気付けば名も知らぬ悪役令嬢に憑依して、見知らぬヒロインに手をあげていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中

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第1章 18 腹黒い2人

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 何だか身体がフワフワ浮いてる感覚がする。う~ん・・・一体これはなんだろう・・?私はゆっくり目を開けて・・驚いた。

「ヒエエエエエッ!!」

何と本当に自分の身体が空中でフワフワと浮いているのだ。しかも一面淡いピンク色の景色で、上か下かもわからない世界。

「な・な・な・なにっっ?!一体、ここはどこなのっ?!」

思わずパニックになって無駄に手足をバタバタさせてみる。するとやけに上の方から声が聞こえてきた。

「あの~・・・一体何をやってるんですか?」

「へ・・?」

真上を見上げて驚いた。何とそこにはもう一人のロザリア・・・・もとい、本物のロザリアが宙に浮いているではないか。

「あ・・あんんたねえ・・・っ!ちょっとっ!そこから降りてきなさいよっ!」

ビシイッとロザリアに指さして気が付いた。大・・・・この細い手は・・まさに私の手だっ!まさか、ということは・・私の今の姿は元の身体に戻っていると言う事ではっ?!

念の為に自分の着ている服を確かめてみるとそれは紛れもなく、ロザリアの身体に憑依してしまった時に来ていた服だっ!身体をペタペタ触ってみると、確かに余分な肉はついていない。

「あの・・先ほどから何してるんでしょうか・・?」

何とも間延びした声を聞かされ、私は思わず声を張り上げた。

「何してるんでしょうか?じゃないわよっ!一体ここはどこなのっ?!どうして私をここへ連れてきたのよっ!ま・・・待ってなさいっ!い、今そっちへ行ってやるからねっ!」

そして私は平泳ぎ?的な感覚で手足を上に向けて空中泳ぎをしてみた。すると・・。

「おおっ!進んでるっ!泳げるじゃないのっ!」

調子に乗った私は必至で泳ぎながら、何とかロザリアの元迄たどり着くと言った。

「ねえ、あんたにはいろいろ聞きたい事があるのよ?まずは一体ここはどこ?」

「こ、ここは・・夢の世界です。」

ロザリアはビクビクしながら答えた。

「は?夢って・・・寝てる間に見るあの夢?」

「そう、あの夢です。」

ロザリアは太めの身体を揺らしながらおおげさに言う。

「それじゃ、ここは夢の世界だとして・・・どうして私は貴女の身体に憑依しちゃったわけ?」

するとロザリアは首を傾げた。

「憑依?憑依って一体何ですか?」

「え・・・憑依って言葉知らないの・・・?う~ん困ったわねえ・・・。えっと、つまり憑依って言うのは・・そう!誰かの身体に乗り移ってしまうって意味よっ!」

「それなら意味が分かります。はい・・・私は自分を変えたくて・・・自分が嫌になって・・だって、クラスではみんなから虐められて親しい友人は一人もいないし、私の婚約者は私の事を嫌って、別の女性と一緒にいるし、そしてその女性は私にいつも虐められてるってジョバンニに嘘をつくし・・・。」

ウッウッと泣きながらロザリアは言う。

「あ・・挙句に・・・私にジョバンニは言ったんです。どうしてお前みたいな女が婚約者なんだろう、いっそ死んでくれって・・・!」

そう言ってロザリアは泣き崩れてしまった。私は何だか目の前にいるロザリアがって可哀そうになってきた。気づけば私はロザリアの肩を抱き寄せ、髪を撫でていた。

「それで・・・毒を飲んだの?」

「は、はい・・・。セレナがだったら、これをあげるって・・薬を渡してきて・・。これを飲めば楽になれるからって・・・。」

「は?な・何ですってっ?!セレナが毒を渡してきたのっ?!」

ロザリアは黙ってうなずく。
何てこと・・それってセレナが自殺幇助したって事じゃないのっ?!

この時になって初めて気が付いた。私は今まで随分事を軽く見ていたのだと言う事を実感するのだった―。



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