17 / 118
2-2 いよいよ挙式準備
しおりを挟む
「レベッカ様・・・お聞きになりましたか?あのメイド達・・・私たちの事を『野蛮な国の人』なんて言いましたよ?」
ミラージュは閉められたドアを睨みつけながら言う。
「ええ・・聞いたわ。それしにても・・噂通りという言葉も気になるし・・・。」
一体彼女たちはどんな噂を耳にしているのだろう?
「まあ、いいわ。ミラージュ。お料理が冷めてしまうから食べてしまいましょう?」
「ええ、そうですね。」
そして私たちは席に着くと、まだ熱々で湯気の立つご馳走に舌鼓を打った―。
****
「おいしかったですね~お料理・・・。」
「ええ・・そうね・・・。最高だったわ・・。」
私たちは朝食後、することが無くなってしまったので互いにソファに寝っ転がりながら天井を眺めていた。
「・・いいんでしょうか・・・?」
突如、ポツリとミラージュが言った。
「え?何が?」
私はミラージュを見た。
「レベッカ様っ!私達・・・本当にこんな事をしていてもいいんでしょうか?!本日は・・・レベッカ様の結婚式ですよっ?!式の手順も分からなければ、どこであげるかも分からない、それどころか・・・一体ドレスはどうなってるんですかっ?!大体肝心の式の時間も知らされていないじゃないですかっ?!」
ミラージュは起き上がると、まくし立てた
「うう・・・た、確かにそうよね・・・。言われてみると段々不安になってきたわ・・・私達、本当にこんな事していていいはずないわよ・・ね・・?」
どうしよう・・段々不安になってきてしまった。しかしその時・・・。
コンコンコン
タイミングよく部屋のドアがノックされた。
「あ!もしや・・式の準備を始めるんじゃないですか?!」
ミラージュは嬉しそうに言うと、ドアへ向かってガチャリと開けた。するとそこには初めて見る女性が立ってい。年齢は40代・・・といったところだろうか?他のメイド達とは明らかに違うお仕着せを着ている。彼女はメイド長なのかもしれない。
よし、メイド長と呼ばせて貰おう。
「お待たせ致しました。レベッカ様。これよりお式の準備に入らせて頂きます。まずはお部屋を移動させて頂きます。どうぞこちらへお越しください。お付きの方もご一緒に。」
チラリとミラージュを見るとメイド長は言った。
「は、はい。」
ソファから立ち上り、メイド長の傍へ行くとドアの外には10人近いメイド達が待機していたことに気が付いた。
「では参りましょう。」
メイド長がいい、前に立って歩き出すと待機していたメイド達は一斉に頭を下げてきた。
こうして私とミラージュは1日お世話になった部屋を引っ越す?事になった―。
美しく磨き上げられた大理石の上に敷かれた青いカーペットの上をどこまでもメイド長の後に続き、歩き続ける私達。ふと、高い天井に取り付けられた天窓を見上げれば美しいバラを描いたステンドグラスが等間隔にはめ込まれ、太陽の光を浴びて美しく光り輝いている。
「見て、ミラージュ。素敵なステンドグラスねぇ・・・。」
私がうっとりして言うと、ミラージュも窓を見上げた。
「ええ、確かにそうですね。さすがは富と権力に溢れたグランダ王国ですね。あんなところにもお金をつぎ込んで主張しているのですから。」
誉め言葉なのか、嫌みを言っているのか良く分からない台詞を言うミラージュに、私たちの前を歩くメイド長は後者と捉えたらしく、強い視線でチラリとこちらを振り返ったけれども・・・ミラージュは壁に駆けられている絵画を見ながら歩いていたのでその視線に気づくことは無かった。
ホッ・・・良かった・・。
それから数分歩き続け、やっとメイド長はある部屋の前で足を止めた。目の前の扉には金ぴかに光るドアプレートがぶら下げられていて、『ドレスルーム』と書かれている。
「こちらのドレスルームにレベッカ様の着用されるウェディングドレスと、お付きの方のドレスが用意されております。」
そしていよいよ扉にメイド長の手が掛けられる。
カチャリ・・・・
ついに目の前のドアが開かれた―。
ミラージュは閉められたドアを睨みつけながら言う。
「ええ・・聞いたわ。それしにても・・噂通りという言葉も気になるし・・・。」
一体彼女たちはどんな噂を耳にしているのだろう?
「まあ、いいわ。ミラージュ。お料理が冷めてしまうから食べてしまいましょう?」
「ええ、そうですね。」
そして私たちは席に着くと、まだ熱々で湯気の立つご馳走に舌鼓を打った―。
****
「おいしかったですね~お料理・・・。」
「ええ・・そうね・・・。最高だったわ・・。」
私たちは朝食後、することが無くなってしまったので互いにソファに寝っ転がりながら天井を眺めていた。
「・・いいんでしょうか・・・?」
突如、ポツリとミラージュが言った。
「え?何が?」
私はミラージュを見た。
「レベッカ様っ!私達・・・本当にこんな事をしていてもいいんでしょうか?!本日は・・・レベッカ様の結婚式ですよっ?!式の手順も分からなければ、どこであげるかも分からない、それどころか・・・一体ドレスはどうなってるんですかっ?!大体肝心の式の時間も知らされていないじゃないですかっ?!」
ミラージュは起き上がると、まくし立てた
「うう・・・た、確かにそうよね・・・。言われてみると段々不安になってきたわ・・・私達、本当にこんな事していていいはずないわよ・・ね・・?」
どうしよう・・段々不安になってきてしまった。しかしその時・・・。
コンコンコン
タイミングよく部屋のドアがノックされた。
「あ!もしや・・式の準備を始めるんじゃないですか?!」
ミラージュは嬉しそうに言うと、ドアへ向かってガチャリと開けた。するとそこには初めて見る女性が立ってい。年齢は40代・・・といったところだろうか?他のメイド達とは明らかに違うお仕着せを着ている。彼女はメイド長なのかもしれない。
よし、メイド長と呼ばせて貰おう。
「お待たせ致しました。レベッカ様。これよりお式の準備に入らせて頂きます。まずはお部屋を移動させて頂きます。どうぞこちらへお越しください。お付きの方もご一緒に。」
チラリとミラージュを見るとメイド長は言った。
「は、はい。」
ソファから立ち上り、メイド長の傍へ行くとドアの外には10人近いメイド達が待機していたことに気が付いた。
「では参りましょう。」
メイド長がいい、前に立って歩き出すと待機していたメイド達は一斉に頭を下げてきた。
こうして私とミラージュは1日お世話になった部屋を引っ越す?事になった―。
美しく磨き上げられた大理石の上に敷かれた青いカーペットの上をどこまでもメイド長の後に続き、歩き続ける私達。ふと、高い天井に取り付けられた天窓を見上げれば美しいバラを描いたステンドグラスが等間隔にはめ込まれ、太陽の光を浴びて美しく光り輝いている。
「見て、ミラージュ。素敵なステンドグラスねぇ・・・。」
私がうっとりして言うと、ミラージュも窓を見上げた。
「ええ、確かにそうですね。さすがは富と権力に溢れたグランダ王国ですね。あんなところにもお金をつぎ込んで主張しているのですから。」
誉め言葉なのか、嫌みを言っているのか良く分からない台詞を言うミラージュに、私たちの前を歩くメイド長は後者と捉えたらしく、強い視線でチラリとこちらを振り返ったけれども・・・ミラージュは壁に駆けられている絵画を見ながら歩いていたのでその視線に気づくことは無かった。
ホッ・・・良かった・・。
それから数分歩き続け、やっとメイド長はある部屋の前で足を止めた。目の前の扉には金ぴかに光るドアプレートがぶら下げられていて、『ドレスルーム』と書かれている。
「こちらのドレスルームにレベッカ様の着用されるウェディングドレスと、お付きの方のドレスが用意されております。」
そしていよいよ扉にメイド長の手が掛けられる。
カチャリ・・・・
ついに目の前のドアが開かれた―。
16
お気に入りに追加
772
あなたにおすすめの小説
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜
みおな
恋愛
伯爵令嬢のジュエルは、王太子であるシリウスから求婚され、王太子妃になるべく日々努力していた。
そんなある日、ジュエルはシリウスが一人の女性と抱き合っているのを見てしまう。
その日以来、何度も何度も彼女との逢瀬を重ねるシリウス。
そんなに彼女が好きなのなら、彼女を王太子妃にすれば良い。
ジュエルが何度そう言っても、シリウスは「彼女は友人だよ」と繰り返すばかり。
堂々と嘘をつくシリウスにジュエルは・・・


前世と今世の幸せ
夕香里
恋愛
【商業化予定のため、時期未定ですが引き下げ予定があります。詳しくは近況ボードをご確認ください】
幼い頃から皇帝アルバートの「皇后」になるために妃教育を受けてきたリーティア。
しかし聖女が発見されたことでリーティアは皇后ではなく、皇妃として皇帝に嫁ぐ。
皇帝は皇妃を冷遇し、皇后を愛した。
そのうちにリーティアは病でこの世を去ってしまう。
この世を去った後に訳あってもう一度同じ人生を繰り返すことになった彼女は思う。
「今世は幸せになりたい」と
※小説家になろう様にも投稿しています
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる