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16.第二王子の直感
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離宮に到着するがもちろん出迎えはなかった。急遽帰ってきたので、離宮に予定の変更を連絡する時間はなかったからだ。
一人の侍女が私の姿を見るなり慌てた様子で近づいてくる。
「イーライ様、随分と早いお帰りでございますね」
声を掛けてきた侍女は私のことを王子の従者だと思っている。だから丁寧な口調で話しかけてくるが畏まったものではない。
この離宮にいる使用人達は一部の者しか私が本物の第二王子だと知らない。殆どの者は第二王子は呪われてひよこになっていると信じ込んでいる。
「少し予定が変わっただけだ。ところでエレンはどこにいる?」
焦る気持ちを表に出すことなく尋ねる。ここで取り乱しても意味はないし、状況を正確に把握する妨げにもなるからだ。
どんな時でも冷静さを失わないのは王族としての厳しい教育の賜物だ。
こんな状況で役立ったのを努力が報われたと思うべきなのか、または能力の無駄遣いと嘆くべきなのか。
今は考えないでおこう。…考えたら負けのような気がする。
「エレン様でしたら先ほど中庭でお見掛けしました。イザク殿下と一緒にミミズを――」
「分かった、ありがとう」
侍女の言葉を最後まで聞くことなく、急ぎ足で中庭へ向かう。
離宮の中庭はかなり広く、エレンの姿は建物からだいぶ離れた場所にあった。どうやら侍女の言う通りひよこの為に土を掘ってミミズを捕まえているようだ。
私は声を掛けることなく近づいていく。
「ひよこ殿下、美味しそうなミミズがいたぞ」
「ぴろー!(よこせー!)」
「ありがとうが言えて偉いな。さあ、どうぞ」
見つけたミミズを掲げるエレンとお尻を振ってそれに反応するひよこ殿下。
エレンが捕まえたミミズは『チュルチュルン』と一瞬でひよこ殿下の嘴の奥へと消えていく。
「ぴろぴぃ、ぴぴ!(もっとよこせ、下僕!)」
「おかわりが欲しいのか?ひよこ殿下は食いしん坊だな」
「ぴろぴよ、ぴぴ!(はやくしろ、下僕!)」
「くださいが言えて偉いぞ、ひよこ殿下」
エレンはひよこ殿下に話しかけながら餌を与えていた。
その様子は平和そのもので、離宮でなにかあったような雰囲気ではない。もし異変があったらエレンはひよこと戯れてはいないだろう。
だがひよこ殿下の側にリラの姿はなかった。
彼女は通訳係なので、いつもならひよこの近くにいるはずなのに…。
用事がある時は来なくてもいいと言ってあるが、そんな日は今まで一度もなかった。
やはりリラだけに何かあったのか……。
「エレン!」
「イザク殿下、随分と早いお戻りですね。予定では二日後のはずでしたが…」
私が後ろから声を掛けると、エレンは振り返って驚いた表情を見せてくる。
気まずいとか慌てている様子は一切なかった。
どうやらあの手紙のことを含め、エレンはなにも知らないようだ。
いや、正確には気づいていないと言うべきか…。
エレン・ゼイロは優秀な従者で、私が彼に助けられたことも一度や二度ではない。
だからこそ信頼して留守の間の離宮を彼に任せていた。
その彼が気づかない異変とはなにがあったんだ…。
私は早く戻った理由は告げずに問い掛ける。
「ちょっと確認したいことがある。まずはリラは今日、離宮に来ているか?」
「いいえ、リラ様は来ておりません。家の用事でしばらくこちらには来れないと二日前に連絡が来ましたので、承知したと返事をしました」
エレンの対応は間違ってはいない。
リラが休みを求めたら、認めるように命じていた。
「その前にリラに変わった様子はあったか?」
「いいえ、特にはありませんでした。ですが最後に離宮に来た日は少しだ早くに帰ったようです。いつもは帰る前に挨拶をしてくれるのですが、その日はすれ違ってしまって…」
そうなるとリラに何かがあったのはたぶん三日前…。
私が送った使者が離宮に到着した日はその日の早朝だったはず。
――これはきっと繋がりがある。
「最後に離宮に来た日は普通に過ごしていた。だがいつもと違って、リラはお前に挨拶せずに早く帰った。それで間違いないか、エレン」
「間違いありません、イザク殿下」
エレンは緊張した声音で答える。どうやら私の様子から、なにか問題が起こっていると察したようだ。
しかしどうしたとは聞いてこない。私が質問しながら考えを整理していると分かったのだろう。
もしやリラは何らかの形で使者の話を聞いたのか?
――第二王子とのリラ・エールの婚約。
彼女はその話を言葉通りに受け取り、婚約する相手がひよこ殿下だと勘違いした。
そしてそれを阻止しようとあの手紙を王家に送ってきた。
…そう考えれば辻褄が合うな。
しかしまた新たな疑問が出てくる。
万が一の備えがなぜ機能しなかったのかということだ。
一つづつ糸を解すようにして答えを見つけていく必要がある。
「どうやら私との婚約の話が三日前、リラの耳に入った可能性が高い。だが彼女はお前にその真偽を尋ねなかった、それで間違いないか?」
「はい、間違いありません。ですがリラ様はその日の帰る少し前に、私を探していたと侍女から聞いております。でもお昼寝から目覚めたひよこ殿下と庭で会ったあと『今日はもう帰ります』と侍女に告げ帰っていったそうです」
やはりリラはエレンに真偽を確かめようとしたのだ。
ではなぜ確かめることなく帰ったのか。
それはたぶんその必要がなくなったからだ。
私はエレンに王宮に送られてきた手紙について教える。
「……っ……!殿下、申し訳ありません。私の不手際です。リラ様の異変に気づかず、そのうえ万が一の備えの手紙も渡しておりません…」
エレンは顔を青ざめ謝罪の言葉を口にする。
起こってしまったことは責めても仕方がない。
それより原因を突き止めて正しく対処しなくてはならない。
でなければ同じような過ちがまた起こる可能性がある。
「リラの異変に気づかなかったのだから、手紙を渡していなくても仕方がない。だがどうしてお前はリラとすれ違ったんだ?」
中庭と違って離宮内はそれほど広くはない。
「実は婚約者からの手紙をひよこ殿下が遊びで窓の外に飛ばしたので、それを探しに庭に出ていました。それですれ違ってしまいました」
「………そうか」
――なにかが引っ掛かる。
今回のことは使者の訪問や勘違いやすれ違いなど偶然が重なって起きた。
でも偶然の中に微かな違和感を感じる。
この違和感はなんだ…。
私はなにを見落としている?
考えるがそれが何かが分からない。
「ぴるよぴぴぃ~(今日も元気だ、ミミズがまいう~)」
悩みがなさそうなひよこ殿下の囀りが足元から聞こえてくる。まだお腹が空いているのか、地面を突いていた。
それはいつものことなのに、なぜか目が離せなかった。
これだったのか…。
違和感が何だったのか気づく。
エレンの話には二度『ひよこ殿下』が登場していた。逆を言えばひよこ殿下がいなければ、二度もすれ違いは起こらなかった。
――違和感の正体はひよこの行動。
どこにいても何をしていても違和感はないが、なぜか重要な事にひよこがいつも絡んでいるのに違和感を感じていたのだ。
「エレン、違和感の正体が分かった。このひよこの存在だ」
「ひよこ殿下ですか…?」
私がそう言うと、ひよこの小さな体がビクっと震える。
「ぴるぇ……(やべ…)」
ひよこ殿下はそっとこの場から離れようとする。
「ひよこ、命が惜しかったら動くな。1ミリでも動いてみろ、お前は今夜のメインディッシュだ」
私がそう告げると、ひよこ殿下の動きは不自然な形のままピタリと止まった。
一人の侍女が私の姿を見るなり慌てた様子で近づいてくる。
「イーライ様、随分と早いお帰りでございますね」
声を掛けてきた侍女は私のことを王子の従者だと思っている。だから丁寧な口調で話しかけてくるが畏まったものではない。
この離宮にいる使用人達は一部の者しか私が本物の第二王子だと知らない。殆どの者は第二王子は呪われてひよこになっていると信じ込んでいる。
「少し予定が変わっただけだ。ところでエレンはどこにいる?」
焦る気持ちを表に出すことなく尋ねる。ここで取り乱しても意味はないし、状況を正確に把握する妨げにもなるからだ。
どんな時でも冷静さを失わないのは王族としての厳しい教育の賜物だ。
こんな状況で役立ったのを努力が報われたと思うべきなのか、または能力の無駄遣いと嘆くべきなのか。
今は考えないでおこう。…考えたら負けのような気がする。
「エレン様でしたら先ほど中庭でお見掛けしました。イザク殿下と一緒にミミズを――」
「分かった、ありがとう」
侍女の言葉を最後まで聞くことなく、急ぎ足で中庭へ向かう。
離宮の中庭はかなり広く、エレンの姿は建物からだいぶ離れた場所にあった。どうやら侍女の言う通りひよこの為に土を掘ってミミズを捕まえているようだ。
私は声を掛けることなく近づいていく。
「ひよこ殿下、美味しそうなミミズがいたぞ」
「ぴろー!(よこせー!)」
「ありがとうが言えて偉いな。さあ、どうぞ」
見つけたミミズを掲げるエレンとお尻を振ってそれに反応するひよこ殿下。
エレンが捕まえたミミズは『チュルチュルン』と一瞬でひよこ殿下の嘴の奥へと消えていく。
「ぴろぴぃ、ぴぴ!(もっとよこせ、下僕!)」
「おかわりが欲しいのか?ひよこ殿下は食いしん坊だな」
「ぴろぴよ、ぴぴ!(はやくしろ、下僕!)」
「くださいが言えて偉いぞ、ひよこ殿下」
エレンはひよこ殿下に話しかけながら餌を与えていた。
その様子は平和そのもので、離宮でなにかあったような雰囲気ではない。もし異変があったらエレンはひよこと戯れてはいないだろう。
だがひよこ殿下の側にリラの姿はなかった。
彼女は通訳係なので、いつもならひよこの近くにいるはずなのに…。
用事がある時は来なくてもいいと言ってあるが、そんな日は今まで一度もなかった。
やはりリラだけに何かあったのか……。
「エレン!」
「イザク殿下、随分と早いお戻りですね。予定では二日後のはずでしたが…」
私が後ろから声を掛けると、エレンは振り返って驚いた表情を見せてくる。
気まずいとか慌てている様子は一切なかった。
どうやらあの手紙のことを含め、エレンはなにも知らないようだ。
いや、正確には気づいていないと言うべきか…。
エレン・ゼイロは優秀な従者で、私が彼に助けられたことも一度や二度ではない。
だからこそ信頼して留守の間の離宮を彼に任せていた。
その彼が気づかない異変とはなにがあったんだ…。
私は早く戻った理由は告げずに問い掛ける。
「ちょっと確認したいことがある。まずはリラは今日、離宮に来ているか?」
「いいえ、リラ様は来ておりません。家の用事でしばらくこちらには来れないと二日前に連絡が来ましたので、承知したと返事をしました」
エレンの対応は間違ってはいない。
リラが休みを求めたら、認めるように命じていた。
「その前にリラに変わった様子はあったか?」
「いいえ、特にはありませんでした。ですが最後に離宮に来た日は少しだ早くに帰ったようです。いつもは帰る前に挨拶をしてくれるのですが、その日はすれ違ってしまって…」
そうなるとリラに何かがあったのはたぶん三日前…。
私が送った使者が離宮に到着した日はその日の早朝だったはず。
――これはきっと繋がりがある。
「最後に離宮に来た日は普通に過ごしていた。だがいつもと違って、リラはお前に挨拶せずに早く帰った。それで間違いないか、エレン」
「間違いありません、イザク殿下」
エレンは緊張した声音で答える。どうやら私の様子から、なにか問題が起こっていると察したようだ。
しかしどうしたとは聞いてこない。私が質問しながら考えを整理していると分かったのだろう。
もしやリラは何らかの形で使者の話を聞いたのか?
――第二王子とのリラ・エールの婚約。
彼女はその話を言葉通りに受け取り、婚約する相手がひよこ殿下だと勘違いした。
そしてそれを阻止しようとあの手紙を王家に送ってきた。
…そう考えれば辻褄が合うな。
しかしまた新たな疑問が出てくる。
万が一の備えがなぜ機能しなかったのかということだ。
一つづつ糸を解すようにして答えを見つけていく必要がある。
「どうやら私との婚約の話が三日前、リラの耳に入った可能性が高い。だが彼女はお前にその真偽を尋ねなかった、それで間違いないか?」
「はい、間違いありません。ですがリラ様はその日の帰る少し前に、私を探していたと侍女から聞いております。でもお昼寝から目覚めたひよこ殿下と庭で会ったあと『今日はもう帰ります』と侍女に告げ帰っていったそうです」
やはりリラはエレンに真偽を確かめようとしたのだ。
ではなぜ確かめることなく帰ったのか。
それはたぶんその必要がなくなったからだ。
私はエレンに王宮に送られてきた手紙について教える。
「……っ……!殿下、申し訳ありません。私の不手際です。リラ様の異変に気づかず、そのうえ万が一の備えの手紙も渡しておりません…」
エレンは顔を青ざめ謝罪の言葉を口にする。
起こってしまったことは責めても仕方がない。
それより原因を突き止めて正しく対処しなくてはならない。
でなければ同じような過ちがまた起こる可能性がある。
「リラの異変に気づかなかったのだから、手紙を渡していなくても仕方がない。だがどうしてお前はリラとすれ違ったんだ?」
中庭と違って離宮内はそれほど広くはない。
「実は婚約者からの手紙をひよこ殿下が遊びで窓の外に飛ばしたので、それを探しに庭に出ていました。それですれ違ってしまいました」
「………そうか」
――なにかが引っ掛かる。
今回のことは使者の訪問や勘違いやすれ違いなど偶然が重なって起きた。
でも偶然の中に微かな違和感を感じる。
この違和感はなんだ…。
私はなにを見落としている?
考えるがそれが何かが分からない。
「ぴるよぴぴぃ~(今日も元気だ、ミミズがまいう~)」
悩みがなさそうなひよこ殿下の囀りが足元から聞こえてくる。まだお腹が空いているのか、地面を突いていた。
それはいつものことなのに、なぜか目が離せなかった。
これだったのか…。
違和感が何だったのか気づく。
エレンの話には二度『ひよこ殿下』が登場していた。逆を言えばひよこ殿下がいなければ、二度もすれ違いは起こらなかった。
――違和感の正体はひよこの行動。
どこにいても何をしていても違和感はないが、なぜか重要な事にひよこがいつも絡んでいるのに違和感を感じていたのだ。
「エレン、違和感の正体が分かった。このひよこの存在だ」
「ひよこ殿下ですか…?」
私がそう言うと、ひよこの小さな体がビクっと震える。
「ぴるぇ……(やべ…)」
ひよこ殿下はそっとこの場から離れようとする。
「ひよこ、命が惜しかったら動くな。1ミリでも動いてみろ、お前は今夜のメインディッシュだ」
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