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3.隣国の皇帝の予備知識①
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ロナ姫とて一応王家に生まれた姫なので政略結婚の覚悟は持っていた。幼少期に亡くなった彼女の母である王妃も他国からこの国へ政略結婚で嫁いで来たのだ。
「『腐っても鯛、臭っても姫』ですから。
後宮でもお灸でもどーんと来いですわ!」
家畜の臭いを漂わせながら、現実を前向きに受け止め『頑張るぞー』と雄叫びを上げている。
そんなロナ姫に家臣達から訳の分からない拍手喝采が巻き起こる。
…後宮とお灸は全然違うし、臭う姫など論外だろう。
誰か早めにそれを指摘して欲しいものだが、場の空気を読む優秀な家臣達は聞かないふりをする。
こうして変なノリで隣国へと嫁ぐ準備が進められていった。
実はロナ姫が嫁ぐことになった隣国の皇帝には様々な噂があった。
やはり他国に嫁ぐのになんの知識も持たずに行くよりは少しでも多くの情報を頭に入れておいた方が良い。
本来なら事前に間諜から情報を集めるのが筋だが、もちろんこの国は他国に間諜など置いているはずもない。そもそも『間諜』と言っても『浣腸?』と聞き返すのがこの国である…。
さて困った国王は隣国の情報を少しでも集めようと奇策に打って出た。
その名も『隣国の皇帝の噂を喋っちゃおう会!』
参加者は我こそは有益な情報を持っていると豪語する者なら誰でも可というかなり緩いものだった。
そして当日集まった人数は100人以上となり、小さな城の大広間では収容しきれず急遽城の庭園に敷物を敷いて開催となった。
それはまるで和やかなピクニック……。
なぜかみんなお茶やお菓子持参で来ていたのでワイワイと世間話を始めてしまい違う意味で盛り上がっている。
もちろんその中心にはロナ姫の姿があり情報収集に励むより家畜の繁殖について熱く語っている。
…誰かこの自由人達を止めてくれ。
やはりこんな時に役に立つのは宰相だった。
『え~、オッホン!!では隣国の皇帝の噂を喋っちゃおう会を始めます』と大きな声で注目を集めた後に自分が持っている情報を話し始める。
「まず私が知っている確かな情報から。
隣国の後宮は今現在側妃達が5人ほどいるようです。一番多い時は20人を超えていたようですが、なんだかんだと下賜され残ったのがその5人だけのようです。理由は不明です、以上」
パチパチと拍手が起こるが全くもってたいした情報ではない、隣国ではきっと子供ですら知っている事に違いない。
だがこの情報に興奮を隠せないロナ姫がいた。
「それじゃあ、その5人で皇帝の寵愛を巡って毎日バチバチの戦いを繰り広げているのね!
うぁー、なんか恋愛小説の世界だわ。
『このドブネズミ!貴女になんか皇帝の寵愛は渡さないわ!』
『そっちこそ巨乳しか取り柄がないくせに』とか熱いセリフが飛び交っているのかな?
うふふ、そして毒なんか盛られちゃって『…っう、』て言いながら血が口からタラーって垂れちゃうの。考えるだけでなんかドキドキワクワクしちゃうわ♪」
「「「毒殺でドキドキワクワクはいりませんからー!」」」総勢100人以上の声がハモる。
「え~ちょっとぐらいいいじゃない」
「「「ノー、ドキドキ!!」」」
みんなの反対に合い、しゅんとするロナ姫は実はドロドロ恋愛小説大好き女子だった。なので自分が後宮という舞台に登場するのをちょっと楽しみにしていたのである。
「『腐っても鯛、臭っても姫』ですから。
後宮でもお灸でもどーんと来いですわ!」
家畜の臭いを漂わせながら、現実を前向きに受け止め『頑張るぞー』と雄叫びを上げている。
そんなロナ姫に家臣達から訳の分からない拍手喝采が巻き起こる。
…後宮とお灸は全然違うし、臭う姫など論外だろう。
誰か早めにそれを指摘して欲しいものだが、場の空気を読む優秀な家臣達は聞かないふりをする。
こうして変なノリで隣国へと嫁ぐ準備が進められていった。
実はロナ姫が嫁ぐことになった隣国の皇帝には様々な噂があった。
やはり他国に嫁ぐのになんの知識も持たずに行くよりは少しでも多くの情報を頭に入れておいた方が良い。
本来なら事前に間諜から情報を集めるのが筋だが、もちろんこの国は他国に間諜など置いているはずもない。そもそも『間諜』と言っても『浣腸?』と聞き返すのがこの国である…。
さて困った国王は隣国の情報を少しでも集めようと奇策に打って出た。
その名も『隣国の皇帝の噂を喋っちゃおう会!』
参加者は我こそは有益な情報を持っていると豪語する者なら誰でも可というかなり緩いものだった。
そして当日集まった人数は100人以上となり、小さな城の大広間では収容しきれず急遽城の庭園に敷物を敷いて開催となった。
それはまるで和やかなピクニック……。
なぜかみんなお茶やお菓子持参で来ていたのでワイワイと世間話を始めてしまい違う意味で盛り上がっている。
もちろんその中心にはロナ姫の姿があり情報収集に励むより家畜の繁殖について熱く語っている。
…誰かこの自由人達を止めてくれ。
やはりこんな時に役に立つのは宰相だった。
『え~、オッホン!!では隣国の皇帝の噂を喋っちゃおう会を始めます』と大きな声で注目を集めた後に自分が持っている情報を話し始める。
「まず私が知っている確かな情報から。
隣国の後宮は今現在側妃達が5人ほどいるようです。一番多い時は20人を超えていたようですが、なんだかんだと下賜され残ったのがその5人だけのようです。理由は不明です、以上」
パチパチと拍手が起こるが全くもってたいした情報ではない、隣国ではきっと子供ですら知っている事に違いない。
だがこの情報に興奮を隠せないロナ姫がいた。
「それじゃあ、その5人で皇帝の寵愛を巡って毎日バチバチの戦いを繰り広げているのね!
うぁー、なんか恋愛小説の世界だわ。
『このドブネズミ!貴女になんか皇帝の寵愛は渡さないわ!』
『そっちこそ巨乳しか取り柄がないくせに』とか熱いセリフが飛び交っているのかな?
うふふ、そして毒なんか盛られちゃって『…っう、』て言いながら血が口からタラーって垂れちゃうの。考えるだけでなんかドキドキワクワクしちゃうわ♪」
「「「毒殺でドキドキワクワクはいりませんからー!」」」総勢100人以上の声がハモる。
「え~ちょっとぐらいいいじゃない」
「「「ノー、ドキドキ!!」」」
みんなの反対に合い、しゅんとするロナ姫は実はドロドロ恋愛小説大好き女子だった。なので自分が後宮という舞台に登場するのをちょっと楽しみにしていたのである。
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