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第44話 選ばれた? 私
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私は魔女に、細かい話は省いて重要部分だけを説明した。
「ふ~ん……つまり、あなたは本来『日本』という異世界に住んでいて、ある日目覚めたらステラという人物の身体に憑依してしまっていた……ということね」
「ええ、そうです。それに私は日本人として生きていた頃に住んでいた部屋の夢を見ます。その夢の世界から取ってきた物品を、この世界に持ち込むことも出来るんですよ」
「それはすごいわね……。召喚術は聞いたことがあるけれども、夢の世界の物を具現化するような魔術は聞いたことがないわ」
魔女は頬杖をつきながら考え込んでいる。
「え? 召喚術? そんな術があるんですか!?」
「そうよ。生憎私にはそんな術は使えないけどね。私が得意なのは薬を作ることだから。でも召喚術とも少し違う気がするし……。だって、その身体に入り込んでしまったのよね? そうなると、やっぱり『魂の交換』とやらが行われたのかも知れないわね……謎だわ」
首をひねる魔女。
「偉大な力を持つ魔女の知り合いはいないんですか?」
私の言葉に魔女は苦笑いする。
「魔女は群れるのが好きじゃないからね。でも満月の夜には集会が行われるのよ。その時は同じ区域に住む魔女達が一斉に集まるわ。」
「そうなんですか」
へ~……本当に魔女の集会って行われているんだ。
「それで、次の集会はいつなんですか?」
「フフフ……聞いて驚きなさいよ。何と、昨日魔女の集会が行われたばかりなのよ! 次の満月まで約一ヶ月、それまで待たないと集会は開催されないのよ!」
「ええ!? な、何でそんな期待を持たせるような言い方をするんですか!」
「まぁ、落ち着きなさい。私なりに次の魔女集会の前に色々調べておくから。でも……どんな方法を使って、中身が別人になったのかはまだ分からないけれど理由は分かった気がするわ。ステラという人物は自分から進んで、あなたをその身体に憑依させたのよ」
「ええ!? 理由が分かったのですか!?」
ステラは日記も何も残していなかったのに!?
「そうよ? 私を誰だと思っているの? 魔女なのよ? しかもその身体からは私の作った惚れ薬の魔力を感じ取れるのだから」
「なら早く理由を教えて下さいよ!」
「惚れ薬はね、1度飲んだだけではそれほど効果が持続しないのよ。だからずっと、自分に惚れさせたい相手がいるときは、何度も何度も飲ませないといけないの。でもあまり長時間惚れ薬を飲まされ続けていると、一生惚れ薬の効果が切れないのよ。……死ぬまで」
「え?」
その言葉にゾクリとした。
「ねぇ。あなたには今、愛してやまない男性はいないの?」
「ええ、いません!」
即答する。
「なるほど。やっぱりね……」
意味深な様子で頷く魔女。
「な、なんですか……?」
何だろう? 非常に嫌な予感がする。
「多分、ステラは惚れ薬の効果から逃れるために命を断ったかもしれない。もしくは、『魂の交換』というものを行ったかもしれないわね。何しろ惚れ薬というものは魂に刻みつけるからね。この人物を愛していると」
「つ、つまりは……?」
自分の声が震えてしまう。
「つまり、あなたはステラに選ばれたということよ」
そして魔女はニコリと笑った――
「ふ~ん……つまり、あなたは本来『日本』という異世界に住んでいて、ある日目覚めたらステラという人物の身体に憑依してしまっていた……ということね」
「ええ、そうです。それに私は日本人として生きていた頃に住んでいた部屋の夢を見ます。その夢の世界から取ってきた物品を、この世界に持ち込むことも出来るんですよ」
「それはすごいわね……。召喚術は聞いたことがあるけれども、夢の世界の物を具現化するような魔術は聞いたことがないわ」
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首をひねる魔女。
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私の言葉に魔女は苦笑いする。
「魔女は群れるのが好きじゃないからね。でも満月の夜には集会が行われるのよ。その時は同じ区域に住む魔女達が一斉に集まるわ。」
「そうなんですか」
へ~……本当に魔女の集会って行われているんだ。
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「フフフ……聞いて驚きなさいよ。何と、昨日魔女の集会が行われたばかりなのよ! 次の満月まで約一ヶ月、それまで待たないと集会は開催されないのよ!」
「ええ!? な、何でそんな期待を持たせるような言い方をするんですか!」
「まぁ、落ち着きなさい。私なりに次の魔女集会の前に色々調べておくから。でも……どんな方法を使って、中身が別人になったのかはまだ分からないけれど理由は分かった気がするわ。ステラという人物は自分から進んで、あなたをその身体に憑依させたのよ」
「ええ!? 理由が分かったのですか!?」
ステラは日記も何も残していなかったのに!?
「そうよ? 私を誰だと思っているの? 魔女なのよ? しかもその身体からは私の作った惚れ薬の魔力を感じ取れるのだから」
「なら早く理由を教えて下さいよ!」
「惚れ薬はね、1度飲んだだけではそれほど効果が持続しないのよ。だからずっと、自分に惚れさせたい相手がいるときは、何度も何度も飲ませないといけないの。でもあまり長時間惚れ薬を飲まされ続けていると、一生惚れ薬の効果が切れないのよ。……死ぬまで」
「え?」
その言葉にゾクリとした。
「ねぇ。あなたには今、愛してやまない男性はいないの?」
「ええ、いません!」
即答する。
「なるほど。やっぱりね……」
意味深な様子で頷く魔女。
「な、なんですか……?」
何だろう? 非常に嫌な予感がする。
「多分、ステラは惚れ薬の効果から逃れるために命を断ったかもしれない。もしくは、『魂の交換』というものを行ったかもしれないわね。何しろ惚れ薬というものは魂に刻みつけるからね。この人物を愛していると」
「つ、つまりは……?」
自分の声が震えてしまう。
「つまり、あなたはステラに選ばれたということよ」
そして魔女はニコリと笑った――
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