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4-10 私は誰でしょう?
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私はお皿を持ったまま、目の前の光景が信じられずにポカンと口を開けてその場に立っていた。白のトラウザーに皮のロングブーツ、紺色のウェストコートには襟元、裾、カフスに金の刺繍を施した正装姿のアレックス皇子。そしてお揃いの紺色のドレスにスパンコールが散りばめられた胸元の大きく開いたドレスを着用した女性。2人は仲睦まじげに腕を組み、微笑みあっている。
すると壇上に立つサミュエル皇子が言った。
「流石は新婚間もないキング夫妻。ペアの衣装で出席なさっていただけるとは思いもしませんでした。皆様、盛大な拍手を!」
すると、辺りで一斉に歓声と拍手が沸き起こる。一方の私は未だに状況が呑み込めずにいた。
え~と・・・今、アレックス皇子は見知らぬ美女と夫婦として壇上に上がり、あろうことか私と顔合わせしているサミュエル皇子すら、あの2人を夫婦として紹介した。それでは・・いまここにいる私は一体何なのだろう?
「ひょっとして・・・私とアレックス皇子って・・本当は結婚していなかった・・とか?」
とりあえず、お皿の上に乗っている料理をフォークで突き刺し、口に運びながら私は考えた。
モグモグ・・・
そう言えば、結婚式の前夜祭のパーティ・・あれすら私とミラージュは参加出来なかった・・。
ゴクン
だって、届けられたワインに睡眠薬が入っていたので朝まで眠ってしまったから・・。次に私はサンドイッチを口に入れた。
モグモグモグ・・・
おまけに次の日の結婚式。あれだって正式なウェディングドレスでは無かったし、何より参加者は殆どゼロ。挙句に一番感じな新郎であるアレックス皇子は不在で1人ボッチの式になる所を観兼ねたランス皇子が代理で新郎役をやってくれたし・・。
ゴックン
次に私はテーブルの上のワイングラスに手を伸ばし・・・グイーッと一気に飲み干す。
ヒック
「そうよ・・もとはと言えば、あまりにも理解不能、理不尽だらけの結婚だったわ・・大体初夜だと言われ、メイドに連れ出されて2回も騙されて徹夜はさせられるし、ここへ来る旅の途中だって山賊に襲われた時にアレックス皇子は私を犠牲にしようとしたし・・。」
本当にあれは危険だと思った。もし私が普通の人間だったらきっと私たちはただでは済まなかっただろう。
さらにもう一度ワイングラスに手を伸ばし、グイッとワインを一気飲みしたところで、不意に背後から肩を叩かれた。んもう・・・誰だろう。
「はい?」
振り向くとそこに立っていたのはサミュエル皇子だった。
「やぁ、風邪を引いて寝込んでいると聞いていたけど・・その様子だと大丈夫だったようだね?」
「サミュエル皇子・・・私が誰か知ってるんですか?」
アルコールの酔いも手伝ってか、私はジロリとサミュエル皇子を見た。
「え・・?誰か知ってるって・・。知ってるも何も・・・。うわっ!君・・目が座っているじゃないか!まぁ・・・ここに今いるって事は・・さっきの様子・・見たんだろう?」
サミュエル皇子は言った。
「ええ、ええ、見ましたよ。この2つの目でばーっちり!それで・・今自分と対話していたのです。ここにいる私は一体誰なのだろうと・・・自分の中では私はレベッカだと認識していますが・・本当私は全くの別人であり、本物のレベッカ皇女は先ほどの女性なのではないかと・・今考えていたところです。」
気付けば私はワイングラス片手にくどくどサミュエル皇子に語っていた。
「な、何言ってるんだい?君が本物のレベッカ皇女に決まっているだろう?まあ・・最も俺も最初は侍女か何かかと勘違いしたけども・・。」
「だったら何故・・・!」
何故別人の女性と並んで立つ2人をキング夫妻と紹介したのか問い詰めようとしたその時・・・。
不意に音楽が変わり、ゆったりとしたダンス用の曲が流れだした―。
すると壇上に立つサミュエル皇子が言った。
「流石は新婚間もないキング夫妻。ペアの衣装で出席なさっていただけるとは思いもしませんでした。皆様、盛大な拍手を!」
すると、辺りで一斉に歓声と拍手が沸き起こる。一方の私は未だに状況が呑み込めずにいた。
え~と・・・今、アレックス皇子は見知らぬ美女と夫婦として壇上に上がり、あろうことか私と顔合わせしているサミュエル皇子すら、あの2人を夫婦として紹介した。それでは・・いまここにいる私は一体何なのだろう?
「ひょっとして・・・私とアレックス皇子って・・本当は結婚していなかった・・とか?」
とりあえず、お皿の上に乗っている料理をフォークで突き刺し、口に運びながら私は考えた。
モグモグ・・・
そう言えば、結婚式の前夜祭のパーティ・・あれすら私とミラージュは参加出来なかった・・。
ゴクン
だって、届けられたワインに睡眠薬が入っていたので朝まで眠ってしまったから・・。次に私はサンドイッチを口に入れた。
モグモグモグ・・・
おまけに次の日の結婚式。あれだって正式なウェディングドレスでは無かったし、何より参加者は殆どゼロ。挙句に一番感じな新郎であるアレックス皇子は不在で1人ボッチの式になる所を観兼ねたランス皇子が代理で新郎役をやってくれたし・・。
ゴックン
次に私はテーブルの上のワイングラスに手を伸ばし・・・グイーッと一気に飲み干す。
ヒック
「そうよ・・もとはと言えば、あまりにも理解不能、理不尽だらけの結婚だったわ・・大体初夜だと言われ、メイドに連れ出されて2回も騙されて徹夜はさせられるし、ここへ来る旅の途中だって山賊に襲われた時にアレックス皇子は私を犠牲にしようとしたし・・。」
本当にあれは危険だと思った。もし私が普通の人間だったらきっと私たちはただでは済まなかっただろう。
さらにもう一度ワイングラスに手を伸ばし、グイッとワインを一気飲みしたところで、不意に背後から肩を叩かれた。んもう・・・誰だろう。
「はい?」
振り向くとそこに立っていたのはサミュエル皇子だった。
「やぁ、風邪を引いて寝込んでいると聞いていたけど・・その様子だと大丈夫だったようだね?」
「サミュエル皇子・・・私が誰か知ってるんですか?」
アルコールの酔いも手伝ってか、私はジロリとサミュエル皇子を見た。
「え・・?誰か知ってるって・・。知ってるも何も・・・。うわっ!君・・目が座っているじゃないか!まぁ・・・ここに今いるって事は・・さっきの様子・・見たんだろう?」
サミュエル皇子は言った。
「ええ、ええ、見ましたよ。この2つの目でばーっちり!それで・・今自分と対話していたのです。ここにいる私は一体誰なのだろうと・・・自分の中では私はレベッカだと認識していますが・・本当私は全くの別人であり、本物のレベッカ皇女は先ほどの女性なのではないかと・・今考えていたところです。」
気付けば私はワイングラス片手にくどくどサミュエル皇子に語っていた。
「な、何言ってるんだい?君が本物のレベッカ皇女に決まっているだろう?まあ・・最も俺も最初は侍女か何かかと勘違いしたけども・・。」
「だったら何故・・・!」
何故別人の女性と並んで立つ2人をキング夫妻と紹介したのか問い詰めようとしたその時・・・。
不意に音楽が変わり、ゆったりとしたダンス用の曲が流れだした―。
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