から出いて行った。
バタン
ドアが閉まると、朱莉はリビングでネイビーをゲージから出して遊んでいる蓮に声を掛けた。
「蓮ちゃん。」
すると蓮は顔を上げると無言で朱莉に抱き着いてきた。
「どうしたの?蓮ちゃん。」
朱莉は蓮を抱きしめ、髪を撫でながら尋ねた。
「お母さん・・・お母さん大好き・・。」
「お母さんもよ。蓮ちゃんの事が大好きよ。」
愛しい蓮を抱きしめながら朱莉は言う。
「蓮ちゃん、夜ご飯一緒に食べましょう?今日はね、オムライスにしたのよ。」
「本当?わーい!僕・・オムライスだーい好きっ!それじゃ手を洗ってくるね。」
蓮は朱莉から離れると洗面台へ手を洗いに走って行った。その後ろ姿を見ながら朱莉は思った。
「蓮ちゃん・・・気のせい・・・だったのかな・・?」
その後、蓮は朱莉が用意したオムライスにケチャップで魚の絵を描いたり、幼稚園の話をしたりしたのだが・・・何故か今日明日香と出かけた遊園地の話が蓮の口から出てくることは無かった―。
21時―
蓮がベッドで眠りについた時間を見計らって、朱莉は明日香のスマホに電話を掛けた。
4コール目で明日香が電話から出た。
「こんばんは、明日香さん。」
『こんばんは、朱莉さん。』
「明日香さん、今日も蓮ちゃんを遊びに連れて行って下さってありがとうございます。」
朱莉は電話越しにお礼を述べた。
『あら、そんな事気にしないでちょうだい。だって私は蓮の母親なのだから、当然のことをしてるだけよ。』
明日香は堂々と蓮の母親を名乗っている。
『それよりさぁ・・蓮・・何か言ってなかった?』
「え・・?言ってたって・・何をですか?」
朱莉は何の事か分からずに尋ねた。
『ううん・・何も言ってないなら別にいいんだけどね・・。』
しかし、明日香の妙に意味深な言葉遣いが朱莉は気になって仕方がなかった。それだけではない。いつもなら明日香と出かけてきた日は、今日はどんなところへ行って何をしてきたか・・等々を得意げに話してくれるのに今日に限って蓮は遊園地へ行った話を一度もしなかった。
「あの・・・その事なのですけど・・・今日、蓮君と何かありましたか?」
朱莉は思い切って尋ねる事にした。
『何かって・・やっぱり・・蓮、何か言ってたのね?』
心なしか受話器から聞こえてくる明日香の声が暗く聞こえてきた。
「いえ、何か言っていたわけではなく・・逆に何も話してくれないのです。それが気がかりで・・。いつもなら今日はどんなところへ行ってどんな遊びをしてきたか話してくれたのに、今日は何も話してくれなかったんです。いえ、それだけではありません。いつもなら明日香さんと出かけるときは夜ご飯を食べて帰ってきていましたよね?それなのに・・今夜は・・食べないで帰ってこられたし・・蓮ちゃんの様子も何となく変でした。・・明日香さん。本当は・・今日何かあったんですよね・・・?」
すると明日香は溜息を一つつくと言った。
『そう・・・やっぱり・・何かおかしい事に・・気づいたのね・・・』
「明日香さん?」
『ごめんなさい、朱莉さん。私・・・実は蓮に話しちゃったの。』
「え・・・?話したって・・?」
(ま、まさか・・・。)
朱莉の声は気づかないうちに震えていた。
『蓮に今日言ったのよ。ずっと・・・2人で一緒に暮らさない?って・・・私が本当の母親だって話したの。』
「明日香さん・・・!蓮ちゃんに・・話したんですか・・・つ?!」
『ええ。言ったわ。』
「そ、それで・・蓮ちゃんは何て言ってましたか・・?」
『それは驚いていたわよ・・目を見開いて・・その話は本当なの?って聞いてきたわ。だから勿論ほんとの話よって言ったわ。そしたら・・。』
「そしたら・・?」
『蓮・・・口を聞いてくれなくなっちゃったの・・話しかけてもうなずくか、首を振るだけで・・・。それで帰ってきてしまったのよ・・・。』
「そう・・・だったんですね・・。」
朱莉はズキズキする頭を抱えながら明日香の話を聞いていた。まさか・・明日香が事前に何の相談も無くいきなり蓮に真実を告げるとは考えてもいなかったのだ。
『明日・・また蓮の様子を教えてくれる?まさか・・あんなにショックを受けるとは思ってもいなかったのよ。・・・悪い事をしてしまったわね。蓮にも・・朱莉さんにも・・。』
「明日香さん・・・。分かりました。」
『それじゃ、おやすみなさい。』
「はい、おやすみなさい。」
そして2人は電話を切った。
「ふう・・・。明日・・・朝起きてきた蓮ちゃんに何て声をかければいいのかしら・・・。」
朱莉は電話を切ると溜息をつくのだった―。
翌朝―
7時半になっても蓮は一向に起きてくる気配がなかった。
「どうしたのかしら・・。」
朱莉は蓮の幼稚園のお弁当の準備をしながら時計を見た。いつもなら蓮は7時になったら1人で目覚まし時計で起きてくるのに、今朝に限って起きて来ない。
(ひょっとして・・・昨日の事・・引きずってるのかな・・・。)
朱莉はお弁当箱を巾着筒みにしまうと、蓮を起こしに寝室へと向かった。
「蓮ちゃん、朝よ。」
言いなからベッドの中の蓮を覗き込み、朱莉は驚いた。何と蓮の顔は真っ赤に染まり、苦し気にフウフウ言ってるのである。
「蓮ちゃんっ?!」
朱莉は驚いて、蓮のおでこに手を当てると、とても熱くなっている。
「大変っ!熱だわっ!」
朱莉は急いで、幼稚園に電話を入れて本日は欠席する旨を伝えた。次に救急箱を持ってくると、蓮の熱を測ることにした。
「ごめんね・・・蓮ちゃん・・。」
蓮のパジャマのボタンの上部を外し、電子体温気をわきの下に挟むとずれないように軽く抑えた。
ピピピピ・・・
すぐに電子体温計が計測終了を知らせる。朱莉は蓮から体温計を抜いて、確認すると驚いた。何と39度の数値が表示されていたのだ。
「39度・・っ!」
朱莉は救急箱から保冷シートを探し出してくると、蓮のおでこに張り付けた。
「お・・かあさん・・。」
蓮が薄目を開けて朱莉を見た。
「蓮ちゃん。辛いでしょう?すぐにお医者さんへ連れて行ってあげるからね?」
朱莉は蓮の額に手を当てながら言うと、蓮が小さく頷く。すぐに蓮の母子手帳と保険証、そして貴重品をバックに詰め込んだ。
「さ、蓮ちゃん。病院へ行きましょう。」
朱莉はバックを持ち、蓮をタオルケットで包むと抱き上げた。
「お母さん・・・。」
蓮は真っ赤な顔でフウフウ言いながら朱莉を見つめた。
「蓮ちゃん・・病院へ着くまで・・少しだけ我慢してね?」
そして朱莉は抱きかかえた蓮を連れて戸締りをすると、急ぎ足で駐車場へと向かった。
カバンの中では電話の着信を知らせ音楽が鳴っていたが、朱莉は少しも気付いていなかった・・・。
丁度その頃、羽田空港に到着した翔は朱莉に電話を掛けていた。
「おかしいな・・・電話に出ないなんて・・。」
翔は溜息をつくと、電話を切ってポケットにしまうとキャリーケースを引いて歩き始めた―。
朱莉のマンションのインターホンが鳴り響く。
珍しく夕食を取らずに明日香が蓮を連れて帰宅してきたのだ。
朱莉が玄関を開けるといつになく元気のない蓮が立っていた。その後ろには気まずそうな明日香もいる。
「お帰りさない。蓮ちゃん。明日香さん。」
朱莉は笑顔で言うと、蓮は視線を合わせずに返事をした。
「ただいま・・・。」
「蓮ちゃん・・・どうかしたの?」
朱莉はいつもと様子が違う蓮を不思議に思い、尋ねてみたが蓮は首を振ると言った。
「別に・・何でも無いよ。」
そしてそのまま靴を脱ぐと玄関へ上がり込んでいき、リビングへ行ってしまった。
「あ、あの・・?」
朱莉は訳が分からず明日香の方を見た。
「あの・・・何かあったんですか?」
すると明日香が言った。
「え、ええ・・・ちょとね・・。ねえ、朱莉さん。」
「はい、何でしょう?」
朱莉は明日香を見た。
「蓮が寝た後・・電話貰えるかしら?」
「分かりました。お電話しますね。」
「そう、よろしくね。それじゃまたね。」
そう言うと、明日香は手を振って玄関から出いて行った。
バタン
ドアが閉まると、朱莉はリビングでネイビーをゲージから出して遊んでいる蓮に声を掛けた。
「蓮ちゃん。」
すると蓮は顔を上げると無言で朱莉に抱き着いてきた。
「どうしたの?蓮ちゃん。」
朱莉は蓮を抱きしめ、髪を撫でながら尋ねた。
「お母さん・・・お母さん大好き・・。」
「お母さんもよ。蓮ちゃんの事が大好きよ。」
愛しい蓮を抱きしめながら朱莉は言う。
「蓮ちゃん、夜ご飯一緒に食べましょう?今日はね、オムライスにしたのよ。」
「本当?わーい!僕・・オムライスだーい好きっ!それじゃ手を洗ってくるね。」
蓮は朱莉から離れると洗面台へ手を洗いに走って行った。その後ろ姿を見ながら朱莉は思った。
「蓮ちゃん・・・気のせい・・・だったのかな・・?」
その後、蓮は朱莉が用意したオムライスにケチャップで魚の絵を描いたり、幼稚園の話をしたりしたのだが・・・何故か今日明日香と出かけた遊園地の話が蓮の口から出てくることは無かった―。
21時―
蓮がベッドで眠りについた時間を見計らって、朱莉は明日香のスマホに電話を掛けた。
4コール目で明日香が電話から出た。
「こんばんは、明日香さん。」
『こんばんは、朱莉さん。』
「明日香さん、今日も蓮ちゃんを遊びに連れて行って下さってありがとうございます。」
朱莉は電話越しにお礼を述べた。
『あら、そんな事気にしないでちょうだい。だって私は蓮の母親なのだから、当然のことをしてるだけよ。』
明日香は堂々と蓮の母親を名乗っている。
『それよりさぁ・・蓮・・何か言ってなかった?』
「え・・?言ってたって・・何をですか?」
朱莉は何の事か分からずに尋ねた。
『ううん・・何も言ってないなら別にいいんだけどね・・。』
しかし、明日香の妙に意味深な言葉遣いが朱莉は気になって仕方がなかった。それだけではない。いつもなら明日香と出かけてきた日は、今日はどんなところへ行って何をしてきたか・・等々を得意げに話してくれるのに今日に限って蓮は遊園地へ行った話を一度もしなかった。
「あの・・・その事なのですけど・・・今日、蓮君と何かありましたか?」
朱莉は思い切って尋ねる事にした。
『何かって・・やっぱり・・蓮、何か言ってたのね?』
心なしか受話器から聞こえてくる明日香の声が暗く聞こえてきた。
「いえ、何か言っていたわけではなく・・逆に何も話してくれないのです。それが気がかりで・・。いつもなら今日はどんなところへ行ってどんな遊びをしてきたか話してくれたのに、今日は何も話してくれなかったんです。いえ、それだけではありません。いつもなら明日香さんと出かけるときは夜ご飯を食べて帰ってきていましたよね?それなのに・・今夜は・・食べないで帰ってこられたし・・蓮ちゃんの様子も何となく変でした。・・明日香さん。本当は・・今日何かあったんですよね・・・?」
すると明日香は溜息を一つつくと言った。
『そう・・・やっぱり・・何かおかしい事に・・気づいたのね・・・』
「明日香さん?」
『ごめんなさい、朱莉さん。私・・・実は蓮に話しちゃったの。』
「え・・・?話したって・・?」
(ま、まさか・・・。)
朱莉の声は気づかないうちに震えていた。
『蓮に今日言ったのよ。ずっと・・・2人で一緒に暮らさない?って・・・私が本当の母親だって話したの。』
「明日香さん・・・!蓮ちゃんに・・話したんですか・・・つ?!」
『ええ。言ったわ。』
「そ、それで・・蓮ちゃんは何て言ってましたか・・?」
『それは驚いていたわよ・・目を見開いて・・その話は本当なの?って聞いてきたわ。だから勿論ほんとの話よって言ったわ。そしたら・・。』
「そしたら・・?」
『蓮・・・口を聞いてくれなくなっちゃったの・・話しかけてもうなずくか、首を振るだけで・・・。それで帰ってきてしまったのよ・・・。』
「そう・・・だったんですね・・。」
朱莉はズキズキする頭を抱えながら明日香の話を聞いていた。まさか・・明日香が事前に何の相談も無くいきなり蓮に真実を告げるとは考えてもいなかったのだ。
『明日・・また蓮の様子を教えてくれる?まさか・・あんなにショックを受けるとは思ってもいなかったのよ。・・・悪い事をしてしまったわね。蓮にも・・朱莉さんにも・・。』
「明日香さん・・・。分かりました。」
『それじゃ、おやすみなさい。』
「はい、おやすみなさい。」
そして2人は電話を切った。
「ふう・・・。明日・・・朝起きてきた蓮ちゃんに何て声をかければいいのかしら・・・。」
朱莉は電話を切ると溜息をつくのだった―。
翌朝―
7時半になっても蓮は一向に起きてくる気配がなかった。
「どうしたのかしら・・。」
朱莉は蓮の幼稚園のお弁当の準備をしながら時計を見た。いつもなら蓮は7時になったら1人で目覚まし時計で起きてくるのに、今朝に限って起きて来ない。
(ひょっとして・・・昨日の事・・引きずってるのかな・・・。)
朱莉はお弁当箱を巾着筒みにしまうと、蓮を起こしに寝室へと向かった。
「蓮ちゃん、朝よ。」
言いなからベッドの中の蓮を覗き込み、朱莉は驚いた。何と蓮の顔は真っ赤に染まり、苦し気にフウフウ言ってるのである。
「蓮ちゃんっ?!」
朱莉は驚いて、蓮のおでこに手を当てると、とても熱くなっている。
「大変っ!熱だわっ!」
朱莉は急いで、幼稚園に電話を入れて本日は欠席する旨を伝えた。次に救急箱を持ってくると、蓮の熱を測ることにした。
「ごめんね・・・蓮ちゃん・・。」
蓮のパジャマのボタンの上部を外し、電子体温気をわきの下に挟むとずれないように軽く抑えた。
ピピピピ・・・
すぐに電子体温計が計測終了を知らせる。朱莉は蓮から体温計を抜いて、確認すると驚いた。何と39度の数値が表示されていたのだ。
「39度・・っ!」
朱莉は救急箱から保冷シートを探し出してくると、蓮のおでこに張り付けた。
「お・・かあさん・・。」
蓮が薄目を開けて朱莉を見た。
「蓮ちゃん。辛いでしょう?すぐにお医者さんへ連れて行ってあげるからね?」
朱莉は蓮の額に手を当てながら言うと、蓮が小さく頷く。すぐに蓮の母子手帳と保険証、そして貴重品をバックに詰め込んだ。
「さ、蓮ちゃん。病院へ行きましょう。」
朱莉はバックを持ち、蓮をタオルケットで包むと抱き上げた。
「お母さん・・・。」
蓮は真っ赤な顔でフウフウ言いながら朱莉を見つめた。
「蓮ちゃん・・病院へ着くまで・・少しだけ我慢してね?」
そして朱莉は抱きかかえた蓮を連れて戸締りをすると、急ぎ足で駐車場へと向かった。
カバンの中では電話の着信を知らせ音楽が鳴っていたが、朱莉は少しも気付いていなかった・・・。
丁度その頃、羽田空港に到着した翔は朱莉に電話を掛けていた。
「おかしいな・・・電話に出ないなんて・・。」
翔は溜息をつくと、電話を切ってポケットにしまうとキャリーケースを引いて歩き始めた―。
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