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2-18 誰にも聞かせられない2人だけの会話
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「・・様、レベッカ様。起きて下さい。」
誰かがユサユサと私の体を揺すぶっている。う~ん・・・誰なの・・?もう少しだけ寝かせて・・・。
すると次に何やら甘~い食べ物の匂いをすぐそばで感じた。
パチ
目を開けるとそこにはミラージュがおいしそうな焼き立てのパンケーキが乗ったお皿を手に持って立っていた。
「ま、まあ・・・ミラージュッ!」
慌てて飛び起きるとミラージュはにっこりと笑みを浮かべた。
「おはようございます。レベッカ様。」
****
「レベッカ様、何故洋服を着たままベッドで寝ていらしたのですか?」
私と同じテーブルに着き、テーブルパンにジャムを塗りながらミラージュが尋ねてきた。実はミラージュはメイド達に私の部屋で朝食を取らせて欲しいと直談判したそうで、こうして今私達は2人で仲良く朝食を食べているのだった。
「ええ・・実はね・・・昨夜は私とアレックス皇子様の初夜だったのだけど・・。」
「ええっ?!ま、まさかあの命知らずなアホ皇子とヤッテしまったのですかっ?!」
朝早くからなかなか大胆なセリフを言うミラージュ。
「違うのよ、それが聞いて頂戴。昨夜は別のメイドが現れて、私に湯あみをするように言ってきたのよ。その目的が例のアレなんだけどね・・・。」
「フンフン・・・それで?」
「そして私は不本意ながらバスルームに案内されて、一応念入りに身体も髪も洗ったのよ。」
「ええ・・どうりで今日はいつも以上にレベッカ様の髪から良い香りがすると思いましたわ。」
私たちはガールズトーク?をしながらも食事の手を止めない。ミラージュは先ほどから厚切りベーコンをキコキコと切っているし、私はパンケーキにホイップクリームを塗っている。
「それでバスルームから出てきたら、今度はビビアンにバトンタッチされていたのよ。」
「あ!あの悪女ですかっ?!」
いつの間にかビビアンはミラージュの中で悪女認定されていた。
「ええ、それでビビアンに連れられて部屋に戻る途中、色々夜の営みの礼儀作法?
的なものを教わって・・・。」
「あーダメダメです。レベッカ様とあの悪女ではタイプが違うのですから何の参考にもなりませんてば。」
ミラージュは手を振りながら言う。
「ええ、まあ私も適当に話を聞き流していたの。それでね、お部屋に帰ってから今度はアレックス皇子が部屋に来るまで待つことになって・・ビビアンがナイトキャップ用のアコールを勝手に飲んでそこのカウチソファに寝転がってしまったの。」
「んまあ!なんって図々しい女なんでしょう!あのカウチソファ・・・どこかに隠してしまいましょう!」
ミラージュは憤りながら、ボイルウィンナーをパクリと食べる。
「それで・・いくら待ってもアレックス皇子は部屋に来ないからビビアンが絶対私に寝ないようにと念を押して・・・呼びに行って・・それきりよ。」
「・・・は?」
ミラージュはミルクの入ったコップを片手に固まった。
「あの・・・それは一体どういう事でしょうか?」
私も何だか先ほどの光景が頭に蘇ってきて、若干興奮気味に言った
「文字通り、小鳥が朝の歌を歌い始めても結局誰も部屋に来なかったのよ。私は起きているように言われたから一晩中ほぼ起きていたし・・・それで今朝早めに着替えてアレックス皇子様の部屋に向かったら・・。」
そこで私は言葉を切り、紅茶を手に取ると一気飲みした。
「向かったら・・?」
ミラージュは牛乳を飲み干す。
「何と!ビビアンがアレックス皇子の部屋から出てきたと思ったら、次の瞬間2人は情熱的なキスを交わし・・・再び2人は部屋の中に消えていったのよ!」
「な・・何ですって・・・・っ!!」
ミラージュは怒りのあまり・・とうとう本性をさらけ出してしまった。
「キャアアッ!ミラージュッ!頭!頭からぁっ!見えてる、見えてるわよっ?!」
私は慌てて手元にあった手鏡をミラージュに向けた。
「え?あ?!キャアアアッ!」
ミラージュは慌てて頭に手をやり、深呼吸する。
「すーはーすーはー・・うううう・・あの2人・・・よくもレベッカ様を・・。」
ミラージュは深呼吸しながら苛立ちを隠せない。
「レベッカ様!もう我慢なりませんっ!ひと暴れしませんか?私たちが本気の本気を出せばこんな国の1つや2つ・・数時間もあれば・・・!」
「駄目よ、ミラージュ。そんな物騒な事を言っては・・もう少し様子を見ましょうよ。そうね・・せめて後一月くらいは。」
「レベッカ様!何故そんなお優しい事を言うのですかっ?!」
ミラージュは未だに姿が戻らずクッションを頭にかぶっている。
「・・・選別よ。」
私は静かに言った。
「・・は?選別・・ですか?」
「ええ、この国には・・いい人達だって沢山いるはずよ?無駄な犠牲は出したくないもの・・ね?それに・・。」
「それに・・何ですか?」
ミラージュが首を傾げる。
「ううん、何でも無いわ。とりあえず・・・まずはビビアンから・・ね?」
そして私はミラージュに向かって笑みを浮かべた―。
誰かがユサユサと私の体を揺すぶっている。う~ん・・・誰なの・・?もう少しだけ寝かせて・・・。
すると次に何やら甘~い食べ物の匂いをすぐそばで感じた。
パチ
目を開けるとそこにはミラージュがおいしそうな焼き立てのパンケーキが乗ったお皿を手に持って立っていた。
「ま、まあ・・・ミラージュッ!」
慌てて飛び起きるとミラージュはにっこりと笑みを浮かべた。
「おはようございます。レベッカ様。」
****
「レベッカ様、何故洋服を着たままベッドで寝ていらしたのですか?」
私と同じテーブルに着き、テーブルパンにジャムを塗りながらミラージュが尋ねてきた。実はミラージュはメイド達に私の部屋で朝食を取らせて欲しいと直談判したそうで、こうして今私達は2人で仲良く朝食を食べているのだった。
「ええ・・実はね・・・昨夜は私とアレックス皇子様の初夜だったのだけど・・。」
「ええっ?!ま、まさかあの命知らずなアホ皇子とヤッテしまったのですかっ?!」
朝早くからなかなか大胆なセリフを言うミラージュ。
「違うのよ、それが聞いて頂戴。昨夜は別のメイドが現れて、私に湯あみをするように言ってきたのよ。その目的が例のアレなんだけどね・・・。」
「フンフン・・・それで?」
「そして私は不本意ながらバスルームに案内されて、一応念入りに身体も髪も洗ったのよ。」
「ええ・・どうりで今日はいつも以上にレベッカ様の髪から良い香りがすると思いましたわ。」
私たちはガールズトーク?をしながらも食事の手を止めない。ミラージュは先ほどから厚切りベーコンをキコキコと切っているし、私はパンケーキにホイップクリームを塗っている。
「それでバスルームから出てきたら、今度はビビアンにバトンタッチされていたのよ。」
「あ!あの悪女ですかっ?!」
いつの間にかビビアンはミラージュの中で悪女認定されていた。
「ええ、それでビビアンに連れられて部屋に戻る途中、色々夜の営みの礼儀作法?
的なものを教わって・・・。」
「あーダメダメです。レベッカ様とあの悪女ではタイプが違うのですから何の参考にもなりませんてば。」
ミラージュは手を振りながら言う。
「ええ、まあ私も適当に話を聞き流していたの。それでね、お部屋に帰ってから今度はアレックス皇子が部屋に来るまで待つことになって・・ビビアンがナイトキャップ用のアコールを勝手に飲んでそこのカウチソファに寝転がってしまったの。」
「んまあ!なんって図々しい女なんでしょう!あのカウチソファ・・・どこかに隠してしまいましょう!」
ミラージュは憤りながら、ボイルウィンナーをパクリと食べる。
「それで・・いくら待ってもアレックス皇子は部屋に来ないからビビアンが絶対私に寝ないようにと念を押して・・・呼びに行って・・それきりよ。」
「・・・は?」
ミラージュはミルクの入ったコップを片手に固まった。
「あの・・・それは一体どういう事でしょうか?」
私も何だか先ほどの光景が頭に蘇ってきて、若干興奮気味に言った
「文字通り、小鳥が朝の歌を歌い始めても結局誰も部屋に来なかったのよ。私は起きているように言われたから一晩中ほぼ起きていたし・・・それで今朝早めに着替えてアレックス皇子様の部屋に向かったら・・。」
そこで私は言葉を切り、紅茶を手に取ると一気飲みした。
「向かったら・・?」
ミラージュは牛乳を飲み干す。
「何と!ビビアンがアレックス皇子の部屋から出てきたと思ったら、次の瞬間2人は情熱的なキスを交わし・・・再び2人は部屋の中に消えていったのよ!」
「な・・何ですって・・・・っ!!」
ミラージュは怒りのあまり・・とうとう本性をさらけ出してしまった。
「キャアアッ!ミラージュッ!頭!頭からぁっ!見えてる、見えてるわよっ?!」
私は慌てて手元にあった手鏡をミラージュに向けた。
「え?あ?!キャアアアッ!」
ミラージュは慌てて頭に手をやり、深呼吸する。
「すーはーすーはー・・うううう・・あの2人・・・よくもレベッカ様を・・。」
ミラージュは深呼吸しながら苛立ちを隠せない。
「レベッカ様!もう我慢なりませんっ!ひと暴れしませんか?私たちが本気の本気を出せばこんな国の1つや2つ・・数時間もあれば・・・!」
「駄目よ、ミラージュ。そんな物騒な事を言っては・・もう少し様子を見ましょうよ。そうね・・せめて後一月くらいは。」
「レベッカ様!何故そんなお優しい事を言うのですかっ?!」
ミラージュは未だに姿が戻らずクッションを頭にかぶっている。
「・・・選別よ。」
私は静かに言った。
「・・は?選別・・ですか?」
「ええ、この国には・・いい人達だって沢山いるはずよ?無駄な犠牲は出したくないもの・・ね?それに・・。」
「それに・・何ですか?」
ミラージュが首を傾げる。
「ううん、何でも無いわ。とりあえず・・・まずはビビアンから・・ね?」
そして私はミラージュに向かって笑みを浮かべた―。
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