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番外編
夫婦というもの③
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「…………悪いな。父は、レオノアを構いたくて仕方ないのだ」
「いえ。お気持ちはよく理解できます」
エドワードの言葉に短く返す。王が退席したのちの、審議の間でのことだ。
「第三騎士団のことも。本来ならば、フィルに受け持たせたいところだったが」
「承知しております。セルブールの状況を見れば当然のこと。どうぞお気になさらずに」
山手の都市であるセルブールで、大規模な災害が起こったことは記憶に新しい。長雨により広範囲で山が崩れ、町が土に飲まれたのだ。死者は出なかったが怪我人が多く、王都の治癒師は皆被災地に向かっていた。護衛を兼ねてそれに同行していたのが、第三騎士団の団長であるフラナガンと、副団長のハリソンだ。まさかその戻りで馬車ごと崖から落ちるとは、誰も予想していなかった。
「セルブールを思えば、二人が治癒師による治療を拒むのも分かるがな」
「はい。もし私が彼らでも、同じことを言うでしょう」
元帥であるシルヴェスターの言葉にウィルソン将軍が応じる。第二騎士団団長のフィリップは今朝、王族としての立場で被災地に赴いていた。
リングオーサでは大規模な自然災害が発生した場合、その地の領主が復興の方針を全面的に決定する権限を持つ。それは、緊急度の高い救助や援助を、最も効率よく配分することができるという判断からだ。救助および支援・復興に関する費用は領主からだけではなく国庫からも支出し、要請により王国軍から人を出すことになっている。今回、セルブールを治めるロウゼン侯爵は、人手は領内で充足しているとして資金援助のみを求めてきた。
領民が復興に携われば日当を出し、必要な資材も領内で賄う。その原資を国庫から支出することに何ら問題はない。だが、国からの援助を受けて、それが領内で正しく使われるかどうかの検証は必要だ。特に今回は人的資源の要請がなかっただけに、被害状況を直接確認し、国からの援助内容が適正か否かを見極める役目をフィリップは担っていた。
「ロウゼン侯爵は領地運営も手堅い。できるだけ国の支援を受けずに自力で復興したいとの思いでしょう」
「ああ。ただ、国民が被災した以上、被災者が正しく支援を受けられるよう統制を効かせることが肝要だ。その点、軍人の目を持ち権限のあるフィリップ殿下なら、国としての慰問を兼ねて人的資源の投入有無を確認することができる。まさに余人に代えがたい役目をしていただいているということだ」
シルヴェスターの言を聞き、ウィリアムは内心ため息をつく思いだった。
王国軍は領土と国民、騎士団は王都と王族を主に守護する役割をもつ。唯一の例外は第一騎士団で、遊軍として戦略的な自由を与られていた。ともあれ軍にせよ団にせよ、武で国と国民を守る使命を帯びていることに違いはない。武力を磨き鍛えるのは日々の業務だ。しかし、リングオーサが他国侵略を是としていないこともあり、その武力を思うさま実践的に発揮できる場面は意外と少ない。王国軍と騎士団が隔年で大規模な演習を行うことになったきっかけは、地道な鍛錬の繰り返しだけで意欲が低下することを避け、また自らの実力を客観的に判定できる機会を与えるためだった。
ちょうど今年は騎士団が演習を行う年になっている。実質、各団の実力争いの様相を呈しており、第三を除く四騎士団が、純粋な剣技と体術だけで競う貴重な機会だった。団員同士でも演習を控え、既にさや当てが行われるほどの力の入りようだ。特に今年は第五騎士団が勢いづいているという。
「第二騎士団のフィリップ殿下は被災地を見舞い、第四騎士団のギャロウェイは二月前に団長に就任したばかり。そして第五騎士団のマッコーデルは……」
ちらり、とシルヴェスターがこちらを見た。
「まず無理だろう。無論、勅命とあれば従うだろうが、あれだけの魔力嫌いに子ども嫌いでは、とても第三の面倒は見られまい。……ということだ。第一騎士団長」
どこか面白がっているように見えるのは、ウィリアムの気のせいではないはずだ。
「それにしても、なぜブライアンはああまで頑なに魔力を否定するのでしょう。事実、第三騎士団のグレンダは弱いながらも風を使えるようですし、マッコーデル家で魔力持ちが全く存在しないとは考えられないのですが」
「ああ、ウィルソンは知らなかったか。マッコーデル公爵夫人が亡くなった原因が、アロファで子どもが暴走させた魔力に巻き込まれたことにあるからだ」
「そのような痛ましいことが……!」
「アロファは昔から保養地として名高いところだが、今と違ってあまりタチの良くない歓楽街が栄えていた。そこにたむろしていた連中が、子どもを使い保養客から金を巻き上げようとしていたところを、スザンヌ夫人が助けようとして、ということらしい」
「そうですか……。全く知りませんでした」
「ウィルソンはちょうどその頃は留学していたのではなかったか。……それをきっかけに子どもを食い物にする連中を摘発し、国内の治安は一気に良くなったのだが……犠牲は大きかった。亡くなってもう十八……いや、二十年近いのではないかな。早いものだ」
スザンヌというのはブライアンとグレンダの母親のことだ。当主のリチャードは妻を失って以来、要職を全て辞し領地運営だけを行ってきた。それを歯がゆく思っているブライアンは、血筋にかかわらず実力があれば高い地位につけることを躊躇わないカールに対して鬱屈した思いを抱いているようだ。リチャードの後任として国務大臣の職に就いたのが、先代に爵位を得たばかりのドレイク男爵だったことも悪かったのかもしれない。
まだ話は長引きそうだ。ウィリアムは立ち上がり、エドワードに一礼した。
「失礼ながら、仕事に戻ってもよろしいでしょうか」
「いいだろう。私からも頼む。良く励んでくれ」
軽く頷きながら許可したエドワードアだったが、ウィリアムが一礼し立ち去ろうとしたところで、やや躊躇いのにじむ声で引き止めた。
「父の言っていたことだが、レオノアが望んだら、でいいのだ。短い期間でも……。ウィリアム、お前が兼務で忙しい間、妹が寂しくないように」
「…………妻に確認をしてみましょう。ただし、お約束はいたしかねます」
あからさまにホッとした顔で「もちろんだとも」と答えるエドワードに、チクチクと嫉妬が胸を刺す。互いに兄と妹、夫と妻という立場を揺るがすつもりは微塵もない。だが、熾火のように燻っている思いを簡単に受容できるほど、ウィリアムの心は広くなかった。
二人が結婚してから早三か月。意外なことにレオノアはまだ一度も王城に顔を出していない。時折フィリップがガルバートスクエアを訪れているようだが、多忙を極める王と王妃、そして王太子とは、婚儀以来会っていないことになる。審議の間を退出する王がウィリアムに向かい懇願したのは、二、三日でも城に滞在するようレオノアを説得してくれということだった。
「…………元帥閣下」
「うむ、どうした」
ウィリアムはあることに気付き、敢えて人前で問いかけてみる。
「フラナガン団長とハリソン副団長の事故の報は、いつ王都に届いたのでしょうか」
「昨日の昼前だな。それがどうした」
やはりそうか。では、昨日の段階でウィリアムに第三騎士団長を兼務させることは決まっていたのだ。それにより、ウィリアムが猛烈に忙しくなり、レオノアと過ごす時間が減るどころか、自宅に戻ることすら難しくなることまで予想していただろう。知っていながら一言も明かさず、知らぬふりで過ごしていた。
「…………いえ。失礼いたします」
常日頃から王と直接会話しているシルヴェスターだ。ましてや婚儀以来、用もないのに呼び出され、レオノアの様子を尋ねられるとぼやいていた。今日ここで会えば、レオノアを一度城へ戻すよう言われることも分かっていたに違いない。このクソ親父め。ウィリアムは心の中で毒づきながら頭を下げた。
「ベイカーはどうだ。実力としては十分だと思うが」
「もうしばらく待ったほうがいいかと」
「その根拠は何だ」
「力が安定しておりません。キングズレー団長が来られてからは一定の力を発揮できているようですが、しばらく前までは全くだめでした。むしろウォルターズの方が」
「そうなのか?」
「はい。何といっても真面目で、剣術の腕もめきめき上がっています。先日いただいたキングズレー団長からの檄でやる気も出ているようですし」
「それはいいことだ。だが、どちらにせよ十六になってからだな」
「……やはり、最低でも十六歳に達していなければ、叙任を願い出ることは叶わないのでしょうか」
第三騎士団長に与えられた執務室で、ウィリアムはグレンダ・マッコーデルと向かい合って座っていた。
ウィリアムが第三騎士団長の職を兼務するようになって一週間が経った。不安げに見上げてくるグレンダを見ながら、この部屋に初めて足を踏み入れた時の衝撃を思い出す。魔窟。瘴気を発しているのではと疑いたくなるほどの散らかりぶりに、普段は冷静なウィリアムが思わず絶句した。
『まっ、誠に申し訳ございません!フラナガン団長とハリソン副団長のお二人とも、整理整頓が少し苦手で……」
少し?これが?
自覚なく潔癖で片付け魔のウィリアムからすると、部屋の空気を吸うことすら耐えられないほどの乱雑さだ。事実、扉を開けたことで起こった空気の流れに乗って、フヨフヨと綿埃が宙を舞っている。思わず手で鼻から口までを覆った。
『必要な書類はどうやって見つけているのだ』
『は、はい。お二人とも、どの辺りに何が置いてあるのかを把握されているようで、指示していただいて探すようにして』
『指示?探すだと?ではお前がここから必要なものを引っ張り出しているのか、本人ではなく』
『も、もうしわけございませんっ!』
もはやお前呼ばわりされていることにも気づかず、グレンダは勢いよく頭を下げた。
ウィリアムが真っ先に行ったのは、治療中の第三騎士団長あてに手紙を書くことだった。そこには自分が団長を兼務することになったことと、必要な書類を確認するために執務室の整理をすることの許可を求める言葉がしたためてあった。返事はたちまち届く。第三の執務室をどのように変えていただいても結構と書かれていた。冗談のように「ついでに大掃除をしていただけるとありがたい」とも。
笑えない冗談を本気にする勢いで、ウィリアムは部屋の片づけに着手する。結局、昼は第一の仕事に併せ第三で見習い騎士の指導を行い、それが終わった後に片付けをすることになった。
第三は騎士の育成を受け持つ団だとはいえ、あからさまに第一の団員を引き入れることはできない。ウィリアムがこの機に乗じて幅を利かせようとしていると思われるのは面倒だし、ただでさえ演習を控えて皆が忙しい時期なのだ。結局、毎晩ウィリアム、オスカー、グレンダの三人がかりで取り組み、ようやくここまで片付けることができたのだった。
「今更なんだ。分かっていたことだろう。叙任を受けることができる年齢は最低でも十六歳だと」
「はい。分かっております……」
「言え」
「はっ?」
「なぜ早く叙任させたいのだ。話してみろ」
「…………ウォルターズに母はいません。父親は病気がちで、仕事にもなかなか……。騎士団で過ごしたあと、ウォルターズは家計を支えるために毎晩働いています。だから、一日も早く騎士になれたらと」
「訓練の時に、母親から落ち着きがないと言われる、と言っていたのは……」
「去年亡くなった母親からの言葉でしょう。口では色々言っていましたが、ウォルターズが叙任されることを楽しみにしていました」
俯くグレンダを見る。両手は膝の上でぎゅっと握られていた。
「間違えるな」
「……え?」
「騎士の役割は何だ」
「……王都と、王族を守護することです」
「そうだ。そこを見誤ると本質を見失う。今のウォルターズに、王都と王族を守ることができるのか」
「……っ!」
「気の毒だのかわいそうだの、安い感情に振り回されるな」
「………………もうしわけ、」
「お前は知らないのか。王国軍の士官学校に通う者に向けた奨学金があるだろう。第三は実質、学生として学んでいる立場だ。申請できないはずはない」
「そっ……!え?そうなのですか?」
「ああ。ここに来る前に担当者へ確認しておいた。必要書類はここに書いてある。騎士として叙任され、一定期間勤め上げれば返済は免除される。だから安心して奨学金を受け、鍛錬に集中するようウォルターズに伝えるんだな」
「あっ、ありがとうございます……!本当に、本当に何とお礼を申し上げればよいか……!」
瞳を潤ませ、頬を紅潮させてウィリアムを見つめてくる。母を亡くし、日々の生活に苦労するウォルターズを自分と重ねていたのだろうか。
フラナガン団長の顔を思い起こした。初老の、どこか人を喰ったような態度の憎めない御仁だ。あれで魔力はなかなかのもので、将軍からの信も厚い。心の隙間にするりと入り込む上手さは、ウィリアムも数度盃を交わす中で気づいていた。
第三には、両親が揃っていないものや、困窮の中でやりくりしながら鍛錬するものなど、訳ありの見習い団員が何人もいる。フラナガンの、あの飄々とした態度が、憐れまれるのを嫌う見習いたちを信頼させ、まとめあげているのかもしれない。このグレンダのように。
グレンダ・マッコーデル。公爵家の令嬢でありながら騎士として第三騎士団に所属し、自分の母の死の原因を作った、平民の魔力持ちを導いている。……生まれからは想像もつかないことを必死でやっているのは、レオノアと同じだ。ふとそう思い、どこか優しい気持ちになった。
「…………!キングズレー団長、その……」
「どうした」
「はっ、あ、あの、そのようなお顔を拝見するのが初めてで……」
「顔?」
「は、い。優しく、微笑んでおられました」
思わず目を逸らした。
どんなときでも、ひょっこりと現れるレオノアの姿。たとえ側に居なくても、ウィリアムの身体中をレオノアへの思いが満たしている。
「…………まいったな」
頭をかきながら照れたように言うと、グレンダもつられたように微笑んだ。時計を見ればもう三時だ。一度休憩しようと言いかけた時、扉が予告なく開かれた。
「あーいたいた!やっぱりここでしたか。演習場かどっちか迷ったんですよね」
「何だ。何かあったのか」
「何かじゃありませんよ~。もうね、仕事が忙しすぎてお疲れの団長に、ビックリするようなプレゼント持ってきましたから。ほら、ジャーン!」
あ、でも、と小さく抵抗しながら前に出たのは、柔らかそうな青いドレスを纏ったレオノアだった。
「レオニー!」
慌てて立ち上がる。このところ、眠る姿しか目にしていなかった。キスして抱きしめるひと時を毎晩ほんの数時間だけ過ごして、また仕事に戻る。そんな日々を送っていて、目を開けたレオノアを見るのが久しぶりだということに今更気づく。
「どうしたの?何かあった?」
「お仕事の邪魔しちゃってごめんなさい。いつも忙しいみたいだから心配になって」
「邪魔だなんて!ありがとう。本当に嬉しいよ」
大股で近づき、たちまち両腕で抱きしめた。額と両頬に口づけ、また抱きしめて今度はつむじにもキスをした。
「ああ、夢みたいだ……」
「夢だなんて。大げさだわ」
「本当だよ。レオニーが居てくれると、何でもやれそうな気がしてくる」
ふふっ。嬉しそうに笑うレオノアの唇へ口づけようとしたとき、オスカーが大声で叫んだ。
「だーっ!ちょっと団長やめてくださいよこんなところで!やる気を出すのはいいですが、サカるのはナシですっ!」
「あっ、ごめんなさい!」
「レオニーが謝ることはないよ。そうだ。第一の執務室に行こう。ちょうど休憩しようと思っていたんだ」
「でも………」
「あの、どうぞ休憩を取られてください。キングズレー団長のおっしゃるとおり、ちょうど休憩の時間だったのです」
グレンダの声で、ようやくウィリアムはその存在を思い出した。ひとつ咳払いをしてから紹介する。
「レオニー、こちらはマッコーデル公爵家のグレンダだ。第三騎士団に所属している。私が分からないことがあると、いつも助けてくれているんだ」
「レオノアです。いつも主人がお世話になっております」
ドレスのスカートを広げ、優雅な仕草で礼をしてみせる。一方、グレンダが応じたのは騎士としての礼だった。
「とんでもないことでございます。こちらこそ、この度は第三の事情にキングズレー団長を巻き込んでしまい、大変申し訳ございません」
跪くグレンダに慌てる様子も見せず立つように言うと、レオノアははにかみながら手に持っていた籠から小さな包みを取り出した。
「よかったらこれを召し上がって。あまり上手に出来なかったけれど……」
「ありがたく、頂戴いたします」
「これ、なに?甘い匂いがする……」
「お菓子を焼いてみたの。だから、ウィルにも食べてもらいたくて」
ウィリアムは眉を寄せた。レオノアが焼いた菓子を、同性とはいえ他人に渡すとは。
「あー、何か分かりましたよ、団長の考えてること。相変わらずの心の狭さですね。さあ、とりあえず第一に移動しましょうか。ね?」
オスカーが扉を開いて待っている。グレンダの手から包みを取り戻したい気持ちを抑え、レオノアの肩を抱いて部屋から出た。扉が閉まる瞬間、視線を感じて振り返る。そこには、何かに耐えるような表情のグレンダが一人、立ち尽くしていた。
「いえ。お気持ちはよく理解できます」
エドワードの言葉に短く返す。王が退席したのちの、審議の間でのことだ。
「第三騎士団のことも。本来ならば、フィルに受け持たせたいところだったが」
「承知しております。セルブールの状況を見れば当然のこと。どうぞお気になさらずに」
山手の都市であるセルブールで、大規模な災害が起こったことは記憶に新しい。長雨により広範囲で山が崩れ、町が土に飲まれたのだ。死者は出なかったが怪我人が多く、王都の治癒師は皆被災地に向かっていた。護衛を兼ねてそれに同行していたのが、第三騎士団の団長であるフラナガンと、副団長のハリソンだ。まさかその戻りで馬車ごと崖から落ちるとは、誰も予想していなかった。
「セルブールを思えば、二人が治癒師による治療を拒むのも分かるがな」
「はい。もし私が彼らでも、同じことを言うでしょう」
元帥であるシルヴェスターの言葉にウィルソン将軍が応じる。第二騎士団団長のフィリップは今朝、王族としての立場で被災地に赴いていた。
リングオーサでは大規模な自然災害が発生した場合、その地の領主が復興の方針を全面的に決定する権限を持つ。それは、緊急度の高い救助や援助を、最も効率よく配分することができるという判断からだ。救助および支援・復興に関する費用は領主からだけではなく国庫からも支出し、要請により王国軍から人を出すことになっている。今回、セルブールを治めるロウゼン侯爵は、人手は領内で充足しているとして資金援助のみを求めてきた。
領民が復興に携われば日当を出し、必要な資材も領内で賄う。その原資を国庫から支出することに何ら問題はない。だが、国からの援助を受けて、それが領内で正しく使われるかどうかの検証は必要だ。特に今回は人的資源の要請がなかっただけに、被害状況を直接確認し、国からの援助内容が適正か否かを見極める役目をフィリップは担っていた。
「ロウゼン侯爵は領地運営も手堅い。できるだけ国の支援を受けずに自力で復興したいとの思いでしょう」
「ああ。ただ、国民が被災した以上、被災者が正しく支援を受けられるよう統制を効かせることが肝要だ。その点、軍人の目を持ち権限のあるフィリップ殿下なら、国としての慰問を兼ねて人的資源の投入有無を確認することができる。まさに余人に代えがたい役目をしていただいているということだ」
シルヴェスターの言を聞き、ウィリアムは内心ため息をつく思いだった。
王国軍は領土と国民、騎士団は王都と王族を主に守護する役割をもつ。唯一の例外は第一騎士団で、遊軍として戦略的な自由を与られていた。ともあれ軍にせよ団にせよ、武で国と国民を守る使命を帯びていることに違いはない。武力を磨き鍛えるのは日々の業務だ。しかし、リングオーサが他国侵略を是としていないこともあり、その武力を思うさま実践的に発揮できる場面は意外と少ない。王国軍と騎士団が隔年で大規模な演習を行うことになったきっかけは、地道な鍛錬の繰り返しだけで意欲が低下することを避け、また自らの実力を客観的に判定できる機会を与えるためだった。
ちょうど今年は騎士団が演習を行う年になっている。実質、各団の実力争いの様相を呈しており、第三を除く四騎士団が、純粋な剣技と体術だけで競う貴重な機会だった。団員同士でも演習を控え、既にさや当てが行われるほどの力の入りようだ。特に今年は第五騎士団が勢いづいているという。
「第二騎士団のフィリップ殿下は被災地を見舞い、第四騎士団のギャロウェイは二月前に団長に就任したばかり。そして第五騎士団のマッコーデルは……」
ちらり、とシルヴェスターがこちらを見た。
「まず無理だろう。無論、勅命とあれば従うだろうが、あれだけの魔力嫌いに子ども嫌いでは、とても第三の面倒は見られまい。……ということだ。第一騎士団長」
どこか面白がっているように見えるのは、ウィリアムの気のせいではないはずだ。
「それにしても、なぜブライアンはああまで頑なに魔力を否定するのでしょう。事実、第三騎士団のグレンダは弱いながらも風を使えるようですし、マッコーデル家で魔力持ちが全く存在しないとは考えられないのですが」
「ああ、ウィルソンは知らなかったか。マッコーデル公爵夫人が亡くなった原因が、アロファで子どもが暴走させた魔力に巻き込まれたことにあるからだ」
「そのような痛ましいことが……!」
「アロファは昔から保養地として名高いところだが、今と違ってあまりタチの良くない歓楽街が栄えていた。そこにたむろしていた連中が、子どもを使い保養客から金を巻き上げようとしていたところを、スザンヌ夫人が助けようとして、ということらしい」
「そうですか……。全く知りませんでした」
「ウィルソンはちょうどその頃は留学していたのではなかったか。……それをきっかけに子どもを食い物にする連中を摘発し、国内の治安は一気に良くなったのだが……犠牲は大きかった。亡くなってもう十八……いや、二十年近いのではないかな。早いものだ」
スザンヌというのはブライアンとグレンダの母親のことだ。当主のリチャードは妻を失って以来、要職を全て辞し領地運営だけを行ってきた。それを歯がゆく思っているブライアンは、血筋にかかわらず実力があれば高い地位につけることを躊躇わないカールに対して鬱屈した思いを抱いているようだ。リチャードの後任として国務大臣の職に就いたのが、先代に爵位を得たばかりのドレイク男爵だったことも悪かったのかもしれない。
まだ話は長引きそうだ。ウィリアムは立ち上がり、エドワードに一礼した。
「失礼ながら、仕事に戻ってもよろしいでしょうか」
「いいだろう。私からも頼む。良く励んでくれ」
軽く頷きながら許可したエドワードアだったが、ウィリアムが一礼し立ち去ろうとしたところで、やや躊躇いのにじむ声で引き止めた。
「父の言っていたことだが、レオノアが望んだら、でいいのだ。短い期間でも……。ウィリアム、お前が兼務で忙しい間、妹が寂しくないように」
「…………妻に確認をしてみましょう。ただし、お約束はいたしかねます」
あからさまにホッとした顔で「もちろんだとも」と答えるエドワードに、チクチクと嫉妬が胸を刺す。互いに兄と妹、夫と妻という立場を揺るがすつもりは微塵もない。だが、熾火のように燻っている思いを簡単に受容できるほど、ウィリアムの心は広くなかった。
二人が結婚してから早三か月。意外なことにレオノアはまだ一度も王城に顔を出していない。時折フィリップがガルバートスクエアを訪れているようだが、多忙を極める王と王妃、そして王太子とは、婚儀以来会っていないことになる。審議の間を退出する王がウィリアムに向かい懇願したのは、二、三日でも城に滞在するようレオノアを説得してくれということだった。
「…………元帥閣下」
「うむ、どうした」
ウィリアムはあることに気付き、敢えて人前で問いかけてみる。
「フラナガン団長とハリソン副団長の事故の報は、いつ王都に届いたのでしょうか」
「昨日の昼前だな。それがどうした」
やはりそうか。では、昨日の段階でウィリアムに第三騎士団長を兼務させることは決まっていたのだ。それにより、ウィリアムが猛烈に忙しくなり、レオノアと過ごす時間が減るどころか、自宅に戻ることすら難しくなることまで予想していただろう。知っていながら一言も明かさず、知らぬふりで過ごしていた。
「…………いえ。失礼いたします」
常日頃から王と直接会話しているシルヴェスターだ。ましてや婚儀以来、用もないのに呼び出され、レオノアの様子を尋ねられるとぼやいていた。今日ここで会えば、レオノアを一度城へ戻すよう言われることも分かっていたに違いない。このクソ親父め。ウィリアムは心の中で毒づきながら頭を下げた。
「ベイカーはどうだ。実力としては十分だと思うが」
「もうしばらく待ったほうがいいかと」
「その根拠は何だ」
「力が安定しておりません。キングズレー団長が来られてからは一定の力を発揮できているようですが、しばらく前までは全くだめでした。むしろウォルターズの方が」
「そうなのか?」
「はい。何といっても真面目で、剣術の腕もめきめき上がっています。先日いただいたキングズレー団長からの檄でやる気も出ているようですし」
「それはいいことだ。だが、どちらにせよ十六になってからだな」
「……やはり、最低でも十六歳に達していなければ、叙任を願い出ることは叶わないのでしょうか」
第三騎士団長に与えられた執務室で、ウィリアムはグレンダ・マッコーデルと向かい合って座っていた。
ウィリアムが第三騎士団長の職を兼務するようになって一週間が経った。不安げに見上げてくるグレンダを見ながら、この部屋に初めて足を踏み入れた時の衝撃を思い出す。魔窟。瘴気を発しているのではと疑いたくなるほどの散らかりぶりに、普段は冷静なウィリアムが思わず絶句した。
『まっ、誠に申し訳ございません!フラナガン団長とハリソン副団長のお二人とも、整理整頓が少し苦手で……」
少し?これが?
自覚なく潔癖で片付け魔のウィリアムからすると、部屋の空気を吸うことすら耐えられないほどの乱雑さだ。事実、扉を開けたことで起こった空気の流れに乗って、フヨフヨと綿埃が宙を舞っている。思わず手で鼻から口までを覆った。
『必要な書類はどうやって見つけているのだ』
『は、はい。お二人とも、どの辺りに何が置いてあるのかを把握されているようで、指示していただいて探すようにして』
『指示?探すだと?ではお前がここから必要なものを引っ張り出しているのか、本人ではなく』
『も、もうしわけございませんっ!』
もはやお前呼ばわりされていることにも気づかず、グレンダは勢いよく頭を下げた。
ウィリアムが真っ先に行ったのは、治療中の第三騎士団長あてに手紙を書くことだった。そこには自分が団長を兼務することになったことと、必要な書類を確認するために執務室の整理をすることの許可を求める言葉がしたためてあった。返事はたちまち届く。第三の執務室をどのように変えていただいても結構と書かれていた。冗談のように「ついでに大掃除をしていただけるとありがたい」とも。
笑えない冗談を本気にする勢いで、ウィリアムは部屋の片づけに着手する。結局、昼は第一の仕事に併せ第三で見習い騎士の指導を行い、それが終わった後に片付けをすることになった。
第三は騎士の育成を受け持つ団だとはいえ、あからさまに第一の団員を引き入れることはできない。ウィリアムがこの機に乗じて幅を利かせようとしていると思われるのは面倒だし、ただでさえ演習を控えて皆が忙しい時期なのだ。結局、毎晩ウィリアム、オスカー、グレンダの三人がかりで取り組み、ようやくここまで片付けることができたのだった。
「今更なんだ。分かっていたことだろう。叙任を受けることができる年齢は最低でも十六歳だと」
「はい。分かっております……」
「言え」
「はっ?」
「なぜ早く叙任させたいのだ。話してみろ」
「…………ウォルターズに母はいません。父親は病気がちで、仕事にもなかなか……。騎士団で過ごしたあと、ウォルターズは家計を支えるために毎晩働いています。だから、一日も早く騎士になれたらと」
「訓練の時に、母親から落ち着きがないと言われる、と言っていたのは……」
「去年亡くなった母親からの言葉でしょう。口では色々言っていましたが、ウォルターズが叙任されることを楽しみにしていました」
俯くグレンダを見る。両手は膝の上でぎゅっと握られていた。
「間違えるな」
「……え?」
「騎士の役割は何だ」
「……王都と、王族を守護することです」
「そうだ。そこを見誤ると本質を見失う。今のウォルターズに、王都と王族を守ることができるのか」
「……っ!」
「気の毒だのかわいそうだの、安い感情に振り回されるな」
「………………もうしわけ、」
「お前は知らないのか。王国軍の士官学校に通う者に向けた奨学金があるだろう。第三は実質、学生として学んでいる立場だ。申請できないはずはない」
「そっ……!え?そうなのですか?」
「ああ。ここに来る前に担当者へ確認しておいた。必要書類はここに書いてある。騎士として叙任され、一定期間勤め上げれば返済は免除される。だから安心して奨学金を受け、鍛錬に集中するようウォルターズに伝えるんだな」
「あっ、ありがとうございます……!本当に、本当に何とお礼を申し上げればよいか……!」
瞳を潤ませ、頬を紅潮させてウィリアムを見つめてくる。母を亡くし、日々の生活に苦労するウォルターズを自分と重ねていたのだろうか。
フラナガン団長の顔を思い起こした。初老の、どこか人を喰ったような態度の憎めない御仁だ。あれで魔力はなかなかのもので、将軍からの信も厚い。心の隙間にするりと入り込む上手さは、ウィリアムも数度盃を交わす中で気づいていた。
第三には、両親が揃っていないものや、困窮の中でやりくりしながら鍛錬するものなど、訳ありの見習い団員が何人もいる。フラナガンの、あの飄々とした態度が、憐れまれるのを嫌う見習いたちを信頼させ、まとめあげているのかもしれない。このグレンダのように。
グレンダ・マッコーデル。公爵家の令嬢でありながら騎士として第三騎士団に所属し、自分の母の死の原因を作った、平民の魔力持ちを導いている。……生まれからは想像もつかないことを必死でやっているのは、レオノアと同じだ。ふとそう思い、どこか優しい気持ちになった。
「…………!キングズレー団長、その……」
「どうした」
「はっ、あ、あの、そのようなお顔を拝見するのが初めてで……」
「顔?」
「は、い。優しく、微笑んでおられました」
思わず目を逸らした。
どんなときでも、ひょっこりと現れるレオノアの姿。たとえ側に居なくても、ウィリアムの身体中をレオノアへの思いが満たしている。
「…………まいったな」
頭をかきながら照れたように言うと、グレンダもつられたように微笑んだ。時計を見ればもう三時だ。一度休憩しようと言いかけた時、扉が予告なく開かれた。
「あーいたいた!やっぱりここでしたか。演習場かどっちか迷ったんですよね」
「何だ。何かあったのか」
「何かじゃありませんよ~。もうね、仕事が忙しすぎてお疲れの団長に、ビックリするようなプレゼント持ってきましたから。ほら、ジャーン!」
あ、でも、と小さく抵抗しながら前に出たのは、柔らかそうな青いドレスを纏ったレオノアだった。
「レオニー!」
慌てて立ち上がる。このところ、眠る姿しか目にしていなかった。キスして抱きしめるひと時を毎晩ほんの数時間だけ過ごして、また仕事に戻る。そんな日々を送っていて、目を開けたレオノアを見るのが久しぶりだということに今更気づく。
「どうしたの?何かあった?」
「お仕事の邪魔しちゃってごめんなさい。いつも忙しいみたいだから心配になって」
「邪魔だなんて!ありがとう。本当に嬉しいよ」
大股で近づき、たちまち両腕で抱きしめた。額と両頬に口づけ、また抱きしめて今度はつむじにもキスをした。
「ああ、夢みたいだ……」
「夢だなんて。大げさだわ」
「本当だよ。レオニーが居てくれると、何でもやれそうな気がしてくる」
ふふっ。嬉しそうに笑うレオノアの唇へ口づけようとしたとき、オスカーが大声で叫んだ。
「だーっ!ちょっと団長やめてくださいよこんなところで!やる気を出すのはいいですが、サカるのはナシですっ!」
「あっ、ごめんなさい!」
「レオニーが謝ることはないよ。そうだ。第一の執務室に行こう。ちょうど休憩しようと思っていたんだ」
「でも………」
「あの、どうぞ休憩を取られてください。キングズレー団長のおっしゃるとおり、ちょうど休憩の時間だったのです」
グレンダの声で、ようやくウィリアムはその存在を思い出した。ひとつ咳払いをしてから紹介する。
「レオニー、こちらはマッコーデル公爵家のグレンダだ。第三騎士団に所属している。私が分からないことがあると、いつも助けてくれているんだ」
「レオノアです。いつも主人がお世話になっております」
ドレスのスカートを広げ、優雅な仕草で礼をしてみせる。一方、グレンダが応じたのは騎士としての礼だった。
「とんでもないことでございます。こちらこそ、この度は第三の事情にキングズレー団長を巻き込んでしまい、大変申し訳ございません」
跪くグレンダに慌てる様子も見せず立つように言うと、レオノアははにかみながら手に持っていた籠から小さな包みを取り出した。
「よかったらこれを召し上がって。あまり上手に出来なかったけれど……」
「ありがたく、頂戴いたします」
「これ、なに?甘い匂いがする……」
「お菓子を焼いてみたの。だから、ウィルにも食べてもらいたくて」
ウィリアムは眉を寄せた。レオノアが焼いた菓子を、同性とはいえ他人に渡すとは。
「あー、何か分かりましたよ、団長の考えてること。相変わらずの心の狭さですね。さあ、とりあえず第一に移動しましょうか。ね?」
オスカーが扉を開いて待っている。グレンダの手から包みを取り戻したい気持ちを抑え、レオノアの肩を抱いて部屋から出た。扉が閉まる瞬間、視線を感じて振り返る。そこには、何かに耐えるような表情のグレンダが一人、立ち尽くしていた。
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