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第2話 あのこと?
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「それにしても、本当に複雑そうな服ばかりね……」
ここにはファスナーやボタンで留められたり、上から被るだけで着れるような服が無いのだ。いや、もはやここに吊り下げられているのは服と言うよりはむしろドレスに近い。
「何で、背中の紐で結ぶようなドレスばかりなのよ……」
これでは人の助けが必要なのも無理もない。けれど、何も服はここにあるだけではないのだ。
別のクローゼットにはブラウスとスカートだってある。
尤も、この姿で屋敷内を歩いていると皆から驚きの目で見られるのが気になるが。
「人の目なんか気にしたって仕方ないしね……。よし、今日はこれにしよう」
白いブラウスに青いロングスカートをチョイスし、着替えると振り子時計を見た。
「7時半……そろそろモーニングの時間か……ダイニングルームに行かなくちゃ」
『モーニング』……普段の私なら絶対に使わない言葉だが、あえてこの言葉を口にする。
「はぁぁ……モーニングじゃなくて、朝ごはんが食べたいな……」
憂鬱な気分で、ダイニングルームへ向かった。
**
「お、おはようございます。ステラ様」
本日、廊下ですれ違う5人目のフットマンがビクリとした様子で声をかけてくる。
「うん、おはよう」
簡単に挨拶し、そのまま通り抜けると背後から視線を感じる。
きっと私の服装と、およそ貴族令嬢らしからぬ態度に驚いているのだろう。
だけど誰にどう思われようが、もうどうでもいい。この世界に憑依して5日目が経過
するのに、元の世界に一向に戻れない。だから開き直ることに決めたのだ。
「どうせ、元の世界に戻ったって社畜生活が待っているだけだもんね……」
でも心残りが一つある。それは6つ年上の兄のことだ。
両親との関係は良くなかったが、兄は違った。とても優しくしてくれて、一人暮らしの私に定期的に『贈り物』をしてくれていたのだ。
「兄さん……今頃、どうしているのかな……」
そんなことを考えていると、いつの間にかダイニングルームに到着していた。
さて、本日も憂鬱な時間の始まりだ。
作り笑いを浮かべると、意を決してダイニングルームへ入った。
「おはようございます、お父様。お母様」
『おはよう、ステラ』
父と母が笑みを浮かべて私を迎える。父はプラチナブロンドに青い瞳、母はストロベリーブロンドに緑の瞳。
2人とも20歳の娘がいるとは思えないほど、若くて美しい。
私がテーブルの前に来ると、フットマンが椅子をひこうとする……。前に、またしてもうっかり自分で椅子を引いて座ってしまった。
しまった……!! またやってしまった……!!
フットマンは困ったように立ち尽くしているし、両親は怪訝そうな表情で私を見る。
「ステラ……まだ記憶が戻っていないのか?」
「やっぱり、もう一度お医者様に診てもらったほうが良いかしら?」
2人は心配そうな眼差しを私に向ける。
もう一度診察!? 冗談ではない!! 大勢の医者に囲まれて、何度も何度も同じ質問を受け、おまけに知能テスト? もどきを何時間も受けさせられるのはもう御免だ。
「い、いえ! お医者様はもう結構です! ほ、ほら先生も仰っていたではありませんか。今はまだ記憶が戻りませんが、その内戻るかもしれませんて」
手をブンブン左右に振って必死で断る。
「そうねぇ……」
「そうだな……でも、ステラがそう言うなら様子を見よう。それでは早速食事にしようか?」
父の言葉に、給仕で控えていたフットマンたちが一斉に動き出して食事を並べ始めた。
はぁ……また洋食か……。
目の前に並べられた食事を憂鬱な気分で眺める。
そこにあるのは、まるでホテルのモーニングセットのような料理。……しかもすごく美味しい。美味しいのだが……私の望む食事はこれではない。
私が望むのは完全和食なのだ。それなのに、この世界には白米も無ければ、お味噌汁も存在しない。
極貧OLだった私の食生活は決して裕福な物ではなかった。……無かったけれども、ご飯と具沢山のお味噌汁だけは欠かさなかった。
それが、ここでは口にすることが出来ないなんて……この身体に憑依して、わずか1日で私は絶望してしまった。
和食無しで、どう生きろと言うのだろう!?
「どうしたの? ステラ。食欲がないのかしら?」
私の食が進まないのに気づいたのか、母が声をかけてきた。
「いいえ、そんなことはありません。今日もとても美味しいですね」
愛想笑いをして答えると、途端に両親は深刻な顔をしてヒソヒソと話し始めた。
「あなた、やっぱりステラの様子がおかしいわ……」
「うん、そうだな。最近は反抗期で笑うことも無かったのに……」
あの~……全て聞こえていますけど……。しかも20歳で反抗期なんて……短に我儘なだけじゃないだろうか?
「やはり、あのことがショックでおかしくなってしまったのだろうか?」
父の言葉に反応する。
あのこと? 一体何のことだろう?
「ええ、そうね。私も、ひょっとすると……あのことが原因ではないかと思うの」
あのこと………あのこと……あの子と? まさか、それは無いはず。では一体何のことだろう?
あのことが気になってしまい、我慢の限界に達した私は2人に尋ねることにした。
「お父様、お母様。あのことって一体何のことでしょうか?」
すると2人はまたしても視線を交わし……。
「ステラ。今日は婚約者のエイドリアンと会う約束を交わしているが、会うのか?」
父が質問とは見当違いのことを尋ねてきた。
「エイドリアン……?」
その名前に婚約者の存在を気にするよりも、某映画が私の脳裏をよぎるのだった――
ここにはファスナーやボタンで留められたり、上から被るだけで着れるような服が無いのだ。いや、もはやここに吊り下げられているのは服と言うよりはむしろドレスに近い。
「何で、背中の紐で結ぶようなドレスばかりなのよ……」
これでは人の助けが必要なのも無理もない。けれど、何も服はここにあるだけではないのだ。
別のクローゼットにはブラウスとスカートだってある。
尤も、この姿で屋敷内を歩いていると皆から驚きの目で見られるのが気になるが。
「人の目なんか気にしたって仕方ないしね……。よし、今日はこれにしよう」
白いブラウスに青いロングスカートをチョイスし、着替えると振り子時計を見た。
「7時半……そろそろモーニングの時間か……ダイニングルームに行かなくちゃ」
『モーニング』……普段の私なら絶対に使わない言葉だが、あえてこの言葉を口にする。
「はぁぁ……モーニングじゃなくて、朝ごはんが食べたいな……」
憂鬱な気分で、ダイニングルームへ向かった。
**
「お、おはようございます。ステラ様」
本日、廊下ですれ違う5人目のフットマンがビクリとした様子で声をかけてくる。
「うん、おはよう」
簡単に挨拶し、そのまま通り抜けると背後から視線を感じる。
きっと私の服装と、およそ貴族令嬢らしからぬ態度に驚いているのだろう。
だけど誰にどう思われようが、もうどうでもいい。この世界に憑依して5日目が経過
するのに、元の世界に一向に戻れない。だから開き直ることに決めたのだ。
「どうせ、元の世界に戻ったって社畜生活が待っているだけだもんね……」
でも心残りが一つある。それは6つ年上の兄のことだ。
両親との関係は良くなかったが、兄は違った。とても優しくしてくれて、一人暮らしの私に定期的に『贈り物』をしてくれていたのだ。
「兄さん……今頃、どうしているのかな……」
そんなことを考えていると、いつの間にかダイニングルームに到着していた。
さて、本日も憂鬱な時間の始まりだ。
作り笑いを浮かべると、意を決してダイニングルームへ入った。
「おはようございます、お父様。お母様」
『おはよう、ステラ』
父と母が笑みを浮かべて私を迎える。父はプラチナブロンドに青い瞳、母はストロベリーブロンドに緑の瞳。
2人とも20歳の娘がいるとは思えないほど、若くて美しい。
私がテーブルの前に来ると、フットマンが椅子をひこうとする……。前に、またしてもうっかり自分で椅子を引いて座ってしまった。
しまった……!! またやってしまった……!!
フットマンは困ったように立ち尽くしているし、両親は怪訝そうな表情で私を見る。
「ステラ……まだ記憶が戻っていないのか?」
「やっぱり、もう一度お医者様に診てもらったほうが良いかしら?」
2人は心配そうな眼差しを私に向ける。
もう一度診察!? 冗談ではない!! 大勢の医者に囲まれて、何度も何度も同じ質問を受け、おまけに知能テスト? もどきを何時間も受けさせられるのはもう御免だ。
「い、いえ! お医者様はもう結構です! ほ、ほら先生も仰っていたではありませんか。今はまだ記憶が戻りませんが、その内戻るかもしれませんて」
手をブンブン左右に振って必死で断る。
「そうねぇ……」
「そうだな……でも、ステラがそう言うなら様子を見よう。それでは早速食事にしようか?」
父の言葉に、給仕で控えていたフットマンたちが一斉に動き出して食事を並べ始めた。
はぁ……また洋食か……。
目の前に並べられた食事を憂鬱な気分で眺める。
そこにあるのは、まるでホテルのモーニングセットのような料理。……しかもすごく美味しい。美味しいのだが……私の望む食事はこれではない。
私が望むのは完全和食なのだ。それなのに、この世界には白米も無ければ、お味噌汁も存在しない。
極貧OLだった私の食生活は決して裕福な物ではなかった。……無かったけれども、ご飯と具沢山のお味噌汁だけは欠かさなかった。
それが、ここでは口にすることが出来ないなんて……この身体に憑依して、わずか1日で私は絶望してしまった。
和食無しで、どう生きろと言うのだろう!?
「どうしたの? ステラ。食欲がないのかしら?」
私の食が進まないのに気づいたのか、母が声をかけてきた。
「いいえ、そんなことはありません。今日もとても美味しいですね」
愛想笑いをして答えると、途端に両親は深刻な顔をしてヒソヒソと話し始めた。
「あなた、やっぱりステラの様子がおかしいわ……」
「うん、そうだな。最近は反抗期で笑うことも無かったのに……」
あの~……全て聞こえていますけど……。しかも20歳で反抗期なんて……短に我儘なだけじゃないだろうか?
「やはり、あのことがショックでおかしくなってしまったのだろうか?」
父の言葉に反応する。
あのこと? 一体何のことだろう?
「ええ、そうね。私も、ひょっとすると……あのことが原因ではないかと思うの」
あのこと………あのこと……あの子と? まさか、それは無いはず。では一体何のことだろう?
あのことが気になってしまい、我慢の限界に達した私は2人に尋ねることにした。
「お父様、お母様。あのことって一体何のことでしょうか?」
すると2人はまたしても視線を交わし……。
「ステラ。今日は婚約者のエイドリアンと会う約束を交わしているが、会うのか?」
父が質問とは見当違いのことを尋ねてきた。
「エイドリアン……?」
その名前に婚約者の存在を気にするよりも、某映画が私の脳裏をよぎるのだった――
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