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【おまけの話】この想いを君に捧げる 後編
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『黙っていたら相手をつけ上がらせるだけですわ。それに、真っ白なのも、体が細いのも悪いことではないと思います。だって私の大好きな人も肌が真っ白で体も小さいけれど、とても素敵な人だもの』
『あ、…ありがとう』
天使は私の名を尋ねることなく、すぐに去っていった。
彼女が私を助けた理由は正義感からもあっただろう。でもそれだけではなく、彼女の素敵な人と私の容姿に共通点があったから。
理由はどうあれ、私は家族を含め人から肯定されたのが初めてだった。あまりの嬉しさにどう反応していいか分からず、私は馬鹿みたいに呆けていた。
『とても素敵な人』が自分に向けられた言葉ではないと分かっていても、それでもその言葉は私にとって特別なものとなった。
マーズ公爵家の少女が私に変わるきっかけをくれたのだ。
それから私は変わった。
表向きは母が求める私のまま、つまり愚かで兄より劣るハリロン・ルーズナでいた。反抗する勇気まではなかったから。
しかし、気づかれないように自分のできる範囲で己を磨くようになった。
と言っても優秀な頭脳の持ち主とは言い難く、そんなに代わり映えはしない。
小説の主人公ように劇的にとはいかなかった。
それでも、確実に自分の意識だけは変化していく。
泣くだけのハリロン・ルーズナは消え、自己満足かもしれないが、努力することで自分に自信が持てるようになった。
そしてお調子者を演じることで、母の悪意を上手くかわすことが出来ることに気づき、己の心を護る術を身に着けていく。
演じることは苦ではなかったのは幸いだった。もしかすると、これが素の私に近いのかもしれない。
それから私は、助けてくれた少女がレイリン・マーズだと知り、彼女を意識するようになった。
彼女はその容姿も頭脳も身分もすべてが一流で、ただ遠くから見るのが精一杯。
そうしているうちに私と彼女との差はどんどん広がっていき、彼女は双子の兄とともに双頭の龍と呼ばれるようになった。
――まさに高嶺の花。
自分のことは自分がよく知っている。
お調子者を演じているが、その仮面の下に隠れている私は、残念ながらヒーローではなく至って平凡な男だ。
だから、女王様の如く優雅に微笑む彼女を、そっと見ているだけで満足していた。
――あの日までは……。
ある日、私のクラスに編入生がやってきた。
可愛い子だなと思ったけれど、それだけ。だからいつものようにお調子者として接した。
だが数日後、レイリンがその子と話している姿を偶然目にした。
……っ……!
――信じられなかった。
編入生と話すレイリン・マーズはいつものような美しい笑みではなく、嬉しくて堪らないと全身で訴えている、そんな笑顔だった。
初めて、本当の彼女を見たと思った。
いや、違うな。――これは二度目だ。
私を助けてくれたあの時、大好きな人のことを話す彼女もこんな顔をしていたと思い出す。
レンリン・マーズとは遠戚だという編入生。
本当だろうか…。
興味が湧いた。もちろん、編入生にではなく、レイリンがあんな表情をする理由だ。
だから調べることにしたが、簡単には分からなかった。
だがお調子者の放蕩息子を演じてきたから、多少金遣いが荒くとも怪しまれず済んだので、安くない金額を払って人を雇い調査した。
その結果、編入生が彼女の本当の姉で、私の形だけの婚約者だと知る。
私はレイリンにずっとあんな顔をさせてあげたいと思った。
そのために出来ることはなにか。
今のままのでいいな…。
婚約者ハリロン・ルーズナを彼らは求めていない。もし求めているのなら、それを行動に移しているはずだ。
それなら、お調子者ハリロンのままでそばにいよう。血が苦手で頼りない男だけど、いざという時に守れるかもしれない。
それに道化師として、君の姉の心を少しでも軽くしてあげられるかもしれない。
レイリン、君の望みは姉の笑顔だろ?
レイリン・マーズ、君の女王のような微笑みも好きだけど、あんなふうに笑っている君をもっと見ていたい。
だから、私は何も知らないお調子者のままでいた。君のために……。
その結果、私の願いは叶えられた。
彼女の姉は隣国の第二王子と幸せな結婚をして、今はこの国にはいない。
それでも、レイリン・マーズは私と話す時には、あの笑顔を見せてくれている。
もちろん、それは時々であって当然のことながらいつもではない。
ではどうやって、私が高嶺の花である彼女と話す機会を手に入れているか。気になるところだろう。
――実は私には奥の手があるのだ。
信じられないことに、私はケイドリューザ殿下と文通友達になっている。
実は殿下は早い段階から、私の秘めた想いとハナミア・マーズの正体について調べたことを把握していたらしい。
それでも放置していたのは、特に害がないからだ言われた。
確かに私の目的を知っていたなら、そうなるだろう。
殿下は隣国へ帰国する前に、お互いに愛する者のために協力しあわないかと誘ってきた。
ハナミア・マーズと弟妹達は互いを心から大切に想っている。だから、離れ離れになればいろいろと心配だろう。その憂いを少なくするために、情報を分かち合わないかと。
つまりは、愛する人の気持ちが少しでも弟妹達に取られるのは癪だから、互いに情報操作して協力し合おうということだ。
器の小さない男だとは思わなかった。さすが褐色の口なしだ、抜け目がないと心のなかで絶賛した。
そして『大賛成です!』とその申し出を快く受けたのだ。
レイリン・マーズを笑顔にできる材料が手に入るなら、こちらとしても有り難い限りだった。
こうして私と殿下は互いに文通という名の情報交換をしている。
これが思っていた以上に役に立っているのだ。
レイリンは姉のことならどんなに些細なことでも知りたがる。だから、殿下の文通友達である私のところに、なにか新しい情報がないかと聞きに来るのだ。
それは夜会で会った時だったり、王宮に用事があって来たついでだったりする。
約束はしていないが、そろそろ手紙が来るころだなと思うと彼女のほうからやって来るのだ。
ほら、今日もこっちに向かって歩いてくる。
その足取りが軽いのは、私からどんな話が聞けるかと期待しているからだ。
決して私自身に会うことが目的ではないけれど、それでも構わない。あんなに嬉しそうな顔をしているのだから。
「ハリロン様。今、お時間はよろしいでしょうか?」
「休憩時間なので大丈夫ですよ。それに子猫ちゃんの妹ならいつだって大歓迎ですから」
姉を子猫ちゃん呼びされて、わかり易くムッとするレイリン・マーズ。
本当はもう隣国の第二王子の妃になったのだからハナミア様と呼ぶべきだろうが、レイリンのこうした顔を見られるのは貴重なので不敬だと分かっているが続けている。
「ハリロン様。そんな呼び方を続けていたら、そのうちに首が物理的に飛ぶかも知れませんことよ」
それに、こうして彼女が心配してくれるからやめられない。
本当は心配ではなく事実を指摘しているだけだが、ここは都合よく考えておこう。
心のなかだけなら許されるはずだ。
「レイリン様。文通友達から先日手紙が来たのですが――」
「なんて書いてありましたか、早く教えてくださいませ!」
「子猫ちゃんの妹は、せっかちですね~」
レイリン・マーズは姉と手紙のやり取りをしている。それでも、私の文通相手である殿下の言葉も気になって仕方がないようだ。
もしかして、何か姉に関して新しいことが知らされているかもと期待しているのだろう。
前のめりになって尋ねてくるその顔には、あの笑顔が浮かんでいる。
…ああ、この笑みだ……。
目の前にいる私に向けられたものではない。
それでも、彼女がこんな顔を出来るのならそれでいい。
それだけで満足しているかと問われれば…否だ。でも私は道化師で、どう足掻いてもそれ以上にはなれないだろう。
――高嶺の花は、きっと道化師には手が届かない。
叶わない恋があってもいい。幸せの形は一つではないのだから……。
『あ、…ありがとう』
天使は私の名を尋ねることなく、すぐに去っていった。
彼女が私を助けた理由は正義感からもあっただろう。でもそれだけではなく、彼女の素敵な人と私の容姿に共通点があったから。
理由はどうあれ、私は家族を含め人から肯定されたのが初めてだった。あまりの嬉しさにどう反応していいか分からず、私は馬鹿みたいに呆けていた。
『とても素敵な人』が自分に向けられた言葉ではないと分かっていても、それでもその言葉は私にとって特別なものとなった。
マーズ公爵家の少女が私に変わるきっかけをくれたのだ。
それから私は変わった。
表向きは母が求める私のまま、つまり愚かで兄より劣るハリロン・ルーズナでいた。反抗する勇気まではなかったから。
しかし、気づかれないように自分のできる範囲で己を磨くようになった。
と言っても優秀な頭脳の持ち主とは言い難く、そんなに代わり映えはしない。
小説の主人公ように劇的にとはいかなかった。
それでも、確実に自分の意識だけは変化していく。
泣くだけのハリロン・ルーズナは消え、自己満足かもしれないが、努力することで自分に自信が持てるようになった。
そしてお調子者を演じることで、母の悪意を上手くかわすことが出来ることに気づき、己の心を護る術を身に着けていく。
演じることは苦ではなかったのは幸いだった。もしかすると、これが素の私に近いのかもしれない。
それから私は、助けてくれた少女がレイリン・マーズだと知り、彼女を意識するようになった。
彼女はその容姿も頭脳も身分もすべてが一流で、ただ遠くから見るのが精一杯。
そうしているうちに私と彼女との差はどんどん広がっていき、彼女は双子の兄とともに双頭の龍と呼ばれるようになった。
――まさに高嶺の花。
自分のことは自分がよく知っている。
お調子者を演じているが、その仮面の下に隠れている私は、残念ながらヒーローではなく至って平凡な男だ。
だから、女王様の如く優雅に微笑む彼女を、そっと見ているだけで満足していた。
――あの日までは……。
ある日、私のクラスに編入生がやってきた。
可愛い子だなと思ったけれど、それだけ。だからいつものようにお調子者として接した。
だが数日後、レイリンがその子と話している姿を偶然目にした。
……っ……!
――信じられなかった。
編入生と話すレイリン・マーズはいつものような美しい笑みではなく、嬉しくて堪らないと全身で訴えている、そんな笑顔だった。
初めて、本当の彼女を見たと思った。
いや、違うな。――これは二度目だ。
私を助けてくれたあの時、大好きな人のことを話す彼女もこんな顔をしていたと思い出す。
レンリン・マーズとは遠戚だという編入生。
本当だろうか…。
興味が湧いた。もちろん、編入生にではなく、レイリンがあんな表情をする理由だ。
だから調べることにしたが、簡単には分からなかった。
だがお調子者の放蕩息子を演じてきたから、多少金遣いが荒くとも怪しまれず済んだので、安くない金額を払って人を雇い調査した。
その結果、編入生が彼女の本当の姉で、私の形だけの婚約者だと知る。
私はレイリンにずっとあんな顔をさせてあげたいと思った。
そのために出来ることはなにか。
今のままのでいいな…。
婚約者ハリロン・ルーズナを彼らは求めていない。もし求めているのなら、それを行動に移しているはずだ。
それなら、お調子者ハリロンのままでそばにいよう。血が苦手で頼りない男だけど、いざという時に守れるかもしれない。
それに道化師として、君の姉の心を少しでも軽くしてあげられるかもしれない。
レイリン、君の望みは姉の笑顔だろ?
レイリン・マーズ、君の女王のような微笑みも好きだけど、あんなふうに笑っている君をもっと見ていたい。
だから、私は何も知らないお調子者のままでいた。君のために……。
その結果、私の願いは叶えられた。
彼女の姉は隣国の第二王子と幸せな結婚をして、今はこの国にはいない。
それでも、レイリン・マーズは私と話す時には、あの笑顔を見せてくれている。
もちろん、それは時々であって当然のことながらいつもではない。
ではどうやって、私が高嶺の花である彼女と話す機会を手に入れているか。気になるところだろう。
――実は私には奥の手があるのだ。
信じられないことに、私はケイドリューザ殿下と文通友達になっている。
実は殿下は早い段階から、私の秘めた想いとハナミア・マーズの正体について調べたことを把握していたらしい。
それでも放置していたのは、特に害がないからだ言われた。
確かに私の目的を知っていたなら、そうなるだろう。
殿下は隣国へ帰国する前に、お互いに愛する者のために協力しあわないかと誘ってきた。
ハナミア・マーズと弟妹達は互いを心から大切に想っている。だから、離れ離れになればいろいろと心配だろう。その憂いを少なくするために、情報を分かち合わないかと。
つまりは、愛する人の気持ちが少しでも弟妹達に取られるのは癪だから、互いに情報操作して協力し合おうということだ。
器の小さない男だとは思わなかった。さすが褐色の口なしだ、抜け目がないと心のなかで絶賛した。
そして『大賛成です!』とその申し出を快く受けたのだ。
レイリン・マーズを笑顔にできる材料が手に入るなら、こちらとしても有り難い限りだった。
こうして私と殿下は互いに文通という名の情報交換をしている。
これが思っていた以上に役に立っているのだ。
レイリンは姉のことならどんなに些細なことでも知りたがる。だから、殿下の文通友達である私のところに、なにか新しい情報がないかと聞きに来るのだ。
それは夜会で会った時だったり、王宮に用事があって来たついでだったりする。
約束はしていないが、そろそろ手紙が来るころだなと思うと彼女のほうからやって来るのだ。
ほら、今日もこっちに向かって歩いてくる。
その足取りが軽いのは、私からどんな話が聞けるかと期待しているからだ。
決して私自身に会うことが目的ではないけれど、それでも構わない。あんなに嬉しそうな顔をしているのだから。
「ハリロン様。今、お時間はよろしいでしょうか?」
「休憩時間なので大丈夫ですよ。それに子猫ちゃんの妹ならいつだって大歓迎ですから」
姉を子猫ちゃん呼びされて、わかり易くムッとするレイリン・マーズ。
本当はもう隣国の第二王子の妃になったのだからハナミア様と呼ぶべきだろうが、レイリンのこうした顔を見られるのは貴重なので不敬だと分かっているが続けている。
「ハリロン様。そんな呼び方を続けていたら、そのうちに首が物理的に飛ぶかも知れませんことよ」
それに、こうして彼女が心配してくれるからやめられない。
本当は心配ではなく事実を指摘しているだけだが、ここは都合よく考えておこう。
心のなかだけなら許されるはずだ。
「レイリン様。文通友達から先日手紙が来たのですが――」
「なんて書いてありましたか、早く教えてくださいませ!」
「子猫ちゃんの妹は、せっかちですね~」
レイリン・マーズは姉と手紙のやり取りをしている。それでも、私の文通相手である殿下の言葉も気になって仕方がないようだ。
もしかして、何か姉に関して新しいことが知らされているかもと期待しているのだろう。
前のめりになって尋ねてくるその顔には、あの笑顔が浮かんでいる。
…ああ、この笑みだ……。
目の前にいる私に向けられたものではない。
それでも、彼女がこんな顔を出来るのならそれでいい。
それだけで満足しているかと問われれば…否だ。でも私は道化師で、どう足掻いてもそれ以上にはなれないだろう。
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