へたれゲーマーだということを証明します

あー、疲れた

あー、疲れた

朝から一日が始まると、訪問看護師の鈴木さんがやってきた。彼女は、私が必要なケアを提供してくれる、心強い存在だ。今日は血圧を測り、薬を確認し、さっと簡単な体操を教えてくれた。彼女が去った後、私はお昼までのわずかな自由時間を利用して、のんびりと過ごすことに決めた。

お昼過ぎ、ヘルパーの山田さんがやってきた。彼女は元気な笑顔で、掃除と整理整頓を手伝ってくれた。重い掃除機を持っての作業は、どうしても私には負担が大きい。山田さんが「こちらも気になるところがあったら、気軽に言ってくださいね」と声をかけてくれる度に、私は感謝の気持ちでいっぱいになる。

「お疲れ様でした」と言って山田さんが帰ると、私はほっと一息ついた。こうして無事に日常を過ごせるのは、彼女たちのおかげだ。しかし、その安堵も束の間、次に待っていたのは自分の気持ちとの格闘だった。

「ゲームでもしようかな」と思い立った私は、リビングのソファに腰を下ろし、コントローラーを手に取った。ディスレクシアが進行している最近では、ゲームのクエストを進めることさえ一苦労だった。画面に表示される攻略情報を目にしても、その意味を理解するのが難しくなっている。

「どうしよう…」

ゲームのクエストガイドを何度も確認しながら、指示通りに進めようとするが、地図を読み間違えたり、目的地を間違えたりすることが続く。何度もゲーム内で迷子になり、敵キャラクターに捕まってしまうのが繰り返される。画面を見つめながらため息をつく自分がいる。

「なんだかな～」

ただのゲームのはずが、気持ちを疲れさせてしまう。それでも、ゲームを続けることで一種の安心感を得られることもあるのだ。ここでは何も考えずに、ただ楽しむことだけが求められているからだ。

小説を読むのは相変わらず難しい。長い文章を読むと、集中力が続かず、ページをめくるたびに文字がごちゃごちゃしてくる。読書の時間は苦痛に感じられ、それがまた私の気持ちを落ち込ませる原因にもなっていた。しかし、ゲームはまた違った形で私を引きつける。自分が操作するキャラクターと共に冒険することで、現実の問題を一時的に忘れることができるからだ。

「それにしても…」

ゲームをしながら、ふと考える。もしかすると、新しいことに挑戦する勇気が欠けているのかもしれない。ゲームの中でさえ、うまくいかない時がある。もしも自分がもっと積極的に挑戦していたら、もっと違った結果が得られるのかもしれない。しかし、挑戦することがどうしても怖くて、結局いつも安全圏の中に留まってしまう。

それでも、ゲームをやりたいと思える時は、私がまだ元気を持っている証拠なのかもしれない。少しずつでも、心が前向きであろうとしているのだろう。自分の障害と向き合いながらも、楽しみを見つけることができるのは、小さな幸せかもしれない。

「今日も、できることを少しずつ」

私はコントローラーを握り直し、再び画面に向かう。たとえうまくいかなくても、少しずつ前進する自分を感じながら、ひとときの安らぎを求めてゲームを続けることに決めた。そうすることで、少しでも心が軽くなるような気がするから。