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第4章 11 罠に落ちたスカーレット
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「ところでスカーレット、君はあまり美しく着飾る事に興味はないのかな?」
アイザックは無遠慮にジロジロとスカーレットを見ると言った。
「は、はい…わ、私はお洒落することよりも…ほ、本を読んだり、お菓子を作ることのほうが…す、好きなので…」
スカーレットは恐怖を押し殺しながら何とかアイザックと会話する。
「へえ~…君は伯爵令嬢なのに、まるで普通の令嬢達とは違うね。彼女たちは大抵読書よりもお洒落を好むし、お菓子は作るものではなく食べるものだと思っているからね」
アイザックは紅茶を飲みながら言う。その言い方はどことなく貴族女性達を軽く見ているようにスカーレットは聞こえてしまった。
「そ、そうでしょうか…」
するとアイザックはニコリと笑みを浮かべて言う。
「でも…私としてはそのようなシンプルな服装も…良いと思うよ。何より手間が省けるから」
「え…?」
(一体それはどういう意味かしら…)
何故かこの時、スカーレットは言いしれぬ恐怖を感じて席を立とうとした。
しかし…。
「!」
何故か身体に力が入らず、席を立つことが出来ない。それどころか腕を動かすことも出来ずにいた。
「あ…な、な…に…?」」
気付けばまともに口を聞くことすらままならない。
「ああ…どうやら薬が効いてきたみたいだね?」
「…?」
もはやスカーレットは言葉を発する事もできずにいた。しかし、意識だけははっきりしている。それがより一層スカーレットの恐怖を駆り立てた。
「君の紅茶に痺れ薬を仕込ませてもらったのさ。さっき君のお茶を運んできたメイドがいただろう?彼女に頼んでね」
(そ、そんな…!い、一体アイザック皇子は私をどうするつもり…?!)
「実はね、スカーレット…。妹がどうしてもアリオスを諦めきれないって言うんだ。もともとお茶会に君を呼んだ後は…私と話し合いをしてもらおうかと思っていたんだよ。何とかアリオスとの婚約を取りやめにしてもらえないか…アリオスは頑固だからね。君なら願いに応じてくれるかと思ったんだ。ヴァイオレットはお茶会の席で君に恥をかかそうとしていたからね」
アイザックは立ち上がるとスカーレットの側に近付いた。その時、アイザックからふとカルダモンの香水が漂った。その香りがスカーレットにより一層の恐怖を与える。何故ならそれはあの日、アンドレアがつけていた香水を思わせるような香りだったからだ。
(い…いや…こ、怖い…)
顔が青ざめていくスカーレットに気付いたのか、アイザックがスカーレットの耳元に口を寄せた。
「ああ…そんなに怖がることはない。私は慣れてるからね。大丈夫、優しくしてあげると約束するよ」
スカーレットの耳元でそっと囁く。その瞬間、スカーレットの全身に鳥肌が立つ。
(ま、まさか…アイザック皇子は…わ、私を…?)
次の瞬間、スカーレットはアイザックに軽々と抱き上げられてしまった。
「!」
そしてそのままベッドへ運ばれていき、スブリングの効いたベッドの上に投げ出されてしまった。
(キャアッ!!)
心のなかで悲鳴を上げるスカーレット。するとアイザックはスカーレットの着ているワンピースのボタンを一つ一つゆっくり外しながら言う。
「最初の計画ではね…貴族令嬢達の前で恥をかかされてしまった君を私が慰める為に部屋に招いて君を私の物にしてアリオスとの婚約を破棄させようと考えていたんだ。婚約者がいるのに別の男と関係を持った女性をチェスター家が迎え入れるはずはないからね。それに君は若くて美しい。私の愛人にするには丁度よい相手だよ」
美しい笑みを浮かべながら指1本動かすことの出来ないスカーレットにのしかかるアイザックはもはや獣にしか見えなかった―。
アイザックは無遠慮にジロジロとスカーレットを見ると言った。
「は、はい…わ、私はお洒落することよりも…ほ、本を読んだり、お菓子を作ることのほうが…す、好きなので…」
スカーレットは恐怖を押し殺しながら何とかアイザックと会話する。
「へえ~…君は伯爵令嬢なのに、まるで普通の令嬢達とは違うね。彼女たちは大抵読書よりもお洒落を好むし、お菓子は作るものではなく食べるものだと思っているからね」
アイザックは紅茶を飲みながら言う。その言い方はどことなく貴族女性達を軽く見ているようにスカーレットは聞こえてしまった。
「そ、そうでしょうか…」
するとアイザックはニコリと笑みを浮かべて言う。
「でも…私としてはそのようなシンプルな服装も…良いと思うよ。何より手間が省けるから」
「え…?」
(一体それはどういう意味かしら…)
何故かこの時、スカーレットは言いしれぬ恐怖を感じて席を立とうとした。
しかし…。
「!」
何故か身体に力が入らず、席を立つことが出来ない。それどころか腕を動かすことも出来ずにいた。
「あ…な、な…に…?」」
気付けばまともに口を聞くことすらままならない。
「ああ…どうやら薬が効いてきたみたいだね?」
「…?」
もはやスカーレットは言葉を発する事もできずにいた。しかし、意識だけははっきりしている。それがより一層スカーレットの恐怖を駆り立てた。
「君の紅茶に痺れ薬を仕込ませてもらったのさ。さっき君のお茶を運んできたメイドがいただろう?彼女に頼んでね」
(そ、そんな…!い、一体アイザック皇子は私をどうするつもり…?!)
「実はね、スカーレット…。妹がどうしてもアリオスを諦めきれないって言うんだ。もともとお茶会に君を呼んだ後は…私と話し合いをしてもらおうかと思っていたんだよ。何とかアリオスとの婚約を取りやめにしてもらえないか…アリオスは頑固だからね。君なら願いに応じてくれるかと思ったんだ。ヴァイオレットはお茶会の席で君に恥をかかそうとしていたからね」
アイザックは立ち上がるとスカーレットの側に近付いた。その時、アイザックからふとカルダモンの香水が漂った。その香りがスカーレットにより一層の恐怖を与える。何故ならそれはあの日、アンドレアがつけていた香水を思わせるような香りだったからだ。
(い…いや…こ、怖い…)
顔が青ざめていくスカーレットに気付いたのか、アイザックがスカーレットの耳元に口を寄せた。
「ああ…そんなに怖がることはない。私は慣れてるからね。大丈夫、優しくしてあげると約束するよ」
スカーレットの耳元でそっと囁く。その瞬間、スカーレットの全身に鳥肌が立つ。
(ま、まさか…アイザック皇子は…わ、私を…?)
次の瞬間、スカーレットはアイザックに軽々と抱き上げられてしまった。
「!」
そしてそのままベッドへ運ばれていき、スブリングの効いたベッドの上に投げ出されてしまった。
(キャアッ!!)
心のなかで悲鳴を上げるスカーレット。するとアイザックはスカーレットの着ているワンピースのボタンを一つ一つゆっくり外しながら言う。
「最初の計画ではね…貴族令嬢達の前で恥をかかされてしまった君を私が慰める為に部屋に招いて君を私の物にしてアリオスとの婚約を破棄させようと考えていたんだ。婚約者がいるのに別の男と関係を持った女性をチェスター家が迎え入れるはずはないからね。それに君は若くて美しい。私の愛人にするには丁度よい相手だよ」
美しい笑みを浮かべながら指1本動かすことの出来ないスカーレットにのしかかるアイザックはもはや獣にしか見えなかった―。
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