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5-15 それぞれの夜
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「明日香、大丈夫かっ?!」
翔は慌ててまるで玄関で靴を脱ぎ捨てるように部屋の中へ飛び込んできた。
そして翔は見た。リビングのソファに倒れ込んでいる明日香の姿を。
明日香っ!!
「明日香っ!明日香っ!しっかりしろっ!」
慌てて助け起こすと、明日香はぼんやりと目を開けた。
「あ・・。」
明日香は激しい呼吸を繰り返し、息を吸い込もうとしている。
(過呼吸の発作だっ!)
咄嗟に翔は気付くと、明日香に声を掛け続けた。
「明日香・・落ち着け・・ゆっくり息を吐いて・・・呼吸するんだ・・・そう、その調子だ・・・」
明日香を抱き締めながら、暗示をかけるように明日香の耳元で繰り返し言う。
やがて・・・明日香の呼吸が安定してくると、翔は身体を離した。
「明日香・・・今水を持って来るから・・待ってろよ?」
そしてウオーターサーバーから水を汲んでくると、翔は明日香を支えて水を飲ませた。
ゴクゴクと水を飲み干すと、ようやく明日香は息を吐いて翔を見た。
「明日香・・・一体どうしたんだ?家政婦さんはまだなのか?」
翔は明日香の隣に座ると尋ねた。
「ええ・・。突然今日やって来てくれる家政婦が発熱したらしくて・・今夜は来れなくなってしまったそうなの・・・。」
「そうなの・・・か・・・?」」
「だから・・・今夜は1人になってしまうかと思うと・・怖くなって、それで・・・発作が・・・。」
言うと、明日香は翔にしがみ付くと叫んだ。
「ねえ!翔・・・何処にも行かないでよっ!お願い・・・私の側にいて…。独りぼっちにさせないでよっ!1人は嫌・・・怖くてたまらないの・・・・。」
そして肩を震わせながら翔の胸に顔を埋めた。
明日香・・・。
「分かったよ、明日香。安心しろ・・・。ずっとお前の側にいるから・・・。」
翔は明日香の髪を撫でながら言う。
「本当に・・?本当に側にいてくれるのね?」
明日香は眼に涙を浮かべながら翔を見つめた。
「ああ、勿論・・側にいるよ。朱莉さんは・・・お母さんもいる事だし、大丈夫だろう。それに・・やっぱり親子水入らずにさせてあげるべきかもしれないしな。今朱莉さんに電話を入れるよ。」
そして翔はスマホをタップしたが・・・一向に朱莉は電話に出なかった。
「おかしいな・・・?何で出ないんだろう?」
翔は首を傾げた。
「何?朱莉さん・・・電話に出ないの?」
明日香は翔を見ると尋ねた。
「ああ・・そうなんだ。こうなったら直接朱莉さんの所へ行って来るか。明日香、悪いけど少しだけ・・・留守番をしていて貰えるか?すぐに帰って来るから・・・。」
「ええ・・・分かったわ。でも・・・翔、すぐに帰って来てよ?」
「勿論。すぐに戻るよ。」
翔は優しく微笑むと、朱莉の部屋へと向かった。
ピンポーン・・・・
何度かインターホンを鳴らしても一向に朱莉の出てくる気配は無い。
「どうしたんだろう・・・。ひょっとするとここの併設のカフェにでも行ってるのか・・?でも、不在なら仕方ないな・・・。」
そして翔は踵を返すと明日香の元へと戻って行った。
(朱莉さんにはメッセージを入れておこう。やはり今の明日香を放ってはおけないからな・・・。)
一方その頃―
朱莉は病院の待合室で腕を両手を組んで、真っ青な顔で椅子に座っていた。
どれぐらいの時間が経過しただろうか―。
病室のドアがガラリと開き、男性主治医と看護師数名が出てきた。
「あ、あの・・・母は?母の具合はどうなんですかっ?!」
朱莉は縋りつくように主治医に詰め寄った。
「ええ・・・何とか落ち着きましたよ。・・やはりまだ無理だったんですよ。外泊なんて・・・。」
沈痛な面持ちで言う主治医の言葉に朱莉は耳を疑った。
「え・・?そ、それはどういう事ですか・・・?」
「いえ・・・お母様の方から、どうしても外泊許可を出して貰いたいとせがまれて・・・こちらも断念して外泊許可を出したのですが・・やはりまだ無理だったんですよ。面会されて行きますよね?簡易ベッドがあるので、泊まり込みも出来ますが、どうされますか?でも・・無理にとは言いませんよ?こちらで患者さんの様子はしっかり見ますし、今はもう安定していますから。」
「は、はい・・・。」
朱莉は一瞬躊躇したが・・・部屋にはネイビーが残されている。なので朱莉は病院に泊まり込むのは無理だった。
「あの・・・どうしても家を・・留守に出来ないので面会だけ・・・して帰ります。」
朱莉は俯きながら答えた。
「そうですか。分かりました。では・・・我々はこれで失礼しますね。」
主治医は頭を下げると、看護師を連れて朱莉の前から去って行った。
それを見届けると朱莉はそっと病室のドアを開けて中へと入って行く。
「お母さん・・・・。」
ベッドに横たわった朱莉の母は顔色が真っ青だった。点滴に繋がれ、酸素吸入を付けられた母を見ていると胸が潰れそうに苦しくなった。
朱莉は眠っている母に近付くと、ギュッと母の手を握り締めた。
「ごめん・・・なさい・・・。お母さん・・。私が・・心配かけさせちゃったから・・無理に外泊許可を・・貰ったんだよね・・・・?あんなことがあったから・・・具合が悪くなっちゃったんだよね・・・?」
朱莉は涙を流しながら母の手を握りしめた。
そして思った。
自分は何て親不孝な娘なのだろうと—。
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・
朱莉は心の中でいつまでも母に謝罪を繰り返し続けた。
病院の帰りのタクシーの中・・・朱莉は翔との連絡用スマホを手に取った。
そこには朱莉宛にメッセージが残されていた。
『朱莉さん、今夜は本当に悪かった。夜、明日香の元へ来てくれるはずの家政婦さんが体調を崩して来れなくなてしまって、不安に思った明日香が過呼吸の発作を起こしてしまったんだ。なので明日香の側をれる訳にはいかなくなってしまった。1人にする事は出来ないから・・・。申し訳ないがお母さんに宜しく伝えてくれないか?それに・・・やはり親子水入らずで過ごしたほうが良いだろう?また明日連絡を入れるよ。それじゃ、おやすみ。』
朱莉は呆然とそのメッセージを見つめていた。
翔が明日香を一番優勢に見ているのは分かっていた。分かってはいたが・・・ここまではっきり現実を突きつけられて、朱莉の心はどうしようもなく傷ついていた。
だけど・・・朱莉はタクシーから見える窓の外に目をやると思った。
(きっと・・・翔先輩がいる前でお母さんが・・・倒れても・・・それでも翔先輩は明日香さんの元へ行っていましたよね・・?)
涙が滲み、外の景色が霞んで見える。
朱莉は必死で涙を拭うと、唇をかみしめた。
ここで泣いてはいけない・・・・泣くなら自分の部屋で・・泣かなくちゃ・・・・。
両手をギュッと握りしめ・・・朱莉は家路へと戻った―。
その頃、琢磨は家で1人ウィスキーを飲みながらぼんやりと映画を眺めていた。けれど・・内容なんかちっとも頭に入っては来なかった。
(くそ・・・っ!今頃翔は朱莉さん宅で・・・一緒に過ごしているのか・・・。)
琢磨はチラリと時計を見た。時刻は深夜0時を過ぎている。
今夜は朱莉の母が泊まり込んでいる。
そして・・・2人は書類上では夫婦の関係だ。朱莉の母の目を胡麻化す為にも・・・あの2人は同じ寝室で眠っているのだろう・・・。
その事を考えるだけで、琢磨は苛立ちが募って来る。そして、ついつい深酒へとはまっていく。
「最近の俺は・・・どうかしているな・・・。」
琢磨はチラリと自分の手元にあるスマホを見た。朱莉から連絡など来るはずも無い事は分かっていたが・・・それでも一縷の望みをかけて自分のスマホを手元に引き寄せ、琢磨は3度目の深いため息をつくのだった—。
翔は慌ててまるで玄関で靴を脱ぎ捨てるように部屋の中へ飛び込んできた。
そして翔は見た。リビングのソファに倒れ込んでいる明日香の姿を。
明日香っ!!
「明日香っ!明日香っ!しっかりしろっ!」
慌てて助け起こすと、明日香はぼんやりと目を開けた。
「あ・・。」
明日香は激しい呼吸を繰り返し、息を吸い込もうとしている。
(過呼吸の発作だっ!)
咄嗟に翔は気付くと、明日香に声を掛け続けた。
「明日香・・落ち着け・・ゆっくり息を吐いて・・・呼吸するんだ・・・そう、その調子だ・・・」
明日香を抱き締めながら、暗示をかけるように明日香の耳元で繰り返し言う。
やがて・・・明日香の呼吸が安定してくると、翔は身体を離した。
「明日香・・・今水を持って来るから・・待ってろよ?」
そしてウオーターサーバーから水を汲んでくると、翔は明日香を支えて水を飲ませた。
ゴクゴクと水を飲み干すと、ようやく明日香は息を吐いて翔を見た。
「明日香・・・一体どうしたんだ?家政婦さんはまだなのか?」
翔は明日香の隣に座ると尋ねた。
「ええ・・。突然今日やって来てくれる家政婦が発熱したらしくて・・今夜は来れなくなってしまったそうなの・・・。」
「そうなの・・・か・・・?」」
「だから・・・今夜は1人になってしまうかと思うと・・怖くなって、それで・・・発作が・・・。」
言うと、明日香は翔にしがみ付くと叫んだ。
「ねえ!翔・・・何処にも行かないでよっ!お願い・・・私の側にいて…。独りぼっちにさせないでよっ!1人は嫌・・・怖くてたまらないの・・・・。」
そして肩を震わせながら翔の胸に顔を埋めた。
明日香・・・。
「分かったよ、明日香。安心しろ・・・。ずっとお前の側にいるから・・・。」
翔は明日香の髪を撫でながら言う。
「本当に・・?本当に側にいてくれるのね?」
明日香は眼に涙を浮かべながら翔を見つめた。
「ああ、勿論・・側にいるよ。朱莉さんは・・・お母さんもいる事だし、大丈夫だろう。それに・・やっぱり親子水入らずにさせてあげるべきかもしれないしな。今朱莉さんに電話を入れるよ。」
そして翔はスマホをタップしたが・・・一向に朱莉は電話に出なかった。
「おかしいな・・・?何で出ないんだろう?」
翔は首を傾げた。
「何?朱莉さん・・・電話に出ないの?」
明日香は翔を見ると尋ねた。
「ああ・・そうなんだ。こうなったら直接朱莉さんの所へ行って来るか。明日香、悪いけど少しだけ・・・留守番をしていて貰えるか?すぐに帰って来るから・・・。」
「ええ・・・分かったわ。でも・・・翔、すぐに帰って来てよ?」
「勿論。すぐに戻るよ。」
翔は優しく微笑むと、朱莉の部屋へと向かった。
ピンポーン・・・・
何度かインターホンを鳴らしても一向に朱莉の出てくる気配は無い。
「どうしたんだろう・・・。ひょっとするとここの併設のカフェにでも行ってるのか・・?でも、不在なら仕方ないな・・・。」
そして翔は踵を返すと明日香の元へと戻って行った。
(朱莉さんにはメッセージを入れておこう。やはり今の明日香を放ってはおけないからな・・・。)
一方その頃―
朱莉は病院の待合室で腕を両手を組んで、真っ青な顔で椅子に座っていた。
どれぐらいの時間が経過しただろうか―。
病室のドアがガラリと開き、男性主治医と看護師数名が出てきた。
「あ、あの・・・母は?母の具合はどうなんですかっ?!」
朱莉は縋りつくように主治医に詰め寄った。
「ええ・・・何とか落ち着きましたよ。・・やはりまだ無理だったんですよ。外泊なんて・・・。」
沈痛な面持ちで言う主治医の言葉に朱莉は耳を疑った。
「え・・?そ、それはどういう事ですか・・・?」
「いえ・・・お母様の方から、どうしても外泊許可を出して貰いたいとせがまれて・・・こちらも断念して外泊許可を出したのですが・・やはりまだ無理だったんですよ。面会されて行きますよね?簡易ベッドがあるので、泊まり込みも出来ますが、どうされますか?でも・・無理にとは言いませんよ?こちらで患者さんの様子はしっかり見ますし、今はもう安定していますから。」
「は、はい・・・。」
朱莉は一瞬躊躇したが・・・部屋にはネイビーが残されている。なので朱莉は病院に泊まり込むのは無理だった。
「あの・・・どうしても家を・・留守に出来ないので面会だけ・・・して帰ります。」
朱莉は俯きながら答えた。
「そうですか。分かりました。では・・・我々はこれで失礼しますね。」
主治医は頭を下げると、看護師を連れて朱莉の前から去って行った。
それを見届けると朱莉はそっと病室のドアを開けて中へと入って行く。
「お母さん・・・・。」
ベッドに横たわった朱莉の母は顔色が真っ青だった。点滴に繋がれ、酸素吸入を付けられた母を見ていると胸が潰れそうに苦しくなった。
朱莉は眠っている母に近付くと、ギュッと母の手を握り締めた。
「ごめん・・・なさい・・・。お母さん・・。私が・・心配かけさせちゃったから・・無理に外泊許可を・・貰ったんだよね・・・・?あんなことがあったから・・・具合が悪くなっちゃったんだよね・・・?」
朱莉は涙を流しながら母の手を握りしめた。
そして思った。
自分は何て親不孝な娘なのだろうと—。
ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・
朱莉は心の中でいつまでも母に謝罪を繰り返し続けた。
病院の帰りのタクシーの中・・・朱莉は翔との連絡用スマホを手に取った。
そこには朱莉宛にメッセージが残されていた。
『朱莉さん、今夜は本当に悪かった。夜、明日香の元へ来てくれるはずの家政婦さんが体調を崩して来れなくなてしまって、不安に思った明日香が過呼吸の発作を起こしてしまったんだ。なので明日香の側をれる訳にはいかなくなってしまった。1人にする事は出来ないから・・・。申し訳ないがお母さんに宜しく伝えてくれないか?それに・・・やはり親子水入らずで過ごしたほうが良いだろう?また明日連絡を入れるよ。それじゃ、おやすみ。』
朱莉は呆然とそのメッセージを見つめていた。
翔が明日香を一番優勢に見ているのは分かっていた。分かってはいたが・・・ここまではっきり現実を突きつけられて、朱莉の心はどうしようもなく傷ついていた。
だけど・・・朱莉はタクシーから見える窓の外に目をやると思った。
(きっと・・・翔先輩がいる前でお母さんが・・・倒れても・・・それでも翔先輩は明日香さんの元へ行っていましたよね・・?)
涙が滲み、外の景色が霞んで見える。
朱莉は必死で涙を拭うと、唇をかみしめた。
ここで泣いてはいけない・・・・泣くなら自分の部屋で・・泣かなくちゃ・・・・。
両手をギュッと握りしめ・・・朱莉は家路へと戻った―。
その頃、琢磨は家で1人ウィスキーを飲みながらぼんやりと映画を眺めていた。けれど・・内容なんかちっとも頭に入っては来なかった。
(くそ・・・っ!今頃翔は朱莉さん宅で・・・一緒に過ごしているのか・・・。)
琢磨はチラリと時計を見た。時刻は深夜0時を過ぎている。
今夜は朱莉の母が泊まり込んでいる。
そして・・・2人は書類上では夫婦の関係だ。朱莉の母の目を胡麻化す為にも・・・あの2人は同じ寝室で眠っているのだろう・・・。
その事を考えるだけで、琢磨は苛立ちが募って来る。そして、ついつい深酒へとはまっていく。
「最近の俺は・・・どうかしているな・・・。」
琢磨はチラリと自分の手元にあるスマホを見た。朱莉から連絡など来るはずも無い事は分かっていたが・・・それでも一縷の望みをかけて自分のスマホを手元に引き寄せ、琢磨は3度目の深いため息をつくのだった—。
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