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21.ロナ姫からの求婚
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自称スッポン皇帝ハヤン登場。
※注)これはあくまでもハヤンの認識であり、スッポン達からは厳重な抗議が来ております。そのことを承知の上お読みください。
「なあロナ、求婚を断る理由はなんだ?
正妃の重圧が嫌なのか?なら表舞台には立たなくてもいいから。
また後宮ができるのが不安か?それならこの建物ごとぶっ壊す!
それとも俺になんか不満があるのか?
なんでも言ってくれ、ちゃんと直すから!」
もうハヤンは皇帝としての威厳ある態度をかなぐり捨てて、ロナ姫に懇願している。
仕方がねぇだろうがっ!
そんだけ惚れてんだよ、悪いか!
スッポンでもなんでも構わねぇ。
見っともなくてもいい。
これだけは譲れん!
池の中の怒れるスッポン達の声。
(((お前ごときがスッポンを語るなっぺ!)))
ハヤンの言葉を聞き、ロナ姫はぷぅと頬を膨らませ怒った口調で話し始める。
「不満があるかって聞きましたか?
そんなの大ありのオオアリクイですわよ!
家畜でさえ繁殖の前にお互いを触れ合わせてちゃんと時間を掛けて相性を確認させます。
いいですか!交尾の前にもちゃんと時間を掛けるんです。
いきなりズッコーンなんて乱暴な真似はしないし、決してさせません!
それなのにハヤンはなんなんですか!
私との準備期間を一切設けずにいきなり正妃になれですか?
それっていきなりズッコーンとやろうとしている悪徳繁殖業者と同じですよ!
そこに愛はあるんですか!
私は家畜以下ですか……?
そんなのあんまりです…。うっうっ…」
ロナ姫の悲痛な訴えを聞き、訳が分からず固まる三人…。
(((こ、これは完全に変な風に誤解している…)))
…はい、正解です!
やはりちゃんとした性教育&恋愛指南は必要だった…。残念なことにそれらを学び損ねたロナ姫は間違った知識と家畜の繁殖知識で独自の路線をいっているみたいだ。
そしてハヤンの求婚を変な風に勘違いしていることは明らかだ。
…母国の民達の『家畜の繁殖これで完璧!』が性知識の役に立ちますようにという神への祈りは効果なしだった。
(神様の声)そんなの無理。
…神様が正しい。
そしてロナ姫の変な認識の拗れは貧乏小国側の完璧な落ち度だ。
…誰か早くロナ姫に教えてやってくれ。
求婚は結婚の申込みであって、挿ピーの申込みでないと。
これでは誤解されたままのハヤンがあまりに憐れだ…。
茫然と立ち尽くすハヤン。
一言だってやりたいなんて言わなかったよな…?
あの時だって必死に息子に勝ったのに…。
俺の努力はいったい……どこへ…。
流石に侍女アンナもこれは非常事態と察知して嘆き悲しんでいるロナ姫の元へ行き、『求婚』と『ズッコーン』は断じて違うと身振り手振りを交えて説明している。
二人の間では『えっ、そうなの!噓知らなかったわ』『そうだと思いました』という会話が繰り広げられている。
待つこと暫し。
チクタク、チクタク……三分経過、チーン!
正しい知識植え付け終了の音が鳴る。
ロナ姫は馬鹿ではない、ちゃんと教われば飲み込みは早いほうなのだ。
足取り軽くロナ姫は落ち込むハヤンに駆け寄り、その大きな手を取って片膝をつき天使の微笑みを浮かべ告げる。
「ハヤン、私と結婚をしてください♪」
ロナ姫から騎士スタイルの求婚を受け、嬉し涙を堪えながらブンブンと首を縦に振り続ける皇帝ハヤン。
なぜに華奢なロナ姫が騎士役?で厳つい皇帝ハヤンが女性役?と突っ込みたいところだが、結果オーライなのでまあ良しとしよう。
だが出来立てほやほやの幸せなカップルは知らなかった。
それを見て誰かが『成功ね。私もこれで行こう』と呟いているのを。
※注)これはあくまでもハヤンの認識であり、スッポン達からは厳重な抗議が来ております。そのことを承知の上お読みください。
「なあロナ、求婚を断る理由はなんだ?
正妃の重圧が嫌なのか?なら表舞台には立たなくてもいいから。
また後宮ができるのが不安か?それならこの建物ごとぶっ壊す!
それとも俺になんか不満があるのか?
なんでも言ってくれ、ちゃんと直すから!」
もうハヤンは皇帝としての威厳ある態度をかなぐり捨てて、ロナ姫に懇願している。
仕方がねぇだろうがっ!
そんだけ惚れてんだよ、悪いか!
スッポンでもなんでも構わねぇ。
見っともなくてもいい。
これだけは譲れん!
池の中の怒れるスッポン達の声。
(((お前ごときがスッポンを語るなっぺ!)))
ハヤンの言葉を聞き、ロナ姫はぷぅと頬を膨らませ怒った口調で話し始める。
「不満があるかって聞きましたか?
そんなの大ありのオオアリクイですわよ!
家畜でさえ繁殖の前にお互いを触れ合わせてちゃんと時間を掛けて相性を確認させます。
いいですか!交尾の前にもちゃんと時間を掛けるんです。
いきなりズッコーンなんて乱暴な真似はしないし、決してさせません!
それなのにハヤンはなんなんですか!
私との準備期間を一切設けずにいきなり正妃になれですか?
それっていきなりズッコーンとやろうとしている悪徳繁殖業者と同じですよ!
そこに愛はあるんですか!
私は家畜以下ですか……?
そんなのあんまりです…。うっうっ…」
ロナ姫の悲痛な訴えを聞き、訳が分からず固まる三人…。
(((こ、これは完全に変な風に誤解している…)))
…はい、正解です!
やはりちゃんとした性教育&恋愛指南は必要だった…。残念なことにそれらを学び損ねたロナ姫は間違った知識と家畜の繁殖知識で独自の路線をいっているみたいだ。
そしてハヤンの求婚を変な風に勘違いしていることは明らかだ。
…母国の民達の『家畜の繁殖これで完璧!』が性知識の役に立ちますようにという神への祈りは効果なしだった。
(神様の声)そんなの無理。
…神様が正しい。
そしてロナ姫の変な認識の拗れは貧乏小国側の完璧な落ち度だ。
…誰か早くロナ姫に教えてやってくれ。
求婚は結婚の申込みであって、挿ピーの申込みでないと。
これでは誤解されたままのハヤンがあまりに憐れだ…。
茫然と立ち尽くすハヤン。
一言だってやりたいなんて言わなかったよな…?
あの時だって必死に息子に勝ったのに…。
俺の努力はいったい……どこへ…。
流石に侍女アンナもこれは非常事態と察知して嘆き悲しんでいるロナ姫の元へ行き、『求婚』と『ズッコーン』は断じて違うと身振り手振りを交えて説明している。
二人の間では『えっ、そうなの!噓知らなかったわ』『そうだと思いました』という会話が繰り広げられている。
待つこと暫し。
チクタク、チクタク……三分経過、チーン!
正しい知識植え付け終了の音が鳴る。
ロナ姫は馬鹿ではない、ちゃんと教われば飲み込みは早いほうなのだ。
足取り軽くロナ姫は落ち込むハヤンに駆け寄り、その大きな手を取って片膝をつき天使の微笑みを浮かべ告げる。
「ハヤン、私と結婚をしてください♪」
ロナ姫から騎士スタイルの求婚を受け、嬉し涙を堪えながらブンブンと首を縦に振り続ける皇帝ハヤン。
なぜに華奢なロナ姫が騎士役?で厳つい皇帝ハヤンが女性役?と突っ込みたいところだが、結果オーライなのでまあ良しとしよう。
だが出来立てほやほやの幸せなカップルは知らなかった。
それを見て誰かが『成功ね。私もこれで行こう』と呟いているのを。
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