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7-8 2人一緒なら何処へでも
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私とミラージュは部屋に戻ると、すぐに荷造りの準備を始めた。
「・・それにしても・・あっけない生活でしたね。」
ミラージュが大量のトランクケースを収納部屋から引っ張り出してくると言った。
「ええ・・本当にそうだったわね・・・。」
私はここにやってきた日の事をあれこれ思い出していた。初めてこの国に降りたった時に迎えにやってきた爺やさん。結局・・あの爺やさんはアレックス皇子寄りの人だったから腰痛が悪化して、いまは職を退いている。言っておくけど爺やさんの腰痛が悪化したのは・・決して私のせいではない・・・はずだけど。
そして親切にしてくれたメイド長さん。彼女はあれからすぐに結婚相手が見つかってお嫁にいった。これはきっと私の与えた加護のお陰だと思う。
私のひとりぼっちの結婚式に同情してくれた神父さん。彼は職業柄、膝関節症を患っていたらしいけど、今ではすっかり痛みも無くなり階段の上り下りも楽になったと耳にしている。これも私がこっそり加護を与えた影響によるものだろう。
「たった2カ月だけの嫁入りだったけど・・・住み心地は良かったな・・・。」
せめてあのカウチソファ位持っていけないだろうか・・。私はミラージュをチラリと見ると、私のクローゼットの中に入っている衣装を全て外して、畳んでいた。餞別に全部貰って言っても文句は無いだろうと言いながら、次々とトランクケースにしまっている真っ最中だった。
「ところでレベッカ様・・。私たちの行く当ては・・あるんですか?もうオーランド王国も無くなってしまいましたし・・・。」
ミラージュが尋ねてきた。
「そうね・・・。とりあえず、心当たりの場所は一か所あるんだけど・・とっても素敵な女性の知り合いがいるのよ?彼女はいつでも村においでって言ってくれてるのよ。2人でそこに行かない?」
私はアマゾナとその手下達?の事を思い出した。皆とってもいい人達ばかりだった。
「まぁ・・そんな素晴らしい方とお知り合いなんですね。」
「ええ、そこに行った後は暫く滞在して・・2人で旅に出ない?お母さまの居場所を探す旅に・・。ミラージュと一緒なら何処へだって行けるもの。」
そう・・それこそ天界だろうと、月だろうと・・。
「それもいいですね~。私の居場所はレベッカ様の隣だってこの世に生まれた時から心に決めていましたから。」
2人でニコニコしながら荷造りしていると、部屋の外が騒然としてきた。
何やら大勢の足音がバタバタと走り回る音が聞こえている。
「んもう・・・何でしょうねぇ。この外の騒がしさは・・・。」
ミラージュは口を尖らせる。
コンコン
突然ドアをノックする音が聞こえた。
「どなたでしょうね?全く・・・忙しい時に・・。」
ミラージュが文句を言いながらも立ち上がるとドアを開けた。するとそこに立っていたのはランス皇子だった。
「まあ・・・ランス皇子ではありませんか。」
ミラージュの言葉にランス皇子は言った。
「やあ、ミラージュ。ここにいたんだね。それでレベッカは・・・あ!いたっ!」
ランス皇子は床に座って荷造りをしている私を見た。
「こんにちは、ランス皇子。」
するとランス皇子は、ちょっと失礼と言って部屋に入り込んで来た。
「よ、良かった・・レベッカ。無事だったんだね・・・。」
「はい、おかげさまで。無事でしたよ?」
ランス皇子は私の前にやってくると跪いて言った。
「さっきアレックスとリーゼロッテから話を聞いてきたよ。君はリーゼロッテの策略で危うく滝つぼに落とされそうになったんだってね?」
「ええ、そうです。全く酷い目に遭いましたよ。ミラージュがいなければどうなっていた事か・・・。」
ミラージュは私の言葉に腕組みしながら頷いている。
「それで・・・とうとう離婚話に発展してしまったそうだね?」
「ええ、当然です。愛人に殺されかけたのですから当然ですよ。これ以上この国にはいられませんし、何の未練もありませんから。」
すると・・・。
「お願いだ!レベッカ!どうか・・どうかこの国を去るのを考え直してくれないだろうかっ?!」
突然ランス皇子が床に頭を付けて、私に頭を下げて来た―。
「・・それにしても・・あっけない生活でしたね。」
ミラージュが大量のトランクケースを収納部屋から引っ張り出してくると言った。
「ええ・・本当にそうだったわね・・・。」
私はここにやってきた日の事をあれこれ思い出していた。初めてこの国に降りたった時に迎えにやってきた爺やさん。結局・・あの爺やさんはアレックス皇子寄りの人だったから腰痛が悪化して、いまは職を退いている。言っておくけど爺やさんの腰痛が悪化したのは・・決して私のせいではない・・・はずだけど。
そして親切にしてくれたメイド長さん。彼女はあれからすぐに結婚相手が見つかってお嫁にいった。これはきっと私の与えた加護のお陰だと思う。
私のひとりぼっちの結婚式に同情してくれた神父さん。彼は職業柄、膝関節症を患っていたらしいけど、今ではすっかり痛みも無くなり階段の上り下りも楽になったと耳にしている。これも私がこっそり加護を与えた影響によるものだろう。
「たった2カ月だけの嫁入りだったけど・・・住み心地は良かったな・・・。」
せめてあのカウチソファ位持っていけないだろうか・・。私はミラージュをチラリと見ると、私のクローゼットの中に入っている衣装を全て外して、畳んでいた。餞別に全部貰って言っても文句は無いだろうと言いながら、次々とトランクケースにしまっている真っ最中だった。
「ところでレベッカ様・・。私たちの行く当ては・・あるんですか?もうオーランド王国も無くなってしまいましたし・・・。」
ミラージュが尋ねてきた。
「そうね・・・。とりあえず、心当たりの場所は一か所あるんだけど・・とっても素敵な女性の知り合いがいるのよ?彼女はいつでも村においでって言ってくれてるのよ。2人でそこに行かない?」
私はアマゾナとその手下達?の事を思い出した。皆とってもいい人達ばかりだった。
「まぁ・・そんな素晴らしい方とお知り合いなんですね。」
「ええ、そこに行った後は暫く滞在して・・2人で旅に出ない?お母さまの居場所を探す旅に・・。ミラージュと一緒なら何処へだって行けるもの。」
そう・・それこそ天界だろうと、月だろうと・・。
「それもいいですね~。私の居場所はレベッカ様の隣だってこの世に生まれた時から心に決めていましたから。」
2人でニコニコしながら荷造りしていると、部屋の外が騒然としてきた。
何やら大勢の足音がバタバタと走り回る音が聞こえている。
「んもう・・・何でしょうねぇ。この外の騒がしさは・・・。」
ミラージュは口を尖らせる。
コンコン
突然ドアをノックする音が聞こえた。
「どなたでしょうね?全く・・・忙しい時に・・。」
ミラージュが文句を言いながらも立ち上がるとドアを開けた。するとそこに立っていたのはランス皇子だった。
「まあ・・・ランス皇子ではありませんか。」
ミラージュの言葉にランス皇子は言った。
「やあ、ミラージュ。ここにいたんだね。それでレベッカは・・・あ!いたっ!」
ランス皇子は床に座って荷造りをしている私を見た。
「こんにちは、ランス皇子。」
するとランス皇子は、ちょっと失礼と言って部屋に入り込んで来た。
「よ、良かった・・レベッカ。無事だったんだね・・・。」
「はい、おかげさまで。無事でしたよ?」
ランス皇子は私の前にやってくると跪いて言った。
「さっきアレックスとリーゼロッテから話を聞いてきたよ。君はリーゼロッテの策略で危うく滝つぼに落とされそうになったんだってね?」
「ええ、そうです。全く酷い目に遭いましたよ。ミラージュがいなければどうなっていた事か・・・。」
ミラージュは私の言葉に腕組みしながら頷いている。
「それで・・・とうとう離婚話に発展してしまったそうだね?」
「ええ、当然です。愛人に殺されかけたのですから当然ですよ。これ以上この国にはいられませんし、何の未練もありませんから。」
すると・・・。
「お願いだ!レベッカ!どうか・・どうかこの国を去るのを考え直してくれないだろうかっ?!」
突然ランス皇子が床に頭を付けて、私に頭を下げて来た―。
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