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6-19 嘘つきメイド
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「貴女ねぇ・・・私の立場をちっとも知らないのかしら?私はね、ガーランド王国のサミュエル皇子っていう方に昔言い寄られていたことがあったのよ。」
「そうなの?」
何だか私がランス皇子から聞いていた話と違う。
「それであまりにもしつこいから、はっきり断ったの。迷惑だって。だってその頃には私には思い人がいたから。」
「ふ~ん・・・それで?」
思い人?思い人はサミュエル皇子の事でしょう?
「そしたら・・彼ってば酷く激怒して・・・私の住む国を滅ぼそうとしたのよ。そして私達親子と国王様はあっさり掴まってしまって・・私は今まで捕虜としてガーランド王国に捕らえられていたのよ。罪人扱いでね。・・酷い話だと思わない?あら?このイチゴ・・・・すごく甘くておいしいじゃないの。」
リーゼロッテはいつの間にか私の向かい側の席に座り、勝手にイチゴを食べていた。
「そう・・・それは大変な目に遭ったわね。」
背後で聞いているサミュエル皇子は・・・今どんな気分なのだろう?
「そうよ!本当に大変な目に遭ったのよ?!きっと私とアレックス皇子の仲を妬いたのね。」
おおっ!今の発言は・・・完全に失言だったと言う事にリーゼロッテは気付いていないのだろうか?自分はアレックス皇子の恋人だと発言しているようなものだと言う事に。
「そして・・罪人として囚われの身となって釈放されたものの・・国を失い、行き場を無くしてしまった私を引き取ってくれたのがアレックス皇子だったのよ。」
「・・・。」
もう勝手にしゃべらせておこう。どうやら、もうすでにリーゼロッテの視界に私の姿は映っていないみたいだし・・。
「ねえ、分る?私の立場が貴女に・・。そもそもアレックス皇子はね、私と一緒になるべき人だったのよ?それなのに・・罪人扱いをされてガーランド王国に囚われた私とグランダ王国の王位継承者のアレックス様との結婚が許されると思う?私達はね・・泣く泣く引き離された恋人同士だったの。でもアレックス様は決して諦めなかったのよ。周りからどんなに他の女性との結婚話を勧められても・・絶対結婚はしないって。私が解放されたら妻として迎えるって約束してくれたの。それなのに・・・よりにもよって貴女みたいな田舎っぺ丸出しの皇女を妻に迎えざるを得なかったなんて・・何て私達は不幸なのかしら。アレックス様は私の命と引き換えにやむを得ず貴女と結婚する事になったのよ?もし貴女と結婚しなければ・・釈放された私を殺してやるからなと脅されたそうなのよ!」
一気にまくしたてるリーゼロッテ。
本当に・・・アレックス皇子とよく似ている。だけど・・・・。
「え?私は・・そんな話は初耳だけど?そもそも結婚しなければ王位は継がせないと周りから言われたとアレックス様は言ってたわよ?」
「え?違うわよ!アレックス様は私の命と引き換えに貴女と・・・。」
「いいや、その通りだよ。アレックスはね・・・オーランド王国の皇女と結婚しなければ王位は継がせないと父上を含め・・周囲の者から説得されたのさ。」
すると背後から突然大きな声が聞こえてきた。
「あっ!貴方は・・・!」
姿を現したランス皇子を見てリーゼロッテは目を見開いた。
「リーゼロッテ・・・君は黙っていればさっきから随分好き勝手な事を言っていたね?」
そしてさらに怒りを含めた声で冷たい表情を浮かべたサミュエル皇子も姿を見せた。
「まあ!サミュエル皇子っ!」
途端にリーゼロッテの頬が赤く染まる・・・え?嘘でしょう?アレックス皇子の愛人のくせに・・ひょっとして未だにサミュエル皇子に気があるの?
「お会いしたかったですっ!サミュエル皇子っ!」
「近寄るなっ!この悪女めっ!」
サミュエル皇子は強く言い放った―。
「そうなの?」
何だか私がランス皇子から聞いていた話と違う。
「それであまりにもしつこいから、はっきり断ったの。迷惑だって。だってその頃には私には思い人がいたから。」
「ふ~ん・・・それで?」
思い人?思い人はサミュエル皇子の事でしょう?
「そしたら・・彼ってば酷く激怒して・・・私の住む国を滅ぼそうとしたのよ。そして私達親子と国王様はあっさり掴まってしまって・・私は今まで捕虜としてガーランド王国に捕らえられていたのよ。罪人扱いでね。・・酷い話だと思わない?あら?このイチゴ・・・・すごく甘くておいしいじゃないの。」
リーゼロッテはいつの間にか私の向かい側の席に座り、勝手にイチゴを食べていた。
「そう・・・それは大変な目に遭ったわね。」
背後で聞いているサミュエル皇子は・・・今どんな気分なのだろう?
「そうよ!本当に大変な目に遭ったのよ?!きっと私とアレックス皇子の仲を妬いたのね。」
おおっ!今の発言は・・・完全に失言だったと言う事にリーゼロッテは気付いていないのだろうか?自分はアレックス皇子の恋人だと発言しているようなものだと言う事に。
「そして・・罪人として囚われの身となって釈放されたものの・・国を失い、行き場を無くしてしまった私を引き取ってくれたのがアレックス皇子だったのよ。」
「・・・。」
もう勝手にしゃべらせておこう。どうやら、もうすでにリーゼロッテの視界に私の姿は映っていないみたいだし・・。
「ねえ、分る?私の立場が貴女に・・。そもそもアレックス皇子はね、私と一緒になるべき人だったのよ?それなのに・・罪人扱いをされてガーランド王国に囚われた私とグランダ王国の王位継承者のアレックス様との結婚が許されると思う?私達はね・・泣く泣く引き離された恋人同士だったの。でもアレックス様は決して諦めなかったのよ。周りからどんなに他の女性との結婚話を勧められても・・絶対結婚はしないって。私が解放されたら妻として迎えるって約束してくれたの。それなのに・・・よりにもよって貴女みたいな田舎っぺ丸出しの皇女を妻に迎えざるを得なかったなんて・・何て私達は不幸なのかしら。アレックス様は私の命と引き換えにやむを得ず貴女と結婚する事になったのよ?もし貴女と結婚しなければ・・釈放された私を殺してやるからなと脅されたそうなのよ!」
一気にまくしたてるリーゼロッテ。
本当に・・・アレックス皇子とよく似ている。だけど・・・・。
「え?私は・・そんな話は初耳だけど?そもそも結婚しなければ王位は継がせないと周りから言われたとアレックス様は言ってたわよ?」
「え?違うわよ!アレックス様は私の命と引き換えに貴女と・・・。」
「いいや、その通りだよ。アレックスはね・・・オーランド王国の皇女と結婚しなければ王位は継がせないと父上を含め・・周囲の者から説得されたのさ。」
すると背後から突然大きな声が聞こえてきた。
「あっ!貴方は・・・!」
姿を現したランス皇子を見てリーゼロッテは目を見開いた。
「リーゼロッテ・・・君は黙っていればさっきから随分好き勝手な事を言っていたね?」
そしてさらに怒りを含めた声で冷たい表情を浮かべたサミュエル皇子も姿を見せた。
「まあ!サミュエル皇子っ!」
途端にリーゼロッテの頬が赤く染まる・・・え?嘘でしょう?アレックス皇子の愛人のくせに・・ひょっとして未だにサミュエル皇子に気があるの?
「お会いしたかったですっ!サミュエル皇子っ!」
「近寄るなっ!この悪女めっ!」
サミュエル皇子は強く言い放った―。
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