20 / 28
20.真実が明らかに…①
しおりを挟む
あれから一時間が経過した。
「大変申し訳ございません、イザク殿下!!私は何ということを…。責任は全てこの私にあります、どうか家族はお見逃しください!」
我に返ったエール伯爵は真っ青になりながら謝罪の言葉を口にする。あれだけのことを言ったのだから、王族への不敬罪を覚悟しているのだろう。
確かにそれだけの発言はした。
…いいや、それ以上の発言までしていた。
しかし不敬罪に問うつもりはない。私は記憶からその事を抹消すると決めているからだ。
玉無し発言やひよこ野郎と呼ばれたことを覚えていても、この先何かの役に立つことは絶対にないだろう。
…あの記憶は一片たりともいらない……。
それに将来の義兄になる人とはリラの為にも良好な関係を築いておきたい。
「いや、謝る必要はない。私も興奮していたから何も覚えていない。だから責任を取る必要はない」
「…っ…殿下、有り難うございます。このご恩は一生忘れません、今日の過ちは戒めとして心に刻み込みます!」
「いや、刻まなくていいから……」
とにかくこの話はもう終わらせたかった。
それよりも手紙のことを確認し、早くリラに会って誤解を解くほうが重要だ。
「いいえ、絶対に忘れは致しません!」
「………」
こんな時に限ってエール伯爵の真面目さが遺憾なく発揮される。
…頼む、恩は覚えていてもいい。
だがあの発言だけは忘れてくれ。
将来酒を酌み交わした時に『あの時は玉の話題で盛り上がりましたね…』なんて懐かしむのは御免だ。
もっと平凡でまともな話題で私は十分だ。
とりあえずはもうこの話題に触れるのは止めにしよう。これ以上やり取りを重ねたら、より深く刻み込まれてしまうだろう。
――それだけは阻止したい。
落ち着きを取り戻したエール伯爵に手紙を出すに至った経緯を確認すると、私がひよこから話を聞いた後たぶんこうだろうと考えていた通りの答えが返ってきた。
やはりリラはひよこの行動を勘違いして、第二王子から求婚されたと思いこんでいたようだ。そしてイザク殿下とは結婚したくないと兄であるエール伯爵に訴えた。
このタイミングで私が用意していた備え、つまりエール伯爵が私の身分を明かしリラを止めてくれれば良かったのだが、そうならなかった。
彼は涙を浮かべて懇願する妹を目の前にして、私が約束を破り強引に話を進めようしていると思い込んでしまった。
確かにリラは『イザク殿下から告白された』と言っていたので、彼がそう思ったのも仕方がない。
エール伯爵にとってはイザク殿下=本物の私。まさかリラが言ったイザク殿下=ひよこ殿下とは思わなかっただろう。
妹思いのエール伯爵がリラに望まない結婚を強いるはずがなく、結果として王家にあの手紙を出すに至ったというのが真相だった。
誰が悪いかと問われれば、すべて私が悪い。
ひよこのことも、エール伯爵のことも、リラのことも、分かったつもりでいて全然分かっていなかった。
彼らは三人とも、私の考えの上の更に上をいく思考と行動力の持ち主達だった。
そしてその三人が絡み合った時にもたらされる相乗効果を私が見誤った結果、こういう状況を招いたのだ。
私はまだまだ未熟だな……。
自分の過ちを今後の糧にしていくと心に誓う。
全てが明らかになったので、次にやるべきことは決まっている。
「エール伯爵、リラは今どこにいますか?」
「リラなら、近くにある農場に行っているはずです。すぐに戻ってくると思いますが…」
伯爵令嬢がなぜ農場なのだと素朴な疑問を持ったが、聞きはしなかった。エール伯爵も首を傾げながら言っていたから、たぶん理由は知らないのだろう。
リラの行動は昔からよく分からないところがある。だがそれも彼女の魅力の一つだ。
エール伯爵は屋敷でリラの帰宅を待つように勧めてくれたが、丁重に断った。
一刻も早く偽っていたことを謝罪し、誤解を解いてから正式に求婚をしたいからだ。
私はリラが訪ねているという農場の場所を教えてもらい、屋敷をあとにする。
その農場までは一本道なので、行き違いになる心配はない。ただ馬が走るには適さない獣道だったので、馬を置いて歩いていく。
一本道とはいえども森の中を曲がりくねっており、先は木々に隠されているため見通しは良くない。
リラに早く会いたくて自然と歩く速度は速くなる。
彼女は私に会ったらどんな表情をするだろうか。
離れている数日でいろいろなことが起きた。私が真実を告げずにいたばかりに、リラには辛い思いをさせてしまった。
今はきっと一人で背負い込んでぎりぎりの精神状態だろう。
たぶん泣いてしまうだろうな…。
ごめんよ、リラ。
――抱きしめて安心させてあげたい。
しばらく歩くと『コケコッコー』という鶏のような声が微かに聞こえてくる。
なんだ?森に野生の鶏がいるのか…。
まさかなと思いながら歩き進めていくと人の声も聞こえてきた。
「あと少しで着くから、いい子にしていてね」
「コケッケケー」
その声はリラのものに間違いない。
そして鶏の声は…知らない。
ただひよこ殿下の声ではないのが救いだった。
一人と一羽の会話の声がどんどんと近づいてきて、木々の間からリラが歩く姿が見えてきた。
「リラ!!」
「イーライ、どうしてここにいるの?確かに戻ってくるのは二日後だったはずよね?」
「コケッ?」
首を傾げながらそう言うリラの腕の中には元気に鳴いている鶏がいる。
なんで鶏なんか抱いているんだ……?
リラの行動は今日も私の想像の遥か上をいっていた。
彼女は満面の笑みを浮かべてながら『イーライ~!』と私に手を振ってくる。
そこには悲壮感などいくら探しても見つからない。
そうだ、六歳の私が好きになった三歳年上の女の子はこういう子だった。
どんな時でも前だけを見て笑っている。病弱な私が離宮でいじけていても『大丈夫、なんとかなるよ』と優しく背中を押して、新しい世界を教えてくれた。
――リラは変わってない。
いや違うな、ますます輝いている。
やはりリラには敵わない。
どんな時でも清々しいほどリラは良い意味でリラのままだ。
「おかえりなさい、イーライ」
「リラ、ただいま」
私が一途に想い続けている人、そして一生守っていきたい人にやっと会えた。
「大変申し訳ございません、イザク殿下!!私は何ということを…。責任は全てこの私にあります、どうか家族はお見逃しください!」
我に返ったエール伯爵は真っ青になりながら謝罪の言葉を口にする。あれだけのことを言ったのだから、王族への不敬罪を覚悟しているのだろう。
確かにそれだけの発言はした。
…いいや、それ以上の発言までしていた。
しかし不敬罪に問うつもりはない。私は記憶からその事を抹消すると決めているからだ。
玉無し発言やひよこ野郎と呼ばれたことを覚えていても、この先何かの役に立つことは絶対にないだろう。
…あの記憶は一片たりともいらない……。
それに将来の義兄になる人とはリラの為にも良好な関係を築いておきたい。
「いや、謝る必要はない。私も興奮していたから何も覚えていない。だから責任を取る必要はない」
「…っ…殿下、有り難うございます。このご恩は一生忘れません、今日の過ちは戒めとして心に刻み込みます!」
「いや、刻まなくていいから……」
とにかくこの話はもう終わらせたかった。
それよりも手紙のことを確認し、早くリラに会って誤解を解くほうが重要だ。
「いいえ、絶対に忘れは致しません!」
「………」
こんな時に限ってエール伯爵の真面目さが遺憾なく発揮される。
…頼む、恩は覚えていてもいい。
だがあの発言だけは忘れてくれ。
将来酒を酌み交わした時に『あの時は玉の話題で盛り上がりましたね…』なんて懐かしむのは御免だ。
もっと平凡でまともな話題で私は十分だ。
とりあえずはもうこの話題に触れるのは止めにしよう。これ以上やり取りを重ねたら、より深く刻み込まれてしまうだろう。
――それだけは阻止したい。
落ち着きを取り戻したエール伯爵に手紙を出すに至った経緯を確認すると、私がひよこから話を聞いた後たぶんこうだろうと考えていた通りの答えが返ってきた。
やはりリラはひよこの行動を勘違いして、第二王子から求婚されたと思いこんでいたようだ。そしてイザク殿下とは結婚したくないと兄であるエール伯爵に訴えた。
このタイミングで私が用意していた備え、つまりエール伯爵が私の身分を明かしリラを止めてくれれば良かったのだが、そうならなかった。
彼は涙を浮かべて懇願する妹を目の前にして、私が約束を破り強引に話を進めようしていると思い込んでしまった。
確かにリラは『イザク殿下から告白された』と言っていたので、彼がそう思ったのも仕方がない。
エール伯爵にとってはイザク殿下=本物の私。まさかリラが言ったイザク殿下=ひよこ殿下とは思わなかっただろう。
妹思いのエール伯爵がリラに望まない結婚を強いるはずがなく、結果として王家にあの手紙を出すに至ったというのが真相だった。
誰が悪いかと問われれば、すべて私が悪い。
ひよこのことも、エール伯爵のことも、リラのことも、分かったつもりでいて全然分かっていなかった。
彼らは三人とも、私の考えの上の更に上をいく思考と行動力の持ち主達だった。
そしてその三人が絡み合った時にもたらされる相乗効果を私が見誤った結果、こういう状況を招いたのだ。
私はまだまだ未熟だな……。
自分の過ちを今後の糧にしていくと心に誓う。
全てが明らかになったので、次にやるべきことは決まっている。
「エール伯爵、リラは今どこにいますか?」
「リラなら、近くにある農場に行っているはずです。すぐに戻ってくると思いますが…」
伯爵令嬢がなぜ農場なのだと素朴な疑問を持ったが、聞きはしなかった。エール伯爵も首を傾げながら言っていたから、たぶん理由は知らないのだろう。
リラの行動は昔からよく分からないところがある。だがそれも彼女の魅力の一つだ。
エール伯爵は屋敷でリラの帰宅を待つように勧めてくれたが、丁重に断った。
一刻も早く偽っていたことを謝罪し、誤解を解いてから正式に求婚をしたいからだ。
私はリラが訪ねているという農場の場所を教えてもらい、屋敷をあとにする。
その農場までは一本道なので、行き違いになる心配はない。ただ馬が走るには適さない獣道だったので、馬を置いて歩いていく。
一本道とはいえども森の中を曲がりくねっており、先は木々に隠されているため見通しは良くない。
リラに早く会いたくて自然と歩く速度は速くなる。
彼女は私に会ったらどんな表情をするだろうか。
離れている数日でいろいろなことが起きた。私が真実を告げずにいたばかりに、リラには辛い思いをさせてしまった。
今はきっと一人で背負い込んでぎりぎりの精神状態だろう。
たぶん泣いてしまうだろうな…。
ごめんよ、リラ。
――抱きしめて安心させてあげたい。
しばらく歩くと『コケコッコー』という鶏のような声が微かに聞こえてくる。
なんだ?森に野生の鶏がいるのか…。
まさかなと思いながら歩き進めていくと人の声も聞こえてきた。
「あと少しで着くから、いい子にしていてね」
「コケッケケー」
その声はリラのものに間違いない。
そして鶏の声は…知らない。
ただひよこ殿下の声ではないのが救いだった。
一人と一羽の会話の声がどんどんと近づいてきて、木々の間からリラが歩く姿が見えてきた。
「リラ!!」
「イーライ、どうしてここにいるの?確かに戻ってくるのは二日後だったはずよね?」
「コケッ?」
首を傾げながらそう言うリラの腕の中には元気に鳴いている鶏がいる。
なんで鶏なんか抱いているんだ……?
リラの行動は今日も私の想像の遥か上をいっていた。
彼女は満面の笑みを浮かべてながら『イーライ~!』と私に手を振ってくる。
そこには悲壮感などいくら探しても見つからない。
そうだ、六歳の私が好きになった三歳年上の女の子はこういう子だった。
どんな時でも前だけを見て笑っている。病弱な私が離宮でいじけていても『大丈夫、なんとかなるよ』と優しく背中を押して、新しい世界を教えてくれた。
――リラは変わってない。
いや違うな、ますます輝いている。
やはりリラには敵わない。
どんな時でも清々しいほどリラは良い意味でリラのままだ。
「おかえりなさい、イーライ」
「リラ、ただいま」
私が一途に想い続けている人、そして一生守っていきたい人にやっと会えた。
39
お気に入りに追加
3,053
あなたにおすすめの小説

結婚5年目の仮面夫婦ですが、そろそろ限界のようです!?
宮永レン
恋愛
没落したアルブレヒト伯爵家を援助すると声をかけてきたのは、成り上がり貴族と呼ばれるヴィルジール・シリングス子爵。援助の条件とは一人娘のミネットを妻にすること。
ミネットは形だけの結婚を申し出るが、ヴィルジールからは仕事に支障が出ると困るので外では仲の良い夫婦を演じてほしいと告げられる。
仮面夫婦としての生活を続けるうちに二人の心には変化が生まれるが……

【完結済】侯爵令息様のお飾り妻
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
没落の一途をたどるアップルヤード伯爵家の娘メリナは、とある理由から美しい侯爵令息のザイール・コネリーに“お飾りの妻になって欲しい”と持ちかけられる。期間限定のその白い結婚は互いの都合のための秘密の契約結婚だったが、メリナは過去に優しくしてくれたことのあるザイールに、ひそかにずっと想いを寄せていて─────
捨てられた令嬢は無双する
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕「強運」と云う、転んでもただでは起きない一風変わった“加護”を持つ子爵令嬢フェリシティ。お人好しで人の悪意にも鈍く、常に前向きで、かなりド天然な令嬢フェリシティ。だが、父である子爵家当主セドリックが他界した途端、子爵家の女主人となった継母デラニーに邪魔者扱いされる子爵令嬢フェリシティは、ある日捨てられてしまう。行く宛もお金もない。ましてや子爵家には帰ることも出来ない。そこで訪れたのが困窮した淑女が行くとされる或る館。まさかの女性が春を売る場所〈娼館〉とは知らず、「ここで雇って頂けませんか?」と女主人アレクシスに願い出る。面倒見の良い女主人アレクシスは、庇護欲そそる可憐な子爵令嬢フェリシティを一晩泊めたあとは、“或る高貴な知り合い”ウィルフレッドへと託そうとするも……。
※設定などは独自の世界観でご都合主義。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日(2024.12.24)からHOTランキング入れて頂き、ありがとうございます🙂(最高で29位✨)

【完結】婚約破棄されたので田舎に引きこもったら、冷酷宰相に執着されました
21時完結
恋愛
王太子の婚約者だった侯爵令嬢エリシアは、突然婚約破棄を言い渡された。
理由は「平凡すぎて、未来の王妃には相応しくない」から。
(……ええ、そうでしょうね。私もそう思います)
王太子は社交的な女性が好みで、私はひたすら目立たないように生きてきた。
当然、愛されるはずもなく――むしろ、やっと自由になれたとホッとするくらい。
「王都なんてもう嫌。田舎に引きこもります!」
貴族社会とも縁を切り、静かに暮らそうと田舎の領地へ向かった。
だけど――
「こんなところに隠れるとは、随分と手こずらせてくれたな」
突然、冷酷無慈悲と噂される宰相レオンハルト公爵が目の前に現れた!?
彼は王国の実質的な支配者とも言われる、権力者中の権力者。
そんな人が、なぜか私に執着し、どこまでも追いかけてくる。
「……あの、何かご用でしょうか?」
「決まっている。お前を迎えに来た」
――え? どういうこと?
「王太子は無能だな。手放すべきではないものを、手放した」
「……?」
「だから、その代わりに 私がもらう ことにした」
(いや、意味がわかりません!!)
婚約破棄されて平穏に暮らすはずが、
なぜか 冷酷宰相に執着されて逃げられません!?

記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

【完結】お荷物王女は婚約解消を願う
miniko
恋愛
王家の瞳と呼ばれる色を持たずに生まれて来た王女アンジェリーナは、一部の貴族から『お荷物王女』と蔑まれる存在だった。
それがエスカレートするのを危惧した国王は、アンジェリーナの後ろ楯を強くする為、彼女の従兄弟でもある筆頭公爵家次男との婚約を整える。
アンジェリーナは八歳年上の優しい婚約者が大好きだった。
今は妹扱いでも、自分が大人になれば年の差も気にならなくなり、少しづつ愛情が育つ事もあるだろうと思っていた。
だが、彼女はある日聞いてしまう。
「お役御免になる迄は、しっかりアンジーを守る」と言う彼の宣言を。
───そうか、彼は私を守る為に、一時的に婚約者になってくれただけなのね。
それなら出来るだけ早く、彼を解放してあげなくちゃ・・・・・・。
そして二人は盛大にすれ違って行くのだった。
※設定ユルユルですが、笑って許してくださると嬉しいです。
※感想欄、ネタバレ配慮しておりません。ご了承ください。

見た目が地味で聖女に相応しくないと言われ追放された私は、本来の見た目に戻り隣国の聖女となりました
黒木 楓
恋愛
モルドーラ国には2人の聖女が居て、聖女の私シーファは先輩聖女サリナによって地味な見た目のままでいるよう命令されていた。
先輩に合わせるべきだと言われた私は力を抑えながら聖女活動をしていると、ある日国王に呼び出しを受けてしまう。
国王から「聖女は2人も必要ないようだ」と言われ、モルドーラ国は私を追い出すことに決めたらしい。
どうやらこれはサリナの計画通りのようで、私は国を出て住む場所を探そうとしていると、ゼスタと名乗る人に出会う。
ゼスタの提案を受けて聖女が居ない隣国の聖女になることを決めた私は、本来の見た目で本来の力を使うことを決意した。
その後、どうやら聖女を2人用意したのはモルドーラ国に危機が迫っていたからだと知るも、それに関しては残ったサリナがなんとかするでしょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる