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第5章 17 昨夜のことは
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「ん…!」
スカーレットはいきなり唇を塞がれて衝撃を受けた。力強く抱きしめられ、思った以上にアリオスの熱を持った唇を押し付けられて、一瞬何が起こっているのか分からなかった。しかし、酔いも手伝っていたからなのかそれとも相手がアリオスだったからなのかは分からないが、不思議と不快な感覚は無かった。
それはとても長い口付けでスカーレットはうまく呼吸が出来ずに、思わずうめき声を上げた。
「んん…っ!」
その時、アリオスはハッとなり慌ててスカーレットの肩を掴んで引き剥がした。
「す、すまなかった!」
スカーレットから身体を離すとアリオスは頭を下げた。
(俺は一体何て事をしてしまったんだ?!いくらアルコールを飲んでいたからと言って…スカーレットから頬にキスされたくらいで理性が飛ぶなんて…っ!)
アリオスは自分の感情の高ぶりに驚いていた。たったあれだけの事で抑制が効かなくなるとは思ってもいなかった。それと同時に自分がどうしようもなくスカーレットに惹かれている事を気付かされたのだ。
「い、いえ…。か、かなり驚きましたが…さ、先にキスしてしまったのは私の方ですから…これでおあいこという事で…」
自分でも何を言っているのかよく分からなかったが、スカーレットは何とか言葉を紡ぎ出した。
「スカーレット、俺は…」
(俺はお前の事が…)
しかし、アリオスが次の言葉を発する前にスカーレットは口を開いた。
「お部屋まで送って頂きありがとうございました…」
頭を下げると、扉を開いて部屋の中に入ってしまった。
「スカーレット!」
手を伸ばしたが、無情にも扉は閉ざされてしまった。
(そ、そんな…スカーレット…ッ!)
アリオスはがっくりと首を項垂れた。
(そうだよな…好きでもない男に…ましてや男性恐怖症だと言うのにそんな女性相手に俺は何て事を…部屋に戻ろう…)
深いため息を付くと、隣の部屋の扉を開けてアリオスは部屋の中へ入っていった。
一方、スカーレットは真っ赤な顔で扉に寄りかかっていた。心臓はうるさいほどにドキドキと高鳴っている。
(一体どうしてしまったの…?私、男性が苦手だったのに…アリオス様にキスされても少しも嫌じゃなかった…)
それどころかもっと抱きしめてキスをして欲しいと望んでいた。そしてそっと唇に手を触れ、頬を赤らめた―。
****
翌朝―
「おはようございます!」
カールがアリオスと共にスカーレット達の部屋へやってきた。
「「おはようございます」」
スカーレットとカールは声を揃えて挨拶をした。
「あ、ああ…おはよう」
アリオスは明らかにバツが悪そうに視線をそらせながら挨拶をした。その様子が哀れでもあり、視線を合わせてくれないアリオスに寂しさすらスカーレットは感じていた。
(ここは…私が何食わぬ顔をしておいたほうが良さそうださわ…)
自分が何も覚えていないフリさえすればいつものような関係に戻れるだろうと思ったスカーレットはにこやかな笑みを浮かべてカールと、そしてアリオスに自然に話しかけた。
「アリオス様。カール様。お迎えに来て頂き、ありがとうございます」
「あ、ああ」
アリオスは返事をするとチラリとスカーレットを見た。
(ひょっとするとスカーレットは昨夜の事を何も覚えていないのだろうか…?)
アリオスの目には普段と変わらないスカーレットがそこに立っていた。
「よし、それでは朝食に行こう。その後に帰るからな」
「「「はい」」」
3人は揃って返事をした―。
スカーレットはいきなり唇を塞がれて衝撃を受けた。力強く抱きしめられ、思った以上にアリオスの熱を持った唇を押し付けられて、一瞬何が起こっているのか分からなかった。しかし、酔いも手伝っていたからなのかそれとも相手がアリオスだったからなのかは分からないが、不思議と不快な感覚は無かった。
それはとても長い口付けでスカーレットはうまく呼吸が出来ずに、思わずうめき声を上げた。
「んん…っ!」
その時、アリオスはハッとなり慌ててスカーレットの肩を掴んで引き剥がした。
「す、すまなかった!」
スカーレットから身体を離すとアリオスは頭を下げた。
(俺は一体何て事をしてしまったんだ?!いくらアルコールを飲んでいたからと言って…スカーレットから頬にキスされたくらいで理性が飛ぶなんて…っ!)
アリオスは自分の感情の高ぶりに驚いていた。たったあれだけの事で抑制が効かなくなるとは思ってもいなかった。それと同時に自分がどうしようもなくスカーレットに惹かれている事を気付かされたのだ。
「い、いえ…。か、かなり驚きましたが…さ、先にキスしてしまったのは私の方ですから…これでおあいこという事で…」
自分でも何を言っているのかよく分からなかったが、スカーレットは何とか言葉を紡ぎ出した。
「スカーレット、俺は…」
(俺はお前の事が…)
しかし、アリオスが次の言葉を発する前にスカーレットは口を開いた。
「お部屋まで送って頂きありがとうございました…」
頭を下げると、扉を開いて部屋の中に入ってしまった。
「スカーレット!」
手を伸ばしたが、無情にも扉は閉ざされてしまった。
(そ、そんな…スカーレット…ッ!)
アリオスはがっくりと首を項垂れた。
(そうだよな…好きでもない男に…ましてや男性恐怖症だと言うのにそんな女性相手に俺は何て事を…部屋に戻ろう…)
深いため息を付くと、隣の部屋の扉を開けてアリオスは部屋の中へ入っていった。
一方、スカーレットは真っ赤な顔で扉に寄りかかっていた。心臓はうるさいほどにドキドキと高鳴っている。
(一体どうしてしまったの…?私、男性が苦手だったのに…アリオス様にキスされても少しも嫌じゃなかった…)
それどころかもっと抱きしめてキスをして欲しいと望んでいた。そしてそっと唇に手を触れ、頬を赤らめた―。
****
翌朝―
「おはようございます!」
カールがアリオスと共にスカーレット達の部屋へやってきた。
「「おはようございます」」
スカーレットとカールは声を揃えて挨拶をした。
「あ、ああ…おはよう」
アリオスは明らかにバツが悪そうに視線をそらせながら挨拶をした。その様子が哀れでもあり、視線を合わせてくれないアリオスに寂しさすらスカーレットは感じていた。
(ここは…私が何食わぬ顔をしておいたほうが良さそうださわ…)
自分が何も覚えていないフリさえすればいつものような関係に戻れるだろうと思ったスカーレットはにこやかな笑みを浮かべてカールと、そしてアリオスに自然に話しかけた。
「アリオス様。カール様。お迎えに来て頂き、ありがとうございます」
「あ、ああ」
アリオスは返事をするとチラリとスカーレットを見た。
(ひょっとするとスカーレットは昨夜の事を何も覚えていないのだろうか…?)
アリオスの目には普段と変わらないスカーレットがそこに立っていた。
「よし、それでは朝食に行こう。その後に帰るからな」
「「「はい」」」
3人は揃って返事をした―。
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