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31.王女の末路~王女視点~②
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罪を犯した王族を密かに監禁する部屋に閉じ込められ治療は受けさせて貰っているが、この先どうなるか…考えるだけで発狂しそうになる。
---死にたくない!私はまだ若いのよ。
人生これからなのに死ぬなんて…いやー!
本当は目の前に立つ兄に怒りをぶつけたいが、その怖さが骨の髄まで沁み込んでいるので身体は反抗することを拒絶している。ただただ震えるばかりだ。
「クスッ。そう怯えるな。今日はお前の今後について話しに来ただけだ」
「こ、今後…でございますか?」
ゴクリッと唾を飲み込み、自分に下される罰が告げられるのを震えながら待つ。
「お前は許しがたい罪を犯したが今回の事は公にはされない。王族の歴史に汚点を残すことは許されないからな。
だが罪を犯したお前は我が国にいる限り生涯監視付きで暮らすことになる。王女として体裁が保たれる生活は保証されるが一切自由はない。
それにお前は恨みを買い過ぎているからこのまま国にいたら殺されるリスクは高いだろう。
まあ当然の成り行きだ。
しかし私も罪を犯したとはいえ血の繋がった妹がそんな目に合うのは不憫でならない。
だからもう一つの選択肢も用意した。
実はお前を世継ぎの妻にと望んでいる国がある。
今回不慮の事故で右手を失った事も承知の上でそれでも健気に頑張る王女なら是非にと言ってくれている。
ただ不自由な身体で他国の王族に嫁ぐのも苦労が多いだろう。
せめてもの恩情だ、お前の好きな方を選べ。
前者と後者、どちらも今まで自由奔放にしていたお前には辛い生活になる。だがそれがお前への罰だ。
さあ、どちらを選ぶ?」
---へっ?わ、私、死ななくても…いいの?
それなら選ぶ方は決まっているわ!
「も、もちろん他国に嫁ぎます!我が国の為に王女として懸け橋にならせてくださいませっ!」
「そうか、王族らしい立派な言葉を聞けて嬉しいよ。手配はすべて済ませてあるから、一週間後には出発するように」
「そんなに早く…」
「不満かい?それなら一ヶ月後でも半年後でも構わないけど、いいのかい?我が国にいればそれだけお前が襲われる確率が高くなるが?」
「えっ!いいえ、不満などありません!す、すぐに行かせてくださいませ!」
「分かった、準備を急がせよう。ではアイラ、嫁いでも王族としての誇りを忘れずに辛くても頑張るんだぞ」
「は、はい、お兄様有り難うございます」
---やったわ……これで無罪放免よ!
兄は最後には温かい言葉を掛けてくれて、ご機嫌な様子で部屋から出ていった。
なんだかんだと言って、兄は最後には私を助けてくれた。
あの男は冷酷にはなり切れない、ただの甘ちゃんだった。あんな口先だけの奴に怯えていた自分が馬鹿みたいだ。
でも死罪は免れたし、そのうえ右手を失っても王女として他国の王族に華々しく嫁げるのだから文句はない。
とりあえず襲われると嫌だから国を出るまで大人しくしていよう。
でも嫁いだ後は今まで通りに暮らせるわ。
いいえ違うわね、私は世継ぎの妃になるのだからもっと良い生活が出来るし、今まで以上に権力が持てるはず。
やはり私には幸運の女神がついているのかしら、それとも私自身が幸運の女神なのかしらね。
薔薇色の未来を想像し右手の痛みも和らいでいく。
この右手の報復は他国で権力を握った後ゆっくりとやればいい。
---死にたくない!私はまだ若いのよ。
人生これからなのに死ぬなんて…いやー!
本当は目の前に立つ兄に怒りをぶつけたいが、その怖さが骨の髄まで沁み込んでいるので身体は反抗することを拒絶している。ただただ震えるばかりだ。
「クスッ。そう怯えるな。今日はお前の今後について話しに来ただけだ」
「こ、今後…でございますか?」
ゴクリッと唾を飲み込み、自分に下される罰が告げられるのを震えながら待つ。
「お前は許しがたい罪を犯したが今回の事は公にはされない。王族の歴史に汚点を残すことは許されないからな。
だが罪を犯したお前は我が国にいる限り生涯監視付きで暮らすことになる。王女として体裁が保たれる生活は保証されるが一切自由はない。
それにお前は恨みを買い過ぎているからこのまま国にいたら殺されるリスクは高いだろう。
まあ当然の成り行きだ。
しかし私も罪を犯したとはいえ血の繋がった妹がそんな目に合うのは不憫でならない。
だからもう一つの選択肢も用意した。
実はお前を世継ぎの妻にと望んでいる国がある。
今回不慮の事故で右手を失った事も承知の上でそれでも健気に頑張る王女なら是非にと言ってくれている。
ただ不自由な身体で他国の王族に嫁ぐのも苦労が多いだろう。
せめてもの恩情だ、お前の好きな方を選べ。
前者と後者、どちらも今まで自由奔放にしていたお前には辛い生活になる。だがそれがお前への罰だ。
さあ、どちらを選ぶ?」
---へっ?わ、私、死ななくても…いいの?
それなら選ぶ方は決まっているわ!
「も、もちろん他国に嫁ぎます!我が国の為に王女として懸け橋にならせてくださいませっ!」
「そうか、王族らしい立派な言葉を聞けて嬉しいよ。手配はすべて済ませてあるから、一週間後には出発するように」
「そんなに早く…」
「不満かい?それなら一ヶ月後でも半年後でも構わないけど、いいのかい?我が国にいればそれだけお前が襲われる確率が高くなるが?」
「えっ!いいえ、不満などありません!す、すぐに行かせてくださいませ!」
「分かった、準備を急がせよう。ではアイラ、嫁いでも王族としての誇りを忘れずに辛くても頑張るんだぞ」
「は、はい、お兄様有り難うございます」
---やったわ……これで無罪放免よ!
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なんだかんだと言って、兄は最後には私を助けてくれた。
あの男は冷酷にはなり切れない、ただの甘ちゃんだった。あんな口先だけの奴に怯えていた自分が馬鹿みたいだ。
でも死罪は免れたし、そのうえ右手を失っても王女として他国の王族に華々しく嫁げるのだから文句はない。
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でも嫁いだ後は今まで通りに暮らせるわ。
いいえ違うわね、私は世継ぎの妃になるのだからもっと良い生活が出来るし、今まで以上に権力が持てるはず。
やはり私には幸運の女神がついているのかしら、それとも私自身が幸運の女神なのかしらね。
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この右手の報復は他国で権力を握った後ゆっくりとやればいい。
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