日本史

第八章 近代

正岡子規（まさおか しき）

正岡子規（まさおか しき）
正岡子規（まさおか しき、1867年 - 1902年）は、明治時代の俳人、歌人、国語学研究家。俳句革新運動の指導者として知られ、近代俳句の父と称される人物です。

生涯

正岡子規は1867年、伊予国温泉郡藤原新町（現在の松山市花園町）に生まれました。幼名は処之助、のち升と改めました。父は松山藩士の正岡常規、母は八重。

子規は幼い頃から病弱でしたが、読書好きで、特に和歌や俳句に親しんでいました。1881年、上京して東京大学に入学しますが、病のため中退を余儀なくされます。その後、ジャーナリストや教師として働いた後、1892年に日本新聞社に入社し、記者として活動を始めます。

新聞記者として働きながら、子規は俳句の創作 and 研究に励みました。当時流行していた「新体詩」の影響を受け、俳句に写生を取り入れることを主張しました。また、従来の俳句の季語の制限を撤廃し、口語表現を用いるなど、俳句の革新を訴えました。

子規の活動により、俳句は新しい時代を迎え、多くの才能ある俳人が誕生しました。代表的な弟子としては、小林一茶、高浜虚子、山口誓子などがいます。

子規は1897年に結核を患い、松山に戻って療養生活を送ります。療養生活の間も、俳句の創作 and 研究を続け、多くの作品を残しました。また、歌や随筆なども執筆し、多方面で活躍しました。

1902年、35歳で生涯を閉じました。

作品

子規の作品は、俳句、歌、随筆など多岐にわたります。

俳句

子規の俳句は、写生に基づいた写実的な描写と、簡潔で力強い表現が特徴です。また、口語表現を積極的に取り入れ、親しみやすい俳句を創作しました。

代表的な句集には、「竹の里歌」、「獺祭書屋句稿」、「病牀吟」などがあります。

歌

子規の歌は、和歌の伝統的な形式を踏まえながらも、写生に基づいた写実的な描写と、簡潔で力強い表現が特徴です。

代表的な歌集には、「呼子と口笛」、「病牀歌」などがあります。

随筆

子規の随筆は、俳句や歌に関する評論だけでなく、自身の体験や旅の記録など、様々な内容を扱っています。

代表的な随筆集には、「病牀雑記」、「筆まかせ」、「浮世の夢」などがあります。

影響

子規は、俳句革新運動の指導者として、近代俳句の発展に大きく貢献しました。また、歌や随筆などでも優れた作品を残し、明治時代の文学に大きな足跡を残しました。

子規の作品は、現在もなお多くの人々に愛されており、その影響力は世界中に広まっています。

子規についてもっと詳しく知りたい場合は、以下の資料や書籍を参考にしてください。

正岡子規記念館（松山市）
正岡子規研究会
正岡子規全集（岩波書店）
子規の作品

竹の里歌
獺祭書屋句稿
病牀吟
呼子と口笛
病牀歌
病牀雑記
筆まかせ
浮世の夢
子規に関する書籍

『正岡子規』（尾崎秀樹著、岩波新書）
『正岡子規入門』（中村草田男著、角川書店）
『正岡子規の俳句』（加藤僖一著、講談社）
子規は、明治時代の文学を代表する人物であり、その作品は今もなお多くの人々に愛されています。