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6.王太子の浮気~ロイド視点~①
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私は幼少の頃より宰相の息女であるマリアンヌと婚約していた。本人同士の意思で婚約したわけではないが、お互い自然と愛し合う仲になり不満などなかった。
それどころかこんな素敵なマリーと結婚出来る幸運を神に感謝さえしていたのだ。
婚約者のマリーに夢中な私は閨教育で一人の女性と経験したことはあるが、それ以外の女性を知ることはなかったし知りたいとも思っていなかった。
私は愛するマリーだけを愛せれば満足だった。
そしてマリーと婚姻を結び、幸せな毎日を過ごしていた。王太子の公務は多岐にわたり重要は判断を迫られる重圧もあるが、隣で支えてくれる王太子妃マリーの存在で頑張ることが出来た。
婚姻によって私はマリーという癒しの女神を手に入れ、心身ともに充実し自信に溢れていた。
ある晩、幼馴染でもある悪友達と酒を酌み交わしお互いの近況などを笑いも交え語り合っていた。
「はぁー、俺も早く良い人と結婚をしたい。ロイドはいいよな、マリアンヌ様と結婚出来て羨ましい」
「ああ、私も世界一幸運な男だと自負している」
私の惚気を聞き、彼らは一斉につまみを投げつけてきて『夜の生活を失敗しろ』などと馬鹿な事を叫んできた。
「くだらないことを言うな。若いのだから夜も順調な事このうえない」
「それはロイド目線だろうが。マリアンヌ様がどうかなんて分らんぞ」
一人がニヤニヤしながらそう言うと、他の者も『そうだ、そうだ』と同調してきた。そして一人が真面目な顔で『夜の真実』とやらを語りだした。
「女性はな、演技するんだぞ。相手が上手くない場合は感じているふりをする、まあ女性の優しさだな。経験が少ない男はそれが分からん。だから妻を生涯満足させることもできない男も多いらしい。ロイドお前大丈夫か」
「………」
私は正直分からなかった、閨教育とマリーしか経験がないので堂々と『勿論大丈夫だ』と言えず固まってしまった。そんな私を見て不味いと思った悪友達は慌ててフォローを入れてきた。
「大丈夫だ。これから経験値を上げていけば分かるようになる。ロイドの相手をしたい女は掃いて捨てるほどいるだろう。マリアンヌ様にバレない様に上手くやれば問題はない。妻を満足させられるようになるし、女遊びは息抜きにもなるから一石二鳥だ。男なんてみんな裏では遊んでいるもんだ」
「そうそう。妻や恋人にバレなければ、していないのと同じ事だ」
私はその場では笑いながら酒を飲んで聞いていたが内心焦っていた。
---もしかして私は満足させていないのか…。聞けない、マリーには絶対!もし聞いて苦笑いでもされたら、きっと立ち直れない。
私はそれまでそんな心配は全くしていなかったが、悪友達の話を聞き急に不安に駆られるようになった。だがこんな恥ずかしことは成人前なら兎も角、成人した今となっては誰にも相談できなかった。だからつい焦って悪友達の助言通りに行動してしまった。
それどころかこんな素敵なマリーと結婚出来る幸運を神に感謝さえしていたのだ。
婚約者のマリーに夢中な私は閨教育で一人の女性と経験したことはあるが、それ以外の女性を知ることはなかったし知りたいとも思っていなかった。
私は愛するマリーだけを愛せれば満足だった。
そしてマリーと婚姻を結び、幸せな毎日を過ごしていた。王太子の公務は多岐にわたり重要は判断を迫られる重圧もあるが、隣で支えてくれる王太子妃マリーの存在で頑張ることが出来た。
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