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7.お部屋改造
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ドンドン、バリバリ、ギーコ、ギーコ。
『おらおら、お前達グズグズするな!バシッとやれ、バシッと』
ゴッゴッゴ、ギーコ、ギーコ。
今日はなんか変な夢をみている。職人達が急ピッチで作業する夢などみるのは初めてだ。親方らしい者の言葉遣いもリアルで、床から振動まで伝わってくるなんて本物みたいだ。
…振動?夢で振動ってありか、いやないな。
ガバッ!と、掛布団をまくってトカタオはベットから起き上がる。いつもは寝起きが悪くてなかなか起きられないが、今朝は一瞬で目が覚めた。
それもそのはず、近くのどこかで早朝から工事をしていたら誰だって眠れない。
事前に工事の報告は一切来ていない、そもそも王子が寝ている部屋の近くでやる事か?普通は時間帯など配慮するべきだろう。
只今午前5時、日が昇っている時間帯だが工事作業をする時間ではない。
『いったいどこの馬鹿が許可を出したのだ』と頭を抱えて、侍女を呼びつけた。
「この音はなんだ。誰が許可を出した?」
「申し訳ございません。私では分からないので、上の者に確認して参ります」
控えの侍女も何も知らなかった。慌てて聞きに行った事を考えると、この工事は急な案件だったのかもしれない。
コン、コン。ノックの音がして王族専用棟の侍女頭が入って来た。
「トカタオ様、朝から煩くして申し訳ございません」
「いや大丈夫だ。だがこれはなんの工事だ。許可を出した馬鹿は誰だ?」
「これは、隣の部屋の改造工事でございます。竜王様のご命令で早朝から職人達が作業に当たっております」
俺の部屋の隣だと?それは、トカタオの私室と中扉で繋がっている将来の伴侶の為の部屋であった。
『番』を失ったトカタオが自ら封印していた部屋でもある。
(あの馬鹿親父め!何やってくれてんだ)
侍女頭の話を聞き、トカタオは寝間着のまま隣の部屋に通じる中扉を勢いよく開いた。
そこは別世界が広がっていた。
何人もの職人達がワラワラと出入りをしながら、複数の作業を同時進行で進めている。
壁紙は薄いピンク色の花柄模様になり、窓にはフリフリのレースのカーテンが付けられている。
天蓋付きのベットは子供用なのだろう、かなり小さいサイズだ。
だが一番の変化は水槽であった。
隣の部屋のそのまた隣の部屋をぶち抜いて、大きな水槽が設置されている。すでに半分ほど水が溜まっていて、まるでプールのようだ。
(訳が分からん、何なんだこの部屋は!)
朝早くから起こされ、隣の部屋の勝手な改造とくれば、この状況で冷静でいられる者などいないだろう。トカタオも怒りMaxで、父であるバイザルの私室へと走っていく。
タッタッタッタ、タッタッタッタ。
普段優秀な王子をやっているトカタオが寝間着のまま全力で王宮を走っている姿など臣下達は初めて見た、みなびっくりして目が点になっている。
ゴッキ、ババン!
トカタオの華麗なキックを受けた竜王の私室の扉は真っ二つに壊れ、大きな音を立てて倒れてしまった。そして、父がいる寝室へとズカズカと入っていく。
そこにはすでに起きているバイザルの姿があり、すでに仕事を始めているのか椅子に座って熱心に書類を読んでいた。
「クソ父上、おはようございます」
「丁寧なんだかよくわからん言い方だな。トカ、おはよう。今日は一段と元気だな♪」
トカタオの怒りを肌で感じ取っているくせに、バイザルの機嫌がやたらといい。王妃スズが家出中の為、ここ二年は不機嫌が続いていたのに。
「隣の部屋の改造はどういう事だ馬鹿父上、ああん!」
「あれは、お前が楽しく『お世話係』を出来る様に改造している」
「確かに『お世話係』は引き受けたが、なぜ隣のそれもあの部屋なんだって言ってるんだ!」
「あの子は弱いから守らなくてはいけない。何かあった時お前がすぐに対処出来るように隣の空いてる部屋を改造している、問題あるか?」
問題は大ありだ。トカタオの『番』は亡くなったのであの部屋の未来の主はもういないが、そういう問題じゃない。
だが『番』の件を口に出すと心が今でも苦しくなるので言いたくはなかった。
「前に進め、トカ」
「何言ってるんだ、父上…」
「俺はお前に未来を見て欲しくて、今回のお世話係を任せた。あの部屋の改造もそうだ。お前には幸せになって欲しい。過去はどうにもならん、だが未来は努力次第で変わるぞ」
「………」
父バイザルには分かっていたのだ。『番』を失ったが優秀な王子は周囲からは立ち直ったように見えていたが、本当はそうではないの事を。優秀な王子を演じているだけで、未来を見ていないと。
父の言葉が胸に沁みて、トカタオは泣きたい気持ちになる。
感謝の言葉を口にしようと父を見ると、何かが引っ掛かった。竜人の第六感がトカタオに待てといっている。
ふと、父が大事そうに持っている書類が気になりだした。
怪しいのはこれに違いない。
油断している父の手から素早く書類を奪い取り、さっと読んでみる。それは家出中の母スズからの手紙であった。
【愛しのバイザルへ
ララルーアが王宮に滞在中はしっかりお世話をお願いね。ララに何かあったら絶対に許しません。それに可愛い部屋の準備もお願い、広い水槽が入る日当たりの良い部屋がいいわ。そうね、トカタオの隣の部屋がぴったりだわ♪広さも日当たりもいいし、何より最高のボディーガードが隣なら安心よ。
ちゃんとやってくれたら、近いうちに帰るかも♪
家出三年目のスズより♡】
トカタオは手紙を握り潰して、あたふたするバイザルを睨みつけた。
「お、落ち着け、トカ。話せば分かる、これは偶然が重なっただけだ!部屋を改造してたら偶々手紙が来たんだ…」
バイザルは苦しい言い訳をもごもごと話しているが、そんな言い訳は通らないのが世の中だ。
あの感動の話は何だったんだ…。
バイザルは『番』スズのお願いに応え、帰ってきてもらおうとせっせと動いていたのだ。
息子への愛はどこにあった?ない、ないだろう!これは『番』への愛の行動だ…。
(クソ馬鹿父上の言葉を一瞬でも真に受けた俺が愚かだった…)
ボッカ!!
「馬鹿親父がーーー!地獄に落ちろー!」
トカタオの叫びと共にバイザルが遠くへ飛んで行く。
ピューン、ドッサ!
竜人の本気パンチは漫画のように見事である。
******************************
---数日前---
「お母様、スズおば様に頼んでいた手紙きたー?」
「ええ、今朝届いたわ。ララが頼んでいた事をちゃんと書いてくれているわよ」
「さすがスズおば様、仕事が速いし、家出中♪」---家出は関係ないどころか問題行動だ。
「ではこれをバイザル様に送ればいいのね?」
「はい、お願いします。これで素敵な部屋が手に入る~♪」
「でもなぜ、直接バイザル様にお願いしなかったの?」
「竜人は『番』のお願いに弱いもん。私が頼むよりきっと数倍可愛い部屋が出来るわ♪切り札は上手く使わなくっちゃ!」
♬ちゅるっちゅ、ちゅちゅちゅー♬
今日のララルーアは踊っていない。しかし数日後には呪い以上のダメージをトカタオに与えるのである。
【ホラー調で】
今どこにいるの?
すぐ近くにいるよ…。
可愛い天使ララルーアはもうそこまで来ているよ…。
『おらおら、お前達グズグズするな!バシッとやれ、バシッと』
ゴッゴッゴ、ギーコ、ギーコ。
今日はなんか変な夢をみている。職人達が急ピッチで作業する夢などみるのは初めてだ。親方らしい者の言葉遣いもリアルで、床から振動まで伝わってくるなんて本物みたいだ。
…振動?夢で振動ってありか、いやないな。
ガバッ!と、掛布団をまくってトカタオはベットから起き上がる。いつもは寝起きが悪くてなかなか起きられないが、今朝は一瞬で目が覚めた。
それもそのはず、近くのどこかで早朝から工事をしていたら誰だって眠れない。
事前に工事の報告は一切来ていない、そもそも王子が寝ている部屋の近くでやる事か?普通は時間帯など配慮するべきだろう。
只今午前5時、日が昇っている時間帯だが工事作業をする時間ではない。
『いったいどこの馬鹿が許可を出したのだ』と頭を抱えて、侍女を呼びつけた。
「この音はなんだ。誰が許可を出した?」
「申し訳ございません。私では分からないので、上の者に確認して参ります」
控えの侍女も何も知らなかった。慌てて聞きに行った事を考えると、この工事は急な案件だったのかもしれない。
コン、コン。ノックの音がして王族専用棟の侍女頭が入って来た。
「トカタオ様、朝から煩くして申し訳ございません」
「いや大丈夫だ。だがこれはなんの工事だ。許可を出した馬鹿は誰だ?」
「これは、隣の部屋の改造工事でございます。竜王様のご命令で早朝から職人達が作業に当たっております」
俺の部屋の隣だと?それは、トカタオの私室と中扉で繋がっている将来の伴侶の為の部屋であった。
『番』を失ったトカタオが自ら封印していた部屋でもある。
(あの馬鹿親父め!何やってくれてんだ)
侍女頭の話を聞き、トカタオは寝間着のまま隣の部屋に通じる中扉を勢いよく開いた。
そこは別世界が広がっていた。
何人もの職人達がワラワラと出入りをしながら、複数の作業を同時進行で進めている。
壁紙は薄いピンク色の花柄模様になり、窓にはフリフリのレースのカーテンが付けられている。
天蓋付きのベットは子供用なのだろう、かなり小さいサイズだ。
だが一番の変化は水槽であった。
隣の部屋のそのまた隣の部屋をぶち抜いて、大きな水槽が設置されている。すでに半分ほど水が溜まっていて、まるでプールのようだ。
(訳が分からん、何なんだこの部屋は!)
朝早くから起こされ、隣の部屋の勝手な改造とくれば、この状況で冷静でいられる者などいないだろう。トカタオも怒りMaxで、父であるバイザルの私室へと走っていく。
タッタッタッタ、タッタッタッタ。
普段優秀な王子をやっているトカタオが寝間着のまま全力で王宮を走っている姿など臣下達は初めて見た、みなびっくりして目が点になっている。
ゴッキ、ババン!
トカタオの華麗なキックを受けた竜王の私室の扉は真っ二つに壊れ、大きな音を立てて倒れてしまった。そして、父がいる寝室へとズカズカと入っていく。
そこにはすでに起きているバイザルの姿があり、すでに仕事を始めているのか椅子に座って熱心に書類を読んでいた。
「クソ父上、おはようございます」
「丁寧なんだかよくわからん言い方だな。トカ、おはよう。今日は一段と元気だな♪」
トカタオの怒りを肌で感じ取っているくせに、バイザルの機嫌がやたらといい。王妃スズが家出中の為、ここ二年は不機嫌が続いていたのに。
「隣の部屋の改造はどういう事だ馬鹿父上、ああん!」
「あれは、お前が楽しく『お世話係』を出来る様に改造している」
「確かに『お世話係』は引き受けたが、なぜ隣のそれもあの部屋なんだって言ってるんだ!」
「あの子は弱いから守らなくてはいけない。何かあった時お前がすぐに対処出来るように隣の空いてる部屋を改造している、問題あるか?」
問題は大ありだ。トカタオの『番』は亡くなったのであの部屋の未来の主はもういないが、そういう問題じゃない。
だが『番』の件を口に出すと心が今でも苦しくなるので言いたくはなかった。
「前に進め、トカ」
「何言ってるんだ、父上…」
「俺はお前に未来を見て欲しくて、今回のお世話係を任せた。あの部屋の改造もそうだ。お前には幸せになって欲しい。過去はどうにもならん、だが未来は努力次第で変わるぞ」
「………」
父バイザルには分かっていたのだ。『番』を失ったが優秀な王子は周囲からは立ち直ったように見えていたが、本当はそうではないの事を。優秀な王子を演じているだけで、未来を見ていないと。
父の言葉が胸に沁みて、トカタオは泣きたい気持ちになる。
感謝の言葉を口にしようと父を見ると、何かが引っ掛かった。竜人の第六感がトカタオに待てといっている。
ふと、父が大事そうに持っている書類が気になりだした。
怪しいのはこれに違いない。
油断している父の手から素早く書類を奪い取り、さっと読んでみる。それは家出中の母スズからの手紙であった。
【愛しのバイザルへ
ララルーアが王宮に滞在中はしっかりお世話をお願いね。ララに何かあったら絶対に許しません。それに可愛い部屋の準備もお願い、広い水槽が入る日当たりの良い部屋がいいわ。そうね、トカタオの隣の部屋がぴったりだわ♪広さも日当たりもいいし、何より最高のボディーガードが隣なら安心よ。
ちゃんとやってくれたら、近いうちに帰るかも♪
家出三年目のスズより♡】
トカタオは手紙を握り潰して、あたふたするバイザルを睨みつけた。
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バイザルは苦しい言い訳をもごもごと話しているが、そんな言い訳は通らないのが世の中だ。
あの感動の話は何だったんだ…。
バイザルは『番』スズのお願いに応え、帰ってきてもらおうとせっせと動いていたのだ。
息子への愛はどこにあった?ない、ないだろう!これは『番』への愛の行動だ…。
(クソ馬鹿父上の言葉を一瞬でも真に受けた俺が愚かだった…)
ボッカ!!
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トカタオの叫びと共にバイザルが遠くへ飛んで行く。
ピューン、ドッサ!
竜人の本気パンチは漫画のように見事である。
******************************
---数日前---
「お母様、スズおば様に頼んでいた手紙きたー?」
「ええ、今朝届いたわ。ララが頼んでいた事をちゃんと書いてくれているわよ」
「さすがスズおば様、仕事が速いし、家出中♪」---家出は関係ないどころか問題行動だ。
「ではこれをバイザル様に送ればいいのね?」
「はい、お願いします。これで素敵な部屋が手に入る~♪」
「でもなぜ、直接バイザル様にお願いしなかったの?」
「竜人は『番』のお願いに弱いもん。私が頼むよりきっと数倍可愛い部屋が出来るわ♪切り札は上手く使わなくっちゃ!」
♬ちゅるっちゅ、ちゅちゅちゅー♬
今日のララルーアは踊っていない。しかし数日後には呪い以上のダメージをトカタオに与えるのである。
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