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第4章 9 お茶の誘い
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「折角城まで来たのだから、私と一緒にお茶でも飲まないかい?」
アイザックは美しい顔に笑みを浮かべながらスカーレットに問いかけた。
「え…?アイザック皇子様とですか…?」
「ああ、そうだよ。私と2人きりで」
2人きり…その言葉にスカーレットは怯えた。
(そ、そんな…男の人と2人きりになるなんて無理だわ…!相手がいかに身分の高い皇子様だとしても…)
スカーレットが震えている姿を見てアイザックは思った。
(フフフ…緊張しているのか?あんなに小刻みに震えて…他の女性たちとはまた違う反応で、新鮮だ。随分可愛らしいじゃないか)
アイザックは完全に勘違いしていた。スカーレットは男性恐怖症からアイザックに対して恐怖を抱き震えているのだという事に気付いていない。彼は自分の皇子という身分と人目を引くほどの美しく整った容姿に自信があった。今まで数多くの女性から自分の気を引こうと言い寄られてきた。なので自分の事に怯えて震えているとは思いもしていなかったのだ。
「どうした?妹の誘いには応じたのだから、私の誘いを断るとは言わないよね?」
優しい言い方ではあったが、それは有無を言わさないものであった。しかし、それでもスカーレットは勇気を振り絞って言った。
「あ、あの…大変申し訳ございませんが…まだ気分が悪いので帰らせて頂けませんか?お願い致します」
そして丁寧に頭を下げた。その言葉にアイザックは眉をひそめた。
(何だって?この私の誘いを断るというのか?)
それはアイザックに取っては初めての経験だった。今まで自分から女性を誘った事等殆ど無かった上、仮に誘ったとしても必ず全員応じてくれた。それが断られてしまったのだ。
(面白いじゃないか…あんなに震えながらも断るなんて。それほど私よりもアリオスが良いというのだな?)
自分に堕ちない女性ほど堕としたくなる…そんな欲求がアイザックを満たした。
まるで生まれたての子猫の様に震えている美しいスカーレットを前にアイザックはアリオスという婚約者がいるにも関わらず、どうしても手に入れたくなってしまった。
「もう一度聞くよ。スカーレット、私とお茶の1杯でも飲んでくれいないか?そうしないと馬車の用意が出来ないんだ」
「!そ、そんな…!」
スカーレットはその言葉に青ざめた。
王宮からチェスター家までの道のりは長い。男性恐怖症であるスカーレットには自分で辻馬車を拾って帰る事など、到底できそうに無かった。何故なら御者は全員男性だったからだ。
(アイザック皇子は…私を脅迫しているのだわ…。だけど馬車が無ければ私はチェスター家に帰れないわ…)
「わ、分かりました…1杯だけなら…」
スカーレットは恐怖に震えながらも何とか返事をした。
(大丈夫。一応私はアリオス様の婚約者とされているわ。アイザック皇子様だってその事は承知のはずよ。それにやはり皇子様の誘いを断るなんて失礼な事私には出来ないわ…)
「そうか、良かった。快諾してくれて。それでは、ここで話をするのも何だろう。場所を変えよう。ついておいで」
「わ、分かりました…」
(ティールームでお話でもするのかしら…?)
アイザックが部屋を出たのでスカーレットもその後を追った―。
アイザックは美しい顔に笑みを浮かべながらスカーレットに問いかけた。
「え…?アイザック皇子様とですか…?」
「ああ、そうだよ。私と2人きりで」
2人きり…その言葉にスカーレットは怯えた。
(そ、そんな…男の人と2人きりになるなんて無理だわ…!相手がいかに身分の高い皇子様だとしても…)
スカーレットが震えている姿を見てアイザックは思った。
(フフフ…緊張しているのか?あんなに小刻みに震えて…他の女性たちとはまた違う反応で、新鮮だ。随分可愛らしいじゃないか)
アイザックは完全に勘違いしていた。スカーレットは男性恐怖症からアイザックに対して恐怖を抱き震えているのだという事に気付いていない。彼は自分の皇子という身分と人目を引くほどの美しく整った容姿に自信があった。今まで数多くの女性から自分の気を引こうと言い寄られてきた。なので自分の事に怯えて震えているとは思いもしていなかったのだ。
「どうした?妹の誘いには応じたのだから、私の誘いを断るとは言わないよね?」
優しい言い方ではあったが、それは有無を言わさないものであった。しかし、それでもスカーレットは勇気を振り絞って言った。
「あ、あの…大変申し訳ございませんが…まだ気分が悪いので帰らせて頂けませんか?お願い致します」
そして丁寧に頭を下げた。その言葉にアイザックは眉をひそめた。
(何だって?この私の誘いを断るというのか?)
それはアイザックに取っては初めての経験だった。今まで自分から女性を誘った事等殆ど無かった上、仮に誘ったとしても必ず全員応じてくれた。それが断られてしまったのだ。
(面白いじゃないか…あんなに震えながらも断るなんて。それほど私よりもアリオスが良いというのだな?)
自分に堕ちない女性ほど堕としたくなる…そんな欲求がアイザックを満たした。
まるで生まれたての子猫の様に震えている美しいスカーレットを前にアイザックはアリオスという婚約者がいるにも関わらず、どうしても手に入れたくなってしまった。
「もう一度聞くよ。スカーレット、私とお茶の1杯でも飲んでくれいないか?そうしないと馬車の用意が出来ないんだ」
「!そ、そんな…!」
スカーレットはその言葉に青ざめた。
王宮からチェスター家までの道のりは長い。男性恐怖症であるスカーレットには自分で辻馬車を拾って帰る事など、到底できそうに無かった。何故なら御者は全員男性だったからだ。
(アイザック皇子は…私を脅迫しているのだわ…。だけど馬車が無ければ私はチェスター家に帰れないわ…)
「わ、分かりました…1杯だけなら…」
スカーレットは恐怖に震えながらも何とか返事をした。
(大丈夫。一応私はアリオス様の婚約者とされているわ。アイザック皇子様だってその事は承知のはずよ。それにやはり皇子様の誘いを断るなんて失礼な事私には出来ないわ…)
「そうか、良かった。快諾してくれて。それでは、ここで話をするのも何だろう。場所を変えよう。ついておいで」
「わ、分かりました…」
(ティールームでお話でもするのかしら…?)
アイザックが部屋を出たのでスカーレットもその後を追った―。
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