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8.王宮到着
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南の辺境地にある城と王都にある王宮とでは何もかもが違う。南の城はこじんまりとしていてザ・我が家という感じだが、王都にある王宮は兎に角大きくて端が見えない、終わりがないようだ。
それに侍女や騎士達の人数が比べ物にならない。南ではみんなの顔と名前が一致していて城全体が大きな家族みたいだったが、王宮は人が多過ぎて覚えるのは至難の業だ。
地味な南の城と煌びやかな王宮。王都に着く前はわくわくしていたララルーアだが、その気持ちが萎んできている。
南ではすれ違う人は何かしら声を掛けてくれた。だが王宮に到着して今いる謁見室に来るまで多くの人とすれ違ったが誰もマオとララに声を掛けてこないのだ。ララルーアはしょんぼりとして元気がない。
「お兄様、王宮ってなんか冷たいのかな?みんな話し掛けてこないよ」
「初対面はそんなもんだよ。ララは可愛すぎるから、すぐに打ち解けるから大丈夫!それに俺はいつでもララの味方だ」
「エヘヘ、そうかなぁ~♪」
単純なララはマオの言葉で元気を取り戻し、照れを隠す為にピンクの尻尾でぴちょんぴちょんとマオの足を軽く叩いている。マオはそんなララが可愛いくて、頭を撫でた流れでおもわずポッコリお腹を撫でてしまったら、ビシッと渾身の一撃がマオの腹を直撃した。
「ウウッ…」
「あらあら、お兄様ごめんなさい。尻尾のコントロール間違えたみたい~」
(レディのポッコリお腹を触ったら、しばくわよお兄様!)
「平気だ。ララの可愛い尻尾だから問題ない…」
(ワザと一択だろうこれは…)
王宮の謁見室で竜王が来るのを待っている間も通常運転のミファン兄妹、彼らは緊張とは無縁なのだろうか。
そんなじゃれ合いをしていると、バーンッと扉が開いて竜王バイザルが笑顔で入って来た。
挨拶をしようと二人が立ち上がると同時にバイザルはいきなり二人に抱きついてくる。
「わぁっ、二人とも色はサイガ譲りだがミアに似ていてイケメンと可愛い美人さんだな。会えるのを本当に心待ちにしていたんだ、私の事はバイザルと呼んでくれ」
息子の件で南の辺境地を出禁になっていたバイザルはやっと二人に会えた喜びで浮かれまくっている。あの『卵』が無事に孵化したのは知っていたが、実際にララルーアを目の前にして色んな感情が沸いているのだ。
「「く、苦しいです。バイザル様…」」
「あ、すまん!つい嬉しくてな…」
バイザルは浮かれ過ぎて、息子と同じ過ちを犯すところであった。---トカタオはバイザル似で間違いない。
マオとララルーアは賢い、『コイツは駄目な大人だ』と正しい判断を瞬時にし、バイザルが腕の力を緩めると同時に安全圏まで離れていった。---危ない人には近づいてはいけませんby母ミア
「改めまして、マオ・ミファンです。今回は妹と一緒にお世話になります」
「ララルーア・ミファンです。バイザル様、色々と手配してくださり有り難うございます」
「挨拶もしっかりして偉いな。ここで困った事があったらなんでも言ってくれ」
バイザルは声のトーンがいつもより甘めで、気分はすっかり親戚のおじさんとなっている。
ニヤッと悪い子の顔を一瞬見せるララ、この時を待っていたのだ。
「ではバイザル様♪お言葉に甘えて一つお願いがあります」
「いいぞ、なんだい?」
「私は王宮では『ララは赤ちゃん作戦』を実行するのでご協力お願いします」
「それはどんな作戦かな?私は何をすればいいのだ?」
「はい、私は王宮では一言も話しません。赤ちゃんだから喋れない設定です!バイザル様はそれに話を合わせてくれればいいです」
「………」
(意味分からん…)
バイザルは黙ったままララの兄であるマオを見るが、マオはすかさず目を逸らした。無関係でいたいらしい。
「それは生まれた時から会話が出来る竜人には無理な設定だ。ララのお願いでも協力は難しいなー」
バイザルはララを傷つけないようにやんわりと断ろうとする、常識のある者の当然の反応だ。
バイザルの言葉を聞いたララはバイザルに背を向けてうつむいてしまう。
『可愛いララを悲しませてしまったな。まだ子供なのだから、ごっこ遊びに付き合うべきだったか』とバイザルが後悔していると、何やら紙の束を両手に抱えてララが勢いよく振り返った。うつむいていたのではなく、後ろに置いてある鞄から荷物を出していたのだ。
「ジャッジャーン!これはなんでしょう?」
「うーん、手紙か?サイガから渡すように頼まれたのか」
「ブッブー、ハズレです!手紙ですが父からではありません。スズおば様からです♪」
『スズ』という名前に反応し、バイザルはララから手紙を受け取ろうと一歩近づき手を伸ばす。
ララルーア、トテトテと三歩下がる。
ググっと二歩近づくバイザルに、またしてもトテトテと六歩下がるララルーア。
この法則は、バイザルの一歩はララルーアの三歩に匹敵するという事だろうか…。
そしてララは近くにあった椅子の上に立ち、可愛い右手を一生懸命高く伸ばしから右手人差し指をビシッと立てて強迫する。
「これはスズおば様から私が貰った手紙です、好きに使うように言われています。バイザル様、この手紙が欲しいなら作戦に協力してください!」
可愛いピンクのちびっこが小悪魔に変身した!
『ほれほれ、どうするんじゃ~われ!』というような悪い顔をして竜王バイザルを脅している。だがバイザルとてタイオン帝国の偉大な竜王だ、こんな陳腐な脅しに屈することなどしない…ことはなかった。速攻で屈した…。
「分かった!協力は惜しまん。スズの手紙をくれ!」
「さすがバイザル様、話が早い!まいどあり~♪」
ララは満面の笑みを浮かべながらトゥッと椅子から飛び降り、バイザルに三歩近づき、スズの手紙の束から一通だけを渡す。
「ララ、他の手紙もくれ」
「駄目ですよ。スズおば様から困った時の切り札として一通ずつ使うように言われてます!その証拠に通し番号もふってありますよ♪」
バイザルは手に入れた大切な手紙を裏返してみると確かに書いてあったスズの直筆で【切り札一号】と…。
強引に手に入れたらスズの怒りを買うことは確実なので諦めるしかない、天国から地獄に落ちていくバイザルであった。
「ピッピー、ピピピイー♪」
作戦実行の協力を取り付けたララは上機嫌で、実地練習を始めている。音程まで変化させたりと念の入れようだ。
項垂れているバイザルの側にマオがそっと近づき『ごめんなさい、諦めてください』と囁いてきた、バイザルは自分の未来が少し分かってしまった…。
可愛いちびっこ竜人は、人を夢中にさせるけど同じくらい振り回すのが得意なのである。
♬ちゅるっちゅ、ちゅちゅちゅー♬
*******************************
---【切り札一号】---
愛しのバイザルへ
これを読んでいるという事は貴方がララルーアに負けたということね。
ねぇ、ララはまだ幼いのに凄いでしょ、可愛いだけでなくとても賢い子なの。
みんなあの子に夢中になるわよ、きっとトカタオもね…。
ララがトカの竜力で無事に成長して全てが上手くいくといいわね。
そんな未来をが来ることを切に祈っているわ。
そうそう、二年前のプリンの恨みまだ忘れていないから。
なんかタイオン帝国中にプリン屋さんをたくさん出店させているみたいだけど、それとこれは別だから!
食べ物の恨みは長引くのよ。
家出三年目のスズより
※王妃スズの家出の理由
スズが運動の後に食べようと大切にとってあったプリンをバイザルが知らずに食べてしまい、それに怒ったスズは家出をしたのである。
『けっ、本当にくだらないな』by息子
それに侍女や騎士達の人数が比べ物にならない。南ではみんなの顔と名前が一致していて城全体が大きな家族みたいだったが、王宮は人が多過ぎて覚えるのは至難の業だ。
地味な南の城と煌びやかな王宮。王都に着く前はわくわくしていたララルーアだが、その気持ちが萎んできている。
南ではすれ違う人は何かしら声を掛けてくれた。だが王宮に到着して今いる謁見室に来るまで多くの人とすれ違ったが誰もマオとララに声を掛けてこないのだ。ララルーアはしょんぼりとして元気がない。
「お兄様、王宮ってなんか冷たいのかな?みんな話し掛けてこないよ」
「初対面はそんなもんだよ。ララは可愛すぎるから、すぐに打ち解けるから大丈夫!それに俺はいつでもララの味方だ」
「エヘヘ、そうかなぁ~♪」
単純なララはマオの言葉で元気を取り戻し、照れを隠す為にピンクの尻尾でぴちょんぴちょんとマオの足を軽く叩いている。マオはそんなララが可愛いくて、頭を撫でた流れでおもわずポッコリお腹を撫でてしまったら、ビシッと渾身の一撃がマオの腹を直撃した。
「ウウッ…」
「あらあら、お兄様ごめんなさい。尻尾のコントロール間違えたみたい~」
(レディのポッコリお腹を触ったら、しばくわよお兄様!)
「平気だ。ララの可愛い尻尾だから問題ない…」
(ワザと一択だろうこれは…)
王宮の謁見室で竜王が来るのを待っている間も通常運転のミファン兄妹、彼らは緊張とは無縁なのだろうか。
そんなじゃれ合いをしていると、バーンッと扉が開いて竜王バイザルが笑顔で入って来た。
挨拶をしようと二人が立ち上がると同時にバイザルはいきなり二人に抱きついてくる。
「わぁっ、二人とも色はサイガ譲りだがミアに似ていてイケメンと可愛い美人さんだな。会えるのを本当に心待ちにしていたんだ、私の事はバイザルと呼んでくれ」
息子の件で南の辺境地を出禁になっていたバイザルはやっと二人に会えた喜びで浮かれまくっている。あの『卵』が無事に孵化したのは知っていたが、実際にララルーアを目の前にして色んな感情が沸いているのだ。
「「く、苦しいです。バイザル様…」」
「あ、すまん!つい嬉しくてな…」
バイザルは浮かれ過ぎて、息子と同じ過ちを犯すところであった。---トカタオはバイザル似で間違いない。
マオとララルーアは賢い、『コイツは駄目な大人だ』と正しい判断を瞬時にし、バイザルが腕の力を緩めると同時に安全圏まで離れていった。---危ない人には近づいてはいけませんby母ミア
「改めまして、マオ・ミファンです。今回は妹と一緒にお世話になります」
「ララルーア・ミファンです。バイザル様、色々と手配してくださり有り難うございます」
「挨拶もしっかりして偉いな。ここで困った事があったらなんでも言ってくれ」
バイザルは声のトーンがいつもより甘めで、気分はすっかり親戚のおじさんとなっている。
ニヤッと悪い子の顔を一瞬見せるララ、この時を待っていたのだ。
「ではバイザル様♪お言葉に甘えて一つお願いがあります」
「いいぞ、なんだい?」
「私は王宮では『ララは赤ちゃん作戦』を実行するのでご協力お願いします」
「それはどんな作戦かな?私は何をすればいいのだ?」
「はい、私は王宮では一言も話しません。赤ちゃんだから喋れない設定です!バイザル様はそれに話を合わせてくれればいいです」
「………」
(意味分からん…)
バイザルは黙ったままララの兄であるマオを見るが、マオはすかさず目を逸らした。無関係でいたいらしい。
「それは生まれた時から会話が出来る竜人には無理な設定だ。ララのお願いでも協力は難しいなー」
バイザルはララを傷つけないようにやんわりと断ろうとする、常識のある者の当然の反応だ。
バイザルの言葉を聞いたララはバイザルに背を向けてうつむいてしまう。
『可愛いララを悲しませてしまったな。まだ子供なのだから、ごっこ遊びに付き合うべきだったか』とバイザルが後悔していると、何やら紙の束を両手に抱えてララが勢いよく振り返った。うつむいていたのではなく、後ろに置いてある鞄から荷物を出していたのだ。
「ジャッジャーン!これはなんでしょう?」
「うーん、手紙か?サイガから渡すように頼まれたのか」
「ブッブー、ハズレです!手紙ですが父からではありません。スズおば様からです♪」
『スズ』という名前に反応し、バイザルはララから手紙を受け取ろうと一歩近づき手を伸ばす。
ララルーア、トテトテと三歩下がる。
ググっと二歩近づくバイザルに、またしてもトテトテと六歩下がるララルーア。
この法則は、バイザルの一歩はララルーアの三歩に匹敵するという事だろうか…。
そしてララは近くにあった椅子の上に立ち、可愛い右手を一生懸命高く伸ばしから右手人差し指をビシッと立てて強迫する。
「これはスズおば様から私が貰った手紙です、好きに使うように言われています。バイザル様、この手紙が欲しいなら作戦に協力してください!」
可愛いピンクのちびっこが小悪魔に変身した!
『ほれほれ、どうするんじゃ~われ!』というような悪い顔をして竜王バイザルを脅している。だがバイザルとてタイオン帝国の偉大な竜王だ、こんな陳腐な脅しに屈することなどしない…ことはなかった。速攻で屈した…。
「分かった!協力は惜しまん。スズの手紙をくれ!」
「さすがバイザル様、話が早い!まいどあり~♪」
ララは満面の笑みを浮かべながらトゥッと椅子から飛び降り、バイザルに三歩近づき、スズの手紙の束から一通だけを渡す。
「ララ、他の手紙もくれ」
「駄目ですよ。スズおば様から困った時の切り札として一通ずつ使うように言われてます!その証拠に通し番号もふってありますよ♪」
バイザルは手に入れた大切な手紙を裏返してみると確かに書いてあったスズの直筆で【切り札一号】と…。
強引に手に入れたらスズの怒りを買うことは確実なので諦めるしかない、天国から地獄に落ちていくバイザルであった。
「ピッピー、ピピピイー♪」
作戦実行の協力を取り付けたララは上機嫌で、実地練習を始めている。音程まで変化させたりと念の入れようだ。
項垂れているバイザルの側にマオがそっと近づき『ごめんなさい、諦めてください』と囁いてきた、バイザルは自分の未来が少し分かってしまった…。
可愛いちびっこ竜人は、人を夢中にさせるけど同じくらい振り回すのが得意なのである。
♬ちゅるっちゅ、ちゅちゅちゅー♬
*******************************
---【切り札一号】---
愛しのバイザルへ
これを読んでいるという事は貴方がララルーアに負けたということね。
ねぇ、ララはまだ幼いのに凄いでしょ、可愛いだけでなくとても賢い子なの。
みんなあの子に夢中になるわよ、きっとトカタオもね…。
ララがトカの竜力で無事に成長して全てが上手くいくといいわね。
そんな未来をが来ることを切に祈っているわ。
そうそう、二年前のプリンの恨みまだ忘れていないから。
なんかタイオン帝国中にプリン屋さんをたくさん出店させているみたいだけど、それとこれは別だから!
食べ物の恨みは長引くのよ。
家出三年目のスズより
※王妃スズの家出の理由
スズが運動の後に食べようと大切にとってあったプリンをバイザルが知らずに食べてしまい、それに怒ったスズは家出をしたのである。
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