日本史

第八章 近代

鹿鳴館時代の貴族の衣服

鹿鳴館時代の貴族の衣服

鹿鳴館時代（1883年から1890年ごろ）は、日本の明治時代に西洋化が進み、特に上流階級の人々が西洋の社交文化を取り入れた時代です。この時代の貴族の衣服については、男性も女性も西洋風の服装を着るようになりました。

男性の衣服
燕尾服（フロックコート）：正式な場では燕尾服が一般的でした。黒のジャケットに白のシャツ、ベスト、黒のズボン、白の手袋が基本スタイルです。
モーニングコート：昼間の正式な場ではモーニングコートが着用されました。これも黒のジャケットにグレーのズボン、ベスト、タイを合わせました。
シルクハット：正式な装いにはシルクハットが欠かせませんでした。
女性の衣服
イブニングドレス：夜の正式な場では、女性は豪華なイブニングドレスを着用しました。袖が長い、もしくは袖なしのドレスで、背中が開いていることも多く、スカートが長いのが特徴です。
コルセット：当時のドレスの下にはコルセットが必要で、これによりウエストを細く見せることが求められました。
バッスルドレス：腰の後ろ部分にパッドやフレームを入れて膨らませる「バッスル」というスタイルが流行しました。
帽子と手袋：女性の正式な装いには帽子と手袋が必須でした。帽子は大きく華やかで、手袋は長いものが好まれました。
アクセサリー
ジュエリー：貴族女性は豪華なジュエリーを身につけました。特にパールやダイヤモンドのネックレスやイヤリングが好まれました。
扇子：女性は美しい扇子を持つことが多く、社交の場で使用しました。
社交の場での服装規定
鹿鳴館の舞踏会や晩餐会では、上記のような西洋風の衣装が規定されていました。これらの規定は、日本の上流階級における西洋化を象徴するものでした。日本の伝統的な和服も重要な文化の一部でしたが、この時代の社交の場では西洋風の衣装が主流となっていました。

まとめ
鹿鳴館時代の貴族の衣服は、西洋のファッションを取り入れたものであり、男性は燕尾服やモーニングコート、女性はイブニングドレスやバッスルドレスを着用しました。これらの服装は、日本の近代化と西洋化を象徴するものであり、当時の上流階級の生活様式を反映しています。