14 / 66
14.気になる存在〜ケイドリューザ視点〜②
しおりを挟む
「公爵令嬢ハナミア・マーズではなく、子爵令嬢レイミア・マードルとなら良き友人のままでしょう。殿下はそれでよいのですか?」
「彼女はレイミアだ。ハナミアではない」
ダリムの問いに私は即答した。
私は王族で、レイミアは子爵令嬢としての立場で普通を求めている。
私と彼女は良き友人でいい。
公爵令嬢という立場なら政略結婚の相手にもなり得るが、そうさせるつもりはない。
体が弱い彼女にその役割は負担が大きすぎるし、マーズ公爵家での彼女の扱いを考えたらこちらに彼女を選ぶメリットはない。
…なにより彼女に嫌われたくはない。柄にもなくそんな事を思う私がいた。
どうしたというのか。
純粋な彼女に影響されたか?
いや、それはない。
王族としての考え方は骨の髄まで染み込んでいる。
そもそも特別な感情があったわけではなく、ただなんとなく気になっていただけだ。
貴族令嬢として仕草も教養も申し分ないのに、擦れていないところが物珍しくてつい目で追ってしまっていたんだろう。
特別な感情ではなく、それはただの興味だ。
――疑う余地もない。
ダリムは見慣れた笑みを浮かべる。
「…殿下ならそう言うと思っておりました。『安心しました』と申し上げますが、これは側近としての言葉です。洟垂れ小僧だった殿下を見守ってきた一個人としては、少々残念でもあります。ですが殿下の判断を支持します。私もあのままのレイミアさんに癒やされたいですから。野生の子兎は籠に入れて飼うものではありません」
「言われなくとも分かっている」
卒業までの三ヶ月。
短い期間だが、その間だけ友人としての彼女の側にいられる権利を手に入れた。
…楽しくなりそうだ。
そう思う自分に驚く。きっとダリムはこう思っている私を見透かして驚いているのだろう。いや、楽しんでいるのか。
そんな事を考えているとダリムはこの国の者に見せたことがない優秀な側近の顔になる。そこに浮かぶ笑みに温かみは一切ない。
『氷笑のバード』とは国での彼の二つ名だ。
その名の本当の由来を知る者は、彼と目を合わせようとはしない。
その気持ちはよく分かるが、幼い頃より彼によって鍛えられ、そして彼のいろいろな顔を知っている私からしたら、やはりダリムは古狸が一番しっくりくる。もちろん、これには親しみも込められている。
本当にダリムは器用に表情を使い分ける。
それは持って生まれた才能だろう。
「それと、双頭の龍ですが、今日見た限りなかなか姉に入れ込んでいる様ですからご注意ください。どんな絆があるかは不明ですが、ああいう輩は捨て身になったら何をするか分かりませんので」
ダリムは口ではご注意くださいと言っているが、それは案じている顔ではない。私が彼らに殺られるはずがないと思っているからだ。
私だって殺られる気はしない。私の二つ名だってお飾りじゃない、自分の力でもぎ取ったものだ。
マーズ公爵家の双頭の龍は、我が国でも認識されている。彼らはいずれこの国の中枢でその手腕を発揮する人物になるからだ。
その龍達の逆鱗は姉ハナミア。
一見すると双頭の龍が姉を守っているように思えたが、帰り際に見た時には違って見えた。
ハナミアは両脇を固める双頭の龍を、その眼差しで優しく包み込み、その時の双子は苛烈な龍ではなく子犬にしか見えなかった。
子兎が子犬の皮を被った龍を従えているとは面白い。
だがその子犬達も医務室を出るとき、私と目があったら、また龍の眼を見せつけてきた。
こちらが下手なことをしたら、その鋭い爪で容赦なく首を引き裂こうとするのか。
相手をするのも悪くない。
「双頭の龍もなかなか見る目があるようだな」
マーズ公爵家で冷遇されている姉を普通ならあんなに大切にしない。親の背を見て育てば、刷り込みで同じ行動をとるものだ。だが彼らは自分の意志で考え行動している。見どころがある。
「そうですね。噂以上のようです。手を組みますか?」
ダリムが確認してくる。
私は色々な国に留学し、その先々で我が国の為に有益とみなした人物と秘密裏に接触している。企んでいるのではなく、何かあった時の手札は多いほうがいいからだ。
それが第二王子である私に課せられた役目。
一箇所に留まるよりは、常に動いていたい質なので適任とも言える。
「いや、まだ様子を見よう」
「分かりました。それとレイミアさんは魔力ゼロでした。この国で貴族として生きていくのは辛いですね」
「だから公爵家から見捨てられたのか…」
「大いに関係しているでしょう」
ダリムは人の体内にある魔力の有無が分かる。こんな馬鹿げた特技を持っているのは彼ぐらいだろう。普通は魔力玉を使ってしか分からない。
通常どこの国の貴族も遺伝的に魔力を受け継いでいる。それを高めて魔術師となれる者は年に数名いるかどうかだ。だから実際に魔力がなくとも生活に支障はない。
我が国では魔力判定すら受けない貴族も昨今では多い。
しかしこの国では貴族=魔力持ちという考えが主流で、生まれるとすぐに大金を払って魔力判定し、婚約を結ぶ前にその証明書を確認するのが決まりになっている。
つまり魔力なしの貴族は役立ずの烙印を押されてしまうのだ。
その烙印を押された姉を大切にする双頭の龍。
彼女にどれほどの価値があるというのだろうか。
彼らが大切にしたいのは血の繋がりか、それとも他のなにかか…。
それはこれからゆっくり見極めればいいだろう。
三ヶ月はあっという間だが、見極めるには十分な時間だ。
だが知ったところで意味はないだろうが…。
「ダリム、レイミアは体が弱い。これからも気にしてやってくれ」
「言われなくとも、そうするつもりです。私は彼女の友人ですから」
「私のほうが先に友人になったんだっ」
張り合うわけじゃないが、なんとなくムッとしてそう告げた。こんなつまらないことを、今まで気に留めたことはなかったのに。
「想いには知り合ってからの長さは関係ありません。深さが重要なんです、殿下」
「何を言ってるんだ?」
「古狸の独り言ですからお気になさらず」
ダリムがしたり顔でそんな事を言ってくる。
レイミアはただの期間限定の友人で、それだけだ。
わざと年寄りくさい笑い声を上げながら、ダリムは私の部屋から出ていく。
ったく…、ダリムめ。
意味深な言い方をするところが、年寄りの証拠だ。言いたいことがあるなら、はっきり言えばいいものを。
心のなかで悪態をつきながら、明日授業で使う教科書の用意をする。頭の中に内容は全て入っているからこれは形だけ広げているに過ぎない。
だから真ん中に置かずに、レイミア側に置いても困ることはない。それなのに私はこの一週間、真ん中に置き続けた。
どうしてだ……。
まあいい、明日も真ん中に置くのは変わらないのだから。
「彼女はレイミアだ。ハナミアではない」
ダリムの問いに私は即答した。
私は王族で、レイミアは子爵令嬢としての立場で普通を求めている。
私と彼女は良き友人でいい。
公爵令嬢という立場なら政略結婚の相手にもなり得るが、そうさせるつもりはない。
体が弱い彼女にその役割は負担が大きすぎるし、マーズ公爵家での彼女の扱いを考えたらこちらに彼女を選ぶメリットはない。
…なにより彼女に嫌われたくはない。柄にもなくそんな事を思う私がいた。
どうしたというのか。
純粋な彼女に影響されたか?
いや、それはない。
王族としての考え方は骨の髄まで染み込んでいる。
そもそも特別な感情があったわけではなく、ただなんとなく気になっていただけだ。
貴族令嬢として仕草も教養も申し分ないのに、擦れていないところが物珍しくてつい目で追ってしまっていたんだろう。
特別な感情ではなく、それはただの興味だ。
――疑う余地もない。
ダリムは見慣れた笑みを浮かべる。
「…殿下ならそう言うと思っておりました。『安心しました』と申し上げますが、これは側近としての言葉です。洟垂れ小僧だった殿下を見守ってきた一個人としては、少々残念でもあります。ですが殿下の判断を支持します。私もあのままのレイミアさんに癒やされたいですから。野生の子兎は籠に入れて飼うものではありません」
「言われなくとも分かっている」
卒業までの三ヶ月。
短い期間だが、その間だけ友人としての彼女の側にいられる権利を手に入れた。
…楽しくなりそうだ。
そう思う自分に驚く。きっとダリムはこう思っている私を見透かして驚いているのだろう。いや、楽しんでいるのか。
そんな事を考えているとダリムはこの国の者に見せたことがない優秀な側近の顔になる。そこに浮かぶ笑みに温かみは一切ない。
『氷笑のバード』とは国での彼の二つ名だ。
その名の本当の由来を知る者は、彼と目を合わせようとはしない。
その気持ちはよく分かるが、幼い頃より彼によって鍛えられ、そして彼のいろいろな顔を知っている私からしたら、やはりダリムは古狸が一番しっくりくる。もちろん、これには親しみも込められている。
本当にダリムは器用に表情を使い分ける。
それは持って生まれた才能だろう。
「それと、双頭の龍ですが、今日見た限りなかなか姉に入れ込んでいる様ですからご注意ください。どんな絆があるかは不明ですが、ああいう輩は捨て身になったら何をするか分かりませんので」
ダリムは口ではご注意くださいと言っているが、それは案じている顔ではない。私が彼らに殺られるはずがないと思っているからだ。
私だって殺られる気はしない。私の二つ名だってお飾りじゃない、自分の力でもぎ取ったものだ。
マーズ公爵家の双頭の龍は、我が国でも認識されている。彼らはいずれこの国の中枢でその手腕を発揮する人物になるからだ。
その龍達の逆鱗は姉ハナミア。
一見すると双頭の龍が姉を守っているように思えたが、帰り際に見た時には違って見えた。
ハナミアは両脇を固める双頭の龍を、その眼差しで優しく包み込み、その時の双子は苛烈な龍ではなく子犬にしか見えなかった。
子兎が子犬の皮を被った龍を従えているとは面白い。
だがその子犬達も医務室を出るとき、私と目があったら、また龍の眼を見せつけてきた。
こちらが下手なことをしたら、その鋭い爪で容赦なく首を引き裂こうとするのか。
相手をするのも悪くない。
「双頭の龍もなかなか見る目があるようだな」
マーズ公爵家で冷遇されている姉を普通ならあんなに大切にしない。親の背を見て育てば、刷り込みで同じ行動をとるものだ。だが彼らは自分の意志で考え行動している。見どころがある。
「そうですね。噂以上のようです。手を組みますか?」
ダリムが確認してくる。
私は色々な国に留学し、その先々で我が国の為に有益とみなした人物と秘密裏に接触している。企んでいるのではなく、何かあった時の手札は多いほうがいいからだ。
それが第二王子である私に課せられた役目。
一箇所に留まるよりは、常に動いていたい質なので適任とも言える。
「いや、まだ様子を見よう」
「分かりました。それとレイミアさんは魔力ゼロでした。この国で貴族として生きていくのは辛いですね」
「だから公爵家から見捨てられたのか…」
「大いに関係しているでしょう」
ダリムは人の体内にある魔力の有無が分かる。こんな馬鹿げた特技を持っているのは彼ぐらいだろう。普通は魔力玉を使ってしか分からない。
通常どこの国の貴族も遺伝的に魔力を受け継いでいる。それを高めて魔術師となれる者は年に数名いるかどうかだ。だから実際に魔力がなくとも生活に支障はない。
我が国では魔力判定すら受けない貴族も昨今では多い。
しかしこの国では貴族=魔力持ちという考えが主流で、生まれるとすぐに大金を払って魔力判定し、婚約を結ぶ前にその証明書を確認するのが決まりになっている。
つまり魔力なしの貴族は役立ずの烙印を押されてしまうのだ。
その烙印を押された姉を大切にする双頭の龍。
彼女にどれほどの価値があるというのだろうか。
彼らが大切にしたいのは血の繋がりか、それとも他のなにかか…。
それはこれからゆっくり見極めればいいだろう。
三ヶ月はあっという間だが、見極めるには十分な時間だ。
だが知ったところで意味はないだろうが…。
「ダリム、レイミアは体が弱い。これからも気にしてやってくれ」
「言われなくとも、そうするつもりです。私は彼女の友人ですから」
「私のほうが先に友人になったんだっ」
張り合うわけじゃないが、なんとなくムッとしてそう告げた。こんなつまらないことを、今まで気に留めたことはなかったのに。
「想いには知り合ってからの長さは関係ありません。深さが重要なんです、殿下」
「何を言ってるんだ?」
「古狸の独り言ですからお気になさらず」
ダリムがしたり顔でそんな事を言ってくる。
レイミアはただの期間限定の友人で、それだけだ。
わざと年寄りくさい笑い声を上げながら、ダリムは私の部屋から出ていく。
ったく…、ダリムめ。
意味深な言い方をするところが、年寄りの証拠だ。言いたいことがあるなら、はっきり言えばいいものを。
心のなかで悪態をつきながら、明日授業で使う教科書の用意をする。頭の中に内容は全て入っているからこれは形だけ広げているに過ぎない。
だから真ん中に置かずに、レイミア側に置いても困ることはない。それなのに私はこの一週間、真ん中に置き続けた。
どうしてだ……。
まあいい、明日も真ん中に置くのは変わらないのだから。
73
お気に入りに追加
5,230
あなたにおすすめの小説
中将閣下は御下賜品となった令嬢を溺愛する
cyaru
恋愛
幼い頃から仲睦まじいと言われてきた侯爵令息クラウドと侯爵令嬢のセレティア。
18歳となりそろそろ婚約かと思われていたが、長引く隣国との戦争に少年兵士としてクラウドが徴兵されてしまった。
帰りを待ち続けるが、22歳になったある日クラウドの戦死が告げられた。
泣き崩れるセレティアだったが、ほどなくして戦争が終わる。敗戦したのである。
戦勝国の国王は好色王としても有名で王女を差し出せと通達があったが王女は逃げた所を衛兵に斬り殺されてしまう。仕方なく高位貴族の令嬢があてがわれる事になったが次々に純潔を婚約者や、急遽婚約者を立ててしまう他の貴族たち。選ばれてしまったセレティアは貢物として隣国へ送られた。
奴隷のような扱いを受けるのだろうと思っていたが、豪華な部屋に通され、好色王と言われた王には一途に愛する王妃がいた。
セレティアは武功を挙げた将兵に下賜されるために呼ばれたのだった。
そしてその将兵は‥‥。
※作品の都合上、うわぁと思うような残酷なシーンがございます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※頑張って更新します。
辺境伯へ嫁ぎます。
アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。
隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。
私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。
辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。
本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。
辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。
辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。
それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか?
そんな望みを抱いてしまいます。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定はゆるいです。
(言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)
❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。
(出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)
公爵令嬢ディアセーラの旦那様
cyaru
恋愛
パッと見は冴えないブロスカキ公爵家の令嬢ディアセーラ。
そんなディアセーラの事が本当は病むほどに好きな王太子のベネディクトだが、ディアセーラの気をひきたいがために執務を丸投げし「今月の恋人」と呼ばれる令嬢を月替わりで隣に侍らせる。
色事と怠慢の度が過ぎるベネディクトとディアセーラが言い争うのは日常茶飯事だった。
出来の悪い王太子に王宮で働く者達も辟易していたある日、ベネディクトはディアセーラを突き飛ばし婚約破棄を告げてしまった。
「しかと承りました」と応えたディアセーラ。
婚約破棄を告げる場面で突き飛ばされたディアセーラを受け止める形で一緒に転がってしまったペルセス。偶然居合わせ、とばっちりで巻き込まれただけのリーフ子爵家のペルセスだが婚約破棄の上、下賜するとも取れる発言をこれ幸いとブロスカキ公爵からディアセーラとの婚姻を打診されてしまう。
中央ではなく自然豊かな地方で開拓から始めたい夢を持っていたディアセーラ。当初は困惑するがペルセスもそれまで「氷の令嬢」と呼ばれ次期王妃と言われていたディアセーラの知らなかった一面に段々と惹かれていく。
一方ベネディクトは本当に登城しなくなったディアセーラに会うため公爵家に行くが門前払いされ、手紙すら受け取って貰えなくなった。焦り始めたベネディクトはペルセスを罪人として投獄してしまうが…。
シリアスっぽく見える気がしますが、コメディに近いです。
痛い記述があるのでR指定しました。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
大嫌いな幼馴染の皇太子殿下と婚姻させられたので、白い結婚をお願いいたしました
柴野
恋愛
「これは白い結婚ということにいたしましょう」
結婚初夜、そうお願いしたジェシカに、夫となる人は眉を顰めて答えた。
「……ああ、お前の好きにしろ」
婚約者だった隣国の王弟に別れを切り出され嫁ぎ先を失った公爵令嬢ジェシカ・スタンナードは、幼馴染でありながら、たいへん仲の悪かった皇太子ヒューパートと王命で婚姻させられた。
ヒューパート皇太子には陰ながら想っていた令嬢がいたのに、彼女は第二王子の婚約者になってしまったので長年婚約者を作っていなかったという噂がある。それだというのに王命で大嫌いなジェシカを娶ることになったのだ。
いくら政略結婚とはいえ、ヒューパートに抱かれるのは嫌だ。子供ができないという理由があれば離縁できると考えたジェシカは白い結婚を望み、ヒューパートもそれを受け入れた。
そのはず、だったのだが……?
離縁を望みながらも徐々に絆されていく公爵令嬢と、実は彼女のことが大好きで仕方ないツンデレ皇太子によるじれじれラブストーリー。
※こちらの作品は小説家になろうにも重複投稿しています。
旦那様に離縁をつきつけたら
cyaru
恋愛
駆け落ち同然で結婚したシャロンとシリウス。
仲の良い夫婦でずっと一緒だと思っていた。
突然現れた子連れの女性、そして腕を組んで歩く2人。
我慢の限界を迎えたシャロンは神殿に離縁の申し込みをした。
※色々と異世界の他に現実に近いモノや妄想の世界をぶっこんでいます。
※設定はかなり他の方の作品とは異なる部分があります。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる