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11.アマンダの思惑
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こんなに上手くいくとは思ってもいなかった。
トウイ・アロークから求婚の際に貰った薔薇の花束を抱えて一人で寮の部屋に戻り扉を閉めると高笑いが止まらなかった。
『あっははっは、やったわ。
うっふっふふふふ、私の勝ちだわ!』
元妻が離縁したくないと揉めて、私がトウイ・アロークと再婚できるのはもっと先のことだと正直思っていた。
それがこんなに早く離縁が成立し、彼がすぐさま正式に結婚の申込みをしてくれるなんて夢のようだ。
私は彼から求婚された時に嬉しさのあまり叫びたいのを我慢して『はい、トウイ愛しているわ』と儚げな女性を演じながら涙を流して喜んだ。
儚げなのは演技だったけど涙と喜びは嘘ではなかった。
安定した楽な生活を手に入れられて天にも昇る心地だったのは本当だった。
…神様は私の味方だった。
私の生家のドール伯爵家は伯爵とは名ばかりで実生活は困窮していた。
だが貴族とは面倒なもので、貧乏だからといって社交を完全にやめたりは出来ない。最低限の付き合いに抑えてもお金は掛かるものだ。
お金がない我が家は私が物心つく頃には食費を削るしかない状況になっていた。
育ち盛りなのに貴族とは思えない質素な食生活。
そして末っ子の私に至っては学園に通う費用を工面できずに家で学ぶことになった。対外的には家庭教師について学んでいることになっていたが実際には家庭教師などいなかった。両親や兄姉が暇な時に教えてくれはずだったが、皆忙しくそれどころではなかった。
実質放置されていると言っても過言ではなかった。
大変だけど家族が揃っているから幸せだとみんな笑っているけど、私だけは笑えなかった。
彼らと私では状況が違う。
両親と兄姉は対外的には体面を保てるように必要最低限な物は買っているし、貴族の付き合いも最低限こなしている。つまり必要最低限の生活をしているからこそ、これでも幸せだと笑っていられるのだ。
私はその最低限さえ与えられずにいる。
新しい服も教養もければ外で友人を作る機会もない。
愛していると言いながら金銭的な余裕はないから私の状況を見て見ぬ振りをする。
もし私の為に何かを言って自分の分を差し出すことになったら嫌だから誰も何も言わない。
今日も愛しているという言葉をくれるだけ。
…そんなものはいらない。
愛があれば幸せなんて嘘だ。
愛があってもお金がなければ幸せにはなれない。
人はお金より愛だと綺麗事を言うがそんなのは嘘だ。だって家族でさえ末っ子の私に掛けるお金を削っても自分達に掛けるお金だけはちゃんと確保している。
…愛では幸せになれない。
『こんな生活から抜け出したい』
それがいつしか私の夢となっていた。
この生活から逃れる術は結婚か働くしかない。
だが貧乏な伯爵家の平凡な令嬢への婚約の申込みはないし、十分な教養を身に着けていない私には王宮で侍女として働くことも無理だった。
このままでは一生この生活から抜け出せないと焦る私はある日姉の友人が遊びに来ていた時に騎士団の話をしているのを耳にした。
『騎士団にいる女性騎士は凄くモテるそうよ。家柄も容姿も教養も大したことがないのに結婚相手がすぐに見つかるんですって。世間では見向きもされなかった女性でもよ。
騎士団の男性はあまり女性と接する機会も多くないから騙されてしまうみたいなの。脳筋はやっぱり駄目ね』
これだと思った。
私にはなにもないけれども女性という武器だけはある。
本来なら小柄で体力もない私は不合格になるところだが、ここでは形ばかりの伯爵位が役に立った。爵位を継げない貴族はお情けで騎士団に入ることが出来るのだ。
私もそのお情けの枠で騎士団への入団がぎりぎり認められた。だが見るからに役に立ちそうにない私は平民や低位貴族が多い騎士団に配属されたがそれでも入り込めた幸運に感謝した。
…神様にまだ見放されていない。
チャンスは得たのだからと入団後は理想の結婚相手を見つけることに必死になった。
だが思っていた以上に騎士団は甘くなかった。仕事はきつく女性だからといって甘やかされることがないキツイ職場だった。
それに何もしなくても女性騎士はモテると聞いていたが現実は厳しかった。
安定した結婚生活を与えてくれそうな独身の貴族男性は結婚相手としてメリットがなく容姿も普通な私には誰も寄って来ない。何人か目ぼしい人に言い寄ってみたけれども相手にもされなかった。
声を掛けてくるのは平民騎士で一緒になれば苦労するのが分かり切っているような人ばかりだった。
なによっ、あんな話出鱈目じゃない!
全然相手が見つからないわっ。
このままじゃ、無駄に歳を取っていくだけだわ。
仕事はきついだけでいいこともないのに。
このままなんて絶対に嫌よ!
なんとしても相手を見つけなくては…。
その為にここにいるのだから。
体力も限界で良い相手も見つからずに落ち込んでいた私に『大丈夫か』と優しく声を掛けてきたのがトウイ・アローク副団長だった。
彼は既婚者のうえ男爵でしかなく今まで結婚相手として考えてなどいなかった。
だが上司と部下として相談に乗ってもらううちに『彼もありだな』と思うようになった。
真面目な働きぶりで優しい人。地位は男爵と低く一見すると質素な服ばかりだが、よくよく見ると上質な生地の上着だったり高級そうな刺繍が刺してたりするものを身に着けている。
同僚達の話でも彼の屋敷で開かれる食事会の料理はいつも豪華で美味しい物が出されると聞いていた。
彼はただの男爵ではない。
この人は地位以上のお金を持っていると気づくのに時間は掛からなかった。
ああ、この人の妻はいいだろうな。
お金はあるけど爵位は低いから気さくでいい。
きっと楽しく遊んで暮らせるはずだわ。
自由にお金を使いながら。
この人なら気軽で楽しい豪華な生活を私に与えてくれるはず。貧乏な伯爵位よりもお金がある男爵位のほうがましだ。
既婚者ということを除けば私にとって好条件の人だった。
…邪魔なのは奥様だけ。
愛妻家と有名だったけど何もせずに諦めたくなかった。次があるなら諦めていたけど今までのことを考えると私に次があるとは思えない。
…私は諦めないわ。
負け犬のまま終わるなんてまっぴらだもの。
やってやる…。
幸せは待っていてもやって来ないから。
それからは一生懸命に頑張る健気な女性を演じながら彼の前だけでは弱い女になって相談という名のもとに少しづつ距離を縮めていった。最初こそ戸惑っているようだったけど部下を大切にする彼が私を邪険にすることはなかった。
どこまでも私に好都合な優しい人。
少しづつ少しづつ蜘蛛のように彼を絡みとっていき、私という毒を注ぎ込む。
真面目で女性経験が妻以外なかった彼に『自分しか頼る人がいない、か弱い女性』は効果てきめんだった。
彼は仕事では優秀だったけど、女の演技を見抜く目は持ち合わせていなかったようだ。
見事に私の罠にはまってくれた。
『アマンダ、君を守りたい』
『トウイ有り難う。でもあなたには奥様が…』
『優しい彼女ならきっと分かってくれる。
君のような人をこのまま一人には出来ない。俺が守ってあげたいんだ』
…馬鹿で単純な男だった。
私が影で元奥様を牽制していたとも知らずに、か弱い私を守ってあげる自分に酔いしれ13年間も連れ添った妻とあっさり離縁してくれた。
私は誰に対しても悪いとは思わなかった。
だって奥様を裏切ったのは彼で私ではない。
私はただ自分の気持ちに正直だっただけ。
誰だってそうだった。
家族だって彼だって自分のことが一番に考えているからこそ平気で弱者を踏みにじる。
私だけじゃない。
みんなそうやって生きている。
選ばれたのは私で選ばれなかったのは妻だった、それだけのこと。
…私は悪くない。
私にだって幸せになる権利ある。
これから今まで辛い人生を歩んできた分を取り戻すのだ。
大丈夫、神様はどこまでも私の味方なんだから。
トウイ・アロークから求婚の際に貰った薔薇の花束を抱えて一人で寮の部屋に戻り扉を閉めると高笑いが止まらなかった。
『あっははっは、やったわ。
うっふっふふふふ、私の勝ちだわ!』
元妻が離縁したくないと揉めて、私がトウイ・アロークと再婚できるのはもっと先のことだと正直思っていた。
それがこんなに早く離縁が成立し、彼がすぐさま正式に結婚の申込みをしてくれるなんて夢のようだ。
私は彼から求婚された時に嬉しさのあまり叫びたいのを我慢して『はい、トウイ愛しているわ』と儚げな女性を演じながら涙を流して喜んだ。
儚げなのは演技だったけど涙と喜びは嘘ではなかった。
安定した楽な生活を手に入れられて天にも昇る心地だったのは本当だった。
…神様は私の味方だった。
私の生家のドール伯爵家は伯爵とは名ばかりで実生活は困窮していた。
だが貴族とは面倒なもので、貧乏だからといって社交を完全にやめたりは出来ない。最低限の付き合いに抑えてもお金は掛かるものだ。
お金がない我が家は私が物心つく頃には食費を削るしかない状況になっていた。
育ち盛りなのに貴族とは思えない質素な食生活。
そして末っ子の私に至っては学園に通う費用を工面できずに家で学ぶことになった。対外的には家庭教師について学んでいることになっていたが実際には家庭教師などいなかった。両親や兄姉が暇な時に教えてくれはずだったが、皆忙しくそれどころではなかった。
実質放置されていると言っても過言ではなかった。
大変だけど家族が揃っているから幸せだとみんな笑っているけど、私だけは笑えなかった。
彼らと私では状況が違う。
両親と兄姉は対外的には体面を保てるように必要最低限な物は買っているし、貴族の付き合いも最低限こなしている。つまり必要最低限の生活をしているからこそ、これでも幸せだと笑っていられるのだ。
私はその最低限さえ与えられずにいる。
新しい服も教養もければ外で友人を作る機会もない。
愛していると言いながら金銭的な余裕はないから私の状況を見て見ぬ振りをする。
もし私の為に何かを言って自分の分を差し出すことになったら嫌だから誰も何も言わない。
今日も愛しているという言葉をくれるだけ。
…そんなものはいらない。
愛があれば幸せなんて嘘だ。
愛があってもお金がなければ幸せにはなれない。
人はお金より愛だと綺麗事を言うがそんなのは嘘だ。だって家族でさえ末っ子の私に掛けるお金を削っても自分達に掛けるお金だけはちゃんと確保している。
…愛では幸せになれない。
『こんな生活から抜け出したい』
それがいつしか私の夢となっていた。
この生活から逃れる術は結婚か働くしかない。
だが貧乏な伯爵家の平凡な令嬢への婚約の申込みはないし、十分な教養を身に着けていない私には王宮で侍女として働くことも無理だった。
このままでは一生この生活から抜け出せないと焦る私はある日姉の友人が遊びに来ていた時に騎士団の話をしているのを耳にした。
『騎士団にいる女性騎士は凄くモテるそうよ。家柄も容姿も教養も大したことがないのに結婚相手がすぐに見つかるんですって。世間では見向きもされなかった女性でもよ。
騎士団の男性はあまり女性と接する機会も多くないから騙されてしまうみたいなの。脳筋はやっぱり駄目ね』
これだと思った。
私にはなにもないけれども女性という武器だけはある。
本来なら小柄で体力もない私は不合格になるところだが、ここでは形ばかりの伯爵位が役に立った。爵位を継げない貴族はお情けで騎士団に入ることが出来るのだ。
私もそのお情けの枠で騎士団への入団がぎりぎり認められた。だが見るからに役に立ちそうにない私は平民や低位貴族が多い騎士団に配属されたがそれでも入り込めた幸運に感謝した。
…神様にまだ見放されていない。
チャンスは得たのだからと入団後は理想の結婚相手を見つけることに必死になった。
だが思っていた以上に騎士団は甘くなかった。仕事はきつく女性だからといって甘やかされることがないキツイ職場だった。
それに何もしなくても女性騎士はモテると聞いていたが現実は厳しかった。
安定した結婚生活を与えてくれそうな独身の貴族男性は結婚相手としてメリットがなく容姿も普通な私には誰も寄って来ない。何人か目ぼしい人に言い寄ってみたけれども相手にもされなかった。
声を掛けてくるのは平民騎士で一緒になれば苦労するのが分かり切っているような人ばかりだった。
なによっ、あんな話出鱈目じゃない!
全然相手が見つからないわっ。
このままじゃ、無駄に歳を取っていくだけだわ。
仕事はきついだけでいいこともないのに。
このままなんて絶対に嫌よ!
なんとしても相手を見つけなくては…。
その為にここにいるのだから。
体力も限界で良い相手も見つからずに落ち込んでいた私に『大丈夫か』と優しく声を掛けてきたのがトウイ・アローク副団長だった。
彼は既婚者のうえ男爵でしかなく今まで結婚相手として考えてなどいなかった。
だが上司と部下として相談に乗ってもらううちに『彼もありだな』と思うようになった。
真面目な働きぶりで優しい人。地位は男爵と低く一見すると質素な服ばかりだが、よくよく見ると上質な生地の上着だったり高級そうな刺繍が刺してたりするものを身に着けている。
同僚達の話でも彼の屋敷で開かれる食事会の料理はいつも豪華で美味しい物が出されると聞いていた。
彼はただの男爵ではない。
この人は地位以上のお金を持っていると気づくのに時間は掛からなかった。
ああ、この人の妻はいいだろうな。
お金はあるけど爵位は低いから気さくでいい。
きっと楽しく遊んで暮らせるはずだわ。
自由にお金を使いながら。
この人なら気軽で楽しい豪華な生活を私に与えてくれるはず。貧乏な伯爵位よりもお金がある男爵位のほうがましだ。
既婚者ということを除けば私にとって好条件の人だった。
…邪魔なのは奥様だけ。
愛妻家と有名だったけど何もせずに諦めたくなかった。次があるなら諦めていたけど今までのことを考えると私に次があるとは思えない。
…私は諦めないわ。
負け犬のまま終わるなんてまっぴらだもの。
やってやる…。
幸せは待っていてもやって来ないから。
それからは一生懸命に頑張る健気な女性を演じながら彼の前だけでは弱い女になって相談という名のもとに少しづつ距離を縮めていった。最初こそ戸惑っているようだったけど部下を大切にする彼が私を邪険にすることはなかった。
どこまでも私に好都合な優しい人。
少しづつ少しづつ蜘蛛のように彼を絡みとっていき、私という毒を注ぎ込む。
真面目で女性経験が妻以外なかった彼に『自分しか頼る人がいない、か弱い女性』は効果てきめんだった。
彼は仕事では優秀だったけど、女の演技を見抜く目は持ち合わせていなかったようだ。
見事に私の罠にはまってくれた。
『アマンダ、君を守りたい』
『トウイ有り難う。でもあなたには奥様が…』
『優しい彼女ならきっと分かってくれる。
君のような人をこのまま一人には出来ない。俺が守ってあげたいんだ』
…馬鹿で単純な男だった。
私が影で元奥様を牽制していたとも知らずに、か弱い私を守ってあげる自分に酔いしれ13年間も連れ添った妻とあっさり離縁してくれた。
私は誰に対しても悪いとは思わなかった。
だって奥様を裏切ったのは彼で私ではない。
私はただ自分の気持ちに正直だっただけ。
誰だってそうだった。
家族だって彼だって自分のことが一番に考えているからこそ平気で弱者を踏みにじる。
私だけじゃない。
みんなそうやって生きている。
選ばれたのは私で選ばれなかったのは妻だった、それだけのこと。
…私は悪くない。
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