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11.責任者は第一王子です
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今回の魔獣討伐の最高責任者には、ギザイン国第一王子コガ・ギザインがその任に就いている。
直接討伐に参加するわけではないが、魔獣討伐の指揮権を持つコガ王子を灰騎士団の味方に付けるのは必要なことだ。
ジャキは獣王の甥なのでコガ王子とは従弟同士の関係になる。年齢もジャキ25歳、コガ王子23歳と三歳差と近いので幼少の頃は一緒に遊び関係も良好のようだ。
まずはコガ王子と会う前にリアとイッチョは、ジャキからコガ王子の情報を聞き出している。
「私、コガ王子を何度も見かけたことはあるけど、直接話したことはないんだよね。どんな人なの?」
「コガ・ギザイン23歳。銀髪・赤目の虎獣人。頭も切れるし優秀な第一王子だ。今現在、婚約者も番もいない独身男性。以上」
「「………」」
(なんにも分からん…)
真面目な顔で話していたが、ジャキの情報はギザイン国に住む者なら赤ん坊でも知っている内容で、まったく役に立たないだろう。
リアとイッチョは『やっぱり団長の人選ミスじゃん』と思って、心の中でギリギリと団長の首をを締め上げている。
「もっとこう、何かあるでしょう?コガ王子の弱点とか、これには気をつけろとかさ。私達、最高責任者のコガ王子味方に付けて灰騎士団の仕事がスムーズにいくようにしなくちゃいけないんだよ」
「そうだそうだ。見合いじゃねぇんだから、髪の色とかどうでもいいだろう。それに男性って情報はいらんだろう、シッシッシー」
二人に責められて、年上のジャキは少し耳を下げ申し訳なさそうにしているが、その口からは有益な情報は出てこない。
「コガ王子は幼い頃から優秀な王子で隙を見せないんだ。だから俺の知る限り弱点はない。小細工も通用しないしな」
「う~ん。それじゃ私達で対応は難しいかもね」
三人は腕を組んで黙ってしまった、このメンバー内に頭脳派がいないのが辛い所だ…。
『そうだ!』と何やら閃いて、手を叩いたのは意外な事に一番の脳筋イッチョだった。
「コガ王子の弱点あるじゃん!確か王子は妹のアルマ第二王女に激甘だって聞いたぜ、そのアルマ王女を俺達の味方に付けたらいいんじゃないか?
アルマ王女とジャキは恋人同士なんだから、ジャキがアルマ王女にお願いすればどうだ?」
イッチョが短い尻尾をフリフリと振って、ジャキにどうだろうとお願いをしてくる。
そうなのだ、アルマ王女はジャキが灰騎士団に入団する訳を作った張本人だった。
直接討伐に参加するわけではないが、魔獣討伐の指揮権を持つコガ王子を灰騎士団の味方に付けるのは必要なことだ。
ジャキは獣王の甥なのでコガ王子とは従弟同士の関係になる。年齢もジャキ25歳、コガ王子23歳と三歳差と近いので幼少の頃は一緒に遊び関係も良好のようだ。
まずはコガ王子と会う前にリアとイッチョは、ジャキからコガ王子の情報を聞き出している。
「私、コガ王子を何度も見かけたことはあるけど、直接話したことはないんだよね。どんな人なの?」
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「「………」」
(なんにも分からん…)
真面目な顔で話していたが、ジャキの情報はギザイン国に住む者なら赤ん坊でも知っている内容で、まったく役に立たないだろう。
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「もっとこう、何かあるでしょう?コガ王子の弱点とか、これには気をつけろとかさ。私達、最高責任者のコガ王子味方に付けて灰騎士団の仕事がスムーズにいくようにしなくちゃいけないんだよ」
「そうだそうだ。見合いじゃねぇんだから、髪の色とかどうでもいいだろう。それに男性って情報はいらんだろう、シッシッシー」
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「コガ王子は幼い頃から優秀な王子で隙を見せないんだ。だから俺の知る限り弱点はない。小細工も通用しないしな」
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三人は腕を組んで黙ってしまった、このメンバー内に頭脳派がいないのが辛い所だ…。
『そうだ!』と何やら閃いて、手を叩いたのは意外な事に一番の脳筋イッチョだった。
「コガ王子の弱点あるじゃん!確か王子は妹のアルマ第二王女に激甘だって聞いたぜ、そのアルマ王女を俺達の味方に付けたらいいんじゃないか?
アルマ王女とジャキは恋人同士なんだから、ジャキがアルマ王女にお願いすればどうだ?」
イッチョが短い尻尾をフリフリと振って、ジャキにどうだろうとお願いをしてくる。
そうなのだ、アルマ王女はジャキが灰騎士団に入団する訳を作った張本人だった。
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