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閑話~モテなくなった理由~
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俺は犬獣人のガロン、こう見えても国王ギルア様の側近であり、兄貴分的存在だと自負している。
もう28歳になっているが結婚はしていない。『番』に拘っている訳ではない、ただ単純にまだ女の子達と遊びたいのだ、ワッハッハー。
俺は金髪黒目のワイルドな男だ、ちょっとお馬鹿なところもあるが『そこが可愛いいのよ♪』と女の子達には言われて、かなりモテていた。
王宮でのナンパ成功率も80%以上だった、ちょっと前までは…。
最近、何故かナンパが全然成功しない。
声を掛けても、忙しいとか言って逃げて行く。
何がいけないんだ? さっぱり分からん?
俺は週末はナンパした女の子と過ごすのが定番だったが、今週末は誰も相手が見つからなかった。
残滅なんて生まれて初めてだ…。
あまりに辛いので親友のダイと飲み明かす事にした。
久しぶりの男同士の飲み比べは楽しかった、ダイとは同級生で気も合う、つい愚痴も言えてしまう。
「なぁ最近悩んでいるんだが聞いてくれるか?」
「おぅ、なんでも聞くぞ」
「なんか女の子に避けられている気がするんだ、ナンパも成功しない…。俺って、おやじ臭とかしてるか?」
「臭いは問題ない、大丈夫だ。問題は本当の性癖がばれてしまった事だな、やっぱり女の子を隠れ蓑にするのはよくないぞ」
「性癖?隠れ蓑??何のことだ、意味わからん」
ダイが訳の分からない事を言う。もう酔っぱらっているのか?まだ15杯目だぞ。
「そっちの世界は理解できないが、人の性的嗜好は自由だと思う。俺は真面目だがマイノリティーにも理解はある、安心しろ」
「もっと分かり易く言ってくれ」
「だからお前が男が好きで、それを隠すために女の子をナンパするのは良くないって事だ」
「はぁ!なっ何言ってるんだ?俺は女の子が好きだし、男を好きになった事はないぞ」
「おかしいな、お前が『スキダー』と言いながらギルア様に抱き付いていたと噂が流れているぞ。それにギルア様の性病はガロンとの情事でうつったて噂だ」
確かに執務室でギルアに抱き付き、スキダーと言ったのは覚えてる。だがそんな甘い状況でなく、仕事を肩代わりしてくれたから感謝しただけだ。それに性病?俺までなんで巻き込まれている?あれはトト爺の後宮夜伽回避対策だって聞いている。
『性病による勃起不全』とトト爺が噂を流していたけど、そこに俺の名前は一ミリも出ていなかったはずだ…。
どうなってんだ?
誰かに嵌められたのか?
いくら考えても分からない、恨まれる覚えもない。
それから俺は必死になってダイに説明した、こんなに力説したのは生まれて初めてかもしれない。
そのかいあってダイは分かってくれた。
「本当に災難だな―。今度その噂を聞いたら、ちゃんと否定するからすぐに噂は消えるよ」
「有り難う、頼むな。ワッハ…ハ」
…まだまだ噂は消えない。
なぜなら、真実の叫びは腐女子達によって掻き消されているからだ。
早く気づくといいね、ガロン。敵は意外と近くにいるよ。
もう28歳になっているが結婚はしていない。『番』に拘っている訳ではない、ただ単純にまだ女の子達と遊びたいのだ、ワッハッハー。
俺は金髪黒目のワイルドな男だ、ちょっとお馬鹿なところもあるが『そこが可愛いいのよ♪』と女の子達には言われて、かなりモテていた。
王宮でのナンパ成功率も80%以上だった、ちょっと前までは…。
最近、何故かナンパが全然成功しない。
声を掛けても、忙しいとか言って逃げて行く。
何がいけないんだ? さっぱり分からん?
俺は週末はナンパした女の子と過ごすのが定番だったが、今週末は誰も相手が見つからなかった。
残滅なんて生まれて初めてだ…。
あまりに辛いので親友のダイと飲み明かす事にした。
久しぶりの男同士の飲み比べは楽しかった、ダイとは同級生で気も合う、つい愚痴も言えてしまう。
「なぁ最近悩んでいるんだが聞いてくれるか?」
「おぅ、なんでも聞くぞ」
「なんか女の子に避けられている気がするんだ、ナンパも成功しない…。俺って、おやじ臭とかしてるか?」
「臭いは問題ない、大丈夫だ。問題は本当の性癖がばれてしまった事だな、やっぱり女の子を隠れ蓑にするのはよくないぞ」
「性癖?隠れ蓑??何のことだ、意味わからん」
ダイが訳の分からない事を言う。もう酔っぱらっているのか?まだ15杯目だぞ。
「そっちの世界は理解できないが、人の性的嗜好は自由だと思う。俺は真面目だがマイノリティーにも理解はある、安心しろ」
「もっと分かり易く言ってくれ」
「だからお前が男が好きで、それを隠すために女の子をナンパするのは良くないって事だ」
「はぁ!なっ何言ってるんだ?俺は女の子が好きだし、男を好きになった事はないぞ」
「おかしいな、お前が『スキダー』と言いながらギルア様に抱き付いていたと噂が流れているぞ。それにギルア様の性病はガロンとの情事でうつったて噂だ」
確かに執務室でギルアに抱き付き、スキダーと言ったのは覚えてる。だがそんな甘い状況でなく、仕事を肩代わりしてくれたから感謝しただけだ。それに性病?俺までなんで巻き込まれている?あれはトト爺の後宮夜伽回避対策だって聞いている。
『性病による勃起不全』とトト爺が噂を流していたけど、そこに俺の名前は一ミリも出ていなかったはずだ…。
どうなってんだ?
誰かに嵌められたのか?
いくら考えても分からない、恨まれる覚えもない。
それから俺は必死になってダイに説明した、こんなに力説したのは生まれて初めてかもしれない。
そのかいあってダイは分かってくれた。
「本当に災難だな―。今度その噂を聞いたら、ちゃんと否定するからすぐに噂は消えるよ」
「有り難う、頼むな。ワッハ…ハ」
…まだまだ噂は消えない。
なぜなら、真実の叫びは腐女子達によって掻き消されているからだ。
早く気づくといいね、ガロン。敵は意外と近くにいるよ。
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