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6-4 聞かれた話
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シドはジェニファーを部屋に運ぶと、室内を見渡した。
「どうしよう……身体が濡れているから寝かせることも出来ないし……」
そこで取り合えずジェニファーをソファに寝かせて、暖炉に火を灯したとき。
「シドさん、ジェニファー様の様子はどうですか!?」
ポリーが数人のメイド達を引き連れてやって来た。メイドの中にはココの姿もある。
「ソファの上で休ませている。服が濡れているので、ベッドに運ぶことが出来なかったんだ」
「ジェニファー様! 酷い顔色だわ……」
ソファに横たわるジェニファーを見たココは眉をひそめ、次にシドに声をかけた。
「シドさん、まずはジェニファー様の着替えをしますから部屋から出て行って下さい」
「分かった。医者の方はどうなっている?」
「今執事長が近隣の女性医師に連絡を入れています」
「女性医師か……やはり、そうだよな。なら、後のことは任せる」
シドが部屋を出て行くと、ポリーが追いかけてきた。
「シドさん! 待ってください!」
「ポリーか。どうしたんだ? ジェニファー様の傍にいなくていいのか?」
「勿論、私はジェニファー様の専属メイドなのでお傍にいます。ところでシドさん。何処へいくつもりですか?」
「勿論、ニコラス様のところだ。ジェニファー様のことを話しに行ってくる」
幾ら主人と言えど、シドは先程ニコラスがジェニファーに取った態度が許せなかったのだ。
「そうですか、御主人様に文句を言いに行くわけですね?」
「文句……確かにそう取られてしまうかもしれないな」
ポリーも余程腹に据えかねたのか、大胆な言葉を口にする。
「ジェニファー様は、もしかすると怪我をしているのかもしれません……そのことを御主人様に伝えてください」
「何!? 怪我だって!? 一体どういうことだ!?」
シドの顔が険しくなる。
「実は車輪が外れたとき、馬車が大きく傾いたのです。私は咄嗟に手すりにつかまったので、椅子から落ちずに済みました。ですがジェニファー様はジョナサン様を膝の上に乗せていました。ジェニファー様はジョナサン様が落ちないように両手で抱きしめて、床に投げ落とされてしまったんです!」
「な、何だって……」
「ジェニファー様は私に心配させまいとしたのでしょう。大丈夫だと言ってましたが……ジョナサン様を抱いて歩いている時、酷く辛そうでした。まるで痛みを堪えているかのように見えました。だから本当はわ……私がジョナサン様を抱いて歩けば良かったのに……ジェニファー様じゃなければ嫌がって泣いて……」
ポリーの目から再び涙が流れる。
「ポリー……」
「つ、つまり私が言いたいのはジョナサン様のお世話ができるのはジェニファー様だけなんです! だから旦那様はもっとジェニファー様を尊重するべきなんです! そ、それなのに先程のあの態度……あまりに酷すぎます。あれではあまりにお気の毒です!」
「話してくれてありがとう、ポリー」
シドはグズグズ泣いてるポリーの頭を撫でた。
「それに……私、ジェニー様を許せません……亡くなってしまった人を悪くは言いたくありませんけど、ジェニファー様が本来いるべき場所をジェニー様は嘘をついて奪ったのですよ!? いくら、手紙で謝罪したからって……到底許されるべきではありません!」
その時、突然大きな声が響いた。
「何!? ジェニーの手紙があるのか!?」
シドとポリーは驚いて振り向くと、目を見開いているニコラスの姿があった――
「どうしよう……身体が濡れているから寝かせることも出来ないし……」
そこで取り合えずジェニファーをソファに寝かせて、暖炉に火を灯したとき。
「シドさん、ジェニファー様の様子はどうですか!?」
ポリーが数人のメイド達を引き連れてやって来た。メイドの中にはココの姿もある。
「ソファの上で休ませている。服が濡れているので、ベッドに運ぶことが出来なかったんだ」
「ジェニファー様! 酷い顔色だわ……」
ソファに横たわるジェニファーを見たココは眉をひそめ、次にシドに声をかけた。
「シドさん、まずはジェニファー様の着替えをしますから部屋から出て行って下さい」
「分かった。医者の方はどうなっている?」
「今執事長が近隣の女性医師に連絡を入れています」
「女性医師か……やはり、そうだよな。なら、後のことは任せる」
シドが部屋を出て行くと、ポリーが追いかけてきた。
「シドさん! 待ってください!」
「ポリーか。どうしたんだ? ジェニファー様の傍にいなくていいのか?」
「勿論、私はジェニファー様の専属メイドなのでお傍にいます。ところでシドさん。何処へいくつもりですか?」
「勿論、ニコラス様のところだ。ジェニファー様のことを話しに行ってくる」
幾ら主人と言えど、シドは先程ニコラスがジェニファーに取った態度が許せなかったのだ。
「そうですか、御主人様に文句を言いに行くわけですね?」
「文句……確かにそう取られてしまうかもしれないな」
ポリーも余程腹に据えかねたのか、大胆な言葉を口にする。
「ジェニファー様は、もしかすると怪我をしているのかもしれません……そのことを御主人様に伝えてください」
「何!? 怪我だって!? 一体どういうことだ!?」
シドの顔が険しくなる。
「実は車輪が外れたとき、馬車が大きく傾いたのです。私は咄嗟に手すりにつかまったので、椅子から落ちずに済みました。ですがジェニファー様はジョナサン様を膝の上に乗せていました。ジェニファー様はジョナサン様が落ちないように両手で抱きしめて、床に投げ落とされてしまったんです!」
「な、何だって……」
「ジェニファー様は私に心配させまいとしたのでしょう。大丈夫だと言ってましたが……ジョナサン様を抱いて歩いている時、酷く辛そうでした。まるで痛みを堪えているかのように見えました。だから本当はわ……私がジョナサン様を抱いて歩けば良かったのに……ジェニファー様じゃなければ嫌がって泣いて……」
ポリーの目から再び涙が流れる。
「ポリー……」
「つ、つまり私が言いたいのはジョナサン様のお世話ができるのはジェニファー様だけなんです! だから旦那様はもっとジェニファー様を尊重するべきなんです! そ、それなのに先程のあの態度……あまりに酷すぎます。あれではあまりにお気の毒です!」
「話してくれてありがとう、ポリー」
シドはグズグズ泣いてるポリーの頭を撫でた。
「それに……私、ジェニー様を許せません……亡くなってしまった人を悪くは言いたくありませんけど、ジェニファー様が本来いるべき場所をジェニー様は嘘をついて奪ったのですよ!? いくら、手紙で謝罪したからって……到底許されるべきではありません!」
その時、突然大きな声が響いた。
「何!? ジェニーの手紙があるのか!?」
シドとポリーは驚いて振り向くと、目を見開いているニコラスの姿があった――
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