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21.褐色の口なしの想い〜ケイドリューザ視点〜
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私が気を失ったミアを抱き上げ医務室へと運ぶと、すぐにダリムが彼女を丁寧に診察する。
「心臓などに異常が起きて倒れたのではありませんから、目が覚めるまで寝かせておきましょう。ところで何があったんですか?なぜか殿下の魔力を微かに彼女から感じるのですが…」
眉を顰めてそう言うダリムの表情は側近のものではなく、患者に寄り添う医師のものだった。こうなった原因を正しく把握しておきたいのだ。
私の魔力を感じると言ったが魔力は移ることはないから、何かを察して鎌をかけているのだろう。
彼に嘘などついても見破られるし、そもそも私は言うつもりもなかった。
「彼女に傷跡が残らないおまじないだと言って頬に口づけをして、それからミアと呼んだ」
体に異常がないというのなら、ミアが倒れた原因はこれだろう。
純粋な彼女にはあれでも刺激が強すぎたのかもしれない。
「つまり殿下はレイミアさんへの想いに気づいて我慢できなくなったんですね。お子様の対応ですね、まさか初恋ですか?」
「そうだ」
真ん中の言葉以外は概ねあっているので、私はダリムの言葉に同意する。
ダリムはため息をつきながら私を見る。
その目はもっと段階を踏むべきだろうと呆れているもので、その反応は意外だった。
王族の結婚は国を栄えさせるための手段でしかない。それは側近であるダリムだって承知のことで、彼の立場なら私を諌めるべきだからだ。
まあ、何を言われても気持ちは変わらないがな…。
「誤魔化さないんですね。その点だけは褒めて差し上げましょう。それでこれからどうなさるおつもりですか?」
「自分の気持ちを押し付けるつもりはない。だからまずはミアに愛されるように努力するつもりだ」
きっぱりとそう告げるが、ダリムは何も言わない。
ただじっと私の目を見てくる。私の決意を見定めようとしているのだろう。
「反対はしないのか?王族としての義務はどうしたと諌めなくていいのか?」
「殿下は王族としての義務を放棄するおつもりですか?」
するわけがないと分かっているくせに聞いてくる。こういう所が古狸なんだ。
「放棄はしない。政略結婚をしない代わりに、誰を選ぼうと文句が言えないほどの働きをする。これでも二つ名持ちだ。私ならそれが可能だ」
「そんな戯言は普通なら一蹴されますが、『褐色の口なし』が言うと納得ですね。政略結婚よりも、殿下の本気の方が数倍、いや数十倍国のためになるでしょう」
ダリムは満足そうにそう言ってくる。私の言葉は古狸が望む答えだったようだ。
『褐色の口なし』とは私につけられた二つ名だ。
二つ名がつけられる条件は実力があるかどうかだけ。
権力も財力も身分も関係ない。己の努力と才覚が周囲から認められた時に初めてつけられるもの。
今現在、王族で二つ名を持っているのは私だけだ。
今まで、この二つ名を気に入ってはいなかった。
口なしだなんて不気味にしか聞こえないから、返上できるものならそうしたいと思っていた。
だが今はあって良かったと心から思っている。
目に見える形で実力が分かると、周囲の者達を説得しやすい。人はなんらかの形があると安心するからだ。
「いつから私がミアに惚れていると気づいていたんだ?」
「最初からそんな予感がしてました。殿下ならレイミアさんに惹かれるだろうなと。そしたら殿下は分かりやすく彼女に惹かれていきましたね。割り切った関係もすぐに断って、彼女の周辺事情を念入りに調べ、国にいる私の息子に問い合わせたりしてましたから。はっはは、もう丸わかりでした」
「…っ……」
ダリムはテーブルを叩きながら爆笑している。こいつは側近なのに遠慮がない。
彼の息子は私の乳兄弟で優秀な医者だから彼女に合う薬がないか調べてもらっていた。
ダリムには話していなかったのに筒抜けだったようだ。乳兄弟は口が固いから、きっと情報源は乳母だろう。
ひとしきり笑うと、ダリムは真面目な顔になって口を開く。
「殿下、彼女はそれほど長くは生きられないのは事実です。それは覚悟のうえでしょうか?」
「誰かを想うのにその人の命の長さは関係ない。私はミアだから愛している」
ミアは生まれながらに病弱で、根本的な治療法がないのが現状だ。
だからと言って諦める選択肢はない。
今ここにミアがいて、生きている。
それだけで十分だ。
「もう何も言うことはありません。頑張ってください、殿下」
「ああ、後悔はしないように行動する」
「そういえば、なぜレイミアさんをいきなり『ミア』と呼び始めたのですか?ハナミア様に戻った時でも呼び方を変える必要がないからでしょうか?」
なんでもお見通しのダリムもこれだけは分からないらしい。秘密にすることではないので教えることにする。
「私だけの呼びかたが欲しかっただけだ。姉に執着している双頭の龍も『ミア』呼びはしていない。ダリム、お前も絶対に駄目だぞ」
レイミアという偽名に双頭の龍の名前の一部が入っているのは、彼らがミアに執着しているからだ。
――それは彼らの姉への独占欲の証。
弟妹といえども腹立たしかった。彼女のことを一番に独占するのは私だ。それは誰であろうと譲るつもりはない。
…たとえ呼び名ひとつでも。
「殿下は案外小さな男ですね」
ダリムは遠慮なく不敬なことを言ってくるが、古狸の戯言だと聞き流す。
「そしてリューザ呼びはミアだけのものだ。側近のお前でも、リューザ殿下とは呼ぶなよ」
「……殿下は重い男だったんですね。」
「一途なだけだ」
ダリムはため息をつきながら『レイミアさんが嫌がったら、私が殿下を殴って止めますので』と言ってくる。
彼はそうなったら本当に実行するだろう。
…だがな、そんな日は絶対に来ないから、縁起でもないことを言うな!
ミアは不思議な女性だ。
双頭の龍に慕われ、古狸に可愛がられ、そして褐色の口なしに惚れられる。
運が良いのか悪いのか微妙なところだが、それもまた彼女の運命なのだろう。いや、これがミアが持っている力か。
誰もを引き寄せてしまう、それは彼女の才能なんだ。
マーズ公爵夫妻の目は節穴だったということだろう。彼女を自らを手放したのだから。彼らはいつか後悔する日が来るだろう。きっとその日はそう遠くないはずだ。
ミア、その時君は私の隣りにいてくれるだろうか…。
今まで政略結婚が嫌だと思ったことは一度もなかった。それが当たり前だからで、今もそれを否定はしない。
――だが私はミアがいい。
政略だろうと恋愛だろうと、ミアではなくては意味がない。
公爵令嬢ハナミアでも子爵令嬢レイミアでもなく、ミアにそばにいて欲しい。
「心臓などに異常が起きて倒れたのではありませんから、目が覚めるまで寝かせておきましょう。ところで何があったんですか?なぜか殿下の魔力を微かに彼女から感じるのですが…」
眉を顰めてそう言うダリムの表情は側近のものではなく、患者に寄り添う医師のものだった。こうなった原因を正しく把握しておきたいのだ。
私の魔力を感じると言ったが魔力は移ることはないから、何かを察して鎌をかけているのだろう。
彼に嘘などついても見破られるし、そもそも私は言うつもりもなかった。
「彼女に傷跡が残らないおまじないだと言って頬に口づけをして、それからミアと呼んだ」
体に異常がないというのなら、ミアが倒れた原因はこれだろう。
純粋な彼女にはあれでも刺激が強すぎたのかもしれない。
「つまり殿下はレイミアさんへの想いに気づいて我慢できなくなったんですね。お子様の対応ですね、まさか初恋ですか?」
「そうだ」
真ん中の言葉以外は概ねあっているので、私はダリムの言葉に同意する。
ダリムはため息をつきながら私を見る。
その目はもっと段階を踏むべきだろうと呆れているもので、その反応は意外だった。
王族の結婚は国を栄えさせるための手段でしかない。それは側近であるダリムだって承知のことで、彼の立場なら私を諌めるべきだからだ。
まあ、何を言われても気持ちは変わらないがな…。
「誤魔化さないんですね。その点だけは褒めて差し上げましょう。それでこれからどうなさるおつもりですか?」
「自分の気持ちを押し付けるつもりはない。だからまずはミアに愛されるように努力するつもりだ」
きっぱりとそう告げるが、ダリムは何も言わない。
ただじっと私の目を見てくる。私の決意を見定めようとしているのだろう。
「反対はしないのか?王族としての義務はどうしたと諌めなくていいのか?」
「殿下は王族としての義務を放棄するおつもりですか?」
するわけがないと分かっているくせに聞いてくる。こういう所が古狸なんだ。
「放棄はしない。政略結婚をしない代わりに、誰を選ぼうと文句が言えないほどの働きをする。これでも二つ名持ちだ。私ならそれが可能だ」
「そんな戯言は普通なら一蹴されますが、『褐色の口なし』が言うと納得ですね。政略結婚よりも、殿下の本気の方が数倍、いや数十倍国のためになるでしょう」
ダリムは満足そうにそう言ってくる。私の言葉は古狸が望む答えだったようだ。
『褐色の口なし』とは私につけられた二つ名だ。
二つ名がつけられる条件は実力があるかどうかだけ。
権力も財力も身分も関係ない。己の努力と才覚が周囲から認められた時に初めてつけられるもの。
今現在、王族で二つ名を持っているのは私だけだ。
今まで、この二つ名を気に入ってはいなかった。
口なしだなんて不気味にしか聞こえないから、返上できるものならそうしたいと思っていた。
だが今はあって良かったと心から思っている。
目に見える形で実力が分かると、周囲の者達を説得しやすい。人はなんらかの形があると安心するからだ。
「いつから私がミアに惚れていると気づいていたんだ?」
「最初からそんな予感がしてました。殿下ならレイミアさんに惹かれるだろうなと。そしたら殿下は分かりやすく彼女に惹かれていきましたね。割り切った関係もすぐに断って、彼女の周辺事情を念入りに調べ、国にいる私の息子に問い合わせたりしてましたから。はっはは、もう丸わかりでした」
「…っ……」
ダリムはテーブルを叩きながら爆笑している。こいつは側近なのに遠慮がない。
彼の息子は私の乳兄弟で優秀な医者だから彼女に合う薬がないか調べてもらっていた。
ダリムには話していなかったのに筒抜けだったようだ。乳兄弟は口が固いから、きっと情報源は乳母だろう。
ひとしきり笑うと、ダリムは真面目な顔になって口を開く。
「殿下、彼女はそれほど長くは生きられないのは事実です。それは覚悟のうえでしょうか?」
「誰かを想うのにその人の命の長さは関係ない。私はミアだから愛している」
ミアは生まれながらに病弱で、根本的な治療法がないのが現状だ。
だからと言って諦める選択肢はない。
今ここにミアがいて、生きている。
それだけで十分だ。
「もう何も言うことはありません。頑張ってください、殿下」
「ああ、後悔はしないように行動する」
「そういえば、なぜレイミアさんをいきなり『ミア』と呼び始めたのですか?ハナミア様に戻った時でも呼び方を変える必要がないからでしょうか?」
なんでもお見通しのダリムもこれだけは分からないらしい。秘密にすることではないので教えることにする。
「私だけの呼びかたが欲しかっただけだ。姉に執着している双頭の龍も『ミア』呼びはしていない。ダリム、お前も絶対に駄目だぞ」
レイミアという偽名に双頭の龍の名前の一部が入っているのは、彼らがミアに執着しているからだ。
――それは彼らの姉への独占欲の証。
弟妹といえども腹立たしかった。彼女のことを一番に独占するのは私だ。それは誰であろうと譲るつもりはない。
…たとえ呼び名ひとつでも。
「殿下は案外小さな男ですね」
ダリムは遠慮なく不敬なことを言ってくるが、古狸の戯言だと聞き流す。
「そしてリューザ呼びはミアだけのものだ。側近のお前でも、リューザ殿下とは呼ぶなよ」
「……殿下は重い男だったんですね。」
「一途なだけだ」
ダリムはため息をつきながら『レイミアさんが嫌がったら、私が殿下を殴って止めますので』と言ってくる。
彼はそうなったら本当に実行するだろう。
…だがな、そんな日は絶対に来ないから、縁起でもないことを言うな!
ミアは不思議な女性だ。
双頭の龍に慕われ、古狸に可愛がられ、そして褐色の口なしに惚れられる。
運が良いのか悪いのか微妙なところだが、それもまた彼女の運命なのだろう。いや、これがミアが持っている力か。
誰もを引き寄せてしまう、それは彼女の才能なんだ。
マーズ公爵夫妻の目は節穴だったということだろう。彼女を自らを手放したのだから。彼らはいつか後悔する日が来るだろう。きっとその日はそう遠くないはずだ。
ミア、その時君は私の隣りにいてくれるだろうか…。
今まで政略結婚が嫌だと思ったことは一度もなかった。それが当たり前だからで、今もそれを否定はしない。
――だが私はミアがいい。
政略だろうと恋愛だろうと、ミアではなくては意味がない。
公爵令嬢ハナミアでも子爵令嬢レイミアでもなく、ミアにそばにいて欲しい。
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