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閑話~マオの災難~
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最近の俺は学園にも慣れ、可愛い妹にも会い順調な毎日を送っている。
まあ、可愛い俺の天使はよく寝ているので起きて会う時よりも寝顔を見る確率の方が断然に高いのは不満だが、そんな事は些細な事だ。
『天使は起きていても寝ていてもその魅力は同じなのだから♪贅沢は言わん!』
そういえば俺の周りで怪奇現象が起きている。最初は『王都って変な事が起きるのだな』と友人のタロイに笑って話したら、『そんなことは初めて聞いたよ。それって怪奇現象かも…』とビビっていた。
タロイは犬獣人のくせして気が弱いところがあるんだ。『馬鹿だな、そんな訳ないだろ』と笑っていたが、そんな訳あったのだ。
始まりは極彩色の一匹のカエルだった。どこからともなく俺の前に現れ『ゲーコ、ゲーコ』と鳴き続けていた。
翌日は極彩色の二匹のカエルが現れ、やはり俺の前で『ゲーコ、ゲーコ』と鳴いていた。
三日目は三匹となり………。
そして今日は30日目、極彩色の30匹のカエルが俺の目の前で『ゲーコ、ゲーコ』と大合唱している。もう授業どころではなく、教師も級友達もどうしたものかと頭を抱える状況になっている。
みんなでこの状況を分析してみた。
①カエルは毎日一匹づつ増えている
②カエルは俺に向かって鳴いている。
③俺が困ったような表情をしたり困った状況になった時にどこからともなく現れ、それが解消されるといつのまにか消えている。
④カエルは鳴いているので煩いが、害になることはしない。
⑤カエルはただ鳴いているのではなく、合唱をしている。(これはカエルが10匹以上になってから気づいた)
これはまさしく怪奇現象だった、こんな事は普通起こらない。
最初の頃はカエルは排除していたが、すぐに戻ってくるのでそれは解決にならなかった。
みんなで悩んでいるとタロイが解決策を閃いた。
『このカエルは排除できないなら、現れない様にすればいいんだよ。なぜかマオが困っている時に出てくるなら困らなければいいんじゃないかな』
タロイが俺の方を見ながら遠慮がちに『マオ、出来る?』と聞いてくる。
『いやいや、まったく困らない人なんていないだろっ』て言いたかったが、みんなに縋るような目で見られてはそんな事言えなかった。
「任せろ!俺だって竜人だ。これからカエルは一匹たりとも鳴かせない」
言ってしまっていた…。
それからの毎日は必死だった、竜人とはいえ困らないなんて大変なのだ。だがちょっとでも困ってしまうとカエルの大合唱が始まってしまう。
早く原因を突き止め普通の日常を送りたい!
学園ではいつしかカエル達を【エールカエル】と呼ぶようになっていた。俺が困っている時に現れ声援を送っているからと。
『そんないいもんじゃない!』と声を大にして叫びたい。
はぁ~、早くカエルいなくなってくれ…。
******************************
兄がそんな事になっているとは知らず、ララは愛する兄の為に今日も心を込めて『エールのダンス』を踊りだす。
手にはお手製のピンクのポンポンを持って、それレッツダンシング♪
右にポンポン、尻尾フレーフレー、手拍子つけて『マオチャチャチャ』
左にポンポン、尻尾フレーフレー、足をタップで『マオチャチャチャ』
♬ちゅるっちゅ、ちゅちゅちゅー♬
『お兄様、今日も頑張っているかな~。私の声援届いているかな、うふふ』---しっかり届いているゲーコ、ゲーコ。
まあ、可愛い俺の天使はよく寝ているので起きて会う時よりも寝顔を見る確率の方が断然に高いのは不満だが、そんな事は些細な事だ。
『天使は起きていても寝ていてもその魅力は同じなのだから♪贅沢は言わん!』
そういえば俺の周りで怪奇現象が起きている。最初は『王都って変な事が起きるのだな』と友人のタロイに笑って話したら、『そんなことは初めて聞いたよ。それって怪奇現象かも…』とビビっていた。
タロイは犬獣人のくせして気が弱いところがあるんだ。『馬鹿だな、そんな訳ないだろ』と笑っていたが、そんな訳あったのだ。
始まりは極彩色の一匹のカエルだった。どこからともなく俺の前に現れ『ゲーコ、ゲーコ』と鳴き続けていた。
翌日は極彩色の二匹のカエルが現れ、やはり俺の前で『ゲーコ、ゲーコ』と鳴いていた。
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そして今日は30日目、極彩色の30匹のカエルが俺の目の前で『ゲーコ、ゲーコ』と大合唱している。もう授業どころではなく、教師も級友達もどうしたものかと頭を抱える状況になっている。
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①カエルは毎日一匹づつ増えている
②カエルは俺に向かって鳴いている。
③俺が困ったような表情をしたり困った状況になった時にどこからともなく現れ、それが解消されるといつのまにか消えている。
④カエルは鳴いているので煩いが、害になることはしない。
⑤カエルはただ鳴いているのではなく、合唱をしている。(これはカエルが10匹以上になってから気づいた)
これはまさしく怪奇現象だった、こんな事は普通起こらない。
最初の頃はカエルは排除していたが、すぐに戻ってくるのでそれは解決にならなかった。
みんなで悩んでいるとタロイが解決策を閃いた。
『このカエルは排除できないなら、現れない様にすればいいんだよ。なぜかマオが困っている時に出てくるなら困らなければいいんじゃないかな』
タロイが俺の方を見ながら遠慮がちに『マオ、出来る?』と聞いてくる。
『いやいや、まったく困らない人なんていないだろっ』て言いたかったが、みんなに縋るような目で見られてはそんな事言えなかった。
「任せろ!俺だって竜人だ。これからカエルは一匹たりとも鳴かせない」
言ってしまっていた…。
それからの毎日は必死だった、竜人とはいえ困らないなんて大変なのだ。だがちょっとでも困ってしまうとカエルの大合唱が始まってしまう。
早く原因を突き止め普通の日常を送りたい!
学園ではいつしかカエル達を【エールカエル】と呼ぶようになっていた。俺が困っている時に現れ声援を送っているからと。
『そんないいもんじゃない!』と声を大にして叫びたい。
はぁ~、早くカエルいなくなってくれ…。
******************************
兄がそんな事になっているとは知らず、ララは愛する兄の為に今日も心を込めて『エールのダンス』を踊りだす。
手にはお手製のピンクのポンポンを持って、それレッツダンシング♪
右にポンポン、尻尾フレーフレー、手拍子つけて『マオチャチャチャ』
左にポンポン、尻尾フレーフレー、足をタップで『マオチャチャチャ』
♬ちゅるっちゅ、ちゅちゅちゅー♬
『お兄様、今日も頑張っているかな~。私の声援届いているかな、うふふ』---しっかり届いているゲーコ、ゲーコ。
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