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第8章 18 以外な人物
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「「え…?」」
アグネスとアンドレアは扉を開けた人物が見たこともない高齢の老婆だったので戸惑いの声をあげた。一方老婆の方も困惑の表情で尋ねてきた。
「あの…失礼ですがどちら様です?見た所…ホテルの方ではないようですが…?」
「す、すみません。この部屋にはいつから滞在されているのですか?何名で宿泊されているのですか?」
アンドレアは切羽詰まった様子で老婆に尋ねた。
「この部屋には2日前から宿泊していますよ?夫と2人で…というか…」
老婆は明らかに不満そうな顔でアンドレアと先程から一言も発しないアグネスの顔を見つめながら尋ねた。
「一体何故見知らぬ相手にそのような事を答えなくてはならないのですか?全く不愉快でたまりません」
老婆は明らかに不満そうにしている。すると今度は男性老人が老婆の背後から現れた。
「どちら様です?早く出ていかないと…フロントに連絡を入れて通報してもらいますよ?」
(流石にその言葉を言われては引き下がるわけにはいかないわね…彼が警察に軟禁状態にされているということは…ひょっとすると私も手配書が回っているかもしれないわ。ここで警察にでも連絡がいってしまったら…)
「申し訳ございませんでした。部屋を間違えてしまったようですわ。それでは失礼致します」
アグネスは頭を下げた。
「え?あ、いや。しかし…」
アンドレアの方はまだ疑っていた。ひょっとするとこの部屋にリヒャルト達がいるのではないかと…。
「いいから早く来なさい!」
小さな声でアグネスに命じられ、アンドレアは仕方なく引き下がった。
バタン!
目の前で扉が閉まると、アグネスはアンドレアを睨みつけた。
「ほら、行くわよ!」
そしてさっさと歩き出す。その後を追いかけながらアンドレアが言った。
「何故、引き下がるのです?ひょっとするとあの部屋に彼等が…」
「いるはずないでしょうっ?!」
前を歩いていたアグネスは振り返るとアンドレアをギラッと睨みつけた。
「そうよ…そもそも考えが甘かったのよ。彼等だって私に見つかったらまずいのは百も承知…。同じ場所にずっと留まるはずが無かったのだわ…」
そしてアンドレアを見てため息を付いた。所詮、アンドレアは温室育ちの貴族…。数々の修羅場をくぐり抜けてきた自分とは人生経験が違うのだと―。
****
「あ…!な、何故ここに…?!」
グスタフは今夜、本当ならばレストランでシェフとして働いているジミーが扉の前に立っていることに驚いた。ヴィクトールとリヒャルトも何事かと部屋の奥から姿を見せる。
「一体どうして君がここにいるのだ?今夜はレストランでアグネスとエーリカを見張ってるのでは無かったか?」
リヒャルトの質問にジミーは切羽詰まったように言った。
「大変なんです!レストランにアンドレアが現れてアグネスと接触していたのですよ!恐らく彼はリヒャルト様たちの事をアグネスに暴露したかもしれません!」
「な、何だって…?!」
リヒャルトはその言葉に顔色を変えた。
「落ち着いて下さい、リヒャルト様。このホテルは以前宿泊していたホテルとは反対方向だし、5Km以上離れています。まずはリカルド様が戻られてから今後の事を考えましょう」
ヴィクトールは言いながら思った。リカルドの言う通り、ホテルの宿泊先を変えておいて良かったと―。
アグネスとアンドレアは扉を開けた人物が見たこともない高齢の老婆だったので戸惑いの声をあげた。一方老婆の方も困惑の表情で尋ねてきた。
「あの…失礼ですがどちら様です?見た所…ホテルの方ではないようですが…?」
「す、すみません。この部屋にはいつから滞在されているのですか?何名で宿泊されているのですか?」
アンドレアは切羽詰まった様子で老婆に尋ねた。
「この部屋には2日前から宿泊していますよ?夫と2人で…というか…」
老婆は明らかに不満そうな顔でアンドレアと先程から一言も発しないアグネスの顔を見つめながら尋ねた。
「一体何故見知らぬ相手にそのような事を答えなくてはならないのですか?全く不愉快でたまりません」
老婆は明らかに不満そうにしている。すると今度は男性老人が老婆の背後から現れた。
「どちら様です?早く出ていかないと…フロントに連絡を入れて通報してもらいますよ?」
(流石にその言葉を言われては引き下がるわけにはいかないわね…彼が警察に軟禁状態にされているということは…ひょっとすると私も手配書が回っているかもしれないわ。ここで警察にでも連絡がいってしまったら…)
「申し訳ございませんでした。部屋を間違えてしまったようですわ。それでは失礼致します」
アグネスは頭を下げた。
「え?あ、いや。しかし…」
アンドレアの方はまだ疑っていた。ひょっとするとこの部屋にリヒャルト達がいるのではないかと…。
「いいから早く来なさい!」
小さな声でアグネスに命じられ、アンドレアは仕方なく引き下がった。
バタン!
目の前で扉が閉まると、アグネスはアンドレアを睨みつけた。
「ほら、行くわよ!」
そしてさっさと歩き出す。その後を追いかけながらアンドレアが言った。
「何故、引き下がるのです?ひょっとするとあの部屋に彼等が…」
「いるはずないでしょうっ?!」
前を歩いていたアグネスは振り返るとアンドレアをギラッと睨みつけた。
「そうよ…そもそも考えが甘かったのよ。彼等だって私に見つかったらまずいのは百も承知…。同じ場所にずっと留まるはずが無かったのだわ…」
そしてアンドレアを見てため息を付いた。所詮、アンドレアは温室育ちの貴族…。数々の修羅場をくぐり抜けてきた自分とは人生経験が違うのだと―。
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「あ…!な、何故ここに…?!」
グスタフは今夜、本当ならばレストランでシェフとして働いているジミーが扉の前に立っていることに驚いた。ヴィクトールとリヒャルトも何事かと部屋の奥から姿を見せる。
「一体どうして君がここにいるのだ?今夜はレストランでアグネスとエーリカを見張ってるのでは無かったか?」
リヒャルトの質問にジミーは切羽詰まったように言った。
「大変なんです!レストランにアンドレアが現れてアグネスと接触していたのですよ!恐らく彼はリヒャルト様たちの事をアグネスに暴露したかもしれません!」
「な、何だって…?!」
リヒャルトはその言葉に顔色を変えた。
「落ち着いて下さい、リヒャルト様。このホテルは以前宿泊していたホテルとは反対方向だし、5Km以上離れています。まずはリカルド様が戻られてから今後の事を考えましょう」
ヴィクトールは言いながら思った。リカルドの言う通り、ホテルの宿泊先を変えておいて良かったと―。
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