16 / 28
16.第二王子の直感
しおりを挟む
離宮に到着するがもちろん出迎えはなかった。急遽帰ってきたので、離宮に予定の変更を連絡する時間はなかったからだ。
一人の侍女が私の姿を見るなり慌てた様子で近づいてくる。
「イーライ様、随分と早いお帰りでございますね」
声を掛けてきた侍女は私のことを王子の従者だと思っている。だから丁寧な口調で話しかけてくるが畏まったものではない。
この離宮にいる使用人達は一部の者しか私が本物の第二王子だと知らない。殆どの者は第二王子は呪われてひよこになっていると信じ込んでいる。
「少し予定が変わっただけだ。ところでエレンはどこにいる?」
焦る気持ちを表に出すことなく尋ねる。ここで取り乱しても意味はないし、状況を正確に把握する妨げにもなるからだ。
どんな時でも冷静さを失わないのは王族としての厳しい教育の賜物だ。
こんな状況で役立ったのを努力が報われたと思うべきなのか、または能力の無駄遣いと嘆くべきなのか。
今は考えないでおこう。…考えたら負けのような気がする。
「エレン様でしたら先ほど中庭でお見掛けしました。イザク殿下と一緒にミミズを――」
「分かった、ありがとう」
侍女の言葉を最後まで聞くことなく、急ぎ足で中庭へ向かう。
離宮の中庭はかなり広く、エレンの姿は建物からだいぶ離れた場所にあった。どうやら侍女の言う通りひよこの為に土を掘ってミミズを捕まえているようだ。
私は声を掛けることなく近づいていく。
「ひよこ殿下、美味しそうなミミズがいたぞ」
「ぴろー!(よこせー!)」
「ありがとうが言えて偉いな。さあ、どうぞ」
見つけたミミズを掲げるエレンとお尻を振ってそれに反応するひよこ殿下。
エレンが捕まえたミミズは『チュルチュルン』と一瞬でひよこ殿下の嘴の奥へと消えていく。
「ぴろぴぃ、ぴぴ!(もっとよこせ、下僕!)」
「おかわりが欲しいのか?ひよこ殿下は食いしん坊だな」
「ぴろぴよ、ぴぴ!(はやくしろ、下僕!)」
「くださいが言えて偉いぞ、ひよこ殿下」
エレンはひよこ殿下に話しかけながら餌を与えていた。
その様子は平和そのもので、離宮でなにかあったような雰囲気ではない。もし異変があったらエレンはひよこと戯れてはいないだろう。
だがひよこ殿下の側にリラの姿はなかった。
彼女は通訳係なので、いつもならひよこの近くにいるはずなのに…。
用事がある時は来なくてもいいと言ってあるが、そんな日は今まで一度もなかった。
やはりリラだけに何かあったのか……。
「エレン!」
「イザク殿下、随分と早いお戻りですね。予定では二日後のはずでしたが…」
私が後ろから声を掛けると、エレンは振り返って驚いた表情を見せてくる。
気まずいとか慌てている様子は一切なかった。
どうやらあの手紙のことを含め、エレンはなにも知らないようだ。
いや、正確には気づいていないと言うべきか…。
エレン・ゼイロは優秀な従者で、私が彼に助けられたことも一度や二度ではない。
だからこそ信頼して留守の間の離宮を彼に任せていた。
その彼が気づかない異変とはなにがあったんだ…。
私は早く戻った理由は告げずに問い掛ける。
「ちょっと確認したいことがある。まずはリラは今日、離宮に来ているか?」
「いいえ、リラ様は来ておりません。家の用事でしばらくこちらには来れないと二日前に連絡が来ましたので、承知したと返事をしました」
エレンの対応は間違ってはいない。
リラが休みを求めたら、認めるように命じていた。
「その前にリラに変わった様子はあったか?」
「いいえ、特にはありませんでした。ですが最後に離宮に来た日は少しだ早くに帰ったようです。いつもは帰る前に挨拶をしてくれるのですが、その日はすれ違ってしまって…」
そうなるとリラに何かがあったのはたぶん三日前…。
私が送った使者が離宮に到着した日はその日の早朝だったはず。
――これはきっと繋がりがある。
「最後に離宮に来た日は普通に過ごしていた。だがいつもと違って、リラはお前に挨拶せずに早く帰った。それで間違いないか、エレン」
「間違いありません、イザク殿下」
エレンは緊張した声音で答える。どうやら私の様子から、なにか問題が起こっていると察したようだ。
しかしどうしたとは聞いてこない。私が質問しながら考えを整理していると分かったのだろう。
もしやリラは何らかの形で使者の話を聞いたのか?
――第二王子とのリラ・エールの婚約。
彼女はその話を言葉通りに受け取り、婚約する相手がひよこ殿下だと勘違いした。
そしてそれを阻止しようとあの手紙を王家に送ってきた。
…そう考えれば辻褄が合うな。
しかしまた新たな疑問が出てくる。
万が一の備えがなぜ機能しなかったのかということだ。
一つづつ糸を解すようにして答えを見つけていく必要がある。
「どうやら私との婚約の話が三日前、リラの耳に入った可能性が高い。だが彼女はお前にその真偽を尋ねなかった、それで間違いないか?」
「はい、間違いありません。ですがリラ様はその日の帰る少し前に、私を探していたと侍女から聞いております。でもお昼寝から目覚めたひよこ殿下と庭で会ったあと『今日はもう帰ります』と侍女に告げ帰っていったそうです」
やはりリラはエレンに真偽を確かめようとしたのだ。
ではなぜ確かめることなく帰ったのか。
それはたぶんその必要がなくなったからだ。
私はエレンに王宮に送られてきた手紙について教える。
「……っ……!殿下、申し訳ありません。私の不手際です。リラ様の異変に気づかず、そのうえ万が一の備えの手紙も渡しておりません…」
エレンは顔を青ざめ謝罪の言葉を口にする。
起こってしまったことは責めても仕方がない。
それより原因を突き止めて正しく対処しなくてはならない。
でなければ同じような過ちがまた起こる可能性がある。
「リラの異変に気づかなかったのだから、手紙を渡していなくても仕方がない。だがどうしてお前はリラとすれ違ったんだ?」
中庭と違って離宮内はそれほど広くはない。
「実は婚約者からの手紙をひよこ殿下が遊びで窓の外に飛ばしたので、それを探しに庭に出ていました。それですれ違ってしまいました」
「………そうか」
――なにかが引っ掛かる。
今回のことは使者の訪問や勘違いやすれ違いなど偶然が重なって起きた。
でも偶然の中に微かな違和感を感じる。
この違和感はなんだ…。
私はなにを見落としている?
考えるがそれが何かが分からない。
「ぴるよぴぴぃ~(今日も元気だ、ミミズがまいう~)」
悩みがなさそうなひよこ殿下の囀りが足元から聞こえてくる。まだお腹が空いているのか、地面を突いていた。
それはいつものことなのに、なぜか目が離せなかった。
これだったのか…。
違和感が何だったのか気づく。
エレンの話には二度『ひよこ殿下』が登場していた。逆を言えばひよこ殿下がいなければ、二度もすれ違いは起こらなかった。
――違和感の正体はひよこの行動。
どこにいても何をしていても違和感はないが、なぜか重要な事にひよこがいつも絡んでいるのに違和感を感じていたのだ。
「エレン、違和感の正体が分かった。このひよこの存在だ」
「ひよこ殿下ですか…?」
私がそう言うと、ひよこの小さな体がビクっと震える。
「ぴるぇ……(やべ…)」
ひよこ殿下はそっとこの場から離れようとする。
「ひよこ、命が惜しかったら動くな。1ミリでも動いてみろ、お前は今夜のメインディッシュだ」
私がそう告げると、ひよこ殿下の動きは不自然な形のままピタリと止まった。
一人の侍女が私の姿を見るなり慌てた様子で近づいてくる。
「イーライ様、随分と早いお帰りでございますね」
声を掛けてきた侍女は私のことを王子の従者だと思っている。だから丁寧な口調で話しかけてくるが畏まったものではない。
この離宮にいる使用人達は一部の者しか私が本物の第二王子だと知らない。殆どの者は第二王子は呪われてひよこになっていると信じ込んでいる。
「少し予定が変わっただけだ。ところでエレンはどこにいる?」
焦る気持ちを表に出すことなく尋ねる。ここで取り乱しても意味はないし、状況を正確に把握する妨げにもなるからだ。
どんな時でも冷静さを失わないのは王族としての厳しい教育の賜物だ。
こんな状況で役立ったのを努力が報われたと思うべきなのか、または能力の無駄遣いと嘆くべきなのか。
今は考えないでおこう。…考えたら負けのような気がする。
「エレン様でしたら先ほど中庭でお見掛けしました。イザク殿下と一緒にミミズを――」
「分かった、ありがとう」
侍女の言葉を最後まで聞くことなく、急ぎ足で中庭へ向かう。
離宮の中庭はかなり広く、エレンの姿は建物からだいぶ離れた場所にあった。どうやら侍女の言う通りひよこの為に土を掘ってミミズを捕まえているようだ。
私は声を掛けることなく近づいていく。
「ひよこ殿下、美味しそうなミミズがいたぞ」
「ぴろー!(よこせー!)」
「ありがとうが言えて偉いな。さあ、どうぞ」
見つけたミミズを掲げるエレンとお尻を振ってそれに反応するひよこ殿下。
エレンが捕まえたミミズは『チュルチュルン』と一瞬でひよこ殿下の嘴の奥へと消えていく。
「ぴろぴぃ、ぴぴ!(もっとよこせ、下僕!)」
「おかわりが欲しいのか?ひよこ殿下は食いしん坊だな」
「ぴろぴよ、ぴぴ!(はやくしろ、下僕!)」
「くださいが言えて偉いぞ、ひよこ殿下」
エレンはひよこ殿下に話しかけながら餌を与えていた。
その様子は平和そのもので、離宮でなにかあったような雰囲気ではない。もし異変があったらエレンはひよこと戯れてはいないだろう。
だがひよこ殿下の側にリラの姿はなかった。
彼女は通訳係なので、いつもならひよこの近くにいるはずなのに…。
用事がある時は来なくてもいいと言ってあるが、そんな日は今まで一度もなかった。
やはりリラだけに何かあったのか……。
「エレン!」
「イザク殿下、随分と早いお戻りですね。予定では二日後のはずでしたが…」
私が後ろから声を掛けると、エレンは振り返って驚いた表情を見せてくる。
気まずいとか慌てている様子は一切なかった。
どうやらあの手紙のことを含め、エレンはなにも知らないようだ。
いや、正確には気づいていないと言うべきか…。
エレン・ゼイロは優秀な従者で、私が彼に助けられたことも一度や二度ではない。
だからこそ信頼して留守の間の離宮を彼に任せていた。
その彼が気づかない異変とはなにがあったんだ…。
私は早く戻った理由は告げずに問い掛ける。
「ちょっと確認したいことがある。まずはリラは今日、離宮に来ているか?」
「いいえ、リラ様は来ておりません。家の用事でしばらくこちらには来れないと二日前に連絡が来ましたので、承知したと返事をしました」
エレンの対応は間違ってはいない。
リラが休みを求めたら、認めるように命じていた。
「その前にリラに変わった様子はあったか?」
「いいえ、特にはありませんでした。ですが最後に離宮に来た日は少しだ早くに帰ったようです。いつもは帰る前に挨拶をしてくれるのですが、その日はすれ違ってしまって…」
そうなるとリラに何かがあったのはたぶん三日前…。
私が送った使者が離宮に到着した日はその日の早朝だったはず。
――これはきっと繋がりがある。
「最後に離宮に来た日は普通に過ごしていた。だがいつもと違って、リラはお前に挨拶せずに早く帰った。それで間違いないか、エレン」
「間違いありません、イザク殿下」
エレンは緊張した声音で答える。どうやら私の様子から、なにか問題が起こっていると察したようだ。
しかしどうしたとは聞いてこない。私が質問しながら考えを整理していると分かったのだろう。
もしやリラは何らかの形で使者の話を聞いたのか?
――第二王子とのリラ・エールの婚約。
彼女はその話を言葉通りに受け取り、婚約する相手がひよこ殿下だと勘違いした。
そしてそれを阻止しようとあの手紙を王家に送ってきた。
…そう考えれば辻褄が合うな。
しかしまた新たな疑問が出てくる。
万が一の備えがなぜ機能しなかったのかということだ。
一つづつ糸を解すようにして答えを見つけていく必要がある。
「どうやら私との婚約の話が三日前、リラの耳に入った可能性が高い。だが彼女はお前にその真偽を尋ねなかった、それで間違いないか?」
「はい、間違いありません。ですがリラ様はその日の帰る少し前に、私を探していたと侍女から聞いております。でもお昼寝から目覚めたひよこ殿下と庭で会ったあと『今日はもう帰ります』と侍女に告げ帰っていったそうです」
やはりリラはエレンに真偽を確かめようとしたのだ。
ではなぜ確かめることなく帰ったのか。
それはたぶんその必要がなくなったからだ。
私はエレンに王宮に送られてきた手紙について教える。
「……っ……!殿下、申し訳ありません。私の不手際です。リラ様の異変に気づかず、そのうえ万が一の備えの手紙も渡しておりません…」
エレンは顔を青ざめ謝罪の言葉を口にする。
起こってしまったことは責めても仕方がない。
それより原因を突き止めて正しく対処しなくてはならない。
でなければ同じような過ちがまた起こる可能性がある。
「リラの異変に気づかなかったのだから、手紙を渡していなくても仕方がない。だがどうしてお前はリラとすれ違ったんだ?」
中庭と違って離宮内はそれほど広くはない。
「実は婚約者からの手紙をひよこ殿下が遊びで窓の外に飛ばしたので、それを探しに庭に出ていました。それですれ違ってしまいました」
「………そうか」
――なにかが引っ掛かる。
今回のことは使者の訪問や勘違いやすれ違いなど偶然が重なって起きた。
でも偶然の中に微かな違和感を感じる。
この違和感はなんだ…。
私はなにを見落としている?
考えるがそれが何かが分からない。
「ぴるよぴぴぃ~(今日も元気だ、ミミズがまいう~)」
悩みがなさそうなひよこ殿下の囀りが足元から聞こえてくる。まだお腹が空いているのか、地面を突いていた。
それはいつものことなのに、なぜか目が離せなかった。
これだったのか…。
違和感が何だったのか気づく。
エレンの話には二度『ひよこ殿下』が登場していた。逆を言えばひよこ殿下がいなければ、二度もすれ違いは起こらなかった。
――違和感の正体はひよこの行動。
どこにいても何をしていても違和感はないが、なぜか重要な事にひよこがいつも絡んでいるのに違和感を感じていたのだ。
「エレン、違和感の正体が分かった。このひよこの存在だ」
「ひよこ殿下ですか…?」
私がそう言うと、ひよこの小さな体がビクっと震える。
「ぴるぇ……(やべ…)」
ひよこ殿下はそっとこの場から離れようとする。
「ひよこ、命が惜しかったら動くな。1ミリでも動いてみろ、お前は今夜のメインディッシュだ」
私がそう告げると、ひよこ殿下の動きは不自然な形のままピタリと止まった。
40
お気に入りに追加
3,063
あなたにおすすめの小説

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。
契約結婚の終わりの花が咲きます、旦那様
日室千種・ちぐ
恋愛
エブリスタ新星ファンタジーコンテストで佳作をいただいた作品を、講評を参考に全体的に手直ししました。
春を告げるラクサの花が咲いたら、この契約結婚は終わり。
夫は他の女性を追いかけて家に帰らない。私はそれに傷つきながらも、夫の弱みにつけ込んで結婚した罪悪感から、なかば諦めていた。体を弱らせながらも、寄り添ってくれる老医師に夫への想いを語り聞かせて、前を向こうとしていたのに。繰り返す女の悪夢に少しずつ壊れた私は、ついにある時、ラクサの花を咲かせてしまう――。
真実とは。老医師の決断とは。
愛する人に別れを告げられることを恐れる妻と、妻を愛していたのに契約結婚を申し出てしまった夫。悪しき魔女に掻き回された夫婦が絆を見つめ直すお話。
全十二話。完結しています。

婚約破棄された公爵令嬢は本当はその王国にとってなくてはならない存在でしたけど、もう遅いです
神崎 ルナ
恋愛
ロザンナ・ブリオッシュ公爵令嬢は美形揃いの公爵家の中でも比較的地味な部類に入る。茶色の髪にこげ茶の瞳はおとなしめな外見に拍車をかけて見えた。そのせいか、婚約者のこのトレント王国の王太子クルクスル殿下には最初から塩対応されていた。
そんな折り、王太子に近付く女性がいるという。
アリサ・タンザイト子爵令嬢は、貴族令嬢とは思えないほどその親しみやすさで王太子の心を捕らえてしまったようなのだ。
仲がよさげな二人の様子を見たロザンナは少しばかり不安を感じたが。
(まさか、ね)
だが、その不安は的中し、ロザンナは王太子に婚約破棄を告げられてしまう。
――実は、婚約破棄され追放された地味な令嬢はとても重要な役目をになっていたのに。
(※誤字報告ありがとうございます)

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる