108 / 118
7-6 浮気ですか?どうぞご自由にして下さい
しおりを挟む
「それにしても・・・あなた方はよくやりますねえ・・・。まるで盛りのついた猫みたいに・・。」
腕組みをしながら、思い切り軽蔑の目を向けてやる。
「う、うるさいわねっ!当然でしょうっ?!私たちは愛し合っているのだからっ!」
「ああ、そうだ!俺が愛しているのはリーゼロッテただ1人だっ!」
そしておもむろにアレックス皇子はベッドの上にいるリーゼロッテに近付く。
そしてガシッと抱き合う恋人たち。何と呆れた2人だろう。お互いに愛人がいるくせに?さんざんいろんな異性と床を共にしてきたくせに?
聞いているだけで鳥肌が立ってくる。
「でも・・アレックス様。結局・・それって浮気ですよね?」
「ええ、そうですっ!アレックス皇子の妻はレベッカ様なのですからっ!」
ミラージュも言う。
「う・・・うるさいっ!浮気が何だっ?!文句でもあるかっ!何と言われようと・・・俺はお前を妻と認める気は無いからなっ!」
うわ・・。あれだけ『畏怖の念』をアレックス皇子に植え付けておいたのに・・いまだにそのようなセリフを口にするとは・・やはりアレックス皇子は愚か者確定だ。
「別に・・いいですよ。アレックス皇子・・そんなに不本意な結婚だったのなら・・私達、離婚しましょう。いえ、するべきでしょう。」
2人を一瞥すると言った。
「「へ?」」
ベッドの上の2人が同時にハモる。
「浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので。」
私は肩をすくめた。だってお父様が行方不明になったのなら、私がここにいる意味はもうないのだから。
「え・・?本当に・・?本当に離婚でいいのだな?ここを去るというのだな?」
アレックス皇子は念を押してきた。
「当り前じゃないですか~・・私だってもうこれ以上アレックス皇子と一緒になんかいられませんよ。大っ嫌いですから。」
「え?」
そこで何故かアレックス皇子の顔に焦りが見えた。
「ちょ、ちょっと待て・・・お前、俺の事・・大っ嫌いだったのか?」
「は?当然じゃないですか。それともただの『嫌い』だと思ったのですか?」
ミラージュも訳が分からないと言った様子でアレックス皇子を見ている。
するとアレックス皇子はリーゼロッテから身体を離すと私に言った。
「お前・・・俺の事好きだったんじゃないのか?」
・・は?この皇子・・今・・何と言った?
「え?アレックス様?何を言い出すのですか?」
戸惑った声でリーゼロッテが尋ねる。うん、私も全くの同意見だ。
「だって・・・お前・・今まで俺の言う事は何でも・・どんな無茶ぶりだって聞いてきただろう?おまけにガーランド王国に行った時は、俺のベッドに潜り込もうとしたじゃないか?それらの行動は俺の事が好きだったからなのだろう?」
うわっ!いきなりこの皇子は何を気持ちの悪い事を言い出すのだろう?折角収まった鳥肌がお陰で復活してしまったではないか。
「な・・・何ですって?!レベッカッ!あ・・貴女・・アレックス皇子のベッドに入り込んだのっ?!」
「レベッカ様!嘘ですよねっ?!」
ああ!ミラージュ迄本気にしているっ!
「いい加減にして下さい!アレックス皇子!誤解を招く発言は・・・しないで頂けますかっ?!」
ついに怒りを抑える我慢の限界に私は達してしまった。感情が高ぶり・・そして次の瞬間身体からまぶしい閃光が走り、アレックス皇子とリーゼロッテの足元に雷として落っこちた。
ドーンッ!!
「「ヒイイッ!!」」
2人は情けないを上げて互いに抱き合う。
ベッドには大穴が空き、真っ黒に焦げたシーツからはブスブスと黒い煙が立ち上っていた―。
また、あの2人ごときに余計な力を使ってしまった。
しかし・・今の私にはもうこの怒りの感情を止めるのは・・手遅れだった―。
腕組みをしながら、思い切り軽蔑の目を向けてやる。
「う、うるさいわねっ!当然でしょうっ?!私たちは愛し合っているのだからっ!」
「ああ、そうだ!俺が愛しているのはリーゼロッテただ1人だっ!」
そしておもむろにアレックス皇子はベッドの上にいるリーゼロッテに近付く。
そしてガシッと抱き合う恋人たち。何と呆れた2人だろう。お互いに愛人がいるくせに?さんざんいろんな異性と床を共にしてきたくせに?
聞いているだけで鳥肌が立ってくる。
「でも・・アレックス様。結局・・それって浮気ですよね?」
「ええ、そうですっ!アレックス皇子の妻はレベッカ様なのですからっ!」
ミラージュも言う。
「う・・・うるさいっ!浮気が何だっ?!文句でもあるかっ!何と言われようと・・・俺はお前を妻と認める気は無いからなっ!」
うわ・・。あれだけ『畏怖の念』をアレックス皇子に植え付けておいたのに・・いまだにそのようなセリフを口にするとは・・やはりアレックス皇子は愚か者確定だ。
「別に・・いいですよ。アレックス皇子・・そんなに不本意な結婚だったのなら・・私達、離婚しましょう。いえ、するべきでしょう。」
2人を一瞥すると言った。
「「へ?」」
ベッドの上の2人が同時にハモる。
「浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので。」
私は肩をすくめた。だってお父様が行方不明になったのなら、私がここにいる意味はもうないのだから。
「え・・?本当に・・?本当に離婚でいいのだな?ここを去るというのだな?」
アレックス皇子は念を押してきた。
「当り前じゃないですか~・・私だってもうこれ以上アレックス皇子と一緒になんかいられませんよ。大っ嫌いですから。」
「え?」
そこで何故かアレックス皇子の顔に焦りが見えた。
「ちょ、ちょっと待て・・・お前、俺の事・・大っ嫌いだったのか?」
「は?当然じゃないですか。それともただの『嫌い』だと思ったのですか?」
ミラージュも訳が分からないと言った様子でアレックス皇子を見ている。
するとアレックス皇子はリーゼロッテから身体を離すと私に言った。
「お前・・・俺の事好きだったんじゃないのか?」
・・は?この皇子・・今・・何と言った?
「え?アレックス様?何を言い出すのですか?」
戸惑った声でリーゼロッテが尋ねる。うん、私も全くの同意見だ。
「だって・・・お前・・今まで俺の言う事は何でも・・どんな無茶ぶりだって聞いてきただろう?おまけにガーランド王国に行った時は、俺のベッドに潜り込もうとしたじゃないか?それらの行動は俺の事が好きだったからなのだろう?」
うわっ!いきなりこの皇子は何を気持ちの悪い事を言い出すのだろう?折角収まった鳥肌がお陰で復活してしまったではないか。
「な・・・何ですって?!レベッカッ!あ・・貴女・・アレックス皇子のベッドに入り込んだのっ?!」
「レベッカ様!嘘ですよねっ?!」
ああ!ミラージュ迄本気にしているっ!
「いい加減にして下さい!アレックス皇子!誤解を招く発言は・・・しないで頂けますかっ?!」
ついに怒りを抑える我慢の限界に私は達してしまった。感情が高ぶり・・そして次の瞬間身体からまぶしい閃光が走り、アレックス皇子とリーゼロッテの足元に雷として落っこちた。
ドーンッ!!
「「ヒイイッ!!」」
2人は情けないを上げて互いに抱き合う。
ベッドには大穴が空き、真っ黒に焦げたシーツからはブスブスと黒い煙が立ち上っていた―。
また、あの2人ごときに余計な力を使ってしまった。
しかし・・今の私にはもうこの怒りの感情を止めるのは・・手遅れだった―。
26
お気に入りに追加
772
あなたにおすすめの小説
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜
みおな
恋愛
伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。
そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。
その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。
そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。
ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。
堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・


前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる