へたれゲーマーだということを証明します

「どんだけーってかんじ」

「どんだけーってかんじ」

「はぁ、やっぱり今日もダメだった...」みるくはパソコンの前でため息をついた。画面にはゲーム『メゼ4』のエンドコンテンツ、緊迫したボス戦が映し出されている。みるくは熱心なゲーマーだったが、自分の腕前に自信が持てない。だからこそ、最近は配信しながら練習することにしていた。視聴者からのアドバイスや励ましの言葉が、彼女のモチベーションを支えている。

「今日は誰かフレンドになってくれるかなぁ...」そうつぶやきながら、彼女はオンライン掲示板に「メゼ好きなフレ募集～」という投稿をした。

メゼ4はみるくが大好きなゲームで、特にその難易度の高いエンドコンテンツには心惹かれていた。しかし、その道のりは決して簡単ではない。攻略にはスキルやタイミング、そして仲間との連携が重要だ。最近復帰したばかりのみるくにとって、まだそのすべてがつかめていない。

「もう少し、まも（守護）とか上手くなれればなぁ...」彼女は思った。守護役は敵の攻撃を防ぎ、仲間を守る大切なポジションだが、それをこなすのは至難の業。視聴者からのアドバイスをもとに、何度も挑戦しているが、思うようにいかない日が続いていた。

そんな中、掲示板に「一緒に練習しましょう！」という返信が届いた。ハンドルネームは「カケル」。みるくはその名前を見て、ちょっと胸が高鳴った。今まで練習相手になってくれる人を探していた彼女にとって、カケルの申し出は希望の光だった。

「よろしくお願いします！」みるくは急いで返信し、二人でメゼ4のボス戦に挑むことに決めた。

配信を始めると、すぐに視聴者たちが集まり始めた。「今日は誰かと組むんだね！」「がんばれー！」というコメントが流れ、みるくの気持ちが少し軽くなった。彼女はカケルとパーティを組み、準備を整えた。

「いくぞー、どんだけーってかんじ！」とみるくは声を上げ、ボス戦がスタートした。敵の攻撃は激しく、みるくはまも役として必死に防御を続けた。カケルも素早く動き、敵にダメージを与える。

最初はぎこちなかった連携も、次第にスムーズになっていった。カケルの冷静な指示がみるくのプレイをサポートし、二人はボスのHPを順調に削っていく。視聴者たちも「すごい！」「いい感じ！」とコメントし、応援してくれた。

「もう少し、もう少しで倒せる！」みるくは心の中で叫びながら、最後の防御に全力を注いだ。そして、ついにボスが倒れると、彼女は思わずガッツポーズをした。

「やったー！ありがとう、カケル！」みるくは感謝の言葉を口にした。カケルも「こちらこそ、楽しかったよ！」と返し、二人は笑顔でゲームのチャット画面を眺めた。

配信のコメント欄も「ナイス！」「おめでとう！」と盛り上がっていた。みるくは画面越しに視聴者に向かって、「みんなもありがとう！これからも頑張るね！」と元気よく答えた。

その日以来、みるくとカケルはフレンドとして一緒に練習することが増えた。彼女は次第に守護役にも自信を持てるようになり、視聴者たちからも「上達してるね！」と応援されるようになった。

「どんだけーってかんじで、これからもやるぞ！」みるくは笑いながら、次の配信の準備を始めた。