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19. 光の王女①

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姫さまの様子がおかしい。

「……と、おおよそこのような流れで進むことになるかと。……姫さま?」
「分かったわ。ありがとうエミリー」

レオノアは薄いピンク色のシンプルなドレスを身に着け、見事な黄金の髪をサイドだけまとめている。小づくりな顔は血色に乏しく透き通るようで、このまま人形だと偽れば信じる者が続出しそうな、見たこともないような儚げな愛らしさ。ここにエドワードが居たなら、間違いなく自分の腕の中に収めて離さないだろう。

「姫さま、お身体の方は」
「平気よ。何でもないの」
「ですが、お顔の色が優れませんし、今朝は食事もほとんど残されたと聞いています。やはり一度医師に見ていただいたほうが」
「熱はないし、食欲だって。晩餐会で食べすぎちゃったから。ただそれだけよ」

エミリーはそれ以上言っても無駄だと悟って口を噤んだ。
昨夜は晩餐会での婚約宣言が余程嬉しかったらしく、部屋に戻ったあともずっとその話をしていた。はしゃいでウィリアムの話ばかりするレオノアは、愛し、愛される喜びで内側から輝いていた。それが、贈り物の花束を取りに行った後から明らかに様子がおかしくなっている。

やはり私がお側を離れるべきではなかった。

何度めかの後悔が胸を過る。
実家から両親が来ていたため、レオノアの言葉に甘えたのがいけなかった。同行した護衛騎士からレオノアの具合が悪いと連絡がきた時の驚き。慌てて部屋に向かうと、レオノアは青白い顔で静かに座っていた。

つい先ほどまで頬を上気させ、ウィリアムのことを嬉し気に話していたあのレオノアと同一人物かと疑いたくなるほどの変わりようだ。緑の瞳は暗く、わずかに顎を引いて俯く姿には生気がない。医師を呼ぶというエミリーにレオノアは言った。はしゃぎすぎて疲れただけなの。眠ったらよくなるわと。

皮膚の上を違和感が走る。何かがおかしい。少なくとも眠りについた姿を確認しなければ自室には戻れない。
前室でしばらく待機するというエミリーに、今度はレオノアが強く言った。

「エミリー。ご両親との時間を奪いたくないの。今だって……。側にいてくれるほうが、私の負担になるわ。だからお願い。部屋に戻ってちょうだい」

主人から負担になるとまで言われれば、それを押して残ることもできない。後ろ髪を引かれる思いで寝支度を整え、寝台に横たわるレオノアを確認してから音を立てないようそっと廊下に出る。護衛騎士のレイからは、離れた場所から護衛したことと、バルコニーから戻らないレオノアに近寄ったところ、あまりの顔色の悪さに驚き不敬を承知で抱き上げ、連れ戻ったことを聞いている。

「目は、放さなかったんでしょう?」
「一瞬たりとも。不審な者と接触することも無かった。……やはり、どこかお身体の調子でも」
「そういう訳ではなさそうなんだけれど……」

珍しく歯切れの悪いエミリーの中に悔いを見つけたのだろう。レイも眉を下げながら言った。

「自分を責めるなよ。責めを負うのは俺の方だ」
「……いえ。距離を開けていたとはいえ、何かあればすぐに助けられる場所に居たんだもの。レイの責任ではないわ」

王族といえど、親しい知人や友人との交流の場まで護衛をピタリと侍らすことはない。会話の聞こえない距離からの護衛ということもままあるのだ。

「明日まで様子を見て、それでもお元気になられなければ医師を手配するわ」
「ああ、それがいい」

そして今朝。レオノアは一回り身体が小さくなったように見えるほど明らかに憔悴していた。泣きはらしたような目。急いで布を用意し、温水と冷水に浸し交互に目に当てる。余計なことを言わず黙って手当てをするエミリーに、上向いたレオノアは幾度が唇を震わせた。

何がその心を悩ませているのか。一番考えられるのはウィリアムの存在だが、レオノア以上にウィリアムの恋情はあからさまだ。心変わりなどありようもない。忙しく頭を働かせるも原因がわからずエミリーは途方に暮れた。

「エミリー」
「はい、姫さま」
「…………エド兄さまがギルニアから戻られるのはいつか、知ってる?」

その問いに内心驚きながら、それを顔に出すことなくエミリーは答える。

「確か……4日後だったと思いますわ」
「そう……」

目を泣きはらし、食欲もなく。乞われたのは晩餐会の前に口にした閨の作法を教わること。
それを静かに全くの動揺もなく聞いた後、問われたのが王太子の帰還の日。

どういうことなのかしら。たしかに仲のよいご兄妹だけれど、ウィリアム様のことではなくエドワード殿下のことを気になさるのはなぜ?

考えても答えは得られない。悪いことに、再度昨夜のことを確認するため勤務を終えたレイを探したところ、離島に住む実家の母が梯子から落ちて腰骨を折ったとの連絡を受け、既に城を出ていたことが分かった。

レイからは以前、若くして亡くなった父の代わりに母親が一人で自分を育ててくれたと聞いたことがある。早く一人前になって親孝行すると母に言えば、自分のことは自分でできる、年寄扱いするなと叱り飛ばされたと言っていた。その母親の大けがだ。当分城へは戻らないだろう。

母一人子一人で助け合って過ごしてきたのだ。十分に看護してほしい。だが、エミリーは自分のできることの少なさに歯噛みする思いだった。こんなことなら昨夜のうちに、レイに頼んで護衛したルートを教えてもらうのだった。そこを辿れば何かしら分かったかもしれないのに。

「…………エミリー」
「……姫さま、やはり医師を」
「エミリーは前言ってくれたわね。私が本当に望むことなら叶えてくれるって」

静かにレオノアは言った。そのひどく大人びた視線にエミリーはまた驚く。昨日までのレオノアは少女だった。それが今日は――一人の女性として、気迫すらたたえてそこに居る。何かを決意したようなその姿に、エミリーは思わず頭を伏せた。

「はい。何なりとお申し付けください。私にできることであれば全力をもってご希望を叶えさせていただきます」











「レオノアが?」
「……はい。こちらに」

手渡された手紙に目を落とす。そこには確かに優美なレオノアの筆跡があった。一読して顔を上げ、礼をしたまま面を伏せる侍女に確認する。

「…………本当にこれを、レオノアが?」
「……はい。姫さまからはくれぐれも、人目につかぬようおいでくださいと」

そこには、ウィリアムと一緒に夜を過ごしたい、エミリーに手引きさせるからひそかに部屋へ来てほしいと書いてあった。

不審さに眉を顰めるウィリアムが「顔を上げろ」と短く言えば、侍女はゆっくりと姿勢を正した。

「なぜレオノアが突然こんな手紙を寄こすのだ。大体、意味を分かってのこの手紙か」

ほんの2日前まで男女の交わりのことすら知らなかったのだ。それをいきなり夜を共にしたいなどと。

「姫さまのお望みで、私が閨についてご説明いたしました。……今は全てご存じです」
「顔を見なければ何とも言えんが……まあいい。部屋には行こう」
「……ありがとうございます。おいでになる時間を教えていただけましたら、部屋の前の護衛を何とかいたしますので」
「…………」

悲壮ともいえる様子で告げる侍女に、ウィリアムは片目をわずかに眇めた。

「……何があった」
「…………」
「…………まあいい。直接レオノアに訊く。遅い時間になるが、必ず行くと伝えてくれ」
「…………承知いたしました。お待ちしております」

一礼し、音もたてずに出て行く姿を黙って見送るウィリアムにオスカーが言った。

「…………どうしちゃったんですかねー王女殿下。閨事を知ったからってすぐ団長に捧げるような感じじゃなかったのに」

第一騎士団の団長に与えられた執務室を、レオノア付きの侍女であるエミリーが訪ねてきたのはつい先ほどだ。ウィリアムは仕事の前に、昨夜のレオノアの素晴らしさ、可愛らしさと1日も早く婚姻の日を迎えたい旨を情熱的に綴った手紙を贈っている。その返礼かと思ったものの、これまでレオノアの手紙をエミリーが持参したことは一度もない。まずそれに不審を抱き、内容はさらにそれを上回るものだった。
何があったのだろうか。知らず眉根が寄るウィリアムにオスカーが恐れをなしたような目を向けた。

「こわっ!団長コワいからその顔やめて!お願い!!」
「……何も視えないのか」
「やー、だから王女殿下のことは視えないんですって。言ってるじゃないですか前から」

オスカーは強い先視の能力を持っている。非常に稀なこの能力を、気まぐれな男は気が向いた時にしか使おうとはしなかった。無理に従わせようとすると、本人の避けようのない不吉なことしか口にしなくなる。

いくつもの領主がオスカーを求め、その挙句家庭はおろか領地内の関係までズタズタにされて放り出す。それを繰り返し、流れ着いたのが将軍であるウィルソンのところだ。ウィルソンに渡りをつけたとある商人は、本当は王族に売り込みたかったらしい。どれほど稀で希少な能力だろうが、それが王家を害する可能性がある以上、はいそうですかと頷く訳もない。

一時預かりのような形で受け入れたところ、当初ブラブラしていたオスカーが突然やる気を出したように訴えた。シュールズビーに行きましょう!すごいのが居ますよ!禁魔術を習得した16歳ってスゴくないですか?第一騎士団に入れちゃいましょうよ!と。

一人だけ理解し興奮し叫ぶ。全く意味が分からないウィルソンは、苦労しながら話を聞きだした。名前は分からないが顔は分かる。自分も説得するから連れていけというオスカーをなだめて、いくつかの段取りを経た後学長であるサー・ダマレルに面会を求めた。

16歳で黒髪の長髪、非常に優秀な生徒をと説明すれば、すぐに誰のことか分かった顔になる。ウィリアム・マグナス・キングズレー。元帥を父に持ち、通常22歳で卒業するこの学校での学問を15歳の時点で全て修め、規則で卒業が可能となる16歳まで自主的な勉強をして過ごしたという。

元帥の配下であれば王国軍だ。一瞬迷ったものの、将軍としての付き合いで元帥の人となりを知るウィルソンは、引き抜きのような形で騎士団に入れても問題はなかろうと判断し、本人を呼び出してもらった。

サー・ダマレルの寿命を縮める形ではあったが、無事に入団を決意させることができた。屋敷に戻ったウィルソンが妙な疲れを感じながらも安堵していれば、オスカーが荷物をさっさとまとめてドアをノックする。
何事かと聞けば、自分も騎士団に入るという。また一人興奮して叫ぶオスカーを部屋に招じ入れ詳しく話を聞く。ウィリアムに仕える自分の姿が見えたから一緒に宿舎に入るというオスカーに、さらに疲れがひどくなるのを感じつつ告げた。

いくら才があろうとも相手は16歳。まずは身体を作り叙任されてからの騎士である。そのウィリアムにどういう名目でお前が仕えるのかと。平然とオスカーは答えた。第二は側仕えが一緒に宿舎に入ったり、そもそも宿舎にすら入らず通いだったりしますよね。どうして第一はそれが許されないんですか。

思わず黙り込んだ。実力主義の第一に比べ、貴族子弟で主に構成される第二騎士団は確かに高位貴族としての体面を保ち日常の世話をするため、側仕えの存在を黙認している。それを持ち出されるとは予想もしていなかった。

ついにウィルソンは、本人の許可さえあれば側仕えとして宿舎に入ることを許した。それすら予想していたような顔のオスカーは、ただちに宿舎へ向かうと言い張りウィルソンの疲れを倍増させる。翌日早々の宿舎入りに何とか自室へ戻ることを納得させたウィルソンは、ようやく嵐が去った心地で考えた。ウィリアム・マグナス・キングズレー。あの黒髪に象徴される膨大な魔力量。ひどく大人びた――そう、まるで私よりも年長であるかのようなあの雰囲気。一見して扱いの難しさが見て取れる。オスカーに説得できるだろうか。

果たして、ウィリアムはあっさりとオスカーを認めた。給金を払うことは当面できないがそれでもいいか。ウィリアムが言ったのはそれだけだった。

先視の能力で得た使いきれないほどの財を持つオスカーに否やのあろうはずもない。童顔だが実はウィリアムより8歳年上のオスカーと、最年少での入団に恐るべき能力でたちまち階級を上げていくウィリアム。この奇妙な主従はやがて第一騎士団の名物となる。オスカーの先視の能力ちからは伏せられたまま。

全てが分かるわけではないにせよ、オスカーの力を以てすれば隠し事をする意味はない。エミリーが人払いを求めたとき、ウィリアムは不要だと答え今に至る。

「いやー、何でですかね。ほんと王女殿下のことって分からないです。色んな線が混じってるというか……。断片的に見えることもあるんですけど。何だろう……鉄と……白。白い建物。ん?これ洋服?なんか白っぽい服着てるみたい。それと……ああダメだー。消えちゃいました。やっぱダメですーすみません!」
「……いや、いいんだ。悪かった」
「ひょぉっ!どうしちゃったんですが団長!僕付き合い長いですけどそんなこと言われたの初めてです。初めてですよね?うわーどうしよう。何だか心臓バクバクしました」
「…………」
「あー!またいつもみたいなこと考えましたね?バクバクして困る心臓ならえぐってやろうかとか思ったでしょ!もーほんと止めてくださいよこわいから!」

散々好き勝手叫んだ後、ほんの少し改まった態度でオスカーは聞いた。

「王女殿下が絡むと見えないんで聞くんですけど。今夜……どうするんですか?」
「…………レオノアと話してみる。全てはそれからだ」

何を意図しての申し出か、まずはそれを確かめなくては。どこか沈んだ様子でウィリアムは答えた。


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