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32.土下座で反省

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驚異の回復を遂げたララルーアとにんにんは一緒にララの部屋で朝食を取っている。
ふわふわのパンケーキ、彩り豊かなサラダ、搾りたてオレンジジュース、新鮮フルーツ、ハムステーキ、豪華なメニューがテーブルにずらりと並んでいる。回復したばかりの二人にドウリアが消化の良いお粥を用意しようとしたら、二人に断固反対されたのだ。『もっとお腹にたまるものぷりーず!』と…。

パクパク、モグモグ。
パクパク、モグモグ。

二人は黙って食べることに集中している、誰も取らないのになぜか急いでいる。
『だって隣の子が取るもん!』お互いに警戒しているようだ。
テーブルの上のお皿が全て空になり『ご馳走様でした♪』と満足した顔で挨拶をし、椅子からドテッと飛び降りた。二人はポンポコになったお腹を撫でながら敷物の上にゴロンと転がる。お腹がいっぱいになり動くのが億劫になっているのだ。---ここに中小のゾウアザラシがいます!

そんな二人を見下ろす笑顔の侍女ドウリア。ララとにんにんは嫌な予感しかしなかった。

「ララ様、にんにんちょっといいですか?確かめたい事があります」

笑顔で優しく尋ねているが、ドウリアの目は笑ってなかった。『これはマズイやつだ!』と察した二人は飛び起きて言われてないのに敷物の上で正座をしている。反省のポーズ感が出まくっている。

「昨日、ララ様達の帰宅が遅れているのに確認が遅れたことは申し訳ありませんでした」
「だ、大丈夫よ。そんなのドウリアのせいではないもん」
「いいえ、専属侍女である私のミスです。今後二度とこのような事がない様に気をつけます」
「う、うん。分かった。もう話は終わりでいいかな…」
「ウ、ウキ。ウウキキ…」

ララはなんとかこの話を終わらせようとしている。それは隣のにんにんも同じだった。挙動不審の二人…、何か心当たりがあるらしい。更に笑みを深めるドウリア、もう顔が怖い事になっている。

「いいえ終わりません。これからが本当に大切な話です。ララ様、にんにん、お二人は昨日なぜ庭師小屋にいたのですか?」
「えーと、確か親切な人がいて…。ねぇ、にんにん」
「ウキ?ウキッキキ…」

ララは何も話さないで隣のにんにんに丸投げをした。丸投げされたにんにんもお得意のジェスチャー付き会話をしないで狼狽えている。

「ララ様、にんにん。二人はある令嬢からバナナの隠し場所を知っているから教えてあげるよ言われてついて行きましたか?そして騙されて庭師小屋に閉じ込められたで間違いないですか?」

コクコクコク。首振り人形となった二人は縦に首を振って認めている。暴力的に連れ去らわれたのではなく、食べ物に釣られて尻尾を振りながらついて行ったのだ。
ヒスイ嬢は取り調べでそう供述していたが、助かりたい為に嘘を吐いているのだろうと思われていた。だが噓はなかったようだ。

ドウリアのやるべきことは決まった、笑顔のままおもいっきり息を吸い込んでいく。
スゥーーー。

「この食い意地が張った馬鹿垂れどもが!何考えてる、今時赤ん坊でもそんな嘘に騙されんぞ!朝食をたらふく食べてお腹がでっぷりしてるから丁度いい。昼はお馬鹿のダブル丸焼きじゃーーー!」
「ごめんなさーい!」
「ウッキーイ!」

ガクブル土下座二回目のララは真っ先に土下座をし謝り始めた。それを見た初心者にんにんも慌ててあとに続いた。
この後、正座で説教二時間フルコースを初体験した二人は足が痺れて、悶えてつづけるのであった。

ツンツンツン。ツンツンツン。
『いやー。それやめて~』
『ウキー。ウキキー』
ドウリアから指示された侍女達が代わる代わる痺れた足を触りに来る、お触り祭り開催中♪。


※良い子は決して食べ物に釣られてついて行ってはいけません。
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