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第1章 20 堕ちたアンドレア
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翌朝―
アンドレアはすぐそばに人の気配を感じ、ゆっくり目を開け・・驚愕した。そこには裸の女性が自分の胸に顔をうずめるように眠っていたからだ。
(ま、まさか・・・昨夜・・ついにスカーレットと結ばれたのだろうか・・?)
喜びに胸を躍らせた次の瞬間、アンドレアは不幸のどん底に突き落とされたような気持ちになってしまった。
「う・・ん・・。」
女性がみじろぎし、寝返りを打った途端にその人物がスカーレットでは無いことに気が付いたからだ。その女性はエーリカだったのだ。
「エ・・・エーリカ・・・?」
すると名前を呼ばれたエーリカは・・・ゆっくり目を開けアンドレアを見るとベッドの中で微笑んだ。
「・・・おはようございます、アンドレア様・・。あんなに情熱的な夜を過ごしたのは・・昨夜が初めてでした。」
そして戸惑うアンドレアに口付けしてきた。
「!」
その瞬間、アンドレアの脳裏に昨夜エーリカと過ごした夜が蘇って来た。アンドレアの身体はエーリカをはっきり覚えていた、その身体、声、唇・・何もかもを。ワインせいで強引に奪ってしまった事を・・・。勿論、アンドレアはそこに媚薬が盛られていたこと等知る由も無かった。
「あ・・・そ、そんな・・う、嘘だ・・・っ!ぼ、僕は何て事を・・っ!」
ベッドの中で頭を抱えるアンドレアにエーリカは言った。
「・・何も悩む必要なんかありませんわ。だって・・・私はアンドレア様に初めてお会いした時から恋に堕ちてしまったのだから。それに私だって血の繋がりこそないけれども、シュバルツ家の娘。スカーレットお義姉様の代わりに結婚することだってできるのだもの・・。」
「し、しかし・・・僕は・・スカーレットを・・・。」
するとエーリカの目に涙が浮かぶ。
「ひ・・・酷いわ・・アンドレア様・・。昨夜・・あんなにも愛していると言って何度も何度も私を抱いておいて・・そんな言い方をするなんて・・!」
そしてエーリカは枕に顔をうずめて泣き出した。
「ご、ごめん・・・!僕は・・・そんなつもりは・・・!」
オロオロするアンドレアの様子を伺いながら枕の下でエーリカは笑みを浮かべた。
そう、これは全てエーリカと母、アグネスの企みだったのだ。エーリカは生娘では無い。15歳の時にとっくに乙女を失っていたし、男と寝た回数など覚えていない。それほどに男慣れしていた少女だったのだ。
「アンドレア様・・・・責任を感じるのであれば・・お義姉様との婚約は取り消して私と婚約してください。男として・・・責任を取って下さいよっ!」
「そ、そんな・・・責任を取れと言われても・・。」
「子供が・・・。」
「え?」
「もし、子供が出来たら・・どうしてくれるんですかっ?!私に未婚のまま・・・母になれと言うのですかっ?!」
「そ、それは・・・。」
「どうせ・・・・お義姉様とは・・深い関係には無かったのですよね?」
エーリカは涙をぬぐいながら言う。
「・・・そうだよ。」
「だったら、何の問題もないじゃないですか!お義姉様は傷物では無いのですから、また他の誰かと婚約すればいいのです!」
「しかし・・・。」
スカーレットが他の誰かと結婚する。自分以外の誰かに抱かれているスカーレットを想像するだけで、アンドレアは胸がかきむしられるくらいに苦しくなる。しかし・・・・自分は既に無意識とは言え、エーリカを何度も抱いてしまったのだ。
(僕は・・・最低な男だ・・・。それとも・・もっと早くスカーレットと関係を結んでしまっていれば・・・こんな事にはならなかったのだろうか・・?)
「アンドレア様っ!お義姉様とは婚約を破棄して私と婚約して下さいっ!責任、取ってよっ!」
「わ・・・分かったよ・・エーリカ。」
(さよなら・・スカーレット・・・。)
そしてアンドレアは心の中でスカーレットに詫び・・・別れを告げた。
(フフフ・・・・所詮男なんて皆単純だわ・・・。)
憔悴しきったアンドレアの様子をエーリカは満足げに見つめていた―。
アンドレアはすぐそばに人の気配を感じ、ゆっくり目を開け・・驚愕した。そこには裸の女性が自分の胸に顔をうずめるように眠っていたからだ。
(ま、まさか・・・昨夜・・ついにスカーレットと結ばれたのだろうか・・?)
喜びに胸を躍らせた次の瞬間、アンドレアは不幸のどん底に突き落とされたような気持ちになってしまった。
「う・・ん・・。」
女性がみじろぎし、寝返りを打った途端にその人物がスカーレットでは無いことに気が付いたからだ。その女性はエーリカだったのだ。
「エ・・・エーリカ・・・?」
すると名前を呼ばれたエーリカは・・・ゆっくり目を開けアンドレアを見るとベッドの中で微笑んだ。
「・・・おはようございます、アンドレア様・・。あんなに情熱的な夜を過ごしたのは・・昨夜が初めてでした。」
そして戸惑うアンドレアに口付けしてきた。
「!」
その瞬間、アンドレアの脳裏に昨夜エーリカと過ごした夜が蘇って来た。アンドレアの身体はエーリカをはっきり覚えていた、その身体、声、唇・・何もかもを。ワインせいで強引に奪ってしまった事を・・・。勿論、アンドレアはそこに媚薬が盛られていたこと等知る由も無かった。
「あ・・・そ、そんな・・う、嘘だ・・・っ!ぼ、僕は何て事を・・っ!」
ベッドの中で頭を抱えるアンドレアにエーリカは言った。
「・・何も悩む必要なんかありませんわ。だって・・・私はアンドレア様に初めてお会いした時から恋に堕ちてしまったのだから。それに私だって血の繋がりこそないけれども、シュバルツ家の娘。スカーレットお義姉様の代わりに結婚することだってできるのだもの・・。」
「し、しかし・・・僕は・・スカーレットを・・・。」
するとエーリカの目に涙が浮かぶ。
「ひ・・・酷いわ・・アンドレア様・・。昨夜・・あんなにも愛していると言って何度も何度も私を抱いておいて・・そんな言い方をするなんて・・!」
そしてエーリカは枕に顔をうずめて泣き出した。
「ご、ごめん・・・!僕は・・・そんなつもりは・・・!」
オロオロするアンドレアの様子を伺いながら枕の下でエーリカは笑みを浮かべた。
そう、これは全てエーリカと母、アグネスの企みだったのだ。エーリカは生娘では無い。15歳の時にとっくに乙女を失っていたし、男と寝た回数など覚えていない。それほどに男慣れしていた少女だったのだ。
「アンドレア様・・・・責任を感じるのであれば・・お義姉様との婚約は取り消して私と婚約してください。男として・・・責任を取って下さいよっ!」
「そ、そんな・・・責任を取れと言われても・・。」
「子供が・・・。」
「え?」
「もし、子供が出来たら・・どうしてくれるんですかっ?!私に未婚のまま・・・母になれと言うのですかっ?!」
「そ、それは・・・。」
「どうせ・・・・お義姉様とは・・深い関係には無かったのですよね?」
エーリカは涙をぬぐいながら言う。
「・・・そうだよ。」
「だったら、何の問題もないじゃないですか!お義姉様は傷物では無いのですから、また他の誰かと婚約すればいいのです!」
「しかし・・・。」
スカーレットが他の誰かと結婚する。自分以外の誰かに抱かれているスカーレットを想像するだけで、アンドレアは胸がかきむしられるくらいに苦しくなる。しかし・・・・自分は既に無意識とは言え、エーリカを何度も抱いてしまったのだ。
(僕は・・・最低な男だ・・・。それとも・・もっと早くスカーレットと関係を結んでしまっていれば・・・こんな事にはならなかったのだろうか・・?)
「アンドレア様っ!お義姉様とは婚約を破棄して私と婚約して下さいっ!責任、取ってよっ!」
「わ・・・分かったよ・・エーリカ。」
(さよなら・・スカーレット・・・。)
そしてアンドレアは心の中でスカーレットに詫び・・・別れを告げた。
(フフフ・・・・所詮男なんて皆単純だわ・・・。)
憔悴しきったアンドレアの様子をエーリカは満足げに見つめていた―。
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