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4-12 私の秘策
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「あの・・オーランド王国で一体何が起こっているのですか?お恥ずかしい話ですが自分の故郷の国の話なのに私の耳には何も話が入って来なくて・・。」
本当はあの国で今何が起こっているのか、おおよその見当はついているけれども、ここはやはりはっきり確認しておかなければ。
「ああいいよ。どうも最近オーランド王国では天候不良が続いているらしいんだ。時には何日も嵐が続いたり、かと思うと暑さで干ばつになったり・・そのせいで作物が殆ど育たなくなってしまったらしい。あの国に住む人々は・・今、相当生活に困っているらしい。」
「まあ・・そうなんですか?!」
わざと驚いたふりをするが・・大体こうなる事はこの国に嫁ぐことが決まってから私には分りきっていた。
「それだけじゃない・・どうも今まであれ程埋まっていた鉱石が・・不思議な事に綺麗さっぱり消えうせてしまったらしいんだ。まるで最初からそこには何も無かったかのように・・。それでグランダ王国の国王は今君の国へ足を運んでいるそうだよ。」
「え?!鉱石が消えたのですか?!そんな事が起こるなんて・・・。」
う~ん・・・我ながら何て名演技。これならどんな女優も顔負けだろう。鉱石だって消えて当然。何故なら私があの国から去って行ったのだから、当然それまで受けていた私の加護が消えてしまった。そのツケが今オーランド王国を直撃しているのだ。けれど・・。
「あの~・・それで何故オーランド王国で起こっている異変と・・私がグランダ王国で微妙な立場に置かれている事と関係があるのですか?」
まさか、グランダ王国の人々が私の力に気付いたとは到底思えないけども・・大体あの国の人々はほんの一部の人を除き、アレックス皇子が結婚した事すら知らないのではないだろうか?そんな状況で私とオーランド王国で起こっている異変と結び付けて考えられる人は誰もいないだろう。
するとサミュエル皇子が言った。
「これは直に君たちの護衛としてついてきた兵士たちに聞いた話なのだけど・・・。」
え?護衛の兵士達・・?そこで私の中である疑問が生じ、サミュエル皇子に尋ねる事にした。
「あの、話の腰を折るようで申し訳ありませんが・・。」
「うん、何だ?」
「今までサミュエル皇子が話してくれた内容は・・・アレックス皇子から直接聞かされた話ではないのですか?」
するとサミュエル皇子が腕組みをしながら言った。
「は?!あいつが?あのアレックスがこんな政治的要素が絡む話に興味を持つ人間なはずないだろう?1年中女とオシャレ、それにグルメにしか興味が無い男がっ?!」
サミュエル皇子は髪をかき上げながらアレックス皇子の事を心底馬鹿にしたような口調で言う。
「なるほど・・・やはりそれだけの器しかない皇子・・と言う事ですね?」
「ああ、当然だ。考えてもみろ?まだたった17歳の君を迎えも寄こさずに侍女と2人だけで国に越させ、結婚式には不参加。いくらこの結婚が嫌だからと言って、そこまで嫌がらせをすること自体まともな人間のする事だと思うか?」
「ええ、確かにその通りです。大体昨夜は部屋にキングサイズのベッドがあるのに、隣に寝かせてくれなかったんですよ?ベッドに潜り込もうとしたら蹴り飛ばされそうになったり・・仕方なくソファに寝る事になったんですけどね?挙句の果てには上掛けすら貸してくれずに私は風邪を引いてしまったと言うわけです。いくら何でもこれは酷いですよね?」
ワインの酔いも手伝ってか、私は気づけばサミュエル皇子と意気投合し、アレックス皇子の悪愚痴を言いあっていた。
「何だってっ?!そうか・・・アレックスはわざと君にベッドを譲らなかったのかもしれない。きっと風邪を引かせて・・今夜のパーティーを欠席させようと目論んだに違いない。だからいきなり彼女を連れて俺の前に現れて、『レベッカが風邪を引いた。彼女をとりあえずレベッカにしたて、パーティーに参加させてくれ。』なんて言い出したんだな。」
「本当ですかっ?!やはり私に対する嫌がらせだけは知恵を絞って徹底的に実行する男だったと言うわけですね?何と鬼畜な・・。」
「ああ、本当に奴は鬼畜だ。どうだろう?君はオーランド王国で鉱石が採掘されなくなってから陰で『不要姫』と言われているらしいのだが・・いっそのこと離婚して国に帰った方が良いのでは?」
国に帰る・・・。冗談じゃないっ!オーランド王国に比べればグランダ王国での暮らしの方が10倍ましだ。それならグランダ王国の人々が私に国に戻って欲しくないように仕向ければいいのだ。
「帰りません・・・大丈夫です。私には秘策がありますから。」
私は女性と楽し気に踊るアレックス皇子を見つめながら言った―。
本当はあの国で今何が起こっているのか、おおよその見当はついているけれども、ここはやはりはっきり確認しておかなければ。
「ああいいよ。どうも最近オーランド王国では天候不良が続いているらしいんだ。時には何日も嵐が続いたり、かと思うと暑さで干ばつになったり・・そのせいで作物が殆ど育たなくなってしまったらしい。あの国に住む人々は・・今、相当生活に困っているらしい。」
「まあ・・そうなんですか?!」
わざと驚いたふりをするが・・大体こうなる事はこの国に嫁ぐことが決まってから私には分りきっていた。
「それだけじゃない・・どうも今まであれ程埋まっていた鉱石が・・不思議な事に綺麗さっぱり消えうせてしまったらしいんだ。まるで最初からそこには何も無かったかのように・・。それでグランダ王国の国王は今君の国へ足を運んでいるそうだよ。」
「え?!鉱石が消えたのですか?!そんな事が起こるなんて・・・。」
う~ん・・・我ながら何て名演技。これならどんな女優も顔負けだろう。鉱石だって消えて当然。何故なら私があの国から去って行ったのだから、当然それまで受けていた私の加護が消えてしまった。そのツケが今オーランド王国を直撃しているのだ。けれど・・。
「あの~・・それで何故オーランド王国で起こっている異変と・・私がグランダ王国で微妙な立場に置かれている事と関係があるのですか?」
まさか、グランダ王国の人々が私の力に気付いたとは到底思えないけども・・大体あの国の人々はほんの一部の人を除き、アレックス皇子が結婚した事すら知らないのではないだろうか?そんな状況で私とオーランド王国で起こっている異変と結び付けて考えられる人は誰もいないだろう。
するとサミュエル皇子が言った。
「これは直に君たちの護衛としてついてきた兵士たちに聞いた話なのだけど・・・。」
え?護衛の兵士達・・?そこで私の中である疑問が生じ、サミュエル皇子に尋ねる事にした。
「あの、話の腰を折るようで申し訳ありませんが・・。」
「うん、何だ?」
「今までサミュエル皇子が話してくれた内容は・・・アレックス皇子から直接聞かされた話ではないのですか?」
するとサミュエル皇子が腕組みをしながら言った。
「は?!あいつが?あのアレックスがこんな政治的要素が絡む話に興味を持つ人間なはずないだろう?1年中女とオシャレ、それにグルメにしか興味が無い男がっ?!」
サミュエル皇子は髪をかき上げながらアレックス皇子の事を心底馬鹿にしたような口調で言う。
「なるほど・・・やはりそれだけの器しかない皇子・・と言う事ですね?」
「ああ、当然だ。考えてもみろ?まだたった17歳の君を迎えも寄こさずに侍女と2人だけで国に越させ、結婚式には不参加。いくらこの結婚が嫌だからと言って、そこまで嫌がらせをすること自体まともな人間のする事だと思うか?」
「ええ、確かにその通りです。大体昨夜は部屋にキングサイズのベッドがあるのに、隣に寝かせてくれなかったんですよ?ベッドに潜り込もうとしたら蹴り飛ばされそうになったり・・仕方なくソファに寝る事になったんですけどね?挙句の果てには上掛けすら貸してくれずに私は風邪を引いてしまったと言うわけです。いくら何でもこれは酷いですよね?」
ワインの酔いも手伝ってか、私は気づけばサミュエル皇子と意気投合し、アレックス皇子の悪愚痴を言いあっていた。
「何だってっ?!そうか・・・アレックスはわざと君にベッドを譲らなかったのかもしれない。きっと風邪を引かせて・・今夜のパーティーを欠席させようと目論んだに違いない。だからいきなり彼女を連れて俺の前に現れて、『レベッカが風邪を引いた。彼女をとりあえずレベッカにしたて、パーティーに参加させてくれ。』なんて言い出したんだな。」
「本当ですかっ?!やはり私に対する嫌がらせだけは知恵を絞って徹底的に実行する男だったと言うわけですね?何と鬼畜な・・。」
「ああ、本当に奴は鬼畜だ。どうだろう?君はオーランド王国で鉱石が採掘されなくなってから陰で『不要姫』と言われているらしいのだが・・いっそのこと離婚して国に帰った方が良いのでは?」
国に帰る・・・。冗談じゃないっ!オーランド王国に比べればグランダ王国での暮らしの方が10倍ましだ。それならグランダ王国の人々が私に国に戻って欲しくないように仕向ければいいのだ。
「帰りません・・・大丈夫です。私には秘策がありますから。」
私は女性と楽し気に踊るアレックス皇子を見つめながら言った―。
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