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第4章 7 見知らぬ部屋での目覚め
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ガラガラガラガラ…
狭い馬車の中、スカーレットは息を殺して椅子に座っていた。なるべく自分の向かい側に座る男性と距離を空けるように座り、馬車の窓の外を眺めて必死になって男性から意識をそらすように努めた。
(大丈夫、大丈夫‥この馬車に乗っているのは私だけと思い込むのよ…)
スカーレットは必死になって自分自身に言い聞かせた。そうでなければとても正気を保てそうになかったからだ。目をギュッと閉じ、身体を縮こませていたのだが、それが逆にいけなかった。
「あの…スカーレット様、いかがされましたか?」
初老の男性が声を掛けてきたのだ。
「ヒッ!」
スカーレットは思わず悲鳴を上げ、頭を抱えてガタガタと震え出した。
「どうされたのですか?スカーレット様」
男性は声を掛け、スカーレットに近付いて手を伸ばした時―。
「キャアアアッ!イヤアアアッ!!」
スカーレットはとうとう悲鳴を上げ…馬車の中で気を失ってしまった―。
****
「う…」
次スカーレットが目を開けた時、スカーレットの目に飛び込んできたのは、みたこともない部屋だった。天井の壁は真っ白なレンガのような模様が描かれ、豪華なクリスタルガラスのシャンデリアがぶら下がっている。部屋の窓はアーチ形でレースのカーテンが風で揺れている。
「こ、ここは…?」
起き上がった時、スカーレットは初めて自分が大きなベッドの上で寝かされていることに気が付いた。
「え…?一体ここは何所なの‥?」
スカーレットは不安になり、辺りをキョロキョロ見渡した。そして手がかりを得る為にベッドから降りた時―。
カチャリと扉が開かれ、部屋の中に人が入って来た。入って来たのは紺色のお仕着せを着た若いメイドだった。そしてスカーレットが起き上がっている姿を見て、慌てて頭を下げた。
「も、申し訳ございません!まさかお目覚めになっているとは思わず、ノックもせずに入室してしまいました!」
「い、いえ。どうかそのような事はお気になさらないで下さい」
スカーレットは慌てて言う。
「ですが…」
「あの、それよりもここはどこなのでしょうか?」
スカーレットは部屋をキョロキョロ見渡しながらメイドに尋ねた。
「はい、ここは王宮です。そしてこのお部屋はアイザック皇子様がご用意されました。アイザック皇子様のご命令でスカーレット様を運ばせて頂いたのです」
「え…?アイザック皇子様が…?」
スカーレットは何故か非常に嫌な予感がした。
「すぐにアイザック皇子様をお呼びして参りますね」
「ま、待って!呼ばないで!」
しかし、メイドはスカーレットの制止する声も聞かず、足早に部屋を出て行ってしまった。
「そ、そんな…行ってしまうなんて…」
スカーレットは絶望的な気持ちになってしまった。もしメイドがアイザック皇子を呼んでくれば恐らく、皇子は1人で部屋に入って来るに違いない。しかし、男性恐怖症のスカーレットには部屋の中で若い男性と2人きりになるなど、アリオス以外に耐えられそうに無かった。
(どうしてアイザック皇子が私をここへ運ぶように命じたの?私はヴァイオレット皇女に呼ばれて王宮へ来ていたはずなのに…?そんな事よりも皇女様の元へ行かなければ…!)
慌てて、すぐ傍にある扉から部屋の外へ出ようとしたとき―。
「おや?何所へ行こうとしているんだい?」
背後で声が聞こえた。
「…」
無言でスカーレットは振り向くと、いつの間にやってきていたのかアイザック皇子が部屋の中で腕組みをして立っていた―。
狭い馬車の中、スカーレットは息を殺して椅子に座っていた。なるべく自分の向かい側に座る男性と距離を空けるように座り、馬車の窓の外を眺めて必死になって男性から意識をそらすように努めた。
(大丈夫、大丈夫‥この馬車に乗っているのは私だけと思い込むのよ…)
スカーレットは必死になって自分自身に言い聞かせた。そうでなければとても正気を保てそうになかったからだ。目をギュッと閉じ、身体を縮こませていたのだが、それが逆にいけなかった。
「あの…スカーレット様、いかがされましたか?」
初老の男性が声を掛けてきたのだ。
「ヒッ!」
スカーレットは思わず悲鳴を上げ、頭を抱えてガタガタと震え出した。
「どうされたのですか?スカーレット様」
男性は声を掛け、スカーレットに近付いて手を伸ばした時―。
「キャアアアッ!イヤアアアッ!!」
スカーレットはとうとう悲鳴を上げ…馬車の中で気を失ってしまった―。
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「う…」
次スカーレットが目を開けた時、スカーレットの目に飛び込んできたのは、みたこともない部屋だった。天井の壁は真っ白なレンガのような模様が描かれ、豪華なクリスタルガラスのシャンデリアがぶら下がっている。部屋の窓はアーチ形でレースのカーテンが風で揺れている。
「こ、ここは…?」
起き上がった時、スカーレットは初めて自分が大きなベッドの上で寝かされていることに気が付いた。
「え…?一体ここは何所なの‥?」
スカーレットは不安になり、辺りをキョロキョロ見渡した。そして手がかりを得る為にベッドから降りた時―。
カチャリと扉が開かれ、部屋の中に人が入って来た。入って来たのは紺色のお仕着せを着た若いメイドだった。そしてスカーレットが起き上がっている姿を見て、慌てて頭を下げた。
「も、申し訳ございません!まさかお目覚めになっているとは思わず、ノックもせずに入室してしまいました!」
「い、いえ。どうかそのような事はお気になさらないで下さい」
スカーレットは慌てて言う。
「ですが…」
「あの、それよりもここはどこなのでしょうか?」
スカーレットは部屋をキョロキョロ見渡しながらメイドに尋ねた。
「はい、ここは王宮です。そしてこのお部屋はアイザック皇子様がご用意されました。アイザック皇子様のご命令でスカーレット様を運ばせて頂いたのです」
「え…?アイザック皇子様が…?」
スカーレットは何故か非常に嫌な予感がした。
「すぐにアイザック皇子様をお呼びして参りますね」
「ま、待って!呼ばないで!」
しかし、メイドはスカーレットの制止する声も聞かず、足早に部屋を出て行ってしまった。
「そ、そんな…行ってしまうなんて…」
スカーレットは絶望的な気持ちになってしまった。もしメイドがアイザック皇子を呼んでくれば恐らく、皇子は1人で部屋に入って来るに違いない。しかし、男性恐怖症のスカーレットには部屋の中で若い男性と2人きりになるなど、アリオス以外に耐えられそうに無かった。
(どうしてアイザック皇子が私をここへ運ぶように命じたの?私はヴァイオレット皇女に呼ばれて王宮へ来ていたはずなのに…?そんな事よりも皇女様の元へ行かなければ…!)
慌てて、すぐ傍にある扉から部屋の外へ出ようとしたとき―。
「おや?何所へ行こうとしているんだい?」
背後で声が聞こえた。
「…」
無言でスカーレットは振り向くと、いつの間にやってきていたのかアイザック皇子が部屋の中で腕組みをして立っていた―。
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