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2-2 明日香の企み
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その日の夜—
ベッドの中で翔が明日香に言った。
「明日香、突然なんだが・・・今月の18日から25日まで・・2人で一緒にモルディブへ行かないか?実はもう飛行機もホテルも予約済みなんだ。」
「え?!本当に?!行きたいっ!行くに決まってるでしょ!」
明日香は目を輝かせながら言った。
「そうか・・・・・。よし、それじゃ一緒に行こう。」
翔は笑顔で答える。
「2人きりで旅行なんて本当に久しぶりよね。嬉しいな・・今から楽しみ。そうだ。新しい水着買わなくちゃ。それに洋服・・・。」
「ああ、好きにするといいさ。」
「だけど・・・。」
明日香の顔が曇る。
「急に一体どうしたっていうの?今までの翔ならこんな急に予定を立てたりしないのに・・・。」
そしてジロリと翔を睨み付ける。
「う・・・。そ、それは・・・。」
参ったな・・・・。相変わらず明日香は勘が鋭くて困る。翔は思わず苦笑するが、その表情を明日香に見られてしまった。
「ほら!その顔っ!絶対に何か隠してるわね?正直に言いなさいよ。」
「わ・・・分かったよ・・・。」
翔は溜息をつくと、今までの経緯を全て話した。突然朱莉とハネムーンへ行くように祖父に勝手に日程とホテルを予約されてしまった事等・・・。
話を聞き終えると明日香は激怒した。
「何よ、それっ!それじゃあ私は2人のハネムーンのおまけで付いて行くって訳ね?何が2人でよっ!嘘つかないでよっ!」
目に涙を貯め、ヒステリックに叫ぶ明日香に翔は必死で宥める。
「違う、落ち着いて良く聞けって。俺はな、最初から明日香・・・お前を連れて行くつもりだったんだからな?」
「え・・・?翔・・・?その話、本当なの・・・?」
目にうっすら涙を浮かべつつ、明日香は信じられないと言わんばかりの目で翔を見つめる。
「ああ、当たり前じゃ無いか?明日香を1人日本に残して旅行になんか行けるはず無いだろう?」
翔が明日香の頭を優しく撫でながら言う。
「本当に・・・?嬉しいっ!」
明日香は翔の首に腕を回して抱き付く。
「でも・・・朱莉さんも一緒に行くのよね・・・。」
すると翔が言った。
「何言ってるんだ?2人で行こうってさっき言ったばかりだろう?彼女は行かないよ。俺と明日香・・・2人で行くんだよ。入院している母親を置いて、1週間も日本を離れたくないって言うんだ。」
・・・本当は翔にだって、その話が朱莉が旅行に行きたくない為の言い訳だと言うのは重々承知していた。
「ええ?ハネムーンなのに?それって・・・おかしいんじゃないの?」
明日香はそう言ったが、朱莉と言う邪魔者がいない翔との旅は想像するだけでワクワクした。
「ああ、今回は申し訳ないが、遠慮させて下さいと言って来たんだ。それに明日香・・お前にも宜しく伝えてくださいって言ってたぞ?旅行はどうぞお二人で楽しんできてくださいとも言ってたし。」
しかし・・・人一倍プライドが高い明日香にはそれらの言葉がどうしても朱莉から上から目線的な態度で言われているような気がして我慢がならなかった。
(何よ・・・偉ぶっちゃって・・・。なんか気に入らないわ・・・。そうだっ!)
明日香の頭の中に再び意地悪い考えが浮かんだ。
「ねえ、翔。私、今の話を聞いて思ったんだけど・・・それってやっぱりまずいんじゃないのかしら?」
「え?何がまずいんだ?」
不思議そうな顔で翔は尋ねる。
「だって考えても御覧なさいよ。お爺様がわざわざ日程や場所まで指定するって事は・・翔が本当に朱莉さんとハネムーンに行ったのを確認する為に写真を送れとか、もしくは現地に突然現れかもしれないじゃない。やっぱり明日香さんも連れて行くべきよ。」
本当は全て明日香の口から出まかせなのだが、翔はそれを本気に取って考え込んでしまった。
「しかしな・・・もう朱莉さんの決意は固そうだし・・・。」
「大丈夫よ。説得なら私に任せて頂戴?」
そして明日香はほくそ笑むのだった—。
翌朝―
翔が出社するとすぐに明日香は朱莉にメッセージを送った。
『おはよう、朱莉さん。大事な話があるの。今すぐ私達の部屋へ来てくれるかしら?部屋番号は1902号だから。待ってるわ。』
それだけ打つと明日香は朱莉からのメッセージを待った。わざと私達の部屋と朱莉に取って、チクリとする言葉を取り入れる事を忘れなかった。
すると5分も経たないうちに朱莉から返信が来る。
『分かりました。すぐに伺います。』
明日香はそのメッセージを見ると、満足そうに笑みを浮かべた―。
ピンポーン・・・・。
部屋にインターホンの音が響き渡る。
ガチャリ・・・・。
ドアを開けて、明日香は朱莉の余りの変貌ぶりに驚いてしまった。
茶色がかかった二重瞼の大きな瞳・・・堀の深い顔立ち、・・・ふんわりと柔らかく波打つウェーブの髪・・・。最初に会った野暮ったい朱莉とは雲泥の差だった。
明日香は内心の動揺を押さえつつ、言った。
「あ、あら。貴女垢抜けしたみたいじゃない。中々似合っているわよ。」
「ありがとうございます。」
素直に頭を下げる朱莉に何故か明日香はイラついてしまう。
(フン。何よ・・・スカした態度取ってくれちゃって・・・。どうせ私の事馬鹿にしてるんでしょう?)
明日香は下唇を噛むと言った。
「まあいいわ。中に入って頂戴。」
明日香は朱莉を部屋の中に案内した。明日香と翔の部屋は生活感が溢れていて。同じ間取りなのに。全くの別の部屋に見えてしまうから不思議だ。
「そこにかけて。」
朱莉は明日香に勧められるまま。応接セットのソファに腰を下ろす。朱莉が座るのを見届けると自分も座り、いきなり話を切り出した。
「朱莉さん・・・。貴女・・モルディブへは行かないそうね?」
「は、はい。病院に入院している母が・・・・心配なので・・。」
朱莉は少し俯き加減に言うが、明日香には朱莉の嘘をすぐに見抜いた。
(嘘ね。きっと・・・翔に何か言われたんだわ。おおかた現地に着いたら自由に過ごしていいとでも言われたんじゃないかしら?
明日香は意地悪そうな笑みを浮かべると言った。
「ねえ、貴女・・自分の立場を分かってるの?」
「え・・・?」
「貴女の役目は周囲を騙して偽装妻を演じる事よね?」
「は、はい・・・そうです・・・けど・・・。」
「祖父は・・・貴女が本当にハネムーンへ行ったのか、証拠写真を送れと言って来るかもしれないわ。それに・・・日程まで指定して来たと言う事は・・祖父もモルディブへ来るかもしれないって考えに至らない?」
明日香の話に朱莉は顔色を変えた。確かに、言われてみればその通りかもしれない。
「そ、そんな・・・・一体どうすれば・・・。」
「あら、悩む必要なんか無いじゃない。貴女も来ればいいだけの事よ。航空券やホテルの手配は私やってあげるから・・・貴女は早くパスポートを取る事ね。」
そして明日香は笑みを浮かべた。
(フン・・・見てらっしゃい。貴女の前で、うんと翔にくっついて・・2人の仲を貴女に見せつけてやるんだからね・・・・・。)
ここは翔のオフィス—
「どうだ?明日香ちゃん・・・旅行の話、喜んでくれたか?」
琢磨が仕事の手を休めて翔に尋ねた。
「あ、ああ。まあな・・・。」
「何だよ。歯切れの悪い返事だな。まさか・・・また何かあったのか?」
「ああ。明日香の奴が・・・旅行には朱莉さんも行かないと駄目だって言い出したんだよ。祖父から証拠写真を見せろって言われたり、現地にやってきたらどうするんだと言われてね。考えてみればその可能性あるよな?・・・ちっとも意識していなかった。明日香から・・・朱莉さんを説得するって言ってたよ。明日香って・・気が利く女だと思わないか?」
しかし、琢磨は吐き捨てるように言った。
「はあ?翔。お前、本気でそんな事言ってるのか?!違うに決まってるだろう?!」
「何が違うんだよ?」
「翔・・・お前・・・本当に明日香ちゃんに腑抜けにされてしまったのか?いいか?明日香ちゃんが朱莉さんを旅行に誘うのはな・・・・お前と仲が良い所を徹底的に見せつけて、自分の方が立場が上だと言う事を知らしめようとしてるんだよ!明日香ちゃんの目的はな・・・朱莉さんを傷付ける事だけだ!」
「え?そ・・・そうなのか・・?」
琢磨は翔の言葉を聞いて思った。
(この馬鹿が!本当に何も気づいていなかったのか?全く・・・俺が何か朱莉さんを助けてやることが出来ればいいんだが・・・。)
「ああ。そうに決まってる。翔・・・お前離婚する時は・・・朱莉さんの為に1億円位は・・・用意してやるんだぞ?」
琢磨はそれだけ言うと深いため息をつくのだった―。
ベッドの中で翔が明日香に言った。
「明日香、突然なんだが・・・今月の18日から25日まで・・2人で一緒にモルディブへ行かないか?実はもう飛行機もホテルも予約済みなんだ。」
「え?!本当に?!行きたいっ!行くに決まってるでしょ!」
明日香は目を輝かせながら言った。
「そうか・・・・・。よし、それじゃ一緒に行こう。」
翔は笑顔で答える。
「2人きりで旅行なんて本当に久しぶりよね。嬉しいな・・今から楽しみ。そうだ。新しい水着買わなくちゃ。それに洋服・・・。」
「ああ、好きにするといいさ。」
「だけど・・・。」
明日香の顔が曇る。
「急に一体どうしたっていうの?今までの翔ならこんな急に予定を立てたりしないのに・・・。」
そしてジロリと翔を睨み付ける。
「う・・・。そ、それは・・・。」
参ったな・・・・。相変わらず明日香は勘が鋭くて困る。翔は思わず苦笑するが、その表情を明日香に見られてしまった。
「ほら!その顔っ!絶対に何か隠してるわね?正直に言いなさいよ。」
「わ・・・分かったよ・・・。」
翔は溜息をつくと、今までの経緯を全て話した。突然朱莉とハネムーンへ行くように祖父に勝手に日程とホテルを予約されてしまった事等・・・。
話を聞き終えると明日香は激怒した。
「何よ、それっ!それじゃあ私は2人のハネムーンのおまけで付いて行くって訳ね?何が2人でよっ!嘘つかないでよっ!」
目に涙を貯め、ヒステリックに叫ぶ明日香に翔は必死で宥める。
「違う、落ち着いて良く聞けって。俺はな、最初から明日香・・・お前を連れて行くつもりだったんだからな?」
「え・・・?翔・・・?その話、本当なの・・・?」
目にうっすら涙を浮かべつつ、明日香は信じられないと言わんばかりの目で翔を見つめる。
「ああ、当たり前じゃ無いか?明日香を1人日本に残して旅行になんか行けるはず無いだろう?」
翔が明日香の頭を優しく撫でながら言う。
「本当に・・・?嬉しいっ!」
明日香は翔の首に腕を回して抱き付く。
「でも・・・朱莉さんも一緒に行くのよね・・・。」
すると翔が言った。
「何言ってるんだ?2人で行こうってさっき言ったばかりだろう?彼女は行かないよ。俺と明日香・・・2人で行くんだよ。入院している母親を置いて、1週間も日本を離れたくないって言うんだ。」
・・・本当は翔にだって、その話が朱莉が旅行に行きたくない為の言い訳だと言うのは重々承知していた。
「ええ?ハネムーンなのに?それって・・・おかしいんじゃないの?」
明日香はそう言ったが、朱莉と言う邪魔者がいない翔との旅は想像するだけでワクワクした。
「ああ、今回は申し訳ないが、遠慮させて下さいと言って来たんだ。それに明日香・・お前にも宜しく伝えてくださいって言ってたぞ?旅行はどうぞお二人で楽しんできてくださいとも言ってたし。」
しかし・・・人一倍プライドが高い明日香にはそれらの言葉がどうしても朱莉から上から目線的な態度で言われているような気がして我慢がならなかった。
(何よ・・・偉ぶっちゃって・・・。なんか気に入らないわ・・・。そうだっ!)
明日香の頭の中に再び意地悪い考えが浮かんだ。
「ねえ、翔。私、今の話を聞いて思ったんだけど・・・それってやっぱりまずいんじゃないのかしら?」
「え?何がまずいんだ?」
不思議そうな顔で翔は尋ねる。
「だって考えても御覧なさいよ。お爺様がわざわざ日程や場所まで指定するって事は・・翔が本当に朱莉さんとハネムーンに行ったのを確認する為に写真を送れとか、もしくは現地に突然現れかもしれないじゃない。やっぱり明日香さんも連れて行くべきよ。」
本当は全て明日香の口から出まかせなのだが、翔はそれを本気に取って考え込んでしまった。
「しかしな・・・もう朱莉さんの決意は固そうだし・・・。」
「大丈夫よ。説得なら私に任せて頂戴?」
そして明日香はほくそ笑むのだった—。
翌朝―
翔が出社するとすぐに明日香は朱莉にメッセージを送った。
『おはよう、朱莉さん。大事な話があるの。今すぐ私達の部屋へ来てくれるかしら?部屋番号は1902号だから。待ってるわ。』
それだけ打つと明日香は朱莉からのメッセージを待った。わざと私達の部屋と朱莉に取って、チクリとする言葉を取り入れる事を忘れなかった。
すると5分も経たないうちに朱莉から返信が来る。
『分かりました。すぐに伺います。』
明日香はそのメッセージを見ると、満足そうに笑みを浮かべた―。
ピンポーン・・・・。
部屋にインターホンの音が響き渡る。
ガチャリ・・・・。
ドアを開けて、明日香は朱莉の余りの変貌ぶりに驚いてしまった。
茶色がかかった二重瞼の大きな瞳・・・堀の深い顔立ち、・・・ふんわりと柔らかく波打つウェーブの髪・・・。最初に会った野暮ったい朱莉とは雲泥の差だった。
明日香は内心の動揺を押さえつつ、言った。
「あ、あら。貴女垢抜けしたみたいじゃない。中々似合っているわよ。」
「ありがとうございます。」
素直に頭を下げる朱莉に何故か明日香はイラついてしまう。
(フン。何よ・・・スカした態度取ってくれちゃって・・・。どうせ私の事馬鹿にしてるんでしょう?)
明日香は下唇を噛むと言った。
「まあいいわ。中に入って頂戴。」
明日香は朱莉を部屋の中に案内した。明日香と翔の部屋は生活感が溢れていて。同じ間取りなのに。全くの別の部屋に見えてしまうから不思議だ。
「そこにかけて。」
朱莉は明日香に勧められるまま。応接セットのソファに腰を下ろす。朱莉が座るのを見届けると自分も座り、いきなり話を切り出した。
「朱莉さん・・・。貴女・・モルディブへは行かないそうね?」
「は、はい。病院に入院している母が・・・・心配なので・・。」
朱莉は少し俯き加減に言うが、明日香には朱莉の嘘をすぐに見抜いた。
(嘘ね。きっと・・・翔に何か言われたんだわ。おおかた現地に着いたら自由に過ごしていいとでも言われたんじゃないかしら?
明日香は意地悪そうな笑みを浮かべると言った。
「ねえ、貴女・・自分の立場を分かってるの?」
「え・・・?」
「貴女の役目は周囲を騙して偽装妻を演じる事よね?」
「は、はい・・・そうです・・・けど・・・。」
「祖父は・・・貴女が本当にハネムーンへ行ったのか、証拠写真を送れと言って来るかもしれないわ。それに・・・日程まで指定して来たと言う事は・・祖父もモルディブへ来るかもしれないって考えに至らない?」
明日香の話に朱莉は顔色を変えた。確かに、言われてみればその通りかもしれない。
「そ、そんな・・・・一体どうすれば・・・。」
「あら、悩む必要なんか無いじゃない。貴女も来ればいいだけの事よ。航空券やホテルの手配は私やってあげるから・・・貴女は早くパスポートを取る事ね。」
そして明日香は笑みを浮かべた。
(フン・・・見てらっしゃい。貴女の前で、うんと翔にくっついて・・2人の仲を貴女に見せつけてやるんだからね・・・・・。)
ここは翔のオフィス—
「どうだ?明日香ちゃん・・・旅行の話、喜んでくれたか?」
琢磨が仕事の手を休めて翔に尋ねた。
「あ、ああ。まあな・・・。」
「何だよ。歯切れの悪い返事だな。まさか・・・また何かあったのか?」
「ああ。明日香の奴が・・・旅行には朱莉さんも行かないと駄目だって言い出したんだよ。祖父から証拠写真を見せろって言われたり、現地にやってきたらどうするんだと言われてね。考えてみればその可能性あるよな?・・・ちっとも意識していなかった。明日香から・・・朱莉さんを説得するって言ってたよ。明日香って・・気が利く女だと思わないか?」
しかし、琢磨は吐き捨てるように言った。
「はあ?翔。お前、本気でそんな事言ってるのか?!違うに決まってるだろう?!」
「何が違うんだよ?」
「翔・・・お前・・・本当に明日香ちゃんに腑抜けにされてしまったのか?いいか?明日香ちゃんが朱莉さんを旅行に誘うのはな・・・・お前と仲が良い所を徹底的に見せつけて、自分の方が立場が上だと言う事を知らしめようとしてるんだよ!明日香ちゃんの目的はな・・・朱莉さんを傷付ける事だけだ!」
「え?そ・・・そうなのか・・?」
琢磨は翔の言葉を聞いて思った。
(この馬鹿が!本当に何も気づいていなかったのか?全く・・・俺が何か朱莉さんを助けてやることが出来ればいいんだが・・・。)
「ああ。そうに決まってる。翔・・・お前離婚する時は・・・朱莉さんの為に1億円位は・・・用意してやるんだぞ?」
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