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2-13 明日香の罠
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翌朝-
朱莉はぼんやりした頭で目が覚めた。時計を見るとまだ朝の6時を少し過ぎたところであった。
どうやら昨夜は泣きながら眠ってしまっていたようで顔に触れると涙の跡が残っている。こんな顔で明日香と翔の前に顔を見せるわけにはいかない。
朱莉は急いでベッドから起きると洗面台で顔を洗い、じっと自分の顔を鏡で見る。
「駄目駄目、こんな顔していたら・・・笑顔でいなくちゃ。」
そして口角を上げて無理に笑顔を作って笑ってみる。
「うん、これなら・・・多分大丈夫だよね・・・。」
そしてエミにメッセージを送った。
『おはようございます。朝早くからすみません。実は今一緒に旅行に来ている方たちと別の島に遊びに来ていますので、本日の予定はキャンセルさせて下さい。申し訳ございません。また連絡させて頂きます。』
そして送信する。
メッセージを送った後、朱莉はぼんやりと外の景色を眺めていた。
外はこの世の物とは思えないほどの美しい景色が広がっているというのに、朱莉の心はちっとも晴れやかでは無かった。瞳を閉じると、どうしても昨夜の明日香と翔の抱き合っている姿が蘇ってきてしう。
それに・・・翔は朱莉があの時、室内へ入ってきたことにはまるきり気が付いている様子は無かったが、明日香は・・・はっきり朱莉の顔を見た。そして・・・あろう事か、勝ち誇ったような顔で朱莉を見て笑みを浮かべたのだ。
つまり、明日香は始めから自分と翔の情事の場面を朱莉に見せつける為に、自分たちの部屋へと呼んだのである。
だけど・・・朱莉は思った。何故明日香はそこまで自分に意地悪をするのだろう。
ましてや男女の行為を朱莉にわざと見せつけるなど・・・常軌を逸しているとしか思えない。
自分はそれ程までに憎まれているのだろうか・・・?普段から明日香と翔の生活の中に入り込まないように、電話もかけず、1週間に1度だけのメッセージの交換しか行っていないというのに・・・・
朱莉にはこれ以上、どうやって自分の気配を消せばよいのか、もう分からなくなっていた。明日香に取っての朱莉は空気のような存在どころか、目の上のたんこぶのような存在なのかもしれない。いっその事、完全に無視してくれている方が、どんなに精神的に楽だろう。だが・・・明日香はそれすら許してはくれないのかもしれない。
本当は今すぐ水上飛行機に乗ってヴェラナ国際空港のある、現在朱莉が宿泊しているホテルに帰りたいくらいだった。
明日香とどんな顔をして会えば良いのだろうと考えるだけで、朱莉の胃はキリキリと痛み、食欲は皆無だった。
自分の今の顔がどのような表情をしているのかを確認する為に朱莉はもう一度洗面台で自分の顔を確認してみると、たったの数日で頬はこけ、まるで幽霊の様に青白い表情をしており、とてもリゾート地に映える顔とは言えなかった。
(昨日は私の写真を撮っていないから・・・今日あたり写真を撮ろうと言われるかもしれないから、せめてこの顔色の悪さだけでも隠さなくちゃ。)
朱莉は日本から持参して来た化粧道具をポーチから取り出すと、手早くメイクを始めた。
1人で小さなアパートに暮らしていた頃の朱莉は、職場で周囲から浮かない為に、わざと化粧もしてこなかった。
しかし、翔と書類上とはいえ妻なり、億ションに住むようになってからはそこに住む住民達に見劣りしない為に、化粧をするようになっていたので、大分メイクをするのも慣れてきている。
ものの5分程で仕上げたメイクではあったが、顔色の悪さはカバーされ、表情も生き生きとしたものになった。
「うん、これなら大丈夫そうだよね?」
朱莉は鏡の中の自分に向かってほほ笑むのだった—。
しかし・・・それから1時間以上経過しても明日香達からは何の音沙汰も無い。
そうなると朱莉は別の意味で心配になってきた。ひょっとしたら、あの2人は私を置いて、別の島めぐりに飛行機に乗って出かけてしまったのではないだろうか・・・?悪い考えばかりが頭に浮かんでくる。
よし、10時まで待って何の連絡も来なければ・・自分の方から明日香のスマホに連絡を入れてみよう・・・。朱莉はそう心に決めた。
するとその矢先、突然朱莉のスマホが鳴った。
手に取ると着信相手は明日香からであった。
朱莉は慌ててスマホをタップすると電話に出た。
「はい、おはようございます。」
『朱莉さん?貴女今何処にいるの?』
「どこって・・・部屋ですけど?」
『嫌だ。まだそんな所にいるの?もうホテルを出るからすぐに荷物をまとめてラウンジまで来て頂戴。早くしてよ!』
そう言う電話は切れてしまった。え?そういう事だったの?私は2人に特に連絡を入れず、食事に行っても良かったと言う事なのだろうか?
本当は自分から、朝連絡を入れるべきだったのだろうか?だが・・昨夜の2人の情事を見せられたのに・・・しかもその最中の明日香と視線が合ってしまったと言うのに・・・どうして連絡など出来るだろうか?
「そっか・・・一緒に来ていても、1人で行動しなさいって事だったんだね・・。」
思わず、悲しみが込み上げて手が止まってしまい、スマホの着信で我に返った。
相手は・・・当然明日香からである。
『どう?朱莉さん、もう片付けは終わったの?』
イライラした口調で明日香がいきなり言って来た。
「あ、すみません。まだです・・・。」
『まったく、随分呑気な人ね?いい?人を待たせてはいけないのよ?こんなの一般常識じゃないの。」
すると脇から翔の窘める声が聞こえてきた。
「まあ、いいじゃ無いか。明日香。ほら、昨日撮影したデジカメの画像でも見て待っていよう。」
電話越しに聞こえて来る明日香に話しかける翔の声は・・・朱莉に向けられるそれとは違って、とても優しい声だった。
「全く仕方ないわね・・・、それじゃ待ってるから早く準備して来なさいよ?」
それだけ言うと、一方的に電話を切られてしまった。
ふう・・・。朱莉は小さくため息を付くと、言った。
「急がなくちゃ。明日香さんを怒らせたらいけないものね。」
そして少ない荷物を片付け始めた―。
朱莉が荷物を持ってラウンジに行くと、翔と朱莉が仲良さげにデジカメを覗き込んでいた。
「すみません、お待たせ致しました。」
すると明日香が顔を上げて朱莉を見た。
「遅かったわね・・・。あら?朱莉さん・・・昨日と同じ服じゃない。私の服は気に入らなかったのかしら?」
「!」
明日香のその言葉に朱莉は凍り付いてしまった。
「言われてみればそうだな・・・。明日香の服を借りなかったのか?昨夜明日香が君に服を貸してあげる約束をしていると言っていたらしいが・・・。」
翔は何処か責めるような口調で朱莉に言った。
まるで明日香の服は気に入らないのかと遠回しに言われているような気持ちになってしまう。
すると明日香が翔に続けて言う。
「そうだったの・・・・?朱莉さん。だったら最初からそう言ってくれれば良かったのに。貴女に渡す服をヴィラの外においておくからと約束したのに、朝になっても荷物が残されたままだったから・・。」
明日香が目を伏せて朱莉を見る。
「何?それは本当の話なのか?」
突如、翔の顔つきが険しくなった。
「あ、あの・・・わ、私は・・・・。」
このままでは誤解される・・・。何か言わなくては・・・そう思い、言葉を発した時に、翔が言った。
「もういい、だが・・・今度からは気を付けてくれよ。今回はたまたま服が盗まれずに済んだから良かったものの・・・守れない約束なら・・初めからしないでくれ。」
視線も合わせずにそれだけ言うと、翔は立ち上がった。
「よし、それじゃ行こうか。」
明日香にそう、優しく語りかける。そのまま2人は腕を組んで歩きだすのを、朱莉は追う事も出来ずに佇んでいると、翔が振り向きもせずに言った。
「・・・来ないなら置いて行くぞ。」
「!す、すみませんっ!行きますッ!」
朱莉は慌てて荷物を持つと、少し距離を開けるように2人の後を追った。
そして、その日は3人でいくつかの島めぐりをしたのだが・・・この日、翔が朱莉に話しかける事はもう無かった—。
朱莉はぼんやりした頭で目が覚めた。時計を見るとまだ朝の6時を少し過ぎたところであった。
どうやら昨夜は泣きながら眠ってしまっていたようで顔に触れると涙の跡が残っている。こんな顔で明日香と翔の前に顔を見せるわけにはいかない。
朱莉は急いでベッドから起きると洗面台で顔を洗い、じっと自分の顔を鏡で見る。
「駄目駄目、こんな顔していたら・・・笑顔でいなくちゃ。」
そして口角を上げて無理に笑顔を作って笑ってみる。
「うん、これなら・・・多分大丈夫だよね・・・。」
そしてエミにメッセージを送った。
『おはようございます。朝早くからすみません。実は今一緒に旅行に来ている方たちと別の島に遊びに来ていますので、本日の予定はキャンセルさせて下さい。申し訳ございません。また連絡させて頂きます。』
そして送信する。
メッセージを送った後、朱莉はぼんやりと外の景色を眺めていた。
外はこの世の物とは思えないほどの美しい景色が広がっているというのに、朱莉の心はちっとも晴れやかでは無かった。瞳を閉じると、どうしても昨夜の明日香と翔の抱き合っている姿が蘇ってきてしう。
それに・・・翔は朱莉があの時、室内へ入ってきたことにはまるきり気が付いている様子は無かったが、明日香は・・・はっきり朱莉の顔を見た。そして・・・あろう事か、勝ち誇ったような顔で朱莉を見て笑みを浮かべたのだ。
つまり、明日香は始めから自分と翔の情事の場面を朱莉に見せつける為に、自分たちの部屋へと呼んだのである。
だけど・・・朱莉は思った。何故明日香はそこまで自分に意地悪をするのだろう。
ましてや男女の行為を朱莉にわざと見せつけるなど・・・常軌を逸しているとしか思えない。
自分はそれ程までに憎まれているのだろうか・・・?普段から明日香と翔の生活の中に入り込まないように、電話もかけず、1週間に1度だけのメッセージの交換しか行っていないというのに・・・・
朱莉にはこれ以上、どうやって自分の気配を消せばよいのか、もう分からなくなっていた。明日香に取っての朱莉は空気のような存在どころか、目の上のたんこぶのような存在なのかもしれない。いっその事、完全に無視してくれている方が、どんなに精神的に楽だろう。だが・・・明日香はそれすら許してはくれないのかもしれない。
本当は今すぐ水上飛行機に乗ってヴェラナ国際空港のある、現在朱莉が宿泊しているホテルに帰りたいくらいだった。
明日香とどんな顔をして会えば良いのだろうと考えるだけで、朱莉の胃はキリキリと痛み、食欲は皆無だった。
自分の今の顔がどのような表情をしているのかを確認する為に朱莉はもう一度洗面台で自分の顔を確認してみると、たったの数日で頬はこけ、まるで幽霊の様に青白い表情をしており、とてもリゾート地に映える顔とは言えなかった。
(昨日は私の写真を撮っていないから・・・今日あたり写真を撮ろうと言われるかもしれないから、せめてこの顔色の悪さだけでも隠さなくちゃ。)
朱莉は日本から持参して来た化粧道具をポーチから取り出すと、手早くメイクを始めた。
1人で小さなアパートに暮らしていた頃の朱莉は、職場で周囲から浮かない為に、わざと化粧もしてこなかった。
しかし、翔と書類上とはいえ妻なり、億ションに住むようになってからはそこに住む住民達に見劣りしない為に、化粧をするようになっていたので、大分メイクをするのも慣れてきている。
ものの5分程で仕上げたメイクではあったが、顔色の悪さはカバーされ、表情も生き生きとしたものになった。
「うん、これなら大丈夫そうだよね?」
朱莉は鏡の中の自分に向かってほほ笑むのだった—。
しかし・・・それから1時間以上経過しても明日香達からは何の音沙汰も無い。
そうなると朱莉は別の意味で心配になってきた。ひょっとしたら、あの2人は私を置いて、別の島めぐりに飛行機に乗って出かけてしまったのではないだろうか・・・?悪い考えばかりが頭に浮かんでくる。
よし、10時まで待って何の連絡も来なければ・・自分の方から明日香のスマホに連絡を入れてみよう・・・。朱莉はそう心に決めた。
するとその矢先、突然朱莉のスマホが鳴った。
手に取ると着信相手は明日香からであった。
朱莉は慌ててスマホをタップすると電話に出た。
「はい、おはようございます。」
『朱莉さん?貴女今何処にいるの?』
「どこって・・・部屋ですけど?」
『嫌だ。まだそんな所にいるの?もうホテルを出るからすぐに荷物をまとめてラウンジまで来て頂戴。早くしてよ!』
そう言う電話は切れてしまった。え?そういう事だったの?私は2人に特に連絡を入れず、食事に行っても良かったと言う事なのだろうか?
本当は自分から、朝連絡を入れるべきだったのだろうか?だが・・昨夜の2人の情事を見せられたのに・・・しかもその最中の明日香と視線が合ってしまったと言うのに・・・どうして連絡など出来るだろうか?
「そっか・・・一緒に来ていても、1人で行動しなさいって事だったんだね・・。」
思わず、悲しみが込み上げて手が止まってしまい、スマホの着信で我に返った。
相手は・・・当然明日香からである。
『どう?朱莉さん、もう片付けは終わったの?』
イライラした口調で明日香がいきなり言って来た。
「あ、すみません。まだです・・・。」
『まったく、随分呑気な人ね?いい?人を待たせてはいけないのよ?こんなの一般常識じゃないの。」
すると脇から翔の窘める声が聞こえてきた。
「まあ、いいじゃ無いか。明日香。ほら、昨日撮影したデジカメの画像でも見て待っていよう。」
電話越しに聞こえて来る明日香に話しかける翔の声は・・・朱莉に向けられるそれとは違って、とても優しい声だった。
「全く仕方ないわね・・・、それじゃ待ってるから早く準備して来なさいよ?」
それだけ言うと、一方的に電話を切られてしまった。
ふう・・・。朱莉は小さくため息を付くと、言った。
「急がなくちゃ。明日香さんを怒らせたらいけないものね。」
そして少ない荷物を片付け始めた―。
朱莉が荷物を持ってラウンジに行くと、翔と朱莉が仲良さげにデジカメを覗き込んでいた。
「すみません、お待たせ致しました。」
すると明日香が顔を上げて朱莉を見た。
「遅かったわね・・・。あら?朱莉さん・・・昨日と同じ服じゃない。私の服は気に入らなかったのかしら?」
「!」
明日香のその言葉に朱莉は凍り付いてしまった。
「言われてみればそうだな・・・。明日香の服を借りなかったのか?昨夜明日香が君に服を貸してあげる約束をしていると言っていたらしいが・・・。」
翔は何処か責めるような口調で朱莉に言った。
まるで明日香の服は気に入らないのかと遠回しに言われているような気持ちになってしまう。
すると明日香が翔に続けて言う。
「そうだったの・・・・?朱莉さん。だったら最初からそう言ってくれれば良かったのに。貴女に渡す服をヴィラの外においておくからと約束したのに、朝になっても荷物が残されたままだったから・・。」
明日香が目を伏せて朱莉を見る。
「何?それは本当の話なのか?」
突如、翔の顔つきが険しくなった。
「あ、あの・・・わ、私は・・・・。」
このままでは誤解される・・・。何か言わなくては・・・そう思い、言葉を発した時に、翔が言った。
「もういい、だが・・・今度からは気を付けてくれよ。今回はたまたま服が盗まれずに済んだから良かったものの・・・守れない約束なら・・初めからしないでくれ。」
視線も合わせずにそれだけ言うと、翔は立ち上がった。
「よし、それじゃ行こうか。」
明日香にそう、優しく語りかける。そのまま2人は腕を組んで歩きだすのを、朱莉は追う事も出来ずに佇んでいると、翔が振り向きもせずに言った。
「・・・来ないなら置いて行くぞ。」
「!す、すみませんっ!行きますッ!」
朱莉は慌てて荷物を持つと、少し距離を開けるように2人の後を追った。
そして、その日は3人でいくつかの島めぐりをしたのだが・・・この日、翔が朱莉に話しかける事はもう無かった—。
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