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22.救出①
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私はルイをしっかりと抱き締め『大丈夫よ。お母様が絶対に守るから』と泣いているルイに囁き、無謀にも目の前に迫っている男達に体当たりをして逃げ道を作ろうとしたその時、
ガッシャーーン!バリン、パリーン!
扉を乱暴に開ける音、剣で窓を割る音と同時にその部屋の中に入ってきた四人の男が私とルイを背にして周りを取り囲んだ。
---えっ?何が起こったの?
そして少し強引でそれでいて真綿に包むように、大きな身体が私とルイを優しく包み込む。
この香り知っているわ、三か月前までいつも私の隣にあった愛おしい人の香り。
「エ、エディ?」
「ああ」
それだけ言うと愛おしそうに私とルイに軽く口づけを落としてから、アイラ王女を殺さんとばかりに睨みつける。
「ギリッ…。許さん!」
そんなに激怒した彼を見たのは初めてのことで、私達を大切に想ってくれているのがはっきりと伝わってきて、こんな時だけど嬉しくてたまらない。
---私達の絆はなにも変わってない…。
愛しているわエディ。
エディと共に入ってきたのは騎士団長と兄であるジェームズ、そしてフードを目深に被り顔が見えない細身の騎士だった。
だがこちらは四人でアイラ王女に従っている男達は10人以上。明らかにこちらが不利な状況には変わりない。
その状況はアイラ王女も分かっているので『ふん!』と鼻を鳴らして余裕の表情を浮かべている。
私がルイを抱き締めながら必死で身体の震えを止めようとしていると、
「大丈夫だ。キャッシーとルイは必ず俺が守るから」
「そうだぞ。俺が可愛い妹と甥っ子を守れない兄だと思うのか。安心しろ、すぐに片づけるからな」
エディと兄が心強い言葉を言って安心させようとしてくれる。だがアイラ王女はそれを聞いて『馬鹿ね~』と言いながら薄ら笑いをする。その様は魔女のように薄気味悪いものだった。
「何を言っているの?
お前達はみんなここで死ぬのよ。
エドワード、貴方にはがっかりさせられたわ。
ダイヤと石っころの違いも分からない男だったなんてね。
そんな馬鹿な男が英雄だなんて笑っちゃう、もういらないわ。
さあ、こいつらをみんな殺しておしまい!」
アイラ王女の命令を受け一斉に男達が剣を手に襲い掛かっている。
キッーーン!ガッキーン!
ズサッ、バッシュゥーー。
エディは私達の盾になるように一歩も傍から離れずに戦い、残りの三人は所狭しと次々に敵を容赦なく倒していく。多勢に無勢だったけれども、その実力差ははっきりしていた。
10人以上いた敵はもう数人しか立っておらず、後はみな床に倒れている。
自分が不利な状況なのを悟った王女は目を吊り上げ叫ぶ。
「王女の私に歯向かって許されると思っているの!
この愚か者が!
絶対に許さない……!」
追いつめられたアイラ王女は隠し持っていた短剣を取り出しルディに庇われている私目掛けて投げつけてきた。
シュバッーー。キッーーーン!
放たれた短剣は目的を達することなくエディの剣に叩き落とされ床に落ちていく。
ホッとしたのも束の間、エディが近づいてきた男と剣で対峙している隙をつき、更に隠し持って二本目の短剣を投げつけようと王女はその手を大きく振り被る。
ガッシャーーン!バリン、パリーン!
扉を乱暴に開ける音、剣で窓を割る音と同時にその部屋の中に入ってきた四人の男が私とルイを背にして周りを取り囲んだ。
---えっ?何が起こったの?
そして少し強引でそれでいて真綿に包むように、大きな身体が私とルイを優しく包み込む。
この香り知っているわ、三か月前までいつも私の隣にあった愛おしい人の香り。
「エ、エディ?」
「ああ」
それだけ言うと愛おしそうに私とルイに軽く口づけを落としてから、アイラ王女を殺さんとばかりに睨みつける。
「ギリッ…。許さん!」
そんなに激怒した彼を見たのは初めてのことで、私達を大切に想ってくれているのがはっきりと伝わってきて、こんな時だけど嬉しくてたまらない。
---私達の絆はなにも変わってない…。
愛しているわエディ。
エディと共に入ってきたのは騎士団長と兄であるジェームズ、そしてフードを目深に被り顔が見えない細身の騎士だった。
だがこちらは四人でアイラ王女に従っている男達は10人以上。明らかにこちらが不利な状況には変わりない。
その状況はアイラ王女も分かっているので『ふん!』と鼻を鳴らして余裕の表情を浮かべている。
私がルイを抱き締めながら必死で身体の震えを止めようとしていると、
「大丈夫だ。キャッシーとルイは必ず俺が守るから」
「そうだぞ。俺が可愛い妹と甥っ子を守れない兄だと思うのか。安心しろ、すぐに片づけるからな」
エディと兄が心強い言葉を言って安心させようとしてくれる。だがアイラ王女はそれを聞いて『馬鹿ね~』と言いながら薄ら笑いをする。その様は魔女のように薄気味悪いものだった。
「何を言っているの?
お前達はみんなここで死ぬのよ。
エドワード、貴方にはがっかりさせられたわ。
ダイヤと石っころの違いも分からない男だったなんてね。
そんな馬鹿な男が英雄だなんて笑っちゃう、もういらないわ。
さあ、こいつらをみんな殺しておしまい!」
アイラ王女の命令を受け一斉に男達が剣を手に襲い掛かっている。
キッーーン!ガッキーン!
ズサッ、バッシュゥーー。
エディは私達の盾になるように一歩も傍から離れずに戦い、残りの三人は所狭しと次々に敵を容赦なく倒していく。多勢に無勢だったけれども、その実力差ははっきりしていた。
10人以上いた敵はもう数人しか立っておらず、後はみな床に倒れている。
自分が不利な状況なのを悟った王女は目を吊り上げ叫ぶ。
「王女の私に歯向かって許されると思っているの!
この愚か者が!
絶対に許さない……!」
追いつめられたアイラ王女は隠し持っていた短剣を取り出しルディに庇われている私目掛けて投げつけてきた。
シュバッーー。キッーーーン!
放たれた短剣は目的を達することなくエディの剣に叩き落とされ床に落ちていく。
ホッとしたのも束の間、エディが近づいてきた男と剣で対峙している隙をつき、更に隠し持って二本目の短剣を投げつけようと王女はその手を大きく振り被る。
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