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39.正義
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「今のは恫喝でしょうか? そうなりますと、聴取に不正があったと見なされますが」
調査官は不敵の笑みを浮かべたまま、私に視線を移す。不正があったと認定されてしまっては、私の発言はなかったことにされてしまう。
もしかして、それが目的?
調査官に抜擢されるほどの文官なら魔法士についての知識もあるはず。彼はわざと煽っている……のかもしれない。
私は怒り心頭の老魔法士の耳元に顔を寄せ小声で話す。
「ここは私に任せてもらえませんか? 彼は調書を握り潰す理由を作ろうとしているのかもしれません」
「……ぐぬぬっ、承知した」
老魔法士が頷いてくれると、返事を待つ調査官のほうに顔を向ける。彼の顔からは不敵な笑みは消えていて、前の表情――感情を読み取れない顔に戻っていた。
「ただの独り言です」
私は真顔で白々しい嘘を吐く。
「……まあ、いいでしょう。では、質問にお答えください、シャロン様」
彼は以外にもあっさりと引き下がった。聴取において暴言は珍しいことではなく、不正と認定する材料としてはもともと弱かったのかもしれない。
安堵しつつも私は気を引き締める。隙を見せてはいけない相手だ。
「防御の盾は、個人の力量、魔力量、精神状態によって強度や保てる時間に影響が出ます。あの時の私にとって、あれが最大限でした。務めを放棄していません」
「ですが、ある者はこう証言しています。未熟な魔法士がことを大きくしたと」
ある者が誰か容易に想像がつく。
「確かに私は一年目の魔法士ですが、国が定めた基準を満たしているから採用されました。手を抜いたのならいざ知らず、未熟の一言で責任転嫁されるのは納得がいきません」
「では、ご自分には一切非はないと?」
いちいち嫌な聞き方をしてくる人だ。怒らせるのが目的だろう。
高ぶる感情を懸命に抑えていると、隣から「若造殺る、若造殺る」という危ない呪文が聞こえてきた。
……今はだめです。
と心の中で苦笑する。老魔法士の呪文は私を落ち着かせてくれた。予想外の効果だ。
「魔法士として務めは果たしました。もしまた同じような状況になっても私は同じことをします」
「では、次の質問です。護衛騎士が不甲斐なかったという証言があります。彼が狼竜を最初の段階で仕留めていればあの騒動は起きなかったと。あなたはこれに同意しますか?」
「……っ!」
あまりの質問に言葉を失う。
自分のことを未熟だと罵られても耐えられる。でも、あの護衛騎士の名誉を汚すのは許せない。
彼はたった一人で私達を守り続けてくれた。私を動揺させないように、腕を爪で抉らても歯を食いしばって耐えてくれていたのだ。
彼の支えがなかったら、私は今ここにいない。
「同意できません。彼がいなければ、ザラ王女様を含め五人が命を落としていたはずです」
「そこも問題です。ある者は彼が王女を危険に晒したと主張しています。誰かを囮にして、王女を先に避難させるべきだったと」
ある者とは王女に決まっている。
彼女は私だけでなく護衛騎士にも罪を被せるというのか、助けてもらっておきながら。握りしめた手に爪が食い込む。
「先に質問してもいいでしょうか?」
彼はどうぞと言うように右手を差し出した。
「不敬な発言があった場合、聴取に不正があったとみなされますか?」
「それはありません」
それなら言わせて貰う。
「これだけは断言します。護衛騎士様の判断に間違いはありませんでした。これは私見ですが、他の者を囮にしてまで助ける価値は王女にありません。国のことを思えば、彼女こそ狼竜の餌食になるべきでした」
私ははっきりと言い切った。
これから調査官はあの不敵な笑みを浮かべて、不敬罪を申し渡してくるだろう。後悔はしていない。
調書を握りつぶされないと確認は取っているのだ。……もし前言撤回したら、その時こそ老魔法士の出番だ。
「聴取は以上です。では、失礼します」
彼はそう告げると書類を鞄に仕舞い立ち去ろうする。
「あの、不敬罪は……」
「私は狩猟大会の聴取に来ただけです。最後の発言は完全に私見でしたので書き留めてはいません」
「「……??」」
私と老魔法士は互いに首を傾げ顔を見合わせた。調査官は相変わらず無表情で何を考えているか読めない。
「若造、お前何を考えて――いや、企んでおるんじゃ」
「企んでなどいません。ただ、早くこの場から去りたいとは考えています。予定よりもずいぶん時間が掛かっていますので。シャロン様、体調のほうは大丈夫ですか?」
「は、はい。平気ですが……」
なんか流れがおかしい。これでは調査官が私を本当に心配しているようではないか。でも、顔を見ればやはり無表情だった。
老魔法士が立ち上がって調査官に詰め寄る。
「若造、本当にリディアのことを心配しておるのか?」
「もちろんです。ですから、中止してもいいと進言しました」
「じゃあ、なぜ遠回しに脅したんじゃ? 殆どの者は賢い選択をしたと」
「あれは、自分のことを考えて発言していいと教えたのです。彼女が不利になることがないように」
なんと、彼は良い人だったようだ。何度も任意だとかやめてもいいとか言うし、あの表情だし眼鏡をくいっとするものだから邪推してしまった。
「じゃあ、付添人から魔法士長を外したのも……」
「王弟が彼女を脅す可能性があると考えたからです」
調査官はタイアンの人柄を知らなくて、本当に公平を期すために動いていたのだ。
「では、儂が『殺ってやる』と言った時、なんで悪人面して笑ったんじゃ?」
「シャロン様のことを本気で案じている人が付添人で良かったと思ったら、頬が緩んでしまっただけです」
………良い人ではなくて、もの凄く良い人だった。
まさかの返事に、私と老魔法士は誤解していたことを素直に謝る。彼は「よく誤解されるので気にしないでください。兄からもどうにかしろとよく叱られます」とまた不敵な笑みを浮かべた。……これでは永遠に誤解されたままだろう。
そして、彼は煽るよう言い方をしたことを謝ってきた。調査官として中立――私寄りではない――とはっきり示すためにやったという。手心を加えたと判断されたら、調書自体を揉み消される可能性を案じたらしい。
彼は正真正銘優秀な文官だったのだ。
「ありがとうございます、ホグワル様」
「礼には及びません。当たり前のことですが、私は調査官として正義を求めているだけです」
当たり前のこと。でもそれが難しいのだ。だから、殆どの者の調書が白紙になった。
そう言えばと、彼は続ける。
「マーコック公爵令息の調書も真っ黒だったと聞きました。良い兄上をお持ちですね。実は私にも年の離れた親代わりの愚兄がいます。私を育てていたから晩婚で、昨年子供が生まれたばかりなんです。済みません、どうでもいいことを。では、失礼します」
「今日はありがとうございました」
あの日からまだ会えていない兄を思って微笑む。
本当なら家族の面会は許されるはずだった。でも、あの事件に深く関わっている者同士の接触は禁じられていた。口裏を合わせたりするのを防ぐためだろう。だから、父と母とも会っていない。間接的に接触することになるからだ。
調査官はスタスタと歩いていくと、廊下に一歩足を出した状態で止まった。
「ジョイ・ホグワルです」
彼がフルネームを名乗ってくれたと思った。……でも違った。彼は背を向けたまま深々と頭を下げ、感情の籠もらないあの声で「護衛騎士の名です」と呟いてから立ち去ったのだった。
調査官は不敵の笑みを浮かべたまま、私に視線を移す。不正があったと認定されてしまっては、私の発言はなかったことにされてしまう。
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私は真顔で白々しい嘘を吐く。
「……まあ、いいでしょう。では、質問にお答えください、シャロン様」
彼は以外にもあっさりと引き下がった。聴取において暴言は珍しいことではなく、不正と認定する材料としてはもともと弱かったのかもしれない。
安堵しつつも私は気を引き締める。隙を見せてはいけない相手だ。
「防御の盾は、個人の力量、魔力量、精神状態によって強度や保てる時間に影響が出ます。あの時の私にとって、あれが最大限でした。務めを放棄していません」
「ですが、ある者はこう証言しています。未熟な魔法士がことを大きくしたと」
ある者が誰か容易に想像がつく。
「確かに私は一年目の魔法士ですが、国が定めた基準を満たしているから採用されました。手を抜いたのならいざ知らず、未熟の一言で責任転嫁されるのは納得がいきません」
「では、ご自分には一切非はないと?」
いちいち嫌な聞き方をしてくる人だ。怒らせるのが目的だろう。
高ぶる感情を懸命に抑えていると、隣から「若造殺る、若造殺る」という危ない呪文が聞こえてきた。
……今はだめです。
と心の中で苦笑する。老魔法士の呪文は私を落ち着かせてくれた。予想外の効果だ。
「魔法士として務めは果たしました。もしまた同じような状況になっても私は同じことをします」
「では、次の質問です。護衛騎士が不甲斐なかったという証言があります。彼が狼竜を最初の段階で仕留めていればあの騒動は起きなかったと。あなたはこれに同意しますか?」
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自分のことを未熟だと罵られても耐えられる。でも、あの護衛騎士の名誉を汚すのは許せない。
彼はたった一人で私達を守り続けてくれた。私を動揺させないように、腕を爪で抉らても歯を食いしばって耐えてくれていたのだ。
彼の支えがなかったら、私は今ここにいない。
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「それはありません」
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私ははっきりと言い切った。
これから調査官はあの不敵な笑みを浮かべて、不敬罪を申し渡してくるだろう。後悔はしていない。
調書を握りつぶされないと確認は取っているのだ。……もし前言撤回したら、その時こそ老魔法士の出番だ。
「聴取は以上です。では、失礼します」
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「あの、不敬罪は……」
「私は狩猟大会の聴取に来ただけです。最後の発言は完全に私見でしたので書き留めてはいません」
「「……??」」
私と老魔法士は互いに首を傾げ顔を見合わせた。調査官は相変わらず無表情で何を考えているか読めない。
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「企んでなどいません。ただ、早くこの場から去りたいとは考えています。予定よりもずいぶん時間が掛かっていますので。シャロン様、体調のほうは大丈夫ですか?」
「は、はい。平気ですが……」
なんか流れがおかしい。これでは調査官が私を本当に心配しているようではないか。でも、顔を見ればやはり無表情だった。
老魔法士が立ち上がって調査官に詰め寄る。
「若造、本当にリディアのことを心配しておるのか?」
「もちろんです。ですから、中止してもいいと進言しました」
「じゃあ、なぜ遠回しに脅したんじゃ? 殆どの者は賢い選択をしたと」
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なんと、彼は良い人だったようだ。何度も任意だとかやめてもいいとか言うし、あの表情だし眼鏡をくいっとするものだから邪推してしまった。
「じゃあ、付添人から魔法士長を外したのも……」
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「では、儂が『殺ってやる』と言った時、なんで悪人面して笑ったんじゃ?」
「シャロン様のことを本気で案じている人が付添人で良かったと思ったら、頬が緩んでしまっただけです」
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「今日はありがとうございました」
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