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16.一歩前へ
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スースーしない湿布が隣の席に置かれるようになってから一週間が過ぎた。
私はまだ一度もそれのお世話になっていない。でも、気持ちの整理が出来たわけではない。その証拠にまだ『おめでとう』をルークライに言えてない。
私は彼への想いを昇華させている途中である。その速度はとてもゆっくりで、まだまだ先は長そう。
挫けそうになった時は、隣に山と積まれた湿布を見た。
いつだって泣ける場所がある――優しい人がいる――と思うと頑張れるから。そのお陰でルークライとは普通に接していられている。
婚約発表までに昇華が間に合わなくとも、祝福するみんなに混じって『おめでとう、ルーク兄さん』と大きな声で言うつもり。……たぶん、顔に湿布を貼って。
時計の針が正午を指すと、私は王宮侍女が使う支度部屋に向かった。そこで持参した私服に着替えて急いで戻り、机の片付けをしていると、隣の席で報告書を書いていた老魔法士が顔を上げる。
「なんじゃ? ずいぶんとおめかししておるの」
「午後半休を貰っているので、お先に失礼します」
「リディ、俺は聞いてないぞ」
「あっ、お帰りなさい、ルーク。ちょっと用事があって……」
振り向くと、ちょうど戻ってきたルークライが後ろに立っていた。腕を組んで不満そうな顔をしている。
自分だって大切なことを言わないくせに……。
そんな思いが私の唇を少しだけ尖らせる。別に私は内緒にしていたわけではない、言う機会がなかっただけ。
王宮と寮は近いので、普段私は制服で来てそのまま帰る。普段とは明らかに違う様子なのも気になるのだろう。
「これから母と会う約束をしているの。何度も手紙で断ったのだけど、狩猟大会用のドレスを用意しようとしていて。贈られても無駄になってしまうから、会って直接断るつもりなの」
約束の時間に遅れないように、私は手を止めることなく口も動かす。
二週間後に王家主催の狩猟大会が開かれる。
参加するのは国内の若い貴族達。次世代の人脈作りが目的だけど、未婚の者にとっては出会いの場にもなっている。
騎士達によって警備は万全だけど、魔法士達も念のため配置されるのだ。ただ、目立つと興が削がれるということで私服着用となっている。
マーコック公爵家が用意するとなれば豪華なものに決まっている。私が目立ってどうするのだ、と遠回しに綴ったけど母には通じなかった。……だから、会って話したいと書いて送った。そしたら『会えて嬉しい、すぐにでも会いたい』と返ってきたのだ。
老魔法士はうんうんと頷きながら目尻を下げる。
「何度断られてもめげない、まさに親心じゃの。年頃の娘に儂も邪険にされた時期があった。平気な顔をしていたが、心では男泣きしていたもんじゃ。断るのはいいが、親の気持ちだけは有り難く受け取っておくのじゃぞ、リディア」
「はい、分かりました」
母に複雑な思いを抱いているのに素直に返事ができたのは、老魔法士の言葉だったから。
もしかしたら母の本当の気持ちは私が思っているのと違うかもしれない、そんなふうに思えてくるから不思議だ。
気が重かった約束だったけど、ほんの少しだけ気持ちが楽になる。
片付けが終わり提出する報告書を持つと、横から伸びた手がそれを受け取った。
タイアンだった。魔法士長としてだけでなく、王族として公務もこなしている彼はいつだって忙しい。この時間に部屋にいるのは珍しいことだった。
彼はパラパラと報告書に目を通す。
「相変わらず丁寧ですね」
「ありがとうございます、タイアン魔法士長。それから、今日は――」
「半休ですよね、覚えていますよ。それと、私からも一言いいですか? 彼が素晴らしいことを言っていたので、魔法士長として負けてはいられませんから」
タイアンは彼という時、老魔法士のほうを見た。どうやら、私達の会話が聞こえていたようだ。私が頷くと、タイアンは目を細める。
「親はいつだって子供が気になるものです。どんなに子供に嫌われても、親は子供を嫌ったりはしません。だから、子供は無理する必要はない。そう思いませんか? ルークライも」
「……そうかもしれませんね」
いきなり話を振られたルークライは憮然とした感じで答える。私が話していなかったことをまだ怒っているのだろうか。
「隠していたわけではなくて、話す時間がなかっただけだから。だから機嫌を直して、ね? ルーク」
「……リディに怒ってない。気をつけて行って来いよ。それと、その服似合っているな。すごく可愛いぞ」
「ありがとう、ルーク。では、お先に失礼します」
いつものルークの優しい眼差しにほっとしながら、私は急いでこの場を後にしたのであった。
迎えの馬車を送るという申し出を固辞した私は、地図を頼りに指定された場所に徒歩で向かった。そして、着いた先にあったのは、絶対に平民が足を踏み入れないような豪華なお店だった。
家族と一緒にこういうお店で何度か食事したことはある。礼儀作法で困らなくても、場の雰囲気に緊張してしまうから苦手だった。
私が恐る恐る扉を開くと、給仕人が恭しく出迎える。
「マーコックで予約が入っていると思うのですが」
「はい、承っております。ご案内いたします」
案内された席に座って、壁に掛かっている豪奢な時計を見れば、約束の時間よりも三十分も早かった。お店の人が嫌な顔をせずに案内してくれたことに感謝する。
でも、遅れるよりはいい。
たぶん、母も時間より早く来るはずだ。手紙には会えるのが嬉しいと書いてあったし、老魔法士やタイアンだってああ言っていた。
……会ったらまず何を話そうかな。
昨日までは初めにきっぱりと断ろうと思っていた。それからなるべく早く話を終わらせて引きあげようと。
でも、今は違う。
まず初めに会えて嬉しいと伝えて、それからドレスが要らない理由を丁寧に説明してお礼を言って、その後は。……そう、母が私の暮らしぶりを尋ねてくるはず。もしかしたら、私が話す隙もないほど質問攻めにされるかもしれないな。そして、時間が経つのも忘れてしまうかも。
――きっと、そうなる。
時計の針が約束の時間に近づいていくと、心がより浮き立ってくる。店の扉のベルがチリンッと鳴る度にそちらを見てしまい慌てて目を逸らす。
私はそんな動きを覚えていないくらい繰り返した。
「お水のお代わりはいかがでしょうか?」
「……いただきます」
給仕人が空になったグラスに三杯目となる水を丁寧に注いでくれる。申し訳なくてまた頭を下げた。時計の針は約束の時間をもうとっくに過ぎている。……私が席に着いてからもう一時間。
会うのを楽しみにしているはずの母は、まだ来ていない。
私はまだ一度もそれのお世話になっていない。でも、気持ちの整理が出来たわけではない。その証拠にまだ『おめでとう』をルークライに言えてない。
私は彼への想いを昇華させている途中である。その速度はとてもゆっくりで、まだまだ先は長そう。
挫けそうになった時は、隣に山と積まれた湿布を見た。
いつだって泣ける場所がある――優しい人がいる――と思うと頑張れるから。そのお陰でルークライとは普通に接していられている。
婚約発表までに昇華が間に合わなくとも、祝福するみんなに混じって『おめでとう、ルーク兄さん』と大きな声で言うつもり。……たぶん、顔に湿布を貼って。
時計の針が正午を指すと、私は王宮侍女が使う支度部屋に向かった。そこで持参した私服に着替えて急いで戻り、机の片付けをしていると、隣の席で報告書を書いていた老魔法士が顔を上げる。
「なんじゃ? ずいぶんとおめかししておるの」
「午後半休を貰っているので、お先に失礼します」
「リディ、俺は聞いてないぞ」
「あっ、お帰りなさい、ルーク。ちょっと用事があって……」
振り向くと、ちょうど戻ってきたルークライが後ろに立っていた。腕を組んで不満そうな顔をしている。
自分だって大切なことを言わないくせに……。
そんな思いが私の唇を少しだけ尖らせる。別に私は内緒にしていたわけではない、言う機会がなかっただけ。
王宮と寮は近いので、普段私は制服で来てそのまま帰る。普段とは明らかに違う様子なのも気になるのだろう。
「これから母と会う約束をしているの。何度も手紙で断ったのだけど、狩猟大会用のドレスを用意しようとしていて。贈られても無駄になってしまうから、会って直接断るつもりなの」
約束の時間に遅れないように、私は手を止めることなく口も動かす。
二週間後に王家主催の狩猟大会が開かれる。
参加するのは国内の若い貴族達。次世代の人脈作りが目的だけど、未婚の者にとっては出会いの場にもなっている。
騎士達によって警備は万全だけど、魔法士達も念のため配置されるのだ。ただ、目立つと興が削がれるということで私服着用となっている。
マーコック公爵家が用意するとなれば豪華なものに決まっている。私が目立ってどうするのだ、と遠回しに綴ったけど母には通じなかった。……だから、会って話したいと書いて送った。そしたら『会えて嬉しい、すぐにでも会いたい』と返ってきたのだ。
老魔法士はうんうんと頷きながら目尻を下げる。
「何度断られてもめげない、まさに親心じゃの。年頃の娘に儂も邪険にされた時期があった。平気な顔をしていたが、心では男泣きしていたもんじゃ。断るのはいいが、親の気持ちだけは有り難く受け取っておくのじゃぞ、リディア」
「はい、分かりました」
母に複雑な思いを抱いているのに素直に返事ができたのは、老魔法士の言葉だったから。
もしかしたら母の本当の気持ちは私が思っているのと違うかもしれない、そんなふうに思えてくるから不思議だ。
気が重かった約束だったけど、ほんの少しだけ気持ちが楽になる。
片付けが終わり提出する報告書を持つと、横から伸びた手がそれを受け取った。
タイアンだった。魔法士長としてだけでなく、王族として公務もこなしている彼はいつだって忙しい。この時間に部屋にいるのは珍しいことだった。
彼はパラパラと報告書に目を通す。
「相変わらず丁寧ですね」
「ありがとうございます、タイアン魔法士長。それから、今日は――」
「半休ですよね、覚えていますよ。それと、私からも一言いいですか? 彼が素晴らしいことを言っていたので、魔法士長として負けてはいられませんから」
タイアンは彼という時、老魔法士のほうを見た。どうやら、私達の会話が聞こえていたようだ。私が頷くと、タイアンは目を細める。
「親はいつだって子供が気になるものです。どんなに子供に嫌われても、親は子供を嫌ったりはしません。だから、子供は無理する必要はない。そう思いませんか? ルークライも」
「……そうかもしれませんね」
いきなり話を振られたルークライは憮然とした感じで答える。私が話していなかったことをまだ怒っているのだろうか。
「隠していたわけではなくて、話す時間がなかっただけだから。だから機嫌を直して、ね? ルーク」
「……リディに怒ってない。気をつけて行って来いよ。それと、その服似合っているな。すごく可愛いぞ」
「ありがとう、ルーク。では、お先に失礼します」
いつものルークの優しい眼差しにほっとしながら、私は急いでこの場を後にしたのであった。
迎えの馬車を送るという申し出を固辞した私は、地図を頼りに指定された場所に徒歩で向かった。そして、着いた先にあったのは、絶対に平民が足を踏み入れないような豪華なお店だった。
家族と一緒にこういうお店で何度か食事したことはある。礼儀作法で困らなくても、場の雰囲気に緊張してしまうから苦手だった。
私が恐る恐る扉を開くと、給仕人が恭しく出迎える。
「マーコックで予約が入っていると思うのですが」
「はい、承っております。ご案内いたします」
案内された席に座って、壁に掛かっている豪奢な時計を見れば、約束の時間よりも三十分も早かった。お店の人が嫌な顔をせずに案内してくれたことに感謝する。
でも、遅れるよりはいい。
たぶん、母も時間より早く来るはずだ。手紙には会えるのが嬉しいと書いてあったし、老魔法士やタイアンだってああ言っていた。
……会ったらまず何を話そうかな。
昨日までは初めにきっぱりと断ろうと思っていた。それからなるべく早く話を終わらせて引きあげようと。
でも、今は違う。
まず初めに会えて嬉しいと伝えて、それからドレスが要らない理由を丁寧に説明してお礼を言って、その後は。……そう、母が私の暮らしぶりを尋ねてくるはず。もしかしたら、私が話す隙もないほど質問攻めにされるかもしれないな。そして、時間が経つのも忘れてしまうかも。
――きっと、そうなる。
時計の針が約束の時間に近づいていくと、心がより浮き立ってくる。店の扉のベルがチリンッと鳴る度にそちらを見てしまい慌てて目を逸らす。
私はそんな動きを覚えていないくらい繰り返した。
「お水のお代わりはいかがでしょうか?」
「……いただきます」
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