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15.ただいま暴走中②

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「では次②ですがこれは大変厄介です。
勃起しなければ挿入も出来ませんから。
ただこの場合、現実の女性だと萎えてしまうけど自分の手だと出来る人が多いようです。
つまり自分に自信がないのですね…お可哀想に。
だから褒めて自信を付けてあげましょう!」

三妃サミと四妃サラが揃って右手を挙げている。この二人は双子でいつも言動がシンクロしている。

「「具体的には何を言えばいいのですか?」」

「サミ様とサラ様ならこんな時、何と言いますか?」

「「えーと、『無理しないでください、十分素敵です』はどうでしょうか…」」

ちょっと自信なさげに答える双子の側妃。

「相手を気遣う言葉は素晴らしいですが、ちょっと足りませんわ。褒めるのはもっと具体的に致しましょう。
冊子の袋綴じを開いて、具体例を各自黙読してくださいませ」

みな『なぜに袋綴じ?』と思ったが、開いた瞬間に理由は分かった。

『こんな大きいの見たことないわ』
『凄いこんな硬いの初めて!』
『貴方のブツじゃないと満足できないの』等…。
そこにはかなり卑猥な言葉が載っていた。


(((音読でなくて…本当に良かった)))
黙読を終えた側妃達の頭からは恥ずかしさから湯気が上がっている。


「家畜の躾をする時にも良い所はとことん褒めます、そうすると立派な良い子に育つのです。
ですから皆様も冊子を参考にしてハヤン様のブツを褒めて立派に育ててあげましょうね♪
分かりましたか?」

「「「は、はい…?」」」
(((ブツ…を育てる…?もう意味が分かりません…)))

ロナ姫の無茶苦茶な講義を聞き、もう側妃達は口をポカーンと開けているだけだ。

…この反応が正しい。

そんな反応にお構いなしで暴走中のロナ姫は話しを続けていく。

「③の変わった性癖ですが、これは残念ながら変わりません。
人も豚も生まれ持った性癖は変わらないのです。
ですからこちらから歩み寄ってあげましょう。
もしかしたらお互いに新たな道が開けるやもしれませんからね。

どうしても歩み寄れない人は最終手段をお教えします」

五妃ホラミが怖いもの見たさで聞いてくる。彼女は国内有力貴族の娘だが好奇心は旺盛なのだ。

「ロナ様、それはなんですか?」

ふふふっと不敵な笑みを浮かべるロナ姫。その手には小さな筒状のガラス瓶が握られている。

「このガラス瓶に子種だけを貰ってください。
私が子種を皆様の中に注いで子作りのお手伝いをしましょう。
ああ、大丈夫ですよ。
これ得意中の得意ですから。
ふっふっふ、実は母国の子豚や子牛たちから『第二の母』と呼ばれていましたの。

では以上で講義は終わりです。
媚薬盛る手配などは随時相談に乗りますのでお気軽にお声がけくださいませ」

パ…チ、パチ…パチパチパチーーー。

やり切った感を漂わせ満足げな表情を浮かべる六妃ロナ。

その反対に側妃達は茫然としながらまばらな拍手を送る。
(((役には立たなそうだけど、なんか凄かった…)))


だがその後ろでは『姫様、完璧です!』と感動の涙を流している侍女アンナの姿があった。

やっと暴走列車は止まった……。

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