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10.屑改め、…ちょっとだけ屑?!②
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これはお互い様なのかもしれない。
彼に随分と甘いかもしれないけれど、とにかく私は彼の行動の一部分には感謝しているのは事実。
そこを無視するのは良くない。
私は上着をずらしてひょっこりと顔を出す。
「でも、助けてくれたのは事実ですから。ありがとうございます」
悪の元凶と助けてもらったことは別だから、もう一度お礼を言っておく。
すると殿下は『変わっているな』と呟いた。
「なにがですか?」
「普通の女性なら、こういう時にはこうなったのは貴方のせいだと責めるものだ」
ガーン……、知らなかった。
憧れの普通には、私はまだまだ近づけていないらしい。学園に通えているからと私は思い上がっていたみたいだ。これではいけない。私は普通になりたいのだ。
「殿下、普通になりたいので、今から責めてもいいですか?」
「……時間切れだ」
悲しいことに、私のお願いは却下されてしまった。でも規律があるなら守らなくてはならない。
「そうですか…。時間が決まっているんですね、知りませんでした。これからは気をつけます」
普通になるのはなかなか難しい。時間とかいろいろと決まりがあるみたいだから、今度レイザとレイリンに教えてもらおう。
――ガラガラッ…。
私を抱いたまま殿下が医務室の扉を開けると、そこにいたのは編入初日にお世話になったダリムだった。
「どうしたんですか、殿下。確か彼女はレイミアさんでしたね。もしかしてまた無理をしてしまいましたか?」
ダリムはそう言いながら、ベットに下ろされた私の脈を診る。
「大丈夫なようですね。顔色もいいですし、今回は吐血もしていないようですね?」
「はい、血も吐いていないし元気です!」
私が元気よく返事をすると、彼は苦笑いしながらケイドリューザ殿下に目をやる。
「これはどういうことですか?殿下」
その質問は当然だった。
病弱とはいえ今は特に問題がない私を、殿下自ら運んできたのだ。側近ならば理由を把握したいだろう。
「彼女は体が弱いみたいだから、少し休んだほうがいいと判断しただけだ」
さらりと嘘をつく殿下。
これは私に配慮してくれているのだろう。
屑王子なんて二度と言いません…。
「そうですか…。まあ、そういうことにしておきましょうか」
「事実だ。含みのある言い方をするな」
ダリムの言葉に殿下の口調が少しだけ変わる。
苛立っている?ではなくこの話題を終わらせようとしているみたいだった。
殿下の口調の変化に気づいているだろうに、ダリムは気にする素振りはない。
一見すると優男風なダリムだが、驚異的に仕事をこなしている人だから、色んな意味で強い人なのかもしれない。
『護衛』兼『医者』兼『側近』兼『友人』兼『お母さん』なんて、本当に凄い。
あれ?なんかひとつ増えている気がする…。
何が増えているのかと、首を傾げて考えてみる。
そんな私を殿下は訝しげに見つめ、ダリムはそんな殿下をニコニコと見守っている。まるで母親のようだ。その様子に違和感はなにもなかった。
うん、気のせいだね。
――何も増えていなかった。
ダリムは殿下に向かって話し続ける。
「私が何年殿下にお仕えしていると思っているのですか?貴方様が幼少の頃より側におりました。殿下が意味もなく女性に親切にすることがないことくらい知っています」
「…チッ…。余計なことを言うな」
ケイドリューザ殿下は小さく舌打ちをしてから、私のほうをちらっと見る。
私は自分が今どんな顔をしているのか鏡を見なくとも想像がつく。これでもかというくらい目を見開き、わかり易く驚いているはずだ。
「ダリムの言った事は聞き流していい」
「殿下もこう言っておりますから。さっきの発言は気にしないでください、レイミアさん」
殿下がそう言うと、苦笑いしながらダリムも主の言葉に従う。
いやいや、聞き流したりしませんとも!
「しっかりとこの耳で聞きましたから、なかったことにはしません!」
グイグイと前のめりになってそう告げる。
殿下の表情は少し固くなり、ダリムはそんな主を見てしまったという表情をしている。
でもこれを聞かなかったことにはする人はいない。
だってあれは問題発言だ。
「ダリムさんって、いったい何歳なんですか?殿下は確か十八歳ですよね。その殿下が幼少の時から仕えていたって…。医者になるには最短でも二十歳過ぎですよね?」
少し離れたところにいる殿下が『なんだ、そっちか…』とほっとしたように呟いている。
なにがそっちかは分からないけれど、今はダリムさんの年齢しか気にならない。
殿下は邪魔ですから、黙っていてください!
「私は四十二歳ですよ。ちなみに二歳になる孫もいます」
「……っ……!!」
なんと、二十代の容姿を保っているダリムさんはもうお祖父ちゃんだった!
…今度ゆっくり長生きの秘訣を聞いておこうと心に誓う。
若さの秘訣は長生きできた後に聞けばいい。
それからせっかく医務室まで来たのだからとお茶まで出してくれた。
数日前に骨折してしまった養護教員の代わりに、この医務室を手伝っているのだという。なんて立派な人なんだろうと感心するが、本業はいいのかと気になる。
「殿下の側にいなくていいのですか?」
「殿下は私より強いので私はお飾りなんです。だから大丈夫です。ですがこれは国家機密なので他言無用でお願いします」
ダリムは話したらこれですよと、親指を使って首を切る仕草をしてくる。
はぅっ!なんでそんなこと聞かせるんですか…。
――バンッ!
お茶が置いてあるテーブルに勢いよく手をつき立ち上がる。
「そんな重すぎる話を小娘にしないで欲しかったです。私は口が軽くはありませんが、弟妹達に話してしまうかもしれません。だってあの子達本当に聞き出し上手なんですよ。ですから責任を取って今すぐ私の記憶を消してください!でも木槌とかだと力加減が難しいと思います。『頭が割れちゃったな、まあいいか自分じゃないしー』は絶対に許しません。なので睡眠療法とか穏便な方法でお願いします!!」
矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。
私の生命がかかっているのだから必死だ。
……死ぬならベッドの上がいい!
「ダリムの冗談だ」
「お飾りは本当ですが、国家機密は嘘ですよ」
えっ、嘘だったの……。
ポカーンとする私を見て笑っている二人。
私は騙されたのだと気づいたけれど、なぜかちっとも腹立たしくない。
このやり取りがまるで友人のようだからだ。
なんだか楽しい…。
可愛い弟妹達との会話は文句なく楽しいし心も満たされる。それとはまた違った感覚だけど、これもいいなと思った。
そして三人でお茶を飲みながら、しばしダリムの孫自慢を聞いていた。
和やかな雰囲気のなか、私はダリムさんの年齢の次に気になっていたことを質問をする。
「そういえば先ほど、ケイドリューザ殿下は女性に親切にすることはないと言っていましたが、どういう意味ですか?」
「ゴホッ、…なっ、なんで今更、」
殿下は飲んでいたお茶にむせながら聞いてくる。
「ただ気になったからです。ダリムさん(の年齢)が一番で、殿下が二番目だったので今聞いています。もしかしてこれは国家秘密ですか?それなら聞きたくありません」
「私が二番……」
私の質問に答えずに、なぜか数字を繰り返す殿下。
念のためもう一度繰り返してあげよう。
「はい、二番です!ダリムさんを超えていません」
「………」
――今度は黙ってしまった。
彼に随分と甘いかもしれないけれど、とにかく私は彼の行動の一部分には感謝しているのは事実。
そこを無視するのは良くない。
私は上着をずらしてひょっこりと顔を出す。
「でも、助けてくれたのは事実ですから。ありがとうございます」
悪の元凶と助けてもらったことは別だから、もう一度お礼を言っておく。
すると殿下は『変わっているな』と呟いた。
「なにがですか?」
「普通の女性なら、こういう時にはこうなったのは貴方のせいだと責めるものだ」
ガーン……、知らなかった。
憧れの普通には、私はまだまだ近づけていないらしい。学園に通えているからと私は思い上がっていたみたいだ。これではいけない。私は普通になりたいのだ。
「殿下、普通になりたいので、今から責めてもいいですか?」
「……時間切れだ」
悲しいことに、私のお願いは却下されてしまった。でも規律があるなら守らなくてはならない。
「そうですか…。時間が決まっているんですね、知りませんでした。これからは気をつけます」
普通になるのはなかなか難しい。時間とかいろいろと決まりがあるみたいだから、今度レイザとレイリンに教えてもらおう。
――ガラガラッ…。
私を抱いたまま殿下が医務室の扉を開けると、そこにいたのは編入初日にお世話になったダリムだった。
「どうしたんですか、殿下。確か彼女はレイミアさんでしたね。もしかしてまた無理をしてしまいましたか?」
ダリムはそう言いながら、ベットに下ろされた私の脈を診る。
「大丈夫なようですね。顔色もいいですし、今回は吐血もしていないようですね?」
「はい、血も吐いていないし元気です!」
私が元気よく返事をすると、彼は苦笑いしながらケイドリューザ殿下に目をやる。
「これはどういうことですか?殿下」
その質問は当然だった。
病弱とはいえ今は特に問題がない私を、殿下自ら運んできたのだ。側近ならば理由を把握したいだろう。
「彼女は体が弱いみたいだから、少し休んだほうがいいと判断しただけだ」
さらりと嘘をつく殿下。
これは私に配慮してくれているのだろう。
屑王子なんて二度と言いません…。
「そうですか…。まあ、そういうことにしておきましょうか」
「事実だ。含みのある言い方をするな」
ダリムの言葉に殿下の口調が少しだけ変わる。
苛立っている?ではなくこの話題を終わらせようとしているみたいだった。
殿下の口調の変化に気づいているだろうに、ダリムは気にする素振りはない。
一見すると優男風なダリムだが、驚異的に仕事をこなしている人だから、色んな意味で強い人なのかもしれない。
『護衛』兼『医者』兼『側近』兼『友人』兼『お母さん』なんて、本当に凄い。
あれ?なんかひとつ増えている気がする…。
何が増えているのかと、首を傾げて考えてみる。
そんな私を殿下は訝しげに見つめ、ダリムはそんな殿下をニコニコと見守っている。まるで母親のようだ。その様子に違和感はなにもなかった。
うん、気のせいだね。
――何も増えていなかった。
ダリムは殿下に向かって話し続ける。
「私が何年殿下にお仕えしていると思っているのですか?貴方様が幼少の頃より側におりました。殿下が意味もなく女性に親切にすることがないことくらい知っています」
「…チッ…。余計なことを言うな」
ケイドリューザ殿下は小さく舌打ちをしてから、私のほうをちらっと見る。
私は自分が今どんな顔をしているのか鏡を見なくとも想像がつく。これでもかというくらい目を見開き、わかり易く驚いているはずだ。
「ダリムの言った事は聞き流していい」
「殿下もこう言っておりますから。さっきの発言は気にしないでください、レイミアさん」
殿下がそう言うと、苦笑いしながらダリムも主の言葉に従う。
いやいや、聞き流したりしませんとも!
「しっかりとこの耳で聞きましたから、なかったことにはしません!」
グイグイと前のめりになってそう告げる。
殿下の表情は少し固くなり、ダリムはそんな主を見てしまったという表情をしている。
でもこれを聞かなかったことにはする人はいない。
だってあれは問題発言だ。
「ダリムさんって、いったい何歳なんですか?殿下は確か十八歳ですよね。その殿下が幼少の時から仕えていたって…。医者になるには最短でも二十歳過ぎですよね?」
少し離れたところにいる殿下が『なんだ、そっちか…』とほっとしたように呟いている。
なにがそっちかは分からないけれど、今はダリムさんの年齢しか気にならない。
殿下は邪魔ですから、黙っていてください!
「私は四十二歳ですよ。ちなみに二歳になる孫もいます」
「……っ……!!」
なんと、二十代の容姿を保っているダリムさんはもうお祖父ちゃんだった!
…今度ゆっくり長生きの秘訣を聞いておこうと心に誓う。
若さの秘訣は長生きできた後に聞けばいい。
それからせっかく医務室まで来たのだからとお茶まで出してくれた。
数日前に骨折してしまった養護教員の代わりに、この医務室を手伝っているのだという。なんて立派な人なんだろうと感心するが、本業はいいのかと気になる。
「殿下の側にいなくていいのですか?」
「殿下は私より強いので私はお飾りなんです。だから大丈夫です。ですがこれは国家機密なので他言無用でお願いします」
ダリムは話したらこれですよと、親指を使って首を切る仕草をしてくる。
はぅっ!なんでそんなこと聞かせるんですか…。
――バンッ!
お茶が置いてあるテーブルに勢いよく手をつき立ち上がる。
「そんな重すぎる話を小娘にしないで欲しかったです。私は口が軽くはありませんが、弟妹達に話してしまうかもしれません。だってあの子達本当に聞き出し上手なんですよ。ですから責任を取って今すぐ私の記憶を消してください!でも木槌とかだと力加減が難しいと思います。『頭が割れちゃったな、まあいいか自分じゃないしー』は絶対に許しません。なので睡眠療法とか穏便な方法でお願いします!!」
矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。
私の生命がかかっているのだから必死だ。
……死ぬならベッドの上がいい!
「ダリムの冗談だ」
「お飾りは本当ですが、国家機密は嘘ですよ」
えっ、嘘だったの……。
ポカーンとする私を見て笑っている二人。
私は騙されたのだと気づいたけれど、なぜかちっとも腹立たしくない。
このやり取りがまるで友人のようだからだ。
なんだか楽しい…。
可愛い弟妹達との会話は文句なく楽しいし心も満たされる。それとはまた違った感覚だけど、これもいいなと思った。
そして三人でお茶を飲みながら、しばしダリムの孫自慢を聞いていた。
和やかな雰囲気のなか、私はダリムさんの年齢の次に気になっていたことを質問をする。
「そういえば先ほど、ケイドリューザ殿下は女性に親切にすることはないと言っていましたが、どういう意味ですか?」
「ゴホッ、…なっ、なんで今更、」
殿下は飲んでいたお茶にむせながら聞いてくる。
「ただ気になったからです。ダリムさん(の年齢)が一番で、殿下が二番目だったので今聞いています。もしかしてこれは国家秘密ですか?それなら聞きたくありません」
「私が二番……」
私の質問に答えずに、なぜか数字を繰り返す殿下。
念のためもう一度繰り返してあげよう。
「はい、二番です!ダリムさんを超えていません」
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